No.620815

【真・恋姫†無双】一刀お犬騒動5話

南無さんさん

こちらは真・恋姫†無双の二次創作になります。
前回、拝読、コメント、支援、お気に入り
してくださった皆様。ありがとうございます。
かなりgdgdな展開にになってますが
紫苑、桔梗が登場します。

続きを表示

2013-09-19 12:59:18 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:5810   閲覧ユーザー数:4877

「今日から(あるじ)の主人になろうと思いましてな」

 

 

 

 

星の言葉に場が静寂に包まれた。それもそうだろうな、謀反、下剋上とも取れる発言だ。

 

と言うか、俺お払い箱ですか?段ボール暮らしの捨て犬になれと言うんですか?

 

 

 

 

「……星。今の発言、本気か?」

 

 

「無論。私は本気だよ、愛紗」

 

 

「………そうか」

 

 

 

 

どうやら、本気みたいだ。俺、星を怒らせる様な事したかな?

 

…またもや、見当が付かないぞ。

 

 

 

 

「ちょっと!何してんのよ!!」

 

 

 

 

詠の声で思案から抜け出したら、いつの間にか愛紗が偃月刀を携えていた。

 

その身は今にも斬りかかりそうな怒気を纏い、星と対峙している。

 

 

 

 

「ご主人様!愛紗ちゃんを止めて!!お願い!!」

 

 

「はわわ!!」

 

 

「へぅ~!」

 

 

 

 

……あれを止めなきゃいけないのか。まるで、爆弾に手を突っ込む感じで、

 

嫌なんだけど…。でも、俺が止めない訳には行かないよな。

 

…えーい!南無三!!

 

 

俺は意を決すると全力で愛紗を止める為、背後から抱きついた。

 

 

 

 

「落ち着け!愛紗!!星だって何か考えがあって……」

 

 

「これが落ち着いてられますか!あろう事か、ご主人様の目の前で、

 

 謀反を宣言したのですよ!」

 

 

「謀反?」

 

 

「それでもだ。もしかしたら俺達の聞き間違いかも知れないじゃないか。

 

 とにかく、落ち着こう…な」

 

 

「お離しください…きゃっ!?…ど…どこを触っているのですか!!」

 

 

「いーや。愛紗が正気に戻ってくれるまで、絶対に離さないぞ!!」

 

 

「わ…わかりました。わかりましたから、っ!?…私の…~~っ!?

 

 胸をお触りになるのは、お止め下さいーーーーーっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっはっは。この私が謀反を企てるなど、例え天地が引っくり返ったとしても、

 

 有り得ませぬな。お仕えした時から、この身は主と桃香様に捧げております。

 

 故に私が謀反を行う理由などございませぬ」

 

 

「しかし、お前はご主人様の主人になると、言ったではないか!」

 

 

「ああ、確かに言ったが、すまない。私の言い方に問題があったな、

 

 訂正しよう。私は……主の飼い主になろうと思うてな」

 

 

「………は?」

 

 

 

 

俺は驚きのあまり、思わず声を発してしまった。飼い主って…星さん。

 

主人より酷くなってませんか?俺はペットでは……まさか、

 

紫苑と桔梗の三人で談合していた内容って……

 

 

トントントン

 

 

部屋にドアのノック音が響く。ヤバイ。嫌な予感しかしない。

 

出来る事なら、この部屋から脱兎の如く逃げ出したい。

 

 

 

 

「失礼致します。ご主人様。…あら、星ちゃん?もう警邏を終わらせてきたの?早いわね」

 

 

「失礼致しますぞ。お館様。…何だ。星。もう来ておったのか。一足遅かったかの?」

 

 

 

 

ドアから顔を出した人物は思い描いてた通り、紫苑と桔梗だった。

 

二人は部屋に入ってくるなり、この場に居合わせた星に話しかけた。

 

 

 

 

「いやいや、私も先程来たばかりだ。それより、紫苑。例の物を用意してくれたかな?」

 

 

「勿論。忘れる訳ないじゃない♪コレを用意する為に訓練を早めに終わらせたのよ。

 

 ふふふ、コレを装着したご主人様の姿を考えただけで、胸が熱くなっちゃうわ♪」

 

 

「儂もじゃ。心の臓が口から出そうなくらい、胸が高鳴っておる。

 

 今朝、星の甘言に乗って良かったわい」

 

 

「ねえねえ、紫苑さん。例の物って、いったい何なの?」

 

 

「それはですね。桃香様。実物を見て頂いた方が早いですわ」

 

 

 

紫苑は胸元が露になっている服の部分から、手を自らの胸の谷間へと滑り込ませる。

 

おそらく、例の物を胸にしまっているのだろう。

 

 

……何か古き良き時代の女性だな、と思ってしまう。胸の谷間に物をしまう発想が、

 

古臭いと言うか、なんと言うか………

 

 

 

 

「…ご主人様。今、失礼な事を考えていませんか?」

 

 

 

 

…詠の時といい、何故、俺の考えている事が悟られてしまうんだ。

 

そんなに、表情に出やすいのかな?…後、紫苑さん。滅茶苦茶、怖いです。

 

 

 

 

「…ごめんなさい」

 

 

「…ふふ。気を付けて下さいね。女性は愛する人の邪な考えなど、

 

 直ぐに看破してしまいますわ」

 

 

 

 

紫苑は怒りを感じさせる笑顔から、気品溢れる優雅な笑顔へと一転した。

 

そして、唇に人差し指を当て、俺に優しく諭した。

 

 

御見それ致しました。紫苑は再び胸に手を滑り込ませ、例の物を取り出そうとしている。

 

しかし、ちょっと時間が掛かりすぎてないか?

 

その胸には(おとこ)の夢と浪漫の他に、物まで溢れかえっているのですか。

 

 

 

 

「何処を見ておられるのですかな、お館様」

 

 

「勿論。(おとこ)の夢と浪漫が詰まっている。女性特有の壮大なる丘を……」

 

 

 

 

気付いたときには手遅れだった。蜀が誇る魔乳コンビの片割れ、

 

桔梗が傍に居り、絡まれてしまった。

 

 

 

 

「ほほう。それは素晴らしいモノを見て御出でですな。しかし、儂に言うて下されば

 

 見るだけではなく、直接お触りになれるものを……」

 

 

 

 

桔梗は胸を強調し、目を艶めかせながら俺を誘惑してくる。俺は紫苑に助けを求める為

 

視線を向けたが、紫苑から可愛いウインクを返されてしまった。

 

 

 

 

「紫苑さん。もったい振らずに早く出してくださいよ~」

 

 

「そうです。紫苑さん。焦らさずに見せてください~」

 

 

「ふふ。もう少々お待ち下さい。桃香様、朱里ちゃん」

 

 

「例の物って何だろうね。詠ちゃん」

 

 

「どうせ、星に頼まれた物だから録でもないものだと思うけど…気になるわね」

 

 

「星、例のものとは一体なんだ!?それと、飼い主とはどういう事だ!!」

 

 

「耳元で大声を出すな。すべては見ればわかる。それまで大人しく待っていろ」

 

 

「…くっ!」

 

 

 

 

皆、一様に紫苑に注目している。そして紫苑はゆっくりと、例の物を取り出そうとしているが、

 

俺は感づいてしまった。彼女は今、例の物を皆の前で見せる気がないことに、理由はおそらく桔梗だ。

 

俺に絡んできた所を目視していて、面白そうだからと言う単純な思いから、

 

勿体振っているのだろう。

 

 

 

 

「…隣に絶世の美女が居るのに、他の女子(おなご)を眺めるのですか。

 

 英雄色を好む、と申しますが、今は儂だけを見てほしいものです。

 

 …それとも、儂の乳房は紫苑に負けておると、お思いですかな?」

 

 

「いえ!滅相も無い!!」

 

 

「でしたら、今この場でお触りになられますか。お館様……」

 

 

「ちょっ!?」

 

 

 

 

桔梗は俺の首に腕を回し、耳元で(いざな)う様に囁いてきた。

 

その声は夜魔の如く色っぽい雰囲気をを醸し出し、

 

甘美なる夢の世界へと旅立たせてしまわせるほど、

 

艶やかなるものだった。

 

 

っつ!?…まずい。これは紫苑と桔梗の罠だ。更なる楽しみを求める為、

 

あの人物を召喚しようと……

 

 

 

 

「何をしているのですか?ご主人様」

 

 

 

 

…蜀の嫉妬将軍が降臨なされた。俺は一気に現実に引き戻され、

 

身体中の毛穴から汗が噴き出る。

 

 

 

 

「いや、あの、これは何というか、その……」

 

 

「桔梗も何か言いたい事があるか?」

 

 

「儂は無実じゃよ。お館様に無理矢理、迫られてしもうてな。

 

 拒めずに激しく抱き締められてしもうたんじゃ」

 

 

「な!?桔梗!!」

 

 

「…すべてはご主人様が強引にと言うのか」

 

 

「…その…通りじゃ」

 

 

 

 

何故気付かない!愛紗!!桔梗が笑いを堪えているじゃないか!

 

 

 

 

「ご主人様…」

 

 

「違うんだ、愛紗!話を聞いてくれ!!俺はまだ……」

 

 

「……まだ(・・)

 

 

「あ、いや……とにかく、誤解なんだ!」

 

 

「……問答無用です!」

 

 

 

 

軍神聞く耳持たず。……落ち着け、今の俺には切り札があるじゃないか。それはこの姿。犬に為りきり、

 

愛紗を魅了するしかない。一度成功してるんだ、必ず上手くいく。自分を信じるんだ一刀!!

 

 

 

 

「………てへぺろ☆」

 

 

「………………」

 

 

「………………」

 

 

「……………ご」

 

 

「ご?」

 

 

「ご主人様ーーーっ!!正座ーっ!!」

 

 

「はいいいいいいぃぃ!!」

 

 

 

 

「くっくっく。何とまぁ、面白きものが見れた事よ。愛紗も顔を赤くしおって、

 

 満更でもない様子じゃが、寸前の所で嫉妬心が勝ったと言う所かの」

 

 

「少しやり過ぎちゃったかしら?」

 

 

「いやいや、これくらいお館様にとって日常茶飯事よ。それに見よ。

 

 お館様の愛くるしい御身を、本当に犬の様で眼福この上ないのう」

 

 

「ふふ、そうね。皆が居なかったら、間違いなくお持ち帰りしてしまうわ」

 

 

「相変わらずじゃのう。それにしても、焦らしに焦らしおって、流石は紫苑じゃな」

 

 

「だって、桔梗が面白そうな事をしていたから、ついね」

 

 

「どれ、儂がアレを取ってやろうか?」

 

 

「ダメよ。ココに触れて良いのは璃々とご主人様だけなんだから」

 

 

「やれやれ。紫苑もお館様の前では乙女じゃな。それでは、

 

 痴話喧嘩が終わるまで待つとするかのう」

 

 

「ええ、そうね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「紆余曲折、色々ございましたが、これが例の物でございます。桃香様」

 

 

「えっ?これって……」

 

 

 

 

桃香は例の物を見て驚いていたが、俺は別段、驚かなかった。むしろ、例の物が何であるか、

 

見当が付いていた。星の『飼い主』発言。そして、おれのこの姿。

 

導かれる答えはひとつだ。それは――――――

 

 

「首輪でございますわ」

 

 

………逃げたいワン。……くぅ~ん。

 

 

 

 

 


 
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