ゴフっ!
ガシャン!!
飲み物を口に入れたすぐあと、僕は血反吐を吐き倒れた。
朦朧とする意識の中で僕は毒殺だと思った。
自分は異端児としてこの世界に生を受けた。
普通の人に有らざる姿と力。
それ故、僕には名前すらなかった。
自分は生まれた家でモノ同然の扱いを受けてきた。
それが、今壊されたのだ。
そろそろ、意識が無くなる
意識がなくなる寸前、声が聞こえた。
「生きたいか?」
と、だから全力で応えた。
「生きたい!」
そして僕は意識を手放した。
ザァーーー・・・。
ザァーーーー・・・。
?何時の間に僕は外に出たのだろう。
それよりも、此処は何処?
動こうとしたが動けなかった。
何でと思い、自分の手を見た。
小さかった。
恐らく赤ん坊位の手だ。
と言う事は今自分は赤ん坊なのか?
「あー、あー。」
声を出そうにも上手く出なかった。
と言う事は僕は本当に赤ん坊なんだろう。
!!!
や、やばい!この雨の中赤ん坊の自分が居たら風邪を引いて死んでしまう!!
「おぎゃ~~~~!!!!」
僕は喉が潰れる位泣いた。
誰かに自分の居場所を教えるために。
生きるために。
暫く泣いていると、一人の男の人から抱きかかえられた。
「こんな所に捨てられて・・・。可哀想に・・・。」
その人の顔を見て何故だか僕は安心し大人しくなっていた。
「ふむ・・・。このままにしておくより家で引き取るか。」
そう言って男の人は僕を抱いて歩き出した。
そのあと僕は、性を曹、名を朋、字を錬鳳、真名を龍翠(りゅうすい)と言うふうに名づけられた。
僕は、身体を動かせるまでに成長するとある変化に気づいた。
それは僕の身体能力が、生まれ変わる前とさほど変わらない事だった。
始めは、その異常な身体能力にまた独りになるのでは無いかと思いもした。
でも、父も母も曹家に仕えてくれている人も多くの愛を僕にくれた。
この世界でも戦は有るみたいで、父はたまに戦にいく。
だから僕は身体を鍛え、父に恩返しが出来るようにしたかった。
そしてある日、無理をしていたのが父と母にばれて、父にしこたま怒られた。
怒っているときに父はこう言った。
「無理をするな。お前が倒れたりでもしたら私達が心配するだろう!!」
僕はその日、初めて誰かに心配してもらえた。
その日から僕はあまり無茶をしなくなった。
そして多くの本を読むようになった。
多くの知識を持ち父が誇れる息子になるために。
そして、今日も本を読んでいると、僕の部屋に父が赤子を抱いて入ってきて
「龍翠!喜べ!今日からお前はお兄さんだ!!」
そういって僕に赤子を見せる。
可愛い女の子だ。
「父さんこの娘の名前は何と言うんですか?」
「うむ。名を操、字を孟徳、真名を華琳となずけようと思う。」
僕はもう一度その娘・・・華琳をみて
「僕が今日から君のお兄さんですよ、華琳・・・。」
それが僕がこの家で五歳の誕生日を迎えた日の事でした。
「「「華琳様!龍翠様!お誕生日おめでとうございます!!」」」
「ありがとう!春蘭、秋蘭、桂花!」
「ありがとう。三人とも。」
今日は、僕は18歳、妹の華琳は13歳の誕生日だ。
「華琳様!龍翠様!これが春蘭からの贈り物です!どうぞ!」
「ありがとう、春蘭。」
元気の良いこの娘は僕と華琳の従妹の夏侯惇元譲、真名は春蘭と言う。
「此方は私から、どうぞ華琳様、龍翠様。」
このもの静かな娘はもう一人の従妹夏侯淵妙才、真名は秋蘭。
「華琳様!龍翠様!此方は私からです、どうぞ。此方の品は・・・・」
と、贈り物の説明をしてくれているこの娘は、華琳が塾で知り合った娘で荀彧、真名は桂花と言う。
僕は、春蘭と秋蘭からは、其々腕輪と首飾り(腕輪には春、首飾りについていた石には秋と彫ってある物)をもらい、桂花からは僕の髪の色に近い色の髪留め(恐らく手作り)をもらった。
「ありがとう。春蘭、秋蘭、桂花。大切にするよ。」
そう言って、三人を抱き寄せる。
「「「りゅ、龍翠様!////」」」
顔を紅くしてみんな可愛いな・・・なんてことをしていると
「むー。」
華琳の不満そうな唸り声が聞こえる。
僕は、三人から身を離し華琳の方を向く
「クス。華琳そう剥れない。今日は祝いの日ですよ?」
「でも、兄さん」
「そんな顔をしていたら僕からの贈り物あげませんよ?」
「む~~!兄さんの意地悪!」
僕からの贈り物と言う単語にあからさまに反応する華琳。
「クス。ゴメンゴメン。はいこれが僕からの贈り物だよ。」
そう言って、僕は華琳に片方は「華」もう片方には「琳」と彫ってあるひし形の木で出来た耳飾を贈った。
「これ、若しかして兄さんの手製?」
「よく分かったね。うん、僕の手製の耳飾だよ。」
「だって、三人が似た物を持っていたもの。」
そう言って華琳は春蘭、秋蘭、桂花を見る。
「あ、あの・・・///」
「・・・ええと///」
「あわわわ・・・///」
三人は自分の耳飾をしているほうの耳を其々手で隠す。
そう僕は三人の誕生日に其々「春」「秋」「桂」と彫った耳飾を1つ贈っていた。
「知っていたんだ。じゃあ話は早い。三人とも今持ってるみたいだしね。皆少し貸して?」
言われて四人は自分の耳飾を僕に差し出す。
そうして僕は、その耳飾の端を机の上でくっつけていき星の形に近い物が出来た。
「兄さんまだ一つ分あいてるわよ。はい」
そう言って華琳は、「龍」と彫ってある同じひし形の耳飾をくれた。
「若しかし無くても華琳の手製だね。」
そう言って僕はあいているひし形の部分に自分の物をはめる。
「本当は5つ星にする予定だったんだけど、華琳が僕の分も作ってくれたから6つ星になったね。」
「あら、兄さんは自分だけ仲間はずれになるつもり?」
そう言って華琳は僕に抱きつく
「聡明な華琳はもう僕の事知ってるんでしょう?」
「兄さんが拾い子だった事は父様に聞いた。でも、血は繋がって無くても私の兄。そうでしょう?」
その言葉に皆頷く。
その光景を見てから、僕は頬に何かが流れているのを感じた。
「兄さん。泣くのは、いけない事ではないわ。」
そう言って華琳は僕の頭を胸に抱いた。
僕は華琳の胸の中で数十年ぶりに涙を流した。
続く
NEXT主人公設定
名前
性:曹
名:朋
字:錬鳳(れんほう)
身長:180㎝
体重:67kg
容姿:美少女と間違われるほどの美少年で、髪の毛がエメラルドグリーン。
好きなもの:可愛いと思ったものを抱きしめる事、甘い物、読書
嫌いなもの:自分の大切な人を傷付けられること、人を人と見ない事
武器:大剣(柄は槍、刃は分厚く刃渡り2m位)
備考:
知識と言う物が与えられなかったので、三国志を知らない。
14歳の時点で既に魏の武将と互角に相手を出来るほど。
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初めまして!!
今回やっと公開することが出来ました!
主人公はオリジナルで、原作主人公一刀は出ません。
初めての作品なので上手くないですが、感想待ってます!