No.617501 【獣機特警K-9ⅡG】がんばれベルタ【交流】古淵工機さん 2013-09-08 23:29:36 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:884 閲覧ユーザー数:845 |
「えいっ、えいっ!」
ここはラミナ市の官庁街の近くを流れるラミナ川。
そこに架かる鉄橋を、大勢のビジネスマンを乗せたアーバンコミューターが走る。
その橋のたもとから響くのは幼い少女の声。
「えいっ、やあーっ!!」
声の主はK-9隊5号機のベルタ・カシイ・アインリヒト、ロールアウトしたばかりの小学1年生だ。
…その手にはトンファーが握られている。小学生が持つには少々大きいようだが…。
「いいわよベルタ!その調子よ!!」
と、指導をしているのは同じくK-9隊の3号機、イシス・ミツザワ。
その傍でベルタを見守るのは8号機の煌月空と隊長の久遠・ココノエ、
そしてベルタの母にしてラミナ警察署の署長であるエルザ・アインリヒトだ。
「たぁぁぁーっ!」
勢いをつけてトンファーを振りかざし走るベルタ。
…だが、次の瞬間それは起こった。
「ひゃわっ、わわわわわわっ!」
なんと勢いがつきすぎて、ベルタはバランスを崩してしまったのである!
「ちょ、ちょっとベルタちゃん、こっちに来たら…」
慌てふためくイシスとソラだが、逃げる間もなくベルタは転倒、なんと将棋倒しの体勢になってしまった。
「お、おーい。三人とも大丈夫ー?」
「「「きゅぅ…」」」
と、声をかけるクオン。だが、その声は三人の耳には届いていなかった。
倒れた衝撃で三人とも気絶してしまったからである。
数分後。
「うう、あたしって武器使うの向いてないのかなあ…」
しょんぼりした表情を浮かべるベルタの肩に、エルザはそっと手を置く。
「いいかベルタ、お前はまだまだ子供なんだぞ?焦ったって武器が扱えるわけないだろう」
「でも、でも…」
目に涙を浮かべるベルタの頭をひと撫で、ふた撫でしながらさらにエルザは続ける。
「誰だって今すぐ上手に武器を扱えるわけじゃないさ。さっきも言ったがお前はまだ子供なんだ。ということは、だ」
と、エルザがここまで言ったところで、クオンがベルタに声をかける。
「君にはまだまだたっぷり時間がある。大丈夫、ひとつずつ覚えていけばいいんだよ」
その言葉を聞いたベルタは、しばし戸惑っていたが、やがてその小さな手で涙を拭うと、満面の笑顔を浮かべてこう言ったのだった。
「うん!あたし頑張る!ありがとママ、クオン隊長、イシスさんにソラさん!」
「ハハハ、その意気だ。うっかり転んで川に落ちないようにな」
…K-9隊最年少、ベルタ・カシイ・アインリヒト。
彼女の挑戦はまだまだ始まったばかりである…。
がんばれベルタ!負けるなベルタ!!
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小さな小さなK-9隊員は今日も一生懸命なのです。
◆出演
ベルタ:http://www.tinami.com/view/608903
イシス:http://www.tinami.com/view/609970
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