No.630421

九番目の熾天使・外伝~マーセナリーズ・クリード~

okakaさん

すみません。今回ネタバレの予定でしたがまた次回以降に持ち越します。

2013-10-22 16:50:28 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:518   閲覧ユーザー数:485

第4話

 

―――――『こちらC1、一階にて対象を確保、繰り返す、対象を確保』

 

ありえない通信に耳を疑う、なぜなら――

 

「こちらD1、こちらも対象を確保した。二階の隠し部屋だ、少し衰弱しているが問題はない」

「!?・・・どういうことだ!?対象が二人いるとでも言うのか!」

 

無線越しにフォード中尉が驚き、怒鳴り散らす。自分にだって理解できない。しかし、答えはすぐに出た。それも意外な所から。

 

「変身魔法だ・・・」

 

声を上げたのはこちら側のタイラー氏だ。タイラーはさらに続ける。

 

「管理局の魔導士だ、奴らは自由に姿と声を変えるんだ。私に化けているに違いない。」

 

そういえば先程まで一度も魔導士に遭遇していない。目的のタイラー氏がここにいる以上全員が出撃したとは考え難い。おそらく当たりだろう。しかし・・・

 

「あんたが偽物ってこともあるんじゃないのか?」

 

D6がタイラーに疑いの視線を向ける。しかし、岡島が即座に否定した。

 

「いや、こっちが本物だ。間違いない」

「なんでわかんだよ」

「・・・俺の・・・」

 

D3が反論する。岡島は一瞬だけ迷ったが、説明を始めたその時、再び通信機からC1の声が聞こえてきた。

 

「D1、そいつは偽物だ。拘束してその場にでも転がしておけ」            

「了解、少し時間がかかる、一分後に合流“するぞ”」

「了解、交信終了」

 

岡島が通信を切るとすぐにタイラー以外の全員が口を開いた。

 

「「「あっちが偽物だな」」」

「ああ、間違いないだろ?」

 

部下達全員が納得すると岡島は分隊内容の通信機で外のD2達と通信を始めた。

そんな中状況が見えないタイラーが口を開いた。

 

「・・・あの・・・話が見えないのですが・・・」

「ああ、わりいわりいw」

 

D3が軽く謝ると説明する

 

「あのC1ってやつな、異様にプライドが高いんだよ。作戦中でも関係なくな、そんな奴がタメ口きいても普通に返事しやがった。後はわかるな?」

「ああ、はいなんとなく・・・」

「でも隊長、あんたはなんで解ったんだ?」

 

タイラーと話をしてる間に通信を終えた岡島にD3が質問する。

 

「・・・俺には五感以外にももう一つ感覚があるんだ」

「感覚?」

「俺は“鷹の目”って呼んでる。この感覚で俺は、一瞬で敵、味方、護衛対象、優先される標的などを判別可能なんだ。ほかにも追跡や、常人には見えない仕掛けを見破ることも可能だ。さっきこの部屋を見つけたろ?それも鷹の目で探ったんだ」

「何それずるくね?チートじゃん」

「そう言うな俺の一族はみんな使えたらしい。それより今後についてだ。D5、D6お前たちはタイラー氏を連れてこのままランデブーポイントへ迎え。」

「「了解」」

 

二人は返事と共にタイラーを連れ出て行った。そして岡島はD3に向き直る。

 

「D3」

「なんだよ」

「これからあいつら足止めに行くから、ちょっと地獄に付き合ってくれ」

「はぁ!?何言ってんだよ!死にに行く気か!?」

 

当然全力で拒否された。

 

「いや、手はある」

「マジかよ・・・」

 

これ以上は時間の無駄なので手っ取り早く切り札をだした。

 

「後で絶対店では食えない中華を食わせてやるから」

「OK、まかせろ」

 

グルメ通なD3、わずか0.1秒で買収された。――――――――

 

 

―――――――――――――――――一分後―――――――――――――――

 

岡島はD3と二人で指定された部屋へ足を踏み入れた。そこにはCチームと思しき死体と偽タイラー、そしてC1がいた。C1が話しかける。

 

「来たか・・・他の隊員は?」

 

岡島は一歩前に出て答える。

 

「やられた。そちらは?」

「そうか・・・こちらは私一人だ。全員やられた」

 

近に転がっているCチームと思しき死体を見ながら沈痛な面持ちを見せるC1。岡島は鷹の目で素早く周囲を探る。待ち伏せの気配は無い。しかし、こいつはC1ではない。手をさりげなく後ろに回し素早くハンドサインでD3に状況を知らせる。ヘリの音が近づいてくる。回収時間が近いようだ。

「そうか・・・で、彼が?」

「ああそうだ。彼が本当のタイラー氏だ。彼をヘリに運ぶ、援護を頼む」

「・・・どうも」

 

そう言って偽タイラーが会釈する。しかし、それに対し二人は首を横に振った。そして岡島が言葉を発する。

「ああ、それは無理だ。なぜなら――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――貴様らはここで死ぬからだ。管理局の魔導士」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

すみません、思ったより長かったので一回切ります。ネタバレは次回もしくは次次回になりそうです。あと、龍神丸さんのおかげ(?)で追加設定されたナノマシンですが基本的に鉄のラインバレル(原作版)に出てくるものと同じです。つまりマキナの無いファクターということでお願いします。


 
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