No.619775

一刀の晋王転生録 第六章六話

k3さん

侵攻していた魏軍は、一刀達の加勢に撤退を余儀なくされた。はたして成功するのか。

2013-09-15 21:00:01 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:2646   閲覧ユーザー数:2132

 姓:司馬 名:昭  性別:男

 

 字:子上

 

 真名:一刀(カズト)

 

 北郷一刀が転生した者。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:懿  性別:女

 

 字:仲達 

 

 真名:理鎖(リサ)

 

 一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:師  性別:女

 

 字:子元

 

 真名:瑠理(ルリ)

 

 母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。

 

 

 

 

 姓:張  名:春華 性別:男

 

 真名:解刀(カイト)

 

 一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。

 

 

 

 

 姓:王  名:元姫 性別:女

 

 真名:美華(ミカ)

 

 一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。

 

 

 

 

 姓:鄧  名:艾  性別:女

 

 字:士載

 

 真名:江里香(エリカ)

 

 後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。

 

 

 

 

 姓:賈  名:充  性別:女

 

 字:公閭

 

 真名:闇那(アンナ)

 

 司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。

 

 

 

 

 姓:王  名:濬  性別:女

 

 字:士治

 

 真名:澪羅(レイラ)

 後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:望  性別:女

 

 字:子初

 

 真名:理奈(リナ)

 

 一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。

 

 

 

 

 

 

 姓:杜  名:預   性別:女

 

 字:元凱

 

 真名:綺羅(キラ)

 

 一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。  

  第六話

   「魏軍、必死の突破戦」

 

 

 蜀との戦いで何とか生き残った一刀達は急ぎ瑠理の下に向かう。

 

 しかし、ただ向かうのでは無く、魏軍を包囲するようみに移動をした。そして見事に取り囲むことに成功した。

 

「何ですって!?」

 

 その報告を程昱から聞いた曹操は流石に驚きを隠せなかった。

 

「司馬昭達は蜀と戦っていたのでは無くて? こんなにも早く終わるとは思えないのだけれど」

 

「そうなんですけどー、恐らく蜀で何かが起きたのではないでしょうかー? 司馬昭さんが退くことが出来ない状態だった以上、それ

 

しか可能性はありません」

 

「……ままならないわね」

 

 最早これ以上の侵攻は不可能と曹操は判断した。

 

「全軍! 明日にここから脱出する!」

 翌日、曹操軍は突破を開始した。

 

 瑠理はすぐさま追撃を指示する。

 

「皆さん! 何としても華琳さんに追いつきなさい!」

 

 この指示で特に気を入れたのは袁紹だった。

 

 彼女はこの戦いを通して、曹操に対して違和感を覚えていた。それが何なのかは詳しくは分からない。しかし確かに彼女は感じてい

 

た。

 

(何か、らしくないですわよ! 華琳さん!)

 そして、ついに袁紹軍は、魏軍に追いつく。

 

 魏軍はもう少しで突破を成功させようとしていた所だった。魏軍の誰もがそれだけに意識していたため、ほとんどの者達が袁紹軍に

 

気付かない。が、寸での所で夏候淵が袁紹軍の存在に気付く。

 

「! 姉者! どうやら袁紹軍が来たらしい」

 

「何ぃ!? もう少しだと言うのに!」

 

 夏候淵の指摘により、夏候惇も気付き袁紹を迎え討とうとするが、夏候淵に止められる。

 

「待て! ここは私が残る! 姉者は華琳様を頼む!」

 

「なっ!? だがしかし!」

 

「少しでも早くここを華琳様に突破させなければならん! それは季衣だけでは厳しい。だから姉者に頼むのだ!」

 

 夏候惇は迷った挙句、夏候淵の言うとうりにする。

 

「分かった! 必ず来い!」

 

「ああ!」

 

 夏候惇は曹操の下に向かっていった。その後すぐに、袁紹軍の将が現れる。

 

「よっしゃ! もう少しだ!」

 

「待って文ちゃん! あそこに夏候淵さんがいるよ!」

 

 それは斗詩と猪々子だった。夏候淵は二人に向かって矢を放つ。

 

「ここから先は行かせんぞ!」

 

「退いてもらうぜ!」

 

「行きます!」

 

 二人は夏候淵を倒す必要があると判断し、彼女に攻撃する。

 

「ぐっ!」

 

 如何に夏候淵と言っても、相手は顔良と文醜という猛将二人となれば流石に苦しかった。

 

(姉者、すまん……どうやら私はここまでらしい……)

 

 十分な時間を稼ぐには死ぬまで戦わなければならないと悟った夏候淵は命を捨てた。

 

(せめて、どちらか一人だけでも!)

 

 そしてその狙いを斗詩に定め、時間を稼ぎながらその方法を考える。

 

 そして体力の限界まで時間を稼いだところで、最後に一撃として、矢を持ち、斗詩に接近する。鏃を利用して彼女を討とうとしたの

 

だ。

 

「な!?」

 

 斗詩は、まさか弓使いがこの土壇場で接近するとは思わず、大きな隙を作ってしまう。

 

(駄目、防げない)

 

「と、斗詩ぃー!」

 

 猪々子の悲鳴を聞きながら斗詩は死を覚悟した。

 

「がぁ!」

 

 だが、鏃は斗詩に届かなかった。何故ならその前に握った手を切断されたのだ。

 

「き、貴様は……」

 

(白蓮さん!?)

 

 夏候淵の手を切断したのは公孫賛、白蓮だった。

 

「うおおぉぉ!」

 

「う……ぐ……」

 

 そして夏候淵の意識が白蓮に向いた瞬間、猪々子の持つ刃が彼女の身体を切り裂いた。

 

(あ、姉者……華琳様……申し訳……あり……)

 

 夏候淵はここで絶命したのだった。

 魏軍は撤退に成功した。

 

 しかし、夏候淵の犠牲を知ると、成功した安堵や歓喜は消え失せた。

 

 そこにはただ、嘆きと悲しみが漂っていた。


 
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