No.615609

魔法先生ネギま! 悪と正義のマギステル・マギ候補生 第二節「教員生活開始」

霞月さん

はい、こっからネギとルーンの教員生活が始まります。
ルーンのスペックの高さは無視してください。正直この子今の段階でも高音さん位なら問題無く撃退できるわと作者も呆れてます。

2013-09-03 16:54:14 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1824   閲覧ユーザー数:1729

 

†近右衛門(学園長)

二人の魔法学校卒業生を修行で受け入れるのは始めてのことじゃから、どうにも不安がよぎるのぉ。ネギ君はいい子だと聞いておるが、ルーン君は素行不良……高畑君曰く単に猜疑的らしいが、成績は優秀なので問題ないらしいがの。

 

わしが思案に沈んでいる内に学園長室のドアがノックされる。大方二人が到着したのじゃろう。どうぞ、と告げて入室を許可すると、高畑君、ネギ君、そしてルーン君が入ってきたが……どうして明日菜君と木乃香が一緒におるのじゃ高畑君。目線でそう尋ねるがそらされたわい。

 

「ようこそ、ネギ・スプリングフィールド君、ルーン・オースキ・龍視君。はて、明日菜君に木乃香や、わし二人の事呼んだかの?」

 

年も年じゃし、少しボケたふりをしておくか。二人に言外に呼んでないから出ていなさいと告げたつもりじゃったが、明日菜君がわしのことをじっと見てきた。どうやら話があるようじゃが、その前に言わねばならない事がある。

 

「ルーン君、わしはボケてなどおらんぞ」

 

小声でボケ老人などと呟いておったので抗議しておく。緊張が見られるネギ君に対して、なんというかそんな感じは一切なく傍若無人な佇まいに年齢詐称を疑ってしもうたわい。

 

申し訳ございません、と頭を下げておるが、君の素行に関しては高畑君からの報告とメルディアナからの資料で知っておるからの?猫を被ってもわしには分かるぞ?と笑いがこみ上げてくるが、笑う前に明日菜君がわしに話し掛けた。正確には抗議じゃな。

 

「学園長先生!このガキン……この子達が教師って本当ですか!?」

 

まあ、確かに労働基準法とかぶっちぎっておるがの?経歴も詐称しておるし、それを知った上で雇用しておるわしは本来結構な犯罪者じゃが、そこは本国との連携でなんとかなるから気にする必要はない。それにしてもルーン君はなんでわしのことを凝視しておるのじゃろう。心無しか殺意がこもっとる気がするんじゃが……。

 

†ルーン

何だあの化け物。ぬらりひょんかなんかか?

 

俺の視線は妖怪(学園長)に釘付けです。人間の見た目じゃないよあれは……悪魔って言ってくれた方が納得するから潰すか?

 

「……流石に殺せないか、仮にも組織のトップにいられる奴だし」

 

ポツリと呟いたらタカミチに苦笑されました。多分やろうとしたら止められているんだろうけども、初動の点で他の西洋魔術師に比べて優位性が有るからいけるか?

 

自然殺意が若干視線に篭ってしまうが、人外めいた容貌をしている爺さんが悪い。

 

そんなこと考えてるうちに明日菜と学園長が揉めて、それをタカミチが仲裁。そしていつの間にかネギと俺の住居が決まってた。ネギは明日菜と木乃香さん、俺は桜咲さんと龍宮さんって人の部屋に預けられることになってた。面識無い人間にいきなり預けるってどうなのよ学園長。

 

「話は通してあるから心配は無用じゃぞ、ルーン君や」

 

顔に出たのかそれとも妖怪的なスキルで心を読んだか分からないが学園長がそう言ったので頷かざるを得ない。一応雇用主だし従うが吉か。

 

その後明日菜と木乃香さんは先に教室へ、俺とネギは残される。大方激励とかそんなんをいただけるんだろうが面倒臭い。正直言われなくてもちゃんとやる。

 

「難しい課題じゃとは思うが、二人には頑張って欲しいと思っておる」

 

「はいっ!」

 

いいお返事はもちろんネギです。流石優等生。見習おうとも思えない程度に俺はクズです。大学の講義サボって雀荘行っちゃう大学生並みには。

 

俺が返事するのも期待しないでいてくれたのか、話が先に進んで指導教員のしずな先生に会わされた。ネギが谷間に顔を埋めてたけど、こいつ方々でこういう事態を起こしそうで怖い。

 

妖怪とタカミチに見送られて教室に向かう事になった。さて、明日菜と木乃香さんがいるクラスらしいけど他の面子はどんな感じかな?

 

†タカミチ

「ルーン君はいかがです?」

 

僕の心配はこれに尽きる。学園長を殺す算段をしていた辺りで彼の事が心配になったからだ。僕の問いに答える学園長がどこか楽しげなのは僕には無い余裕故か。

 

「ふぉっふぉっ、若者はあれくらいイキがいいくらいで丁度いいわい。流石に殺されるのは勘弁じゃがのぉ」

 

どうやら学園長にも聞こえていたらしいが、意にも介していなかったようだ。見習い魔法使いが多少束になっても問題無い人だからなぁ……僕も三ダース位なら問題無く対処でできるけれど。

 

けれど、その常識は彼ーー正確には彼の一族の出身者ーーには通用しない事が多い。彼の“力”がどういうものかも分からないからだ。

 

“ある一分野で天才になる能力”

 

分野次第では確かに天才で済むだろうけど、逆に分野次第では化物クラスの力を発揮できるだけに恐ろしいものが有る。“あの事件”の時に見た光景が頭に浮かぶと、彼の力は後者に寄っている物だと分かるから。

 

「しかし、高畑君や。あの二人、特にルーン君の事は任せたぞい?」

 

それだけ言うと学園長はハンカチで額を拭った。10歳、それも数え年から発された殺意に冷や汗をかかされるなんて本来あり得無い事だ。僕は黙って頷いて学園長室を後にした。

 

ネギ君の父親に並んで“名高い”ヴィズルの子供、油断は出来ないね。

 

†ネギ

これから僕が担任(非常勤講師として)受け持つクラスは2-Aです。タカミチが元々は担任だったクラス……僕なんかにちゃんとやれるかな?と不安になると、ルーンから肩を叩かれました。

 

不器用な彼なりの励ましに僕は頷きを返します。それを見たしずな先生がクスクスと笑っているけれど、さっき会った明日菜さんと木乃香さんがいるから少しだけホッとしています。……明日菜さんは怒らせたままだけど。

 

凄く騒がしい教室を覗くと、たくさんの女の人。皆僕より五歳年上です。クラス名簿をタカミチから貰ったからそれを見ると皆で31人。授業をちゃんと聞いてくれるか不安になるけど、父さんに追いつくために頑張らないと!

 

そう意気込んで教室のドアの前に立つと、後ろにルーン、しずな先生の順で並ぶ事になります。ルーンは副担任で、社会科の担当になるから授業時間中は一緒じゃないけど、心強く感じる。

 

ガララとドアを開けると、頭上から何か落ちてきたので障壁で受け止めると……黒板消しでした。日本にも有るんだ、と思っていると魔法がバレる!?と障壁を外そうとした途端……黒板消しが教室の中に殴り飛ばされました。

 

†ルーン

何だこの下らないトラップは。

 

ネギに落ちてきた黒板消しを視認した俺の感想はその程度。とりあえず殴って教室の中に叩き込む。廊下を汚すと怒られそうだったから。

 

ポカンとしているネギを放置してツカツカと入室しようと歩くと足元にバケツ。拾います。掃除用具出しっ放しにしてるとか、タカミチが担任してた割にはなってないクラスだな。

 

とか思ってると今度は足元にロープ。バケツに引っかかった奴がここで転けるようにセットしたのね、周到周到とか思いながら拾ったバケツで押してやると玩具の矢が飛来したのでバケツと手で対処。

 

正直落ち着いていれば対処が楽なトラップばかりでアスレチックにしても物足りない。てか、何やってんのこのクラス?普通に大人の先生だったらブチ切れて説教コースだぞ、これ。

 

そう思って溜息を零すと歓声が響く。煩い。

 

とりあえずネギが担任だから教卓までさっさと歩けと目で訴えると大人しく歩いてくれた。助かる。

 

こんなアクの強いクラスの担任やらせるとか、あのぬらりひょんマジで殺そうかと悩む事から教員生活が始まるのでした。

 

 

 
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