No.628662

九番目の熾天使・外伝 ~改~

竜神丸さん

旅団メンバーのCVについてですが…



クライシス:中田譲治

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2013-10-16 12:14:05 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1816   閲覧ユーザー数:1281

OTAKU旅団アジト楽園(エデン)、一階の温水プール広場…

 

「は~い、到着~♪」

 

「…はぁ」

 

広場を歩いていたのは、朱音、Blaz、竜神丸、イーリスの四人だった。竜神丸のテレポート能力により、どの一行よりも一足先に到着したのである。

 

「自分が乗る機体くらい、自分で乗って移動させて下さいよ全く…」

 

「あら、良いじゃない一回くらい。別にデメリットもある訳じゃないんだし」

 

「いやだから…………いえ、もう良いです」

 

どうやらここへ来る前に、朱音の機体も一緒にテレポートさせたようだ。朱音がう~んと背伸びしている中、竜神丸は溜め息をつきながらもタブレットを操作して研究データを纏め続けており、それにBlazが覗き込む。

 

「うっへぇ……おいおい竜神丸、まだウイルスの研究を続けてんのか?」

 

「当たり前です。この私がそんな簡単に飽きると思わないで下さい。ただでさえ今日中に纏めておきたいデータがあったというのに、朱音さんが来るもんだから…」

 

「でもサボろうとしてたわよね?」

 

「あ~あ~聞~こえ~ませ~ん」

 

竜神丸は聞こえないフリをしながらもタブレットを操作し、無数にあるTウイルスの研究データを順番に纏め上げていく。

 

「まぁ良いわ、早く団長さんの下まで向かいましょ」

 

「ほいほ~い」

 

「博士、行きましょう」

 

「分かってますよ、やれやれ…」

 

朱音が先頭を歩き、その後ろからBlaz、竜神丸、イーリスの三人が続く。

 

そこへ…

 

「良いところに来てくれた」

 

「「「「!」」」」

 

朱音達の前に、左目に眼帯を付けた黒髪の男が現れる。

 

「あら、二百式さんじゃない♪」

 

「どうも、朱音さん」

 

二百式は朱音にペコリと頭を下げてから、Blazと竜神丸の二人に振り向く。

 

「久しぶりだな、お前達。会うのは何ヶ月ぶりだ?」

 

「さぁ? 正確な月日なんて、覚えてませんよ」

 

「まぁね。今回で会うのが凄い久しぶりなのは確かだろうけどさ」

 

「…相変わらずの口ぶりだな。逆に安心した」

 

フッと笑ってから、二百式は真剣な目で四人を見据える。

 

「せっかくアジトまで来て貰ったところすまないが、これからある世界へ向かって欲しい」

 

「…まさか、いきなり仕事に向かえとでも言うつもりですか?」

 

「残念ながらその通りだ。何せ、もう例の“時期”だからな」

 

「「!」」

 

例の“時期”と聞いて、朱音と竜神丸はピンと来たようだ。

 

「…なるほど、もうそんな“時期”ですか」

 

「私もすっかり忘れてたわね」

 

「?」

 

「何、どういう事?」

 

Blazとイーリスはイマイチ理解出来てないらしく、Blazが朱音に問いかける。

 

「説明なら私が後でしてあげるわ。今は任務を遂行するのが優先よ」

 

「はい。それで、目的地なんですが―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、他のメンバー達はというと…

 

 

 

 

「あ~…面倒な事になっちまった」

 

キリヤ―――もとい“ロキ”はリリィに留守番を頼んでミッドチルダから旅立ち、機体“紅改”に搭乗して次元空間の中を移動中だった。

 

ちなみに、移動しているのはロキだけではない。

 

『文句言ってもしょうがねぇよ。今はとっとと、アジトに向かうのが先決だ』

 

ロキと同じく、ミッドチルダに滞在していたmiriだ。彼は機体“ナイトイーグル”に搭乗し、ロキと共にアジトまで向かっているのである。二人は今、通信によって会話が成立している。

 

「そうは言ってもなぁ、朝起きて朝食を食べようと思っていたところにこれだぞ? せっかくの俺の休日も、手紙一枚で全てが台無しだ」

 

『言いたい事は分かるが耐えろ。俺なんかなぁ、ナンパ男共から助け出した女性から一体何を渡されたと思う? まさかの旅団からの手紙だぜ? しかもその女性まで、実は俺の知らない旅団関係者だったしよぉ…』

 

「何だそれぐらい、別に良いじゃねぇか」

 

『あのなぁ!! 人がカッコよく決めて助けたと思ったら、まさかの旅団関係者って!! めっちゃ恥ずかしい思いをしたんだぞこっちは!!』

 

(いやいや、そんな人に情報伝達任せて大丈夫なのかこの旅団…?)

 

『しかも、その女性からは普通に純粋な憧れの目で見られるし!! あんなにカッコつけた自分が本当に恨めしい!! 今すぐ過去を遡って数分前の自分をぶん殴りたいくらいだ!!』

 

「いちいち大声出さないでくれ、耳に響くから」

 

ロキは眠気を耐えつつ、紅改に積んでおいた食料から一つの袋を取り出してバリッと開け、中身をモグモグ食べ始める。

 

その時だ。

 

 

 

-Prrr♪-

 

 

 

「んむ?」

 

ロキの下に、miriからのとは違う別の通信が入る。

 

『少し見ないうちに随分怠けちまってんなぁ、ロキ』

 

「! 支配人か」

 

通信は支配人からだった。

 

『通信に出たって事は、そっちもアジトに向かってるみたいだな』

 

「眠気は全然消えてないがな。こっちはmiriも一緒だ」

 

『お、miriも一緒にいんのか。こっちは蒼崎と…』

 

『お~い、聞こえてるか~い兄貴~?』

 

「げ、その声は…!!」

 

聞き覚えのある声を聞いて、ロキは思わず表情を歪める。

 

「お前までいんのかよ……ルカ」

 

『ア~ニ~キ~? だいぶ前から全く連絡も寄越さないというのは、一体どういう事なのかなぁ~?』

 

「あ~あ~面倒臭ぇのに絡まれた…」

 

『妹達だって兄貴の顔を見たがってるんだよ? そこの所どうなのかなぁ~?』

 

「ぬぐ…!?」

 

痛いところを突かれ、ロキは言葉に詰まる。

 

『とにかく!! アジトに着いたらキッチリと説教させて貰うから、そのつもりでいなよ!!』

 

『…だそうです』

 

「はぁ…」

 

支配人達からの通信が切れた後、ロキはウンザリした様子で背凭れに頭を置く。

 

(向こう着いたら殴ろうか一発)

 

おまけに、サラリと危ない事まで考え始める始末。ルカの明日はどっちだろうか。

 

『お~いロキ~』

 

「何だようるさいな…」

 

『前方見ろ、凄ぇ事になってっから』

 

「は?」

 

miriに言われ、ロキは前方に目を向ける。

 

「…何だ?」

 

紅改とナイトイーグルの前方には、巨大な次元の裂け目が出現していた。裂け目からは怪しげな赤い空間が見える。

 

『ありゃ何なんだ? 今までにあんなのが出た事あったか?』

 

「おいおい、俺がそんなの知る訳…」

 

ロキは台詞が途切れる。

 

(いや、待てよ…? 赤い空間の裂け目って確か…)

 

ロキは少し考えてから、一つの結論に至る。

 

「う~わ~、もうそんな時期だったかぁ~」

 

『ロキ?』

 

「miri、今からあそこ突入すんぞ」

 

『ハァッ!? おいおい、いきなり何馬鹿な事を言いやがる!!』

 

ロキの突然の提案に、miriが猛烈に反対する。こんな怪しい空間に突入すると言い出したのだ、反発しても当然だろう。

 

「そうは言うがmiri、これはもう本格的に面倒な状況だぞ」

 

『…どういう事だ?』

 

「例の“時期”だ」

 

『!? 何だと…!?』

 

例の“時期”と聞いて、miriも驚きの声を上げる。

 

「急いで向かうぞ、面倒事はさっさと片付けるに限る…!!」

 

ロキの乗る紅改は高速で空間の裂け目へと突入し、ナイトイーグルもそれに続くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、俺達も早く向かわねぇとな」

 

ロキとmiriが突入する一方で、支配人達も海鳴市から移動を開始しようとしていた。

 

「うぅ…俺の可愛い妻達よぉ~…」

 

「おめぇはいい加減諦めろっつぅの!! たく…」

 

「ハハハハ……とにかく向かいましょう。兄貴に一発、説教かまさないと気が済みませんし」

 

すっかりその気でいるルカだったが、この時点で既にロキによって一発殴られるフラグが立っているとは気付く由も無いだろう。

 

「えぇい、とにかくさっさと向かうぞ!! ほら立てっての!!」

 

「うぅ~…」

 

未だに拗ねている蒼崎を支配人が無理やり引っ張ろうとしたその時…

 

 

 

 

 

-ズズゥン…-

 

 

 

 

 

「「「!?」」」

 

突如、地響きが発生した。三人はすかさず警戒態勢に入る。

 

「何だ?」

 

「今のは……地震?」

 

「…地震じゃないっぽいよ」

 

「「へ?」」

 

「ほら、あれ」

 

蒼崎の指差した方向…………海鳴公園の真上に、赤い空間の裂け目が出現してしまっていた。

 

「空間が裂けてる!? けど何で…」

 

「あぁ~……旅団メンバーの招集ってそういう事かぁ…」

 

「面倒臭いったらありゃしないな、本当に」

 

「え……どういう事ですか?」

 

支配人は嫌そうな態度を取り、蒼崎はペットボトルのお茶を飲みながら呑気に告げる。二人共、空間の裂け目に関して心当たりがあるようだ。

 

「急いで公園まで向かうぞ。そろそろあの“時期”だ」

 

「そ~れ急げっと!!」

 

「え、ちょ、支配人さん!? 蒼崎さん!?」

 

事情を理解出来ていないルカを置いてけぼりにし、支配人と蒼崎は速いスピードで海鳴公園まで飛んで行ってしまう。ルカも慌てて、二人の後を追いかける事にしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ…」

 

「グゥゥゥゥゥゥォォォォォォォォ…」

 

「シャァァァ…」

 

「ケタケタケタケタ…」

 

海鳴公園では、複数の異形が出現していた。真っ黒なゾンビのような姿をした個体もいれば、全身骸骨でケタケタ不気味な笑い声を上げている個体、中には等身大サイズのゴーレムのような個体もいる。

 

その海鳴公園に結界が張られ、支配人と蒼崎、そしてルカが遅れて到着する。

 

「何ですか、あれ…!?」

 

初めて見るからか、ルカは目の前にいる複数の異形に顔を顰める。

 

「モンスターだよ。こことは違う空間からやって来た、な」

 

「!?」

 

支配人がルカに説明する。

 

「俺等の知ってる次元世界とは全く違う、別の空間からコイツ等のような怪物が流れ込んで来る事がたまにあってな。俺達は取り敢えず“モンスター”と呼ぶ事にしている」

 

「モンスター……なんか、そのまんまですね」

 

「それは言うな。命名したのは俺じゃない」

 

ゲフンと咳き込んでから、支配人が説明を続ける。

 

「いつからかは覚えてないが、こうして空間に裂け目が出来た際に、その空間からあのモンスター共が次元世界に出没するようになったんだ。最初は特に数も多くはなかったんだが、ほんの短い時期だけモンスターが大量発生し、次元世界のあちこちに出現する場合がある」

 

「あのモンスター達がどの空間からやって来た存在なのか、モンスター達の詳しい生態とかについては、俺達でも完全には分かり切ってはいない。分かっているのは、アイツ等が人類にとってかなり有害な存在だって事だ」

 

蒼崎も説明に加わる。

 

「だからこうして、モンスターが大量発生する時期では俺達がそれ等を退治して回っている…」

 

 

 

 

-ザシュゥッ!!-

 

 

 

 

「オォォ…」

 

「…という話なのさ」

 

説明中だった支配人の背後にいた一体のゴーレムが、支配人の持つ長剣によって斬り裂かれた。ゴーレムは真っ二つに分かれて倒れ、塵となって跡形も無く消滅する。

 

「そういう訳だ。ルカ、お前にも協力して貰うぞ」

 

「ッ…答えるまでもありません!!」

 

「フッ……あぁそうかよ!!!」

 

その会話を皮切りに、戦闘が開始。モンスター達は一斉に、三人に向かって襲い掛かって来た。

 

 

 

 

 

 

「シャァァァァァッ!!」

 

「うぉっと危ねぇ……シュベル!!」

 

≪All right≫

 

ワーキャットの振るった爪を、蒼崎は身体を後ろに倒して回避。その勢いを利用してそのまま一回転してから着地し、デバイスを起動してバリアジャケットを展開する。

 

「そぉい!!」

 

「ガ、グガァァァァァァッ!?」

 

ゴブリンが振り下ろして来た棍棒を蒼崎はキャッチして無理やり奪い取り、素手になったゴブリンを回し蹴りで大きく蹴り飛ばす。

 

「さぁて、楽しもうかヒャッホォォォォォォォォォォウ!!!」

 

そのまま奪った棍棒を長剣へと変化させてから、蒼崎は更に両足に身体強化魔法を施して猛スピードで突っ走り、モンスター達をすれ違い様に斬り裂いていく。

 

 

 

 

 

 

 

「グルァッ!!」

 

「はいはい、慌てなさんなって…!!」

 

殴りかかって来たグールを蹴り飛ばし、支配人は左手に持っていた一本のベルト“オーガドライバー”を腰に装着し、携帯端末オーガフォンを取り出す。

 

「やれやれ、またこいつを使う羽目になるとはな…」

 

≪0≫

 

≪0≫

 

≪0≫

 

≪Standing by≫

 

『0』の数字を三回押し、その次にENTERキーを押す。

 

「変身」

 

≪Complete≫

 

オーガフォンがベルトにセットされ、支配人は“Ω”の意匠を持つ帝王のような姿をした黒い仮面戦士“仮面ライダーオーガ”への変身を遂げる。

 

「さて…」

 

≪Ready≫

 

オーガはオーガフォンのミッションメモリーを短剣“オーガストランザー”に差し込み、長剣モードへと変化させる。

 

「さぁ、覚悟しな……雑魚共がぁっ!!!」

 

オーガは長剣オーガストランザーを振るい、襲い掛かって来るモンスター達を迎え撃つ。

 

 

 

 

 

 

 

「ガルルルルルッ!!!」

 

「…!!」

 

キマイラの突進をルカは横っ飛びで回避し、二丁拳銃でキマイラを狙撃。他のモンスター達にも同じように銃撃を浴びせてから、ルカとオーガが背中合わせになる。

 

「ッ…支配人さん!! 一気に蹴散らす方法は無いんですか!!」

 

「ちょい待てよっと……おし、お前等少しだけ時間を稼げ!! 大技ぶつけて纏めて潰す!!」

 

「!! 了解!!」

 

「何かよく知らんけども…!!」

 

オーガの提案を聞き入れたルカと蒼崎は、自分達の下へ注意が向くようにモンスター達を上手く引き寄せる。

 

「でりゃあっ!! うし、後は…」

 

首無し騎士の鎧を斬り裂いてから、オーガはベルトのオーガフォンを開いてENTERキーを押す。

 

≪Exceed Charge≫

 

音声と共に、オーガストランザーから黄金に輝く巨大な伸縮自在の刃が出現。魔物達から少し離れた場所で、オーガはそれを大きく振り上げる。

 

「二人共、伏せろぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」

 

「「え、ぬぉわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!??」」

 

ルカと蒼崎がその場に伏せると同時に、オーガは必殺技“オーガストラッシュ”を発動。オーガストランザーを真横に振るい、複数いたモンスター達を公園の遊具ごと纏めて斬り裂いた。モンスター達はもちろん、斬り裂かれた公園の遊具なども全て灰となって消滅してしまった。

 

「…ふぃ~」

 

 

 

 

 

「「ふぃ~…じゃなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいっ!!!」」

 

「どぇいっ!?」

 

一息ついたオーガをルカと蒼崎が同時に蹴り飛ばし、吹っ飛ばされたオーガはベルトが外れて変身解除してしまい、支配人の姿に戻る。

 

「うぉいコラ!? いきなり蹴る事は無ぇだろうがよ!!」

 

「そっちがいきなり過ぎて、こっちが逆にビックリしましたよ!! やるならやるで早く言って下さいよ!!」

 

「俺とお前での共闘自体、そうそう無いって事を忘れたかよ!? 思わず心臓が飛び出るかと思ったわ!!」

 

三人はギャアギャアと、しょうもない大喧嘩を始めてしまった。

 

そんな中、張っていた結界が消えると同時に、上空に出現していた空間の裂け目はゆっくりと閉じて消滅してしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び場所は代わり、某次元世界。

 

その森林では…

 

 

 

 

 

 

「うぉぉぉぉぉぉい!? 何じゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

「ちょ、こっちに来るな!? 俺が狙われるだろう!!」

 

たまたまヴァルハイムに滞在していたげんぶと、別世界から転移してやって来たokakaもまた、複数いるモンスター達と戦闘中だった。しかし、現れたのはグール達だけではない。

 

 

 

 

 

「ギャォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!」

 

 

 

 

 

実はドラゴンも出現していたのだ。

 

四速歩行で翼の生えた紅色の魔竜“ティアマット”は大きく咆哮を上げ、前足を振り上げて二人を押し潰そうと振り下ろして来た。

 

「おわぁっ!?」

 

「この……エクシアッ!!」

 

ティアマットの振るう前足を前転して回避してから、げんぶは電撃と共に複数の装甲を身に纏い、ロボットのような姿に変身する。

 

「エクシア、目標を駆逐する!!」

 

機動戦士“ガンダムエクシア”となったげんぶは空中に舞い上がり、GNバルカンで射撃しながらティアマットを撹乱し始める。

 

「グルァァァァッ!!!」

 

「チィ…!!」

 

ティアマットは口から強力な火炎放射を繰り出してエクシアを丸焼きにしようとするが、エクシアは素早く回避してからティアマットへ接近し…

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

-ズバァァァァァンッ!!-

 

「グギャオォッ!!?」

 

ティアマットの左目を、GNソードで一閃して見せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゾロゾロ来やがったか」

 

その一方で、okakaはグール達に囲まれた状態で構えていた。その腰には、支配人が使っていたのと酷似したベルト“ファイズドライバー”が巻かれていた。

 

「死体共が、あの世に送り返してやるよ…!!」

 

≪5≫

 

≪5≫

 

≪5≫

 

≪Standing by≫

 

okakaはファイズフォンを取り出し、『5』の数字を三回押してからENTERキーを押す。

 

「変身!!」

 

≪Complete≫

 

最後にファイズフォンがベルトに装着され、okakaは赤い閃光と共に“Φ”を模した仮面戦士“仮面ライダーファイズ”へと変身する。

 

「うし…!」

 

右手首を軽くスナップしてから、グール達に向かって悠々と歩いていく。そんなファイズに対し、一体のグールが腕を振るって襲い掛かるが…

 

「しゃあっ!!」

 

「グル…!?」

 

ファイズが先にハイキックをかまし、グールを思い切り蹴り飛ばす。他のグール達も次々と続く形で襲って来たが、ファイズは迫って来るグールを一体一体確実に殴り倒して行き、更には回し蹴りでグールを大木へと叩き付ける。

 

≪Ready≫

 

また一体のグールを蹴り飛ばしてから、ファイズはファイズフォンのミッションメモリーを引き抜いてからカメラ型の装置“ファイズショット”に差し込み、そして右手に装備した。

 

≪Exceed Charge≫

 

「たぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

ファイズフォンのENTERキーを押す事で必殺技“グランインパクト”が発動、ファイズは一体のグールを殴り飛ばす。殴り飛ばされたグールは他のグール達にぶつかり、大爆発を引き起こす。

 

「さて、次は…」

 

ファイズショットをベルトに仕舞った後、ファイズは左手に取り付けられている腕時計状の装置“ファイズアクセル”からアクセルメモリーを引き抜き、それをミッションメモリーの代わりにファイズフォンへ差し込む。

 

≪Complete≫

 

音声が鳴った後、ファイズの上半身の装甲が開いて両肩に装着され、ファイズのボディが全体的に黒色になり、複眼は赤色になる。

 

これがファイズの強化形態“アクセルフォーム”である。

 

≪Start Up≫

 

ファイズアクセルのスイッチが押され、カウントがスタートする。ファイズは姿勢を低くしたままゆっくりと構え…

 

「ハッ!!」

 

「「「「「!?」」」」」

 

猛スピードで駆け出し、一瞬で姿が見えなくなる。ファイズを見失ったグール達は辺りをキョロキョロと見渡したその時、真上から複数の円錐状の赤い光が出現してグール達の動きを拘束し…

 

「だらっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

そしてファイズの跳び蹴り“アクセルクリムゾンスマッシュ”が炸裂。その場にいたグール達は次々とキックを叩き込まれ粉砕されていく。

 

≪3…2…1…≫

 

最後にファイズが地面に着地すると同時に…

 

≪Time out≫

 

時間切れとなり、それを知らせる音声が鳴る。

 

≪Reformation≫

 

「ふぅ」

 

最後に開いていた両肩の装甲が再び閉じ、ファイズは通常形態へと戻るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グゴァァァァァァァァァァァァァァッ!!!」

 

「ぬぉう!?」

 

エクシアの方も、ティアマットとの戦闘は激しくなっていた。ティアマットは左目を斬られた事でとうとう怒りが頂点に達したのか口から球状の火炎弾を連続で繰り出し、飛び回っているエクシアを撃ち落とそうとする。

 

「こいつ、結構しぶといな…!!」

 

「ゴギャァァァァァァッ!!」

 

ティアマットは意地でもエクシアに当てようと、あちこちに火炎弾を繰り出す。

 

その結果…

 

「んあ…アッチャァァァァァァァァァァァッ!!?」

 

一発の火炎弾がファイズに直撃し、尻に火が点いてのた打ち回る。

 

「okaka!?」

 

「ギャオンッ!!」

 

「何、ぐぁ!?」

 

okakaに気を取られたエクシアの隙を突いたティアマットが、再び火炎弾を連続で発射。その内の一発がエクシアの腕に被弾し、そのダメージでエクシアは危うくバランスを崩しそうになる。

 

「くぅ…!!」

 

「ゴワァァァァァァッ!!」

 

ティアマットは再び口の中に炎を溜め、エクシアに向けて繰り出そうとする。

 

その時…

 

 

 

-ズドドドドォン!!-

 

 

 

「ガァァァァァァァァァァッ!?」

 

「!?」

 

突如、別方向から無数の弾幕が発射され、ティアマットを襲った。しかも弾幕の一発がティアマットの口の中に入った事で、引火して大爆発を引き起こす。

 

「今のは…」

 

 

 

 

 

 

 

「苦戦してるみたいだな、げんぶ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「…!」

 

エクシアの隣に、一人の人物が飛来する。

 

「ガルム…!?」

 

「いよ、久しぶりだな」

 

現れたのはガルムだった。驚くエクシアに対し、ガルムは気楽に挨拶する。

 

「何をこんぐらいで苦戦してんだよ。ちょいと訛ってんじゃないの?」

 

「ガンダムになるのが久しぶりなだけだ……てか、そういうお前こそユニコーンはどうしたんだ」

 

「ユニコーンは……アジトに置きっぱなのをすっかり忘れてた」

 

「うぉい!?」

 

「まぁそれはとにかく、俺は別にユニコーンがなくとも戦えるさ。だから…」

 

-ドシュウッ!!-

 

「ガァァァァッ!?」

 

「こっちに加勢させて貰うぜ?」

 

「…分かったよ、好きにしろ」

 

急遽、エクシアとガルムによるタッグが組まれ、改めてティアマットと対峙する。

 

「グルルルルル…!!」

 

ティアマットは斬られた左目から血を流しつつ、残っている右目で二人を睨み付ける。

 

「さて、どっちが先に倒すか競争でもするかね」

 

「望むところだ」

 

「グガァァァァァァァァァァァァッ!!!」

 

ティアマットが翼を使って空に舞い、二人に向かって突撃する。二人もそれを迎え撃とうと、それぞれ武器を構えた次の瞬間―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-ドゴォォォォォンッ!!-

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グギャオォォォォォォォォッ!!?」

 

また違う方向から一発の砲撃が飛び、ティアマットに命中。それも真横からの砲撃である為、ティアマットはバランスを崩して真下に落下していく。

 

「「…へ?」」

 

しかし、攻撃したのはエクシアでもガルムでもない。

 

では一体誰が?

 

そう思ったその時だ。

 

『おんどりゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!!』

 

「「!?」」

 

「ゴギャオァァァァァッ!?」

 

何処からかナイトイーグルが高速で飛来し、地面に落ちたティアマットに銃弾の嵐を浴びせる。ティアマットが怯んだその時、ブレード型の装備“月光”を構えた紅改が一気に間合いを詰め…

 

 

 

 

『セイヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!』

 

 

 

 

-ズバシィィィィィィィィィィィィィィィィィンッ!!-

 

 

 

 

「グギャアォォォォォォォォォォンッ!!?」

 

ティアマットを一閃。

 

血飛沫が舞い、ティアマットはその場にズゥンと倒れ伏せる。

 

「グ、ガ……ガ…」

 

斬り伏せられたティアマットはしばらくの間ピクピク動いていたものの、次第にピクリとも動かなくなってしまった。

 

「「……」」

 

一部始終をポカンと口を開けた状態で見ていたエクシアとガルムだったが、すぐにハッとなって気付く。

 

「「―――美味しい所、持ってかれたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!??」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、地上でも…

 

「グルァッ!?」

 

「チィ、しつこいんだよ!!」

 

まだまだグールは残っているらしく、一体一体をビームサーベル状の武器“ファイズエッジ”で斬り倒しているファイズ。仮面の下で舌打ちし、ファイズはグールの集団に向かって行こうとしたが…

 

 

 

-ドゴォォォォォォンッ!!-

 

 

 

「「「「「ヴォォォォォッ!?」」」」」

 

「!?」

 

突如、真横から飛んで来たロケットランチャーの砲撃と獣のような赤黒い斬撃が、複数いたグール達を跡形も無く粉砕。

 

更に…

 

 

 

-シュピィィィィィィィン-

 

 

 

「消えなさい」

 

一人の人物が繰り出した一閃で、残っていたグールは全て真っ二つに一刀両断されて地面に倒れ、塵となって消滅してしまった。

 

「ふぅ♪ 間に合ったみたいね」

 

「朱音さん!?」

 

グール達を一刀両断した人物―――朱音は両手をパンパンと払ってからファイズにウインクする。

 

「おぉ、okakaもここにいたのか」

 

「どうも、okakaさん。お久しぶりです」

 

「あれ、Blaz!? それに……竜神丸まで!?」

 

大剣を背負ったBlazとロケットランチャーを装備した竜神丸も姿を現し、ファイズは驚きつつもベルトを外して変身解除、okakaの姿に戻る。

 

「何で朱音さん達が…」

 

「二百式から頼まれてな。ここまで加勢しに来たって訳だ」

 

「まぁ、ドラゴンの方は気付いたら終わっちゃってましたがね」

 

竜神丸の振り向いた方向では、紅改とナイトイーグルが地上へと降りて来ているところだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

旅団アジト楽園(エデン)

 

 

 

こちらでも、旅団メンバーは揃いつつあった。

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、着いたぞ」

 

楽園(エデン)……懐かしい場所に来ましたね」

 

まず、awsとディアーリーズの二人が到着。

 

「はい、到着!!」

 

「何時になくテンション高いなお前は…」

 

その次にFalSig、Unknownの二人も到着する。

 

「無事、やって来たようだな」

 

「あ、二百式さん」

 

到着したメンバーを迎えるべく、二百式がやって来た。

 

「やはり、全員変わっていないようだな」

 

「あのねぇ二百式、俺等がそんな簡単に変わると思うか?」

 

「そうですよ。少なくとも、僕はそんなアッサリ変わるつもりはありませんよ」

 

(…出来れば腹黒い部分は変わって欲しいがな)

 

FalSigとディアーリーズが抗議するが、awsは内心でディアーリーズの腹黒さが変わるよう切実に祈っていたりする。それが叶うかどうかまでは不明だが。

 

「ところでUnknown、そっちはどうだった?」

 

「あぁ、その事なんだが…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それは、私の事を聞いてるのでしょうか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!!」

 

二百式の前に、一人の人物が姿を見せる。それを見た二百式は目付きが鋭くなる。

 

「…デルタ」

 

「久しぶりですね、二百式さん」

 

 

 

 

 

 

デルタと二百式の二人が、再び相対するのだった。

 


 
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