No.614575

恋姫のなにか 37

くらげさん

いや、難産でした……大変お待たせいたしました。

2013-08-31 21:49:49 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:7786   閲覧ユーザー数:4606

司馬日記支援の方はネタがバンバン出てくるんですけど、こっちの方はとんと出ません。どういうことなの……

困った時の華琳様。マジで助かってます、いやホント。

扇風機の前で『あ゛ーーー』と言うのは誰しも経験があるだろうが、身内以外の異性と仲良くベットリ肩を付き合せて、というのは一部の人しか経験出来ないんじゃないだろうか。

 

「あ゛ーーーーー」

「ヴァーーーーー」

 

一人暮らしの一刀宅にクーラーは無く、買う金も無い。

加えて酷使している扇風機がお亡くなりになり、周囲からの支援(氷枕とかカキ氷とかアイスとか)を受けて何とか猛暑を乗り切っていた一刀だったが、担任である祭から要らなくなった扇風機を有り難く頂戴したのがこの前の事。

 

「華琳、暑いからお前ちょっとどけ」

「蹴っ飛ばされたくなかったら一刀がどけー♪」

「なんでベタベタベタベタくっつくんだよ!俺風呂上りでクソ暑いんだっつーの!」

「最後に水被って出てきなっていっつもいっつも言ってるのにやんない一刀が悪いんだい!!」

 

ぐい、と一刀が肩で押せばぐぐい、と華琳が押し返す。

まぁなんだ、バカップル自重しろ。一刀さんは爆ぜてろ。

 

「あーそだ、車借りれたよん」

「俺免許無いぜ」

「だいじょーぶ、アタシが運転するから」

「ご苦労。ついでに扇風機の前譲れ」

「それとこれとは別問題だい!」

 

猶もイチャイチャしながら待ちに待った(華琳主観)アウトドアのキャンプの計画を詰める一刀と華琳だったが、華琳のケータイが鳴った事でそれは終わりを告げた。

 

「ん、メールだ」

「よし、どけ」

 

テーブルの上で軽快なメロディを奏でるケータイを華琳は手に取って、届いたメールを確認する。

 

「仕事でも入ったかー?」

「いんや、雪蓮から」

「ふーん」

「『明日お茶しないか』だってー」

「んー。あ、そうだ、一応扇風機のお礼言っといてー」

「らじゃー。一刀も来る?」

「気が向いたら」

 

 

言われてノコノコ出てくるのが華琳ちゃんである。

家に居る時はいくらダラけきっていても、お出かけとなればバッチリ決めるのが乙女であり女の子。

待ち合わせの喫茶店にやってきた華琳だったが、オープンテラスに一人腰掛ける雪蓮の異様な雰囲気にゴクリ。と生唾を飲む。

【急遽予定が入って行けなくなっちゃった、ゴメンねてへぺろ(・ω<)】という文面を必死に打っていたのだが、肩をポン。と軽く叩かれて思わず顔を上げる。

 

「やぁ。久しぶりだな、華琳」

「……おひさしぶりです、秋蘭さん」

 

自分より頭二つは高いであろう長身のクールビューティーが、半分だけ覗く片目をギロリと光らせて背後に立っていた。

華琳の左肩を左手で叩いた秋蘭は華琳の真後ろに回りこんで、肩に置いた手に力を込める。

痛い、と思わず叫ぶ程では無かったが、逃す気など更々ないのがよぉっく分かる力加減。

 

「さぁ、中に入ろうじゃないか。雪蓮さんもお待ちかねだぞ?」

「あ、あの! なんでその……秋蘭さんが?」

 

一瞬だけ込められた左手の握力にヤブヘビった!と後悔した華琳、秋蘭は口元をくいっと持ち上げる笑みで華琳の質問に答える。

 

「なぁに、単純な話でな―――先日ホームセンターで一刀と仲良くお買い物をしている姿を見かけたのが私だったというだけの話さ」

「や、やだなー見てたんですかー恥ずかしー。こ、声掛けて「言い訳は、中で聞こうか?」

 

彼女もお待ちかねだ。と秋蘭が顎をしゃくって示した先には、右手で頬杖をつき、左手を軽く上げて指をウネウネと動かして挨拶をする雪蓮の姿、但し無表情。

 

「……綺麗だわ、空」

 

華琳逃げて!!

 

 

「いや、あのね雪蓮?別に雪蓮だけ仲間外れにするつもりだった訳じゃないんだよ?」

「ほーぉ?」

「いやコレホント!!ホントにホントなの!!ちゃーんと誘うつもりしてたの!華琳ちゃん嘘吐かない!!」

「へーぇ?」

 

雪蓮の名誉の為にこの状況を説明しておくと、嫉妬心は九割五分しかないのだ。

結果的に不参加なのだが月と冥琳(ついでに明命)は誘っておいて、何故自分だけハブられているのか。

月と冥琳からの連絡ならわかるが、何故敵と認定している秋蘭からのメールで事の次第を確認しなければならないのか。

秋蘭主導でこの会合が生まれているのも気に喰わないし、少し前に家に扇風機を取りにきた一刀が何も言ってくれなかったのも寂しいし、とりあえず華琳なんかムカつくし。とまぁ色んな感情がごちゃ混ぜなのだ。

その結果、華琳にダメージを追わせる前にとりあえず言い訳を聞いておこう。となった訳である。

 

「でもさ、雪蓮さ、旅行行くじゃん?家族旅行!!三姉妹にお母さん、家族水入らずで仲良く旅行!!」

「そうねぇ?」

「だ、だからあんまり駆け込みで予定ぶっ込むのは大変かなぁって、気を利かせた訳でして、その……」

「ありがとうってお礼言えばいいのかしら?」

「もういっそ一思いにぶん殴って下さいませんか?!」

 

結構長い付き合いだが、精神的に甚振られるのは記憶にとんとない。忘れているだけかもしれないが。

淡々と相槌を打つ雪蓮はただただ怖い。

華琳の悲痛な願いに取り合う事無く、雪蓮はアイスコーヒーをちゅーっと啜る。めっさ怖い。

 

「え、えーっと……雪蓮と秋蘭さんって仲良かったんだねー、知らなかったなぁ!あは、あははは……」

「そうねぇ」「お前がそう思うならそうなんだろう、お前の中ではな」

「……あの、開き直ってお聞きしますけれど!! お二人ともお誘いが無かった事に対してめっちゃキレてるって事で宜しいでしょうか?!」

「私はそうねぇ。 こっちのストーカーがどう思ってるかは知らないけど」

「脳味噌ピンクがどう思ってるかは知ったこっちゃないが、私が非常に腹を立てているのはこの事に関してだ」

 

秋蘭が華琳の前に突き出したのは、デジカメに収められた写真だった。

何をどうやってこの光景をカメラに収めたのかは分からないし知りたくないのだが、華琳が一刀に財布を渡している瞬間。

 

「身に覚えは?」

「ありますけど……あの、イマイチ、お怒りポイントが見えないんですけど……」

「これでも私は一刀の保護者を自負していてな。 一刀のお姉さん達からも宜しく言われているんだ、取り分け金銭に関する事に関しては念入りに」

「はぁ……」

「旅行はまぁ良かろう。買い物も眼を瞑ろう。しかし、君が自身の財布を当然の様に一刀に渡して、一刀もそれを当然の様に受け取っているのは、健全な友人付き合いだとは思えないんだが?」

「言い訳しますんで、拳鳴らすのやめてもらっていいっすか」

「三十文字くれてやる」

「男の子だしやっぱ格好付けたいかなって思ったんですごめんなさい!」

「ギルティ」

「何故?!」

「三十一文字だからだ」「えーっと……あらホント。!マーク付けなきゃよかったのにねぇ?」

「理不尽すぎる!!」

 

華琳逃げ……いや、うん、なんでもない。

 

 

「で、アンタどーすんの?」

「無論、参加させて貰う。 君の様な不順異性交遊バッチコイな人間が傍にいてはお姉さん方も不安だろうからな?」

「あーらお言葉ねぇ? アタシ、あの子に対して不純な感情なんて持った事ないけど?」

 

制裁を受けた華琳を間に挟んで、雪蓮と秋蘭のバトルがいよいよ開始された。

おっそろしいまでの美人が三人もいればそりゃあ人目を引くのは当たり前なのだが、今現在人目を集めている理由はそれだけではないだろう。

注文の品を運んでくれた従業員のお姉さんに愛想笑いを送ると、華琳は雪蓮と秋蘭の顔を、両者が口を開く度に忙しなく視線だけで覗いている。

 

「ならば、態々参加しなくても良いのではないか?なぁ華琳」「オス」

「人が人を好きになるのって不純な事なのかしら、ねぇ華琳?」「オス」

「玉虫色の回答は非常に気に障るんだが。なぁ華琳」「どないせぇっちゅうねん」

「まぁ結論から行きましょうよ。 アタシはアウトドアキャンプに参加する、アンタは参加しない。おーけー?」

「華琳、ちなみに日帰りか?」

「シェラフ作って一泊です本当に申し訳ございませんでした!!」

「宜しい。これで私も参加する事は決定した訳だ」

「急に飛び込みで言われても一刀くん困るんじゃないかしら?」

「その言葉をお前の顔面に叩きつけてやるよ」

 

思いっきり聞こえた雪蓮の舌打ちに華琳はそーっと視線をズラすと、視線の先に現れた人物を見て思いっきり咽た。

 

「華琳、ちなみに―――何をしている」

「ごほっ!!げほっ!!」

「なによ、詰まった……」

 

震える手で指差されたその先で暢気に手を振る一刀を見て、雪蓮と秋蘭はあんぐりと口を開いた。

 

「おいどういう事だ。何故一刀が此処を知っている」

「昨日教えたんですよぉ……気が向いたら来るって言ってましたし、向いたんじゃないですか」

「ちょっと待ってよ先に言っときなさいよそういう事はアタシ今日普段着よ?!」

「寝癖でボサボサの頭にクソ機嫌悪い顔まで見られたんでしょ、じゃあ大丈夫じゃない?知らないけど」

「よーっす。 あれ、秋蘭なんでいるの?」

「色々あってな。 何か食べるか?」

 

何があるの?と尋ねる一刀に秋蘭は微笑むと店内へ入っていく。

その間必死に手櫛で髪を整えていた雪蓮を見つけると、一刀はどーも。と挨拶する。

 

「先輩、こないだは扇風機ありがとうございました」

「い、いいのよ気にしないで。 調子はどうだった?家で使ってた中古品だったし、止まったりしない?」

「え? あれ新品じゃないの?」

 

だって。と続けようとした華琳の足を思いっきり踏みつけると、雪蓮はうふふーと一刀に微笑む。

 

「ちなみに一刀くん。この前は前日にたまたま課題を片付けてたからあんな格好だっただけで、普段は違うのよ?ホントに」

「何があったかよく分かる口ぶりだ」

「おけーり」

 

帰ってきた秋蘭は一刀にただいま。と言うと買ってきたパンとコーヒーをトン。と置いた。

やっほーい。と一刀はコーヒーを飲んで包装を破きながら、それに口を付ける前に疑問を口にする。

 

「そういや何の用事だったんすか?」

「ん? いや何、暇だったもんでな」

「何だよ、だったら華琳だけじゃなくて俺も誘えよ」

「すまんすまん」

 

秋蘭を攻める一刀を見てコイツマジツエェ。と華琳はストローを啜りながら思う。

自分が同じ事を口に出したらと思うと、あぁ恐ろしい。

 

「そういや秋蘭って週末暇?」

「細々した予定ならあるが、何かあるのか?」

「キャンプ行くんだけど、秋蘭来ない?確か免許持ってたよな?」

「一応な。ほぼペーパーだぞ?」

「よし決定。朝に俺ん家集合なー」

「はいはい」

 

苦笑しながらそういう秋蘭だったが、雪蓮の方を向いた時に上がった口角は苦笑したそれではなかった。

その挑発にかかった雪蓮は一瞬眉を吊り上げるものの、おちつけ私、クールになれ。と華琳の脛を蹴っ飛ばして合図を送る。

 

「しぇ、雪蓮はどう?これそうなのー?」

「んー多分大丈夫だと思うけど……朝集合なら、ちょっと遅れちゃうかもしれないわー」

「あー、そういやそうっすね。つか来れるんすか?」

「あら、お邪魔?」

「ウェルカムです」

「ありがと。んーでもどうしよっかなー……」

 

秋蘭とは対照的に綺麗に笑う雪蓮。秋蘭に向けられた笑みは、秋蘭が雪蓮に向けたそれと同じ種類だったが。

しかし、単発で終わった秋蘭の攻撃とは違い、雪蓮には追い討ちがあった。

 

「あっそうだ!!一刀くんのお家、泊めてくれる?」

「はぁ?!」「なんだと?」

「だって、そうすれば態々アタシを待たなくても良いじゃない。違う?」

「いやでもさぁ雪蓮、流石に一人暮らしの男の子の部屋に泊まるのは「ほーぉ?」如何なものかと、思うん、だよ、うん」

 

お前が言うな。という視線にビビった華琳だったが何とか言い切った。

だって秋蘭がおっそろしい眼で『潰せ』と送ってくるんだもの。

 

「車」

「はい?」

「車で行くとの事だが、その車は何処にあるんだ?」

「え、ええっと……前日に借りてアタシのマンションに止めて、んで一刀を迎えに……」

「で、あれば。 雪蓮さんは華琳の所に泊まれば良い。論破だ」

「そ、そうだよ雪蓮。問題解決!」

「そーねー。 じゃあ華琳、よろしく」(ねぇ華琳。アンタ、どっちの味方?)

「ドウイタシマシテ」(アタシはアタシの味方です)

 

がっちり握手を交わす雪蓮と華琳。組んだ手が小刻みに震えているのは気のせいだろうか。

一刀はそれを横目で見ながら、秋蘭の買ってきたサンドウィッチをあむあむと食べている。

 

「付いているぞ、全く」

「めんご」

 

秋蘭は一刀の口元に付いたソースを人差し指で拭うと、躊躇う事無くそれを口に運ぶ。

何の気なしに行った、ある意味習慣めいた行動だったのは秋蘭が雪蓮を煽る事をしなかった事からも確定的にあきらか。

 

「んー……別段普通のソースだな」

「そりゃそこまで手はかけんだろうさ」

「一刀、一口」

「あーん」

 

ひょいっと突き出されたサンドウィッチをあむっと齧ると空を仰いで咀嚼する秋蘭。此処まで二人のテンプレ。

 

「参考になりますかいお姉さん」

「して欲しいなら作ってやるが、流石にアウトドアにお弁当はどうなんだ?」

「あーそっか……まぁ今度作ってー」

「はいはい」

 

と、そこまで会話を交わしてアイスティーを啜った辺りで公衆の面前(というより華琳と雪蓮の面前)だった事に気付いた秋蘭。

頬に朱をさして口をパクパクと開いて、口元を手の平で押えてそっぽを向いてしまった。

 

「雪蓮、雪蓮ちょっと痛い!」

「あ、ごめん。今のマジで無意識だったわ」

「なぁ華琳、飯ってどうすんの?」

「今此処でソレを尋ねるか小僧」

「おにぎり作って持って来るんだっけ?飯盒で炊くんだっけ?」

「飯盒、飯盒炊爨だから雪蓮ちょっと落ち着こうよ。もうアタシの右手ボロボロだよ」

「参加者この四人だろ?だったら今予定決めちまおうぜ」

 

サンドウィッチを食べ終わった一刀がそう言って、漸く秋蘭も復帰した。

この後話し合いの最中に華琳が三度程自業自得の眼にあったり、出立前日に秋蘭が一刀の家に泊まりに来たりとまぁ色々あるのだが、それはまた、別の話。

あとがき。

 

苦し紛れにやっつけで書きました。出来てよかった……

計算づくでなら色々攻撃出来るのに、天然でやってる行動を見られると顔真っ赤にして拗ねる秋蘭とか何そのご褒美。

本当は扇風機を貰ってくる話を書こうと思ってたんですが、祭さんを出すと桔梗さんも出てきて、紫苑まで登場して扇風機所じゃなくなったのでオクライリー。

もう季節はずれになりますけど、猛暑ネタはどうにか書きたい所存です(キリィ

 

 

お礼返信。

 

 

七夜様         ほら、華琳さんはオチ担当だから……

 

D8様          姉’sは毎年大晦日に犠牲になっております。

 

ちゃあ様        流石は霞ねーさんのお気に入り。ゴールインしてからが本番な気もしますがね。

 

呂兵衛様        ダメだ……もうおしまいだ……勝てる訳がないよ……

 

yosi様         流石は恋姫一の癒し系カズト(*´ω`*)イイコ

 

よしお。様       評判良くて何よりですw

 

月光鳥~ティマイ~様  えー秋蘭も書くんですかー? 完全に十八禁になっちゃうなー読んでくれる人いるのかなー(チラッチラッ

 

ヴィヴィオ様      事情聴取は最終日。華琳逃げて!!

 

R田中一郎様      華琳E:不屈回路

 

HIRO様         コメントみて眼から鱗でした。

 

zero様         やめて!それ以上いけない!

 

kaz様         サルー○ンとどっちにしようか悩みましたw

 

ゴーストチャイルド様  淑女の自衛手段ですw

 

KU-様         飲み屋のおっさんみたいな状況になると思いますw

 

イリヤ・エスナ様    ほら、此処はエロ禁止だから……

 

happy envrem様     マジレスすると話が進まなかったんですw

 

前原 悠様       褒めてもらったぜーいえー!

 

ノワール様       一刀には、勝てなかったよ……

 

tyoromoko様      いぐざくとりー

 

悠なるかな様      私は生まれてこの方嘘など言った事が無い、真にイカンである(キリッ

 

ちきゅさん様      姉を……喰ってる……!

 

SRX-001様       ほら、酔わせていけない事狙う男が多いからさ?

 

Alice.Magic様      何時から華琳の受けた被害が一度だと錯覚していた?

 

shirou様        らめぇ!!出ちゃらめぇ!!!

 

観珪様        いや、その……ごめん。ついつい……

 

MiTi様        本来は此処だけで書く予定だったんですけどねwノリってこわいわー。


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