No.617501

【獣機特警K-9ⅡG】がんばれベルタ【交流】

古淵工機さん

小さな小さなK-9隊員は今日も一生懸命なのです。

◆出演
ベルタ:http://www.tinami.com/view/608903
イシス:http://www.tinami.com/view/609970

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2013-09-08 23:29:36 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:884   閲覧ユーザー数:845

「えいっ、えいっ!」

 

ここはラミナ市の官庁街の近くを流れるラミナ川。

そこに架かる鉄橋を、大勢のビジネスマンを乗せたアーバンコミューターが走る。

その橋のたもとから響くのは幼い少女の声。

 

「えいっ、やあーっ!!」

声の主はK-9隊5号機のベルタ・カシイ・アインリヒト、ロールアウトしたばかりの小学1年生だ。

…その手にはトンファーが握られている。小学生が持つには少々大きいようだが…。

 

「いいわよベルタ!その調子よ!!」

と、指導をしているのは同じくK-9隊の3号機、イシス・ミツザワ。

その傍でベルタを見守るのは8号機の煌月空と隊長の久遠・ココノエ、

そしてベルタの母にしてラミナ警察署の署長であるエルザ・アインリヒトだ。

 

「たぁぁぁーっ!」

勢いをつけてトンファーを振りかざし走るベルタ。

…だが、次の瞬間それは起こった。

 

「ひゃわっ、わわわわわわっ!」

なんと勢いがつきすぎて、ベルタはバランスを崩してしまったのである!

「ちょ、ちょっとベルタちゃん、こっちに来たら…」

慌てふためくイシスとソラだが、逃げる間もなくベルタは転倒、なんと将棋倒しの体勢になってしまった。

「お、おーい。三人とも大丈夫ー?」

「「「きゅぅ…」」」

と、声をかけるクオン。だが、その声は三人の耳には届いていなかった。

倒れた衝撃で三人とも気絶してしまったからである。

数分後。

「うう、あたしって武器使うの向いてないのかなあ…」

しょんぼりした表情を浮かべるベルタの肩に、エルザはそっと手を置く。

「いいかベルタ、お前はまだまだ子供なんだぞ?焦ったって武器が扱えるわけないだろう」

「でも、でも…」

目に涙を浮かべるベルタの頭をひと撫で、ふた撫でしながらさらにエルザは続ける。

「誰だって今すぐ上手に武器を扱えるわけじゃないさ。さっきも言ったがお前はまだ子供なんだ。ということは、だ」

と、エルザがここまで言ったところで、クオンがベルタに声をかける。

「君にはまだまだたっぷり時間がある。大丈夫、ひとつずつ覚えていけばいいんだよ」

その言葉を聞いたベルタは、しばし戸惑っていたが、やがてその小さな手で涙を拭うと、満面の笑顔を浮かべてこう言ったのだった。

「うん!あたし頑張る!ありがとママ、クオン隊長、イシスさんにソラさん!」

「ハハハ、その意気だ。うっかり転んで川に落ちないようにな」

 

…K-9隊最年少、ベルタ・カシイ・アインリヒト。

彼女の挑戦はまだまだ始まったばかりである…。

がんばれベルタ!負けるなベルタ!!


 
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