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真・恋姫†無双 ~孫呉千年の大計~ 第2章 18話

雪月さん

常連の皆様&お初の方もこんばんは いつもお世話になっております

この作品は真・恋姫†無双・恋姫†無双の2次創作となっております
主人公は北郷一刀 メインヒロインは雪蓮と蓮華と仲間達でお送りしております
※猶、一刀君はチート仕様の為、嫌いな方はご注意を! ※オリキャラ紹介は本文下記参照のこと

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2013-09-11 22:11:25 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:4559   閲覧ユーザー数:3635

第2章 反董卓連合編 18話 『 反董卓連合終幕 其の2 乱の残光 』

 

 

 

 

宮中の何処からとは判別できないが・・・ 赤き灯火があちらこちらから噴出し、冬の洛陽の闇夜を溶かしている

 

瑠璃と鄧艾はそれぞれの主に合流するべく宮中を移動していた処、見事にお互いが鉢合わせをし睨みあう格好となったのだが

何故だか判らないが、鄧艾は以前の影に沈む技を全く使ってこなかった

 

「ちんちくりんのおまえに構っている暇もない!」

「私もだ!」

 

「ならばどけ! ちんちくりんのへぼ主人など、とっくに我が主に殺されているわ!」

「一刀しゃまの悪口言ったな ・・・必ズ殺ス! 生キテハ帰サナイ!」

 

自身の命より大切な一刀の文句を言った事で

思慕の情愛深き瑠璃の中のリミッターが、音を立てて崩れ外れた瞬間であった

 

「出来るものなら・・・ グッッ ・・・グハッ」

鄧艾はそれ以上の言葉を発する事が出来なくなった・・・

 

瑠璃の新しい武器 敬愛する一刀の小太刀に似せた形状、脇差といっていい程の短い刀【不撓不屈】

【不撓不屈】の閃きは、部屋に広がる業火、又は瑠璃の怒り故か? 紅に染まりし剣閃を鄧艾へと容赦なく次々に繰り出してくる

 

必殺の一撃はなんとか身体を捻り受け止める鄧艾であったのだが

瑠璃の突進してくる勢いを殺せず、勢いを保ったままの豪快な蹴りを、わき腹に数度喰らうハメとなる

 

その結果、この蹴りの初撃で鄧艾のわき腹の肋骨が数本逝ってしまっていた

身体を動かす度に痛みは鄧艾を襲い、それからの鄧艾の攻撃と行動範囲が格段に落ち狭くなってしまっていた

 

リミッターの外れた瑠璃の移動速度は尋常な速さではなく、それを眼で追う事も困難な事であるのに

部屋の壁やら天井などを駆使し、縦横無尽に跳ね飛ぶものだから、通常の移動速度より数倍の加速で鄧艾を襲っていたのだった

 

当然のことながら、瑠璃の小柄な身体が衝撃に耐えうる筈もなく、瑠璃の手足の骨に異常と内出血による損傷が出始めているが

怒りからか当人は痛みを感じていないらしく、瑠璃の跳ね飛ぶ速度は更に増していたのだった

 

「おっ おのれぇぇぇーーーー グッッ ちんちくりんの癖に頭にのってぇぇぇぇ-------」

未だに影に潜む気配もなく、いつもは冷静沈着にして無口な鄧艾の大音声が部屋中に響くものの・・・

鄧艾の一撃は瑠璃に当たる事もなく空を切り続ける

 

瑠璃はここぞとばかりに、一気に攻勢に転じ勝負を決めにかかるものの・・・

 

鍾会が付けて回った火の回りが酷く、瞬く間に闘っていた部屋へと燃え広がり

鄧艾は敵わない事を悟ると早々に窓を蹴破り影に溶け込み逃亡を図った

 

その後の瑠璃、鄧艾の二人は共に、自身の主が居ると思われる部屋へと辿りつくことなく

両者身体を引き摺りながら、燃え盛る部屋を後にせざるを得なかった

 

瑠璃、鄧艾二人の戦いは、これで都合二回決着がつくことなく物別れに終るのであった

 

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一方付け火の犯人である鍾会は、宮中の入り口付近にある最後の部屋へと侵入を果たしていたのだが

ここで逃げおくれた者の誘導に当たっていた楓と遭遇戦と相成ったのである

 

「そのふてぶてしいまでに落ち着いた男・・・ 宮中に次々と付け火してた犯人はお前だろう!」

鉄脊蛇矛を鍾会に向けて突き出し、真実を吐かせようとした楓であったが

 

「フッ だったら何だというのですか? 邪魔しないでもらえませんかねぇ? ここで最後(・ ・)なのですから」

と鍾会は楓に屈したという風ではなく、気味の悪い笑みを零しながら自ら自白したのである

 

「最後だったら尚更止めろ! お前から放たれた火は、宮中に止まらず天をも焦がす事だろう」

と溜息混じりに鍾会を諭すような言葉を発する楓

 

「・・・主でない貴方の指図に従う謂れはありませんねぇ?」

と鍾会は楓の言を意に介した風もみせず、自らの行為を達成しようと部屋へ火をつけようとする

 

「やはり口では無理か ならば!」

警告はしたぞ?とばかりに、鉄脊蛇矛を手に部屋の中央へ足早に進み出る楓であったが

 

「私と戦うというのですか? 馬鹿な真似はお辞めなさい 戦った処で火は止めようもないのですよ?」

苦笑しつつ楓の考えが理解できないと、本気で首を傾げている鍾会であった

 

「だからと言って、見つけた犯人をそのまま見過ごすという、馬鹿な事も出来ない性分なものでな!」

口角をあげニヤリと笑みを浮かべた楓は、鍾会に対して本格的に攻撃を開始しだしたのである

 

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戦闘を開始した楓と鍾会の二人であったが、戦闘は鍾会の圧倒的有利に展開されていた

 

一言で言って武器の違いが有利に働いたと思って戴ければ良い 宮中でのひと部屋は広めにとってあるものの・・・

鍾会の動きが速く、鍾会の一撃が鉄脊蛇矛の柄で防ぐものの・・・弾かれたと同時に身体を反転させ楓の後方へ着地

 

さらに攻撃を仕掛けてくる念のいった攻撃が繰り返され

避け切れなかった攻撃が楓の肩当や鎧などの防具に当り

キシャーーー、ギュィィーーといった嫌な金属音を楓の耳に響き顔を顰める場面が続いていた

 

部屋に居ては、挽回は無理と悟った楓は、鍾会に背を向け、一端部屋を出る

宮中の玄関口に近いということもあり、廊下であるが天井の高さも幅もゆったりと取られている

 

部屋での対決では、楓が鉄脊蛇矛を力一杯振るうには、家具、机などの調度品の邪魔が多すぎて、攻撃速度が削がれてたのだ

 

「貴方を負かした者の名前をよく覚えておきな 鍾会という名をね! アハハハーーー」

 

楓を縛っていた狭さという不利を克服したのにも気づかず

また自身の勝利をすでに確信したのだろうか? 火を放つという初期の目的を忘れて勝ち誇っている物言いをしている鍾会

 

「くっくっく あははーーー」 

しかし追い詰められた筈の楓から、今の鍾会にとっては信じられない音量の笑い声が、鍾会の耳に不快な音を響かせた

 

「・・・・・何がおかしい 気でも触れましたかね?」

と満身創痍となった無様な楓の様を、溜息をついてやれやれといった感じの雰囲気を纏い、余裕をもって眺めてくる鍾会

 

「いや何 あたしがあんた如きに、このまま大人しく倒されるような女であったなら・・・ 

 世に孫堅四天王が一人と謳われ、今や孫呉の宿将の一人として黄蓋と並び称される・・・この程 徳謀の名が泣くわ!」

鉄脊蛇矛を手に、楓の瞳に再び意思の輝きが灯った瞬間である

 

「あんた如き? ふんっ 戯言を! 今の貴方はもう・・・」

鍾会は大言壮語を吐く楓に、そろそろ引導を渡すべく間合いを詰め攻撃を仕掛ける

 

「いやはや素晴らしい動きだ 思春や明命を見てるようだ しかしな お前の欠点は軽いという事と綺麗すぎる回避にある

 この鉄脊蛇矛の向かう処、敵は無し! いくぞ! 受け取れ! 鍾会とやら!」

 

 

「ぐっ こいつさっきまでと武器を振るう速度が段違い・・・っ 全く違う別モノだっ クッ」

鍾会がバックステップで華麗に見切り避ける寸前、そこから鉄脊蛇矛の一撃が一段と鍾会へ向かって伸びてきたのだ

 

これが鍾会が”別モノ”と称した楓の攻撃の正体であった

 

鍾会は自身の美しく整った頬に、横一文字に傷をつけた楓を苦々しい表情を浮かべ見つめていたのだった

 

そこへ1人の人物が現れたようで・・・

「鍾会 戯れは程々になさいといったでしょう?」

と見知らぬ女性が楓の後ろを取っていたのである

 

「おっ 奥方様(・ ・ ・) どっどうしてこのような場所に!」

(このような無様な姿を曝すことになろうとは・・・)

鍾会の目が大きく見開かれ、発せられた声は大きく、それほどの衝撃を与えていた

 

 

「私の事はこの際気にしなくていいわ

 孫呉の面々を舐めてかかってはいけないと、旦那様からもよくよく言われていたはずですよ?」

警戒している楓の横をすり抜ける間、楓と互いの視線を戦わせつつ、平然と鍾会へと近づく正体不明の女性は

鍾会にとって辛辣な言葉を容赦なく吐いていた

 

「ハッ 奥方様! このような輩に対し、存外に梃子摺りまして面目次第もありません!」

正体不明の不気味な存在の女性に、鍾会はすぐさま跪き許しを請う

 

「それがいけないと言ってるのですけれど・・・はぁ もう いいわ

 ここは私に任せお行きなさい 旦那様にはこの事を黙っておいてあげますから・・・」

との女性の声に一瞬反論すべく声を出しかかる鍾会であったが・・・

 

「クッ・・・ ハッ 奥方様!! それでは!」

と反論を飲み込み、女性の指示に従い去って行く鍾会であった

 

鍾会が立ち去ったのを確認した正体不明の女性は、鉄脊蛇矛を構え警戒している楓に振り返って正対する

 

「・・・孫呉にはよくよく梃子摺らされますね 今日はこれまでにしましょう また何処かで」

と楓はそのまま戦闘に入るものと覚悟をしていたのだが・・・そうではないらしく少し拍子抜けしてしまった

 

「あんたは何者だ!?」

拍子抜けついでに、楓はそう問わずにはいられなかった

鍾会とは違って纏っている不気味さが半端でなかったからだ・・・

 

「貴方に答える義理はないのだけれど? また何処かで会う日まで それじゃね 猪さん」

と小首を傾げつつも怪しげな笑みは、姿が消え去るまで一向に楓の瞼に焼きつき離れなかったのである

 

「まっ まて!」

楓は急いで消え失せようとしている女性を鉄脊蛇矛で斬り付けるものの・・・

鉄脊蛇矛の一撃は虚しく宙を切り、その女性の姿は部屋から完全に消え去っていたのである

 

あの女性一体何者なんだろう? 奥方様(・ ・ ・)と言っていたが誰の?

この後、楓の頭から次々と疑問が浮かんで尽き果てるという事はなかった

 

 

 

 

霞に頼んでいた恋の家族である動物達の移送も、セキトによる先導の手助けもあり、思っていたよりもスムーズに事が運んでいた

 

その移送途中で、司馬懿から早急に離脱する為に一刀にお姫様抱っこされ、首まで真っ赤に茹蛸状態となった月と

明命に護られながら自身の足で懸命に走っていた詠と無事合流を果たしていた

 

「それじゃ 霞 月、詠をよろしく頼むよ 孫呉の天幕まで無事に連れて行ってあげて」

「明命! 次は台帳と地図を抑えるぞ!」

「はい! 一刀様!」

 

月の懐・・・というか胸辺り 片方だけやけに膨らんどるような気が・・・

怪我?病気? まぁ そんな筈ないか うちの気のせい・・かもな

 

「よっしゃーー! 月と詠の事はうちにまかしとき!」

そう一刀に答え、自身の直感を胸に仕舞い込んだ霞は、逸れないようにすぐさま月と手を繋ぐ

 

「それじゃ 霞 後の事はよろしく頼む 明命、宮中の火の回りが速いようだ 火がこちらへ飛び火しないとも限らない 少し急ぐぞ!」

「はっ はい! 一刀様 では皆様方!」

 

一刀は頷き、明命は深々とお辞儀し終えると、2人は神速を使って行動を開始し

2人の姿は見送る三人の視界からすぐさま消え去ったのである

 

「月、詠 よぉ~無事やったな」

と2人を見送った後、洛陽城外の孫呉の天幕へと歩みを進める霞、月、詠の3人

 

「全ては一刀さまのお陰です」

霞の高さからでは、月が俯き加減で表情が見え難かったのであるが

避難してくる前の出来事を想い出し、顔を真っ赤にしてしまった為、詠の方へ顔を背け隠す月

 

「ふふ~ん 御遣い様じゃなく一刀さま・・・ねぇ?」

月の言葉使いが変わっていた点を霞に突かれると

 

「ふぇ~~ 霞さん いじわる言わないでください!」

とやや怒った口調であったものの・・・顔は更に熱を帯びたようで・・・恥ずかしくて頭を上げる事が出来ない月であった

 

「いやな~ 月も乙女やん!って思おてな!」

そう言われた月はぼっと顔中赤らめ、ぽかぽかと霞の腕を叩くのであった 

 

二人が戯れている合間を見つけて

「華雄の安否を霞は知ってる?」

と詠が霞に問いかけてくる

 

「ん? ああ 華雄が生きてるっていうのは、前に書簡で送ったから知っとるやろうけど

 その後の安否やったら、孫呉に降った時にちゃんと一刀の口から聞いとるで~ 

 

 なんでも華雄は、孫呉に捕らえられ公孫賛軍へと引き渡された際に

 主である公孫賛と意気投合して無二の親友になったそうや! それでそのままお世話になっとるらしいで~

 あとで時機みて、連合軍解散前に一度だけやけど会わせてくれるちゅ~配慮を一刀がしてくれてるらしいで 

 

 ま~恋とねねは、虎牢関放棄直前にうちが書簡を送った通り、虎牢関から逃げさしたさかい

 ま~あの二人なら大丈夫やろ 皆の動向はそんなとこや」

 

「そう・・・よかった」

「そうですか・・・ 心配していただけに皆さん無事で・・・本当によかったです」

霞の答えにホッと胸を撫で下ろす詠と月

 

「まぁ 二人ともうちらの事心配してくれて嬉しいけど、皆も月や詠の安否を気にしてたさかいな これからも元気でいてもらわんと!

 うちらはこれから孫呉にお世話になる身の上やし 今後ともよろしゅ~な」

 

霞に慣れ親しんだ笑顔を向けられると、死の淵にいた緊張が漸く解け出したのであろうか

やっと助かった実感がじわじわと体中に湧き出てきた月と詠の二人であった

 

 

 

 

鍾会が宮中に放った火は、瞬く間に宮中全体を飲み込み、闇夜を覆っていた洛陽の街を鎮火するまで煌々と照らし続けた・・・

 

台帳や多く地図を手に明命と帰ってきた一刀は、瑠璃と楓が傷ついた事実を聞きつけ

華陀が診療している天幕に急いで駆けつける

 

楓の怪我に関してはそう大した物でもなく、数週間程度の軽い傷がほとんどとの事で、胸を撫で下ろす一同であったが

一方の瑠璃の症状は酷く、最低でも一ヶ月以上の安静が必要な症状であったのだ

 

自身の身体を酷く傷つけて帰ってきた瑠璃に対し、そこで瑠璃の言い訳を聞いた一刀は怒りを顕にし

皆が居て制止する声があるのにも関らず、以前、美羽にしたように大声で叱りつけお尻を容赦なく叩いた

 

一刀に叩かれている間、瑠璃は泣き言一つ言わず黙って一刀にお尻を叩かれていたが

叱り叩き終わった後、一刀は瑠璃の頭を撫でながらこう諭した

 

「瑠璃が怪我や亡くなったと聞かれたなら、亡くなられた父上やご母堂様がどんなに心配し悲しまれるか

 

 戦う以上、命を賭けた戦はあるだろう 今の時代、生き残る為ならばそれは致し方あるまい

 だが今回の戦いは全く違う! 悪戯に身体を酷使し苛め抜いた結果だ

 

 これからは戦う前に必ずその事に留意し、出来る限り身体を労わる気持ちを忘れずに皆の元へ帰ってきなさい

 俺が貶されたり馬鹿にされるより、瑠璃が無事で元気に帰ってくる方が数倍嬉しい 瑠璃いいか? 判ったな?」

 

一刀の言葉を聴き終えた瑠璃は、心配をかけた皆へ頭を下げ、瞳に涙を一杯に溜めながら

一刀の心遣いに精一杯力強く頷き、一刀の胸元に縋りつき、力一杯声をあげて泣くのであった

 

 

この一刀と瑠璃の二人の様子を見ていた雪蓮は、一刀の言うことを常々甘いと感じていた事を思い出していた

冥琳も以前同様の事を口にしていた、北郷は甘い それでは何れ足元を掬われるだろうと・・・

 

将も兵も皆、時に駒のように冷酷に扱わなければならない時が多々存在している

上へ階級が昇進すればするほど、そうした過酷で冷酷な決断を下す場面に出くわす事は多いだろう

 

けれど一刀はこうして部下である瑠璃や珊瑚、子虎、桜など属した一般兵であろうが

属した皆へ区別なく最初に問いかける言葉は・・・

 

「決してむやみに命を捨てるべからず 仮に泥水を(すす)る事態に陥ろうとも必ず帰郷すべし」

という一刀のこの言葉が、今では孫呉の中核を成す北郷隊独自の隊規となっている

 

 

当初は雪蓮も冥琳も母である緋蓮でさえも・・・一刀のその”甘さ”に心配し苛立ちを覚え再三再四注意を促していた

しかし、一刀の”甘い”と思われていた言葉が持つ意味が次第に周囲が実感する数字となって顕著に現れてきたのだ

 

そう”生還率”という数字にとなって次第に・・・

 

特に一刀の隊に属する隊の者達は、常に最前線、策の中心に置かれる事が多い

と言う事は、取りも直さず死傷者の出る確率も後方の隊より高いということである

 

しかしこの数値が一刀の隊の者達に関して、全く当てはまらないのである

時には後方部隊にいた者達に近い生存率の数値を叩き出すのである

 

兵は損耗品であり、損ずれば補充もしなければならないし

新しく隊員が入れば、武器の配給はおろか、訓練を経ないとまた損じ、戦争すら継続出来なくなる恐れがある

 

これが一刀のいうように、1人でも多く帰ってくれるならば・・・

訓練を新たに施さなくても実戦としての経験は積まれており、その経験や意気はその者達を通じてやがて新兵へと受け継がれていく

 

一刀のこの言葉を活かし多くの将兵達に信じ込ませ、”生還率”という数字で表わし

冥琳達反対派に有無を謂わせず納得させた人物こそ、藍里こと諸葛謹その人であったのだ

 

藍里が示してからというもの・・・甘いとの声は徐々に無くなり、今では孫呉内で北郷隊に所属、転属願いが後を絶たない

 

志願者数は多けれど、入隊者数は基本的に減じた部隊から補強されるモノなので、一刀の隊へ入隊というのは最近では非常に少ない 

門戸狭き事態は即ち、部隊に優秀な者が集まりやすくなり、結果、生還率も上がるという相乗効果をもたらしていたのだった

 

瑠璃や珊瑚、子虎を始め多くの隊の者達が一刀に心酔している その人の為ならば命を捨ててもいい

私もそんな1人だけれど・・・それは精鋭を集め大将を護る『親衛隊』の思想に似通っているのよね 

 

一刀自身が気づかない・・・知らず知らずの内に、自身の部隊を『親衛隊』という精鋭部隊にまで仕立て上げていたということよね

ほんと敵に回してたらと思うとゾッとするわ・・・

 

私よく最初に一刀を殺そうとしたわよね ある意味、私の勘は間違ってなかった訳よね ふふふ・・・         ※序章 第2話参照

でもまぁ すぐ後、私の方がコテンパンにのされちゃう訳だけど・・・                        ※序章 第6話参照

 

重症の瑠璃を優しく抱きしめ頭を撫でてあげている一刀をぼんやりと見つめていて、そんな思考を展開させていた雪蓮であった

 

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漸く全ての屋敷を鎮火し終えた午後、連合軍の諸将が召集され、洛陽外の袁紹の天幕で会議が行われた

 

連合軍が組まれる原因となった董卓とその腹心である賈駆の二人は

大乱を招いた失策を恥じ入り、宮中を煌々と闇夜を焦がし続けた大火へ、制止するのも聞かずその身を投じた・・・

 

その様子をしかと目撃し確認した

二人と顔馴染みであり、かつて部下であった霞が連合軍の諸将が居並ぶ会議の場でそう証言したのだ

にわかには霞の証言が信じられないとの声が、諸将の間から噴出し漏れ聞こえてきた

 

 

しかし霞の発言のその後、それ以上に諸将を震撼させる恐ろしき情報を

焼け崩れた宮中より戻った曹操軍に所属している司馬懿の口からもたらされるのであった・・・

 

 

その情報とは・・・十常侍達は連合軍が迫り来ているのを知るや、少帝(劉弁)や何太后達を引き連れ強引に遷都を敢行しようとした

しかしそこに齟齬が出た 何進の妹である何太后は、十常侍達の行動に異を唱え、このまま洛陽に残ると言い張ったそうである

 

何皇后の一連の行動を水面下で進めていたのが、密命を帯び密かに洛陽入りしていた

遷都の遅延行為こそ、曹操配下である司馬懿の役目であったとの事であった それは主である華琳も肯定の意を示していた

 

そして動こうとしない少帝、何皇后に業を煮やした張譲を始めとした十常侍達は、強硬手段に及び少帝及び何皇后を殺害

幼い妹君である劉協様を拉致し、そのまま長安への遷都し帝に擁立しようと企んだ

 

何皇后から事態を聞きつけ、司馬懿達がその部屋へ駆けつけ踏み込んだものの・・・時既に遅く

帝を虐殺した罪により十常侍達を悉く誅したという・・・到底信じる事の出来ない報告内容であったのだ

 

ならば少帝陛下の妹君であらせられる幼い劉協様の姿が、惨劇の起こった部屋の何処にもいらっしゃらなかったという

 

そして焼け崩れた宮中での劉協様の捜索時に、その焼け跡から、董卓と賈駆が身につけていたと思しき豪華な装飾品も見つかり

二人が身につけていた物に違いないと、霞や旧董卓軍に属していた者達が諸将に証言した事で

霞が炎の中へ二人が身を投じたという先の言も信用され、連合軍はあっけなく当初の主目的を達したともいえる

 

 

これらはすべて宮中で一刀達と一悶着起こした後、のうのうと連合軍上層部に報告した司馬懿の言である

 

先に証言した霞への諸将の不信感・憤懣の矛先が、この時全て司馬懿に向いたのであるが

蛙の面に水、憤懣を漏らす諸将に対し、文句があるのならば覆す証拠を提示してからにもらいたいと言い張ったのである

 

一刀も雪蓮も、この司馬懿の報告を会議で聞いた時に、噴出しそうになったものである

司馬懿と雪蓮に到っては戦闘行為すら行われている訳で・・・司馬懿側もまた、霞の孫呉側の言い分を聞いた時、鼻で笑っていたことだろう

 

どちらも宮中で何をやっていたのかなんて、全てを把握しており丸分かりだったからである

それでもあえて強行に自身が報告した事に間違いは無く揺るぎないモノであると言い張った処に可笑しさがあった

 

相手が報告した事実を嘘だと追求する為には、マズは自身が報告した嘘を覆さなければ証明できないからである

それを見ていない諸将が覆すのならば、まずこの事実にまで辿りつかねばならず、事実上の言った者勝ちであったのだ 

 

司馬懿側が報告した話もまた、色々と突っ込み処が多く、都合のいい話が満載であった 

それは霞を使って証言させた孫呉側の言い分も同様で・・・どちらも確固たる証拠などほとんどなかった

 

 

会議の場は自分達の報告した言は正しいと、諸将の前で強行に言い張った狸と狐の化かし合いの場と化していたのだった

 

 

手柄を得た司馬懿の曹操軍での立場は押しも押されぬモノとなり

その事実は会議の間中ずっと、苦々しい表情を崩さなかった桂花と稟の表情が物語っていた

 

主である華琳は司馬懿の言が事実であろうとなかろうと

この時、密かに次期帝候補を手中に収め、曹操軍が今後絶対的な権威を振りかざし、優位に立てることが確実であった事から

無理に追求して司馬懿の言を覆すことも敢えてしなかった

 

孫呉側が司馬懿の報告を・・・司馬懿が張遼の報告を突っ込まない処をみるに

孫呉側と何かしらあったのだと、確信めいた予感をこの時感じていた華琳であった・・・

 

 

この会議での結果、この戦いで孫呉側は連合へと参加した目的である月、詠を無事に保護し、連合軍の追求の手を逃れる事に成功

司馬懿は帝殺しの逆賊の十常侍の悉くを誅殺した功を得る事に成功、そして行方不明となっている幼い帝の劉協様を既に手中に納めていた

 

一刀、司馬懿 両者どちらも自身の目的を相譲ることなく

”曲者或いは詐欺師”と表現し得る軍師としての手腕を、ここ洛陽で存分に振るうのであった・・・

 

 

 

 

後漢帝国の長い歴史において帝の不在、この事実が意味する事、それは連合軍の諸将への恩賞がない事をも意味していた

 

諸将からの恩賞がない事への不満が麗羽へと集る中

連合軍総大将の麗羽は、当初の目的が達成されたとして、強引に連合軍の解散を言い渡すのであった

 

連合軍の解散が言い渡されたのだ いつ自らの領地が襲われてもおかしくない 

勢力が小さい諸侯ほどこの事実に震え上がり、早々に自らの領地への引き揚げ作業に取り掛かっていた

 

そんな連合軍の諸将とは異なり、宮中より発した火が飛び火し、焼け出された者達への給仕に出るなど

曹操軍、孫呉軍、劉備軍の主な面々は、焼け出された洛陽の人々の支援に当たる勢力もあった

 

そんな中、白蓮としても支援に当たりたいのは山々であったのだが

幽州よりの使者が突如現れ、烏桓族の動きが活発化しそうだとの報を得た為、急ぎ戻り対策を練る必要性に迫られていた

 

よって一刀、雪蓮が主催する重要な”(はかりごと)”に出席する為、桃香も招かれている立場でもあった為に

幽州へ帰還する白蓮を見送る事は叶わず、白蓮の見送りには、旧董卓軍の面々だけという・・・

簡素なモノだけれど、親しき者達の別れにはちょどよかったのかもしれなかった

 

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「月様 よくぞご無事で・・・ そっそのお姿は!?」

見た事もない可愛らしい意匠をこらした衣服に身を包んだ月と詠の二人の姿に対して、なんだか気恥ずかしくなる華雄

 

「華雄さんもお元気そうで何よりです 一刀さまから孫呉の侍女の皆様方が着ていらっしゃるという制服・・・だそうです

 魯家の支店を通じて早速送って戴けたそうで・・・ 似合ってます・・・でしょうか?」

とスカートの両裾を軽く持ち上げ軽く首を傾げる月は、女性の華雄の眼からみてもそれはもう愛らしかった

いつまでも愛でていたい気分にさせられた

 

「はい それはもう・・・ コホン! では月様 それではこのまま孫呉に?」

月の姿に魅入った自分をなんとか律し、月の今後の話へと進める華雄

 

「はい 一刀さまの元で詠ちゃんと共に侍女に・・・

 お暇な時に内政の重鎮、張昭さんに付き従い、政治のお勉強や孫呉流の実戦経験も積ませて戴けるそうです」

 

嬉しそうに頬を染めながら たどたどしくも・・・

一つ一つの言葉を瞳を輝かせながら、華雄へ答えている月を眩しそうに優しげに見つめる

以前は表情の曇る主の姿ばかりが華雄の眼に映っていたが

これが主であった月の本来の姿なのであろうと、自然と華雄も笑みをこぼして頷いている

 

「そうですか それにしても月様・・・とても良い笑顔をしていらっしゃる 華雄安堵いたしました

 これで安心して私は、幽州の地まで友に付き従えるというものです」

そうでしょうか?と頬を染めている月に対して、華雄が悠然と胸を張って答える

 

「公孫賛様」

華雄の決意の言葉を聞いた月は、華雄の少し後方に控えていた白蓮に近づき、そっと白蓮の両手を握り笑顔を浮かべる月

 

「ひゃい! なっなにか!?」

突然話を振られ、しかも突然月に手を握られた白蓮は驚きの余り、しどろもどろとなりながら月を見つめる

 

「至らぬ私に成り代わり、華雄さんの事、くれぐれもよろしくお願い致します」

白蓮の手を優しく握ったまま・・・先日まで相国という地位に就いていた月が

諸侯の一人である白蓮にむかって、何の躊躇もなく頭を下げたのであった

 

それだけ月にとって、華雄が大切な人であることが、握られた手から態度からも肌で感じる事が出来た

 

「止してください 頭をお上げになって! 私の方こそ 友の華雄が傍に居てくれて心強いのです

 貴方から華雄を奪ってしまった事、本当に申し訳なく・・・」

と白蓮の口から自然と気持ちが言葉となって飛び出していたのだった

 

「いえ! 今、私の元にいたのでは、華雄さんの武は宝の持ち腐れというものです」

「それは私の処に居たとて・・・」

月と白蓮の二人は、互いに尊重しあいながら、譲り合っている姿に

 

「この二人 ・・・案外似た者同士なのかもね」

と華雄へそっと近づき軽く溜息をつく 苦笑しながら華雄へと声をかける詠と頷き笑っている様子の霞

 

「華雄 元気でいなさいよ」

「華雄 元気でな」

 

月のようなしんみりとした別れなんてボク達には似合わない そんな詠の言葉聞こえたような気がする華雄であった

 

「ああ 詠も霞も達者でな」

慣れ親しんだ者達の気持ちのいい別れの言葉に、華雄の心に一足早く気持ちの良い温かい春の微風がそっと頬を撫でるのであった

 

「そうそう華雄・・・」

「ん? なんだ詠?」

近づいてきた詠の表情が曇っているのを捉えた華雄は、詠に合わせ前傾姿勢をとり、そっと詠の言葉に耳を済ませる

 

「一刀からの伝言よ 幽州に帰ったらくれぐれも袁紹の動向には気をつけておきなさい

 すぐにでも攻めてくる可能性があるそうよ」

未だに譲り合っている月と白蓮を横目に、華雄にだけ微かに聞こえる声で言葉を交し、人目を忍ばせ”何か”をそっと握らせる

斥候が多く潜む漢帝国の中枢にいた者達の染み込んだ日常における所作の一つともいえる

 

「っ!? わっ判った ・・・忠言感謝する 最後に北郷には月様の件も含めて世話になったので挨拶しておきたかったが・・・」

「あいつは・・・今外せない重要な仕事の真っ最中だから・・・ 私の方からアイツに伝えておくわ」

と詠は珍しく言葉を濁す 

 

詠はその”謀”の内容の一部始終を一刀から事前に教えてもらっていたが

現時点で白蓮や華雄に話した処で気分を害すだけで何の益も生まないと、そう読んでいた為華雄に対して言葉を濁したのであった

 

「そうだな 詠と霞の口から北郷によろしく伝えておいてくれ」

詠の思考を呼んだ訳ではないが、華雄は詠が言葉を濁した事に意味があるのだろうと考え、そう詠に答えていた

 

「ええ」

「よっしゃー まかしとき!」

華雄の言伝に詠は頷き、霞は元気よく答えた

 

「それじゃ華雄 そろそろ出立しようか」

「ああ 皆壮健でな!」

 

「お元気で」

「元気で」

「身体にきぃ~つけや」

 

白蓮と華雄が乗った馬が少し離れる度に二人は身体を捻って手を振り、月、詠、霞もまた別れを惜しんで精一杯手を振っていた

 

「いってもうたか・・・ なんや・・・寂しゅ~なってもうたな 恋とねねとの別れを想い出してもうたわ・・・」

としんみりする霞に対して

 

「皆さん 新たな自身の可能性を模索する旅へと出かけられたのです

 私も詠ちゃんも・・・そして霞さんも! 皆さんに負けてなどいられません!」

 

霞と詠に挟まれいた月が、両の手をそっと詠と霞へと延ばし、そっと手を握りしめる

気合が漲っている月の表情を横目にみて、瞳を見開き驚きを隠せない霞と詠

 

 

この月の心に秘めた強さ・・・これが月なのね

この月のやる気は・・・うちもグチグチ言うのは止めや! 月に負けとられんな!

 

 

月が変わったというのではなく、私(うちら)が引き出せなかったというべきなのね(なんやろうな)・・・

と月を見つめながら、詠と霞はそう胸の内で悔しくも感じていたのだった

 

今の月が董卓軍を率いていたならと思わなくはなかった二人ではあったが

今は孫呉にてその足場を固め、そう遠くない未来に必ずや、より一層力強く羽撃く為に・・・

自身の成すべき事を着実に一歩づつ成していこうと強く決意する月、詠、霞の三人でありました

 

 

 

 

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●『真・恋姫†無双 - 真月譚・魏志倭人伝 -』を執筆中

 

※本作品は【お気に入り登録者様限定】【きまぐれ更新】となっておりますので、ご注意を

人物設定などのサンプル、詳細を http://www.tinami.com/view/604916 にて用意致しております

 

上記を御参照になられ御納得された上で、右上部にありますお気に入り追加ボタンを押し、御登録のお手続きを完了してくださいませ

お手数をおかけ致しまして申し訳ありませんが、何卒ご了承くださいますよう、よろしくお願いいたします<(_ _)>

 

■■■【オリジナル人物紹介】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

 ○孫堅 文台 真名は緋蓮(ヒレン) 

 

  春秋時代の兵家・孫武の子孫を称し、各地で起こった主導権争いに介入し

  『江東の虎』の異名で各地の豪族を震撼させた

  優秀な人材を率い転戦、やがて軍閥化し孫家の基礎を築いた

 

  容姿:髪は桃色で、孫家独特の狂戦士(バーサーカーモード)になると、右目が赤色に変化するのが特徴で、平時は量目とも碧眼である

  祭と同じく胸が豊満で背は祭より高い 体格は祭よりすこし大きい 顔立ちは蓮華というより雪蓮に似ているだろうか

 

 ○張紘 子綱 真名は紅(コウ) 

 

  呉国の軍師の一人で主に外交を担当。 魏の程昱(風)の呉版と考えていただけると理解しやすいだろう

   『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、姉の張昭と共に臣に迎え入れられる

  張昭と共に『江東の二張』と称される賢人

 

  ※史実では、呉郡の四性でも張昭と兄弟でもありませんのでお間違い無きように。。。 

   呉郡の四性の中で張温しか見当たらなかった為、雪月の”脳内設定”です

 

  容姿は青眼で背丈は冥琳より少し低い 顔は姉の王林とは似ておらず童顔で人に安心感を与える顔立ちである

  髪は腰にまで届こうかという長く艶やかに保った黒髪を束ね、ポニーテールと呼ばれる髪型にしている事が多いが

  その日の気分により、長髪を肩辺りで束ね胸の前に垂らしている場合もあるようである

  服装は藍色を基調とした西洋風ドレスを身を纏っている

 

 ○魯粛 子敬 真名は琥珀(コハク)

 

  普段は思慮深く人当りも良い娘で、政略的思考を得意とし、商人ネットワークを駆使し情報収集・謀略を行う

  発明に携わる時、人格と言葉遣いが変化し、人格は燃える闘魂?状態、言葉遣いは関西弁?風の暑苦しい人に変化する

  このことから「魯家の狂娘・後に発明の鬼娘」と噂される

 

  ※穏(陸遜)は本をトリガーとして発情しちゃいますが、、琥珀(魯粛)は発明に燃えると・・・燃える闘魂に変身って感じです

 

  容姿は真名と同じく琥珀色の瞳をもち、髪は黒で肌は褐色がかっており月氏の特徴に似通っている

  背は明命と同じくらいで、服装は赤を基調としたチャイナドレスを身に纏っている

 

 ○張昭 子布 真名は王林(オウリン) 

 

  呉国の軍師の一人で主に内政を担当。 冥琳とはライバル同士で互いに意識する間柄である

   『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、妹の紅(張紘)と共に臣に迎え入れられる

  張紘と共に『江東の二張』と称される賢人

 

  妹の紅は「人情の機微を捉える」に対して「政(まつりごと)の機微を捉える」という感じでしょうか

 

  容姿は冥琳より少し高めで、紅と姉妹でありながら顔立ちが似ておらず、冥琳と姉妹と言われた方がピッタリの美人系の顔立ちである

  眼鏡は使用しておらず、服装は文官服やチャイナドレスを着用せず、珍しい”青眼”でこの眼が妹の紅と同じな事から

  姉妹と認識されている節もある 紫色を基調とした妹の紅と同じ西洋風のドレスを身を纏っている

 

 ○程普 徳謀 真名は楓(カエデ)

 

  緋蓮旗揚げ時よりの古参武将であり、祭と並ぶ呉の柱石の一人 「鉄脊蛇矛」を愛用武器に戦場を駆け抜ける猛将としても有名

  祭ほどの華々しい戦果はないが、”いぶし銀”と評するに値する数々の孫呉の窮地を救う働きをする

  部下達からは”程公”ならぬ『程嬢』と呼ばれる愛称で皆から慕われている

 

  真名は・・・素案を考えていた時に見ていた、某アニメの魅力的な師匠から一字拝借致しました・・・

 

  容姿は祭と同じくらいの背丈で、端正な顔立ちと豊かな青髪をうなじ辺りでリボンで括っている

  均整のとれた体格であるが胸は祭とは違いそこそこ・・・ちょっと惜しい残念さんである

 

 ○凌統 公績 真名は瑠璃(ルリ) 

 

  荊州での孫呉崩壊時(※外伝『砂上の楼閣』)に親衛隊・副長であった父・凌操を亡くし、贈った鈴をもった仇がいると

  知った凌統は、甘寧に対して仇討ちを試みるものの・・・敵わず返り討ちにあう間際に、一刀に救われ拾われることとなる

  以来、父の面影をもった一刀と母に対してだけは心を許すものの・・・未だ、父の死の傷を心に負ったまま

  呉の三羽烏の一人として日々を暮らしている

 

  容姿はポニーテールに短く纏めた栗色の髪を靡かせて、山吹色を基調とした服に身を包んでいる小柄な少女

 (背丈は朱里や雛里と同じくらい) 真名の由来で目が瑠璃色という裏設定もございます

 

  ○朱桓 休穆 真名は珊瑚(サンゴ)

 

  『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の朱氏の一族

  槍術の腕を買われ、楓の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人

  部隊内では『忠犬・珊瑚』の異名がある程、一刀の命令には”絶対”で元気に明るく忠実に仕事をこなす

 

  容姿:亞莎と同じくらいの背丈で、黒褐色の瞳に端正な顔立ちであり黒髪のセミロング 人懐っこい柴犬を思わせる雰囲気をもつ  

  胸に関しては豊満で、体格が似ている為よく明命から胸の事で敵視されている  

 

  ○徐盛 文嚮 真名は子虎(コトラ)

 

  弓術の腕を買われ、祭の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人

  『人生気楽・極楽』をモットーにする適当な性格であったが、一刀と他隊長である珊瑚と瑠璃・隊長としての責に接していく上で

  徐々に頭角を現し、後に部隊内では『猛虎』と異名される美丈夫に成長を遂げていくこととなる 

 

  容姿:思春と同じくらいの背丈で黒髪のショートヘア 体格も思春とほぼ同じく、遠めからでは瓜二つである 

  二人の区別の仕方は髪の色である(所属部隊兵談) またしなやかな動きを得意としている為、思春の弓バージョンと言える 

 

  ○諸葛瑾 子瑜 真名は藍里(アイリ)

 

  朱里の姉 実力にバラツキがあった為、水鏡から”猫”と称される

  その後、水鏡と再会時に”猫”が変じて”獅子”になりましたわねと再評価される

 

  天の御遣いの噂を聞きつけた藍里が冥琳の元を訪れ、内政・軍事・外交とそつなくこなす為、未熟であった一刀の補佐に転属させられる 

  初期には転属させられた事に不満であったが

  一刀に触れ与えられる仕事をこなす内に(わだかま)りも消え、一刀に絶大な信頼を寄せるようになる

  後に亞莎が専属軍師につくと、藍里の内政面への寄与が重要視される中で、藍里の器用な才を愛し、軍師としても積極的に起用している

 

  容姿は朱里より頭一つ高いくらい 茶髪で腰まであるツインドテール 朱里とよく似た童顔でありながらおっとりした感じである

  服装に関しては赤の文官服を着用しており、胸は朱里と違い出ている為、朱里とは違うのだよ 朱里とは・・・

  と言われているようで切なくなるようである(妹・朱里談)  

 

  ○太史慈 子義 真名を桜

 

  能力を開放しない雪蓮と一騎打ちで互角に闘った猛者  桜の加入により瑠璃が一刀専属の斥候隊長に昇格し

  騎馬弓隊を任されることとなった(弩弓隊・隊長 瑠璃→子虎、騎馬弓隊・隊長 子虎→桜に変更)

  本来の得物は弓で、腕前は祭を凌ぎ、一矢放てば蜀の紫苑と互角、多矢を同時に放てば秋蘭と互角という

  両者の良い処をとった万能型である

 

  武器:弓 不惜身命

  特に母孝行は故郷青州でも有名であり、建業の役人街が完成した際に一刀の薦めもあって一緒に迎えに行く

  隊長として挨拶した一刀であったが、桜の母はその際に一刀をいたく気に入り、是非、桜の婿にと頼み込む程であった

   

  容姿はぼん・きゅ・ぼんと世の女性がうらやむような理想の体型でありながら身長が瑠璃ぐらいという美少女系女子

  眼はブラウン(濃褐色)であり、肩下までの黒髪 気合を入れる時には、白い帯でポニーテールに纏める

  一刀の上下を気に入り、自身用に裁縫し作ってしまう程の手先の器用さもみせる

 

 ○青(アオ)

  白蓮から譲り受けた青鹿毛の牝馬の名前

 

 ○馬騰 寿成 真名を翡翠(ヒスイ)

 

  緋蓮と因縁浅からぬ仲 それもその筈で過去に韓遂の乱で応援に駆けつけた呉公に一目惚れし

  緋蓮から奪おうと迫り殺りあった経緯がある

 

  この時、緋蓮は韓遂の傭兵だった華雄にも、何度と絡まれる因縁もオマケで洩れなくついて回ることとなるのだが・・・  

  正直な処、緋蓮としては馬騰との事が気がかりで、ムシャクシャした気持ちを華雄を散々に打ちのめして

  気分を晴らしていた経緯もあったのだが・・・当の本人は、当時の気持ちをすっかり忘れてしまっている 華雄さん お気の毒に・・・

 

  当の本人(緋蓮)が華雄さんと再戦した際、もうこのやつあたりの事を覚えておらず、真相は闇の中へと葬られることとなったが

  この事情を孫呉の皆が仮に知っていたのならば、きっと華雄に絡まれる緋蓮の事を自業自得と言いきったことだろう・・・

 

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今回で第3回目となります【 上位5名 】を第2章の拠点候補ヒロインとして決定するこの企画 

投票形式、雪蓮と蓮華が除外は前回と同様ですが、前回以上に人数も増えておりまして、熾烈さが数段UPしておりますサバイバル投票(大泣 

 

この中から選ばれるヒロイン【 上位5名 】とは果たして一体 誰なのか!?

 

下記に20名控えていますので、コメント欄に1位~10位までの順位付けをお願いいたします(前回と同様に1週毎にリセット)

 

◎旧候補キャラ名: 緋蓮(孫堅)・小蓮・祭・楓(程普)・思春・明命・桜(太史慈)・瑠璃(凌統)・珊瑚(朱桓)・子虎(徐盛)

          冥琳・穏・亞莎・藍里(諸葛瑾)・琥珀(魯粛)・紅(張紘)・王林(張昭)

 

◎新候補キャラ名:霞、月、詠

 

 

一例:01位:緋蓮 02位:祭 03位:冥琳 04位:藍里 05位:紅 06位:王林 07位:瑠璃 08位:思春 09位:明命 10位:小蓮

といった具合に、コメント欄にカキコ、よろしくお願い致します<(_ _)>

 

 

※【得点配分は1位を10点 以下9・8と続き、10位が1点となり、次週との総得点の上位5名が第2章の拠点候補に決定

   5位が同得点の場合、重なった人数分制作致します】

 

 皆様の御投票、感想ドシドシお待ちしております<(_ _)>

 

 ー 皆様の投票が明日の拠点を変える! -

 

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【あとがき】

 

常連の読者の皆様、お初の皆様 こんばんは 雪月でございます

いつも大変お世話になっております

 

前回の補足部分をより鮮明に、そして連合軍のその後の動向をお伝え致しました

いかがでしたでしょうか?

 

前話は初期の頃より久々に一週での支援数が20に到達致しまして感無量でございます(´;ω;`)ブワッ

支援ボタンを押してくださった皆様、本当にありがとうございます<(_ _)>

 

この度の話は、先にも話しました通り、前話早足で駆け抜けた部分の補足と

董卓軍の皆が別れを惜しみつつも、それぞれの道を歩んでいく そんな話に仕上げております

 

そして次週、ついに一刀が提案する”謀”の正体が明かされる事となります

 

冥琳とも違う”謀”の正体とは一体!?

 

といった処でしょうか 

 

そして第2章の終わりが見えましたので、今回から2週に渡って、第2章の拠点候補ヒロインを決める投票を行います

ドシドシ御投票くださいませ~ 皆様からの投票をお待ちしております<(_ _)>

 

皆様のご期待に出来るだけ添える内容となるよう、鋭意制作して参りたいと思っております

 

これからも皆様の忌憚のない御意見・御感想を、制作の糧にすべくお聞かせ下さいませ

作品の完結まで皆様のご支援、何卒よろしくお願い致します<(_ _)>

 

それでは次回更新まで(*´∇`)ノシ マタネ~♪


 
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