No.621242 【獣機特警K-9ⅡG】裁かれしモノ【交流】2013-09-21 00:24:12 投稿 / 全4ページ 総閲覧数:1079 閲覧ユーザー数:951 |
「はぁ、はぁ…そ、そんなっ…!」
ある日の深夜、ドルフィン・ベイ市内…。
シマリス形ロボットの女と、同じくシマリス形ロボットの少年が追い詰められていた。
見る限りでは二人は母と息子のようである。
そんな母子に忍び寄るのは黒い修道服に身を包んだ女性だった。
「お、お願い…私はどうなってもいいから、この子だけは、この子だけは助けて…!!」
母親ロボットには、全身に切り裂かれたような傷があった。
左腕と右耳は完全に破壊され、中からは千切れた配線が火花を上げている。
子供も子供で、全身に切り傷のような跡。女はナイフを構えながら母子に詰め寄る。
「んー、どうしよっかなぁー?」
「ママ…ママぁ…」
「お願い!この子だけは…」
涙を流し懇願する母子、だが対峙する女は不気味に笑みを浮かべると次の瞬間、残酷な答えを口にした…。
「やーなこった。だってそのガキもロボットじゃん?ロボットは一人残らずぶち壊せって総統閣下が言ってたからよぉ?」
「そ、そんな!この子はまだ小学校にも上がってないのよ!?」
「あーはいはいご苦労さんご苦労さん。知ったこっちゃねーし!てゆーか…おめーらみてーなロボットが嫌いで嫌いで嫌いでムカつくんだよね?」
さらに詰め寄る修道服の女性は、一気にナイフを振り上げると、さらにその凶悪な笑みを見せつけながら一言呟く。
「んじゃそーゆーコトで…サ・ヨ・ナ・ラ☆」
そう言うとその女は、ナイフを斜めに振り下ろした。
「ウソ…よ…、な…ん…で……」
「ママ…、マ……マ……」
動力部を破壊されたロボットの母子は、その言葉を最期に二度と動くことはなかった…。
それを見た女は、動かなくなった二人の残骸を踏みつけ、高らかに笑う。
「アーーーッハッハッハッハッハッハ!!作りモンは作りモンだよなあ?必死で人間っぽく暮らしてるみてーだけど?所詮モノはモノだって!こうして壊しちまえばタダのガラクタだよなー?もしもーし?聴いてますかガラクタさーん!?アーッハッハッハッハッハッハ!!」
そう言って不気味な笑い声を月夜に響かせたかと思うと、彼女…シスター・クラレンスはそのまま夜の闇へと溶けるように去っていった…。
一方その頃。
「…そうか。クラレンスが2体破壊したか」
と、ブランデーをたしなむのはクリムゾンクロスのアーベル総統。
「それにしてもエルメ教が壊滅したのは実にもったいなかったな。奴らがもっと粘ってくれれば我らの目的も容易に達成できたというもの…」
と、呟きながらブランデーを一口飲むと、アーベルは再びモニターに目をやる。
「ククク…まあいい、奴らが遺してくれた戦力だ。十二分に活用してやろうではないか。そう、総ては人類の、紅き血の誇りのためにな…。ハハハハハハ!!」
翌日…ファンガルドプラネットポリス・ラミナ警察署。
「なんですって!?ドルフィンベイで殺人事件!?」
驚愕するクオンに、エルザ署長は話す。
「ああ。それもロボットだけを狙った殺人だ。被害者はシマリス形ロボットの母子。現場にはこんなものが残されていた…」
と、エルザが持ってきたのは、ドルフィンベイ警察署の職員が持ってきたというナイフのようなものであった。
「ナイフですね。それも特殊な処置を施された」
と、イシス。
「しッかし、このナイフ…どっかで見覚えありませんか隊長?」
と、ジョニーがクオンに訊ねる。
「ああ、間違いないよ。以前、エルメ教によるロボット殺人事件があったのは知ってるね?」
「女子会してたロボットの娘さんたちが連続して切り刻まれたって言うあの…まさか!!」
ふと、驚愕するジョニーに対し、クオンはさらに表情を険しくしながら続ける。
「そう、そのときに出くわしたエルメ教の構成員…シスター・クラレンスの持っていたものだよ。どうも行方をくらませていたと思ったら、クリムゾンクロスにいたとは…くそっ!」
と、勢いよく机を叩くクオン。K-9隊メンバーの表情がいっそう険しくなる。そして、その様子を見ていたエルザが言った。
「…とにかく、クリムゾンクロスに対してはフュア総監から特別手配が下されているわけだが、知ってのとおり奴らは過激な反ロボット団体だ。私も含めてロボットは狙われる可能性が極めて高い。各員くれぐれも注意して捜査に当たるように。以上」
「了解!」
…恐るべき手口で次々にロボット市民を葬り去るクリムゾンクロス。
果たしてK-9隊は彼らの狂気を止めることができるのであろうか!
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クリムゾンクロス編その3です。
悪役キャラに定評のあるAbstainさーん!見てますかー?
◆出演
クラレンス:http://www.tinami.com/view/611363
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