No.629775

九番目の熾天使・外伝~マーセナリーズ・クリード~

okakaさん

とりあえず書きあがったので投稿します。戦闘は次回からの予定です

2013-10-20 12:42:22 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:514   閲覧ユーザー数:476

第2話

 

―――ブリーフィングから5日後の深夜―――

 

4機のヘリが山岳地帯を這うような高度で飛行している、そのシルエットはステルス性の向上のために特殊加工が施されていた。今回の強襲作戦のために開発されたというスペシャルモデルだそうだ。中に兵士を満載したそのヘリ群は、敵に気づかれないように慎重に、かつ、速やかに山岳地帯を抜けてゆく。

 

(この世界に来てから何度もヘリに乗ったけどパイロットの腕は今回が一番だな)

 

窓の外を眺めながら岡島はそう思う。おそらく今回の作戦のために編成されたスペシャルチームなのだろう。

 

『それでは今回の確保目標について説明する』

 

司令官からの通信だ、全員が自分のヘッドアップディスプレイに注目する。同時に一人の人物が映し出された。

 

『今回の目標はこの人物、名前はアルファード・タイラー、次元世界を旅するカメラマンだ。今回のミッションは彼を無傷で確保することになる。』

 

司令官はさらに続ける。

 

『彼は自前の次元航行船で世界を周り、写真と共にその世界の実情を管理世界を中心とした世界に紹介しているそうだ。しかし、今回の旅でどうやら彼は時空管理局の暗部に触れてしまったらしい。その証拠データを持って逃亡中にこの世界の親管理局側に拘束されてしまった。そのデータは管理局にとっては非常に不利に働くものであるそうだ。今回我々は彼を確保しそのデータを回収、世界に公開することで管理局の実態を暴く。』

 

「その暗部って0部隊のことですか?」

 

唐突に岡島が口を開いた。

 

『っ!、どこで知った?』

 

当たりのようだ。

 

「俺も昔遭遇したんですよ、奴らと」

 

以外な答えに司令官を含め全員が息を呑む。

 

『詳しく聞きたいがまもなく無線封鎖区域だ、帰還後に詳しく聞かせてもらう。作戦内容に変更はないタイラー氏を必ず連れて帰れ。以上、更新終了(アウト)』

 

通信が途切れ機内が静寂に包まれる。バックアップ要因を乗せたヘリと予備機の2機が編隊から離脱していく。唐突に誰かが口を開いた。

 

「隊長、何ですか?0部隊って」

 

岡島が顔をむけると以前ブリーフィングルームで岡島と話した部下だった。

 

「聞きたいか?D(デルタ2)」

 

D2とコールサインで呼ばれた部下は答えた。

 

「交戦の可能性があるなら、是非」

 

岡島は少しの間黙考すると口を開いた。

 

「0部隊ってのはあくまで便宜上の名前だ。実際には名前なんて無い、書類上にも存在しない、そもそも部隊なのかも解らん連中だ」

「そらまた随分アバウトな情報ですね」

「情報ゼロっていう皮肉も混じってんだろ」

「なるほど、でも確かに存在はする、と」

「だからこそこんなことになってるんだよなぁ・・・」

 

岡島がため息混じりに愚痴ると他の部下からも質問された。

 

「そんなに情報がないのになんで認知されてるんすか?」

「いい質問だD4」

 

岡島が答える。

 

「最初はあくまで噂だったんだ。管理局内には誰も知らない汚れ仕事専門の部署があるらしい、くらいのな」

 

もっとも、今も大して変わらんがな。そう言って岡島は軽く肩をすくめた。そしていきなり真剣な目つきになると続きを話し始めた。

 

「だがここ最近管理外世界でのテロやロストロギア関係の事件に管理局が介入してくるケースが増えた。それも事件直後に、だ。そしてその後、その事件が収束すると事件の起きた世界に“管理世界にならないか”と持ちかけるそうだ。そしてその世界も管理局傘下になる。ならない場合はまた似たような手口のテロや事件が頻発するんだそうだ」

「あからさま過ぎるくらいですね・・・」

 

D2が率直な感想を述べると岡島も全くだと返した。隊員達が呆れて黙り込むといきなり横から嘲笑が聞こえた。

 

「ふん、所詮世界を管理などといって支配領域を拡充してるだけではないか。体の良い世界征服というわけか」

「聞いてたのかフォード中尉」

 

岡島が顔を向けると既にフェイスマスクをつけたフォード中尉が腕組みをしてこちらを見ていた。

 

「中尉殿、だ特務中尉それと作戦中だぞ、コールサインで呼べ」

 

相変わらずの態度にムッとしたがそこは華麗にスルーして中尉の話しの続きを聞く。

 

「そもそも、世界の一部でしかない人間が一つの世界を完全に管理しようということですらおこがましいのにさらに他の世界まで欲しがるような強欲な奴らなど断じて許せん!この世界は我々が守らねばならんのだ!」

 

その言葉に岡島はフォードが自分と似た考えの持ち主であると知って少し驚いた。と同時に少し羨ましく思った。自分にはない守るものが彼にはある。それが少しだけ羨ましかった。

 

(まぁ、欲の皮突っ張ってるのはあいつらと一緒だけどな)

「何か言ったか特務中尉?」

 

どうやら彼も上官に似て目ざといようだ。

 

「いえ?別に?それよりコールサインで呼ぶんじゃないんですかC(チャーリー)1?」

「ふん、まあいいもうすぐ降下ポイントだ、準備をしておけD1」

「了解」

 

そう言うと岡島は自分の隊に降下準備を指示した。

 

           ――――5分後――――

 

 

目標から少し離れた位置へ、ヘリからファストロープで降下した岡島達は突入ポイントへと進み出した。突入は10分後、陽動チームが別の地点への攻撃を開始してからきっちり3分後に行われる予定だった。

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

第二話目になります次回から戦闘の予定です・・・うまく書けるかな・・・

 

 

 


 
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