No.605126

【獣機特警K-9】危機一髪!決死の太陽系脱出【交流】

古淵工機さん

エドガーさんは必然的にかっこよくなってしまうなw

◆出演
ユナ:http://www.tinami.com/view/400980
クリスタ:http://www.tinami.com/view/401081

続きを表示

2013-08-04 21:00:47 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:873   閲覧ユーザー数:859

宇宙戦艦ロサ・ギガンティア艦内。

「船長さんよ、あいつら無鉄砲に突っ込んでくるみてえだぜ」

と、モニターを見ていたシザーハンドが呟く。

「フン、そんなに死にたいかい…可愛らしいピューマの兄ちゃん。アタイらに挑むなんざあ100万光年速いってもんさね。アラクル!」

「了解」

 

次から次に、エリック・ザ・レッドを目掛けて飛んでくるビームの嵐。

あまりの密度に、避けるだけでも精一杯と言った状況である。

「きゃ、キャプテン!!」

「ひるむな!全速前進!速度を落とすなぁっ!!」

まるで宇宙戦闘機のように俊敏な動きで、ビームの雨を振り切っていくエリック・ザ・レッド。

その機首部分に取り付けられたレーザーセンサーが、バスコ・ダ・ガマ号を捕らえた。

「そのままヤツと客船の間に入り込め!3…2…1…GO!!」

その頃のバスコ・ダ・ガマ船内。

「はぁ、はぁ…な、なんか苦しくない…?ユナちゃん…」

「そ、そうね…はぁ、はぁ…」

ユナやクリスタだけではない。乗客のほとんどが少しずつではあるが、息苦しさを感じていた。

実はこの時、バスコ・ダ・ガマにはある異変が起きていたのであった…。

ロサ・ギガンティア艦内。

「…船長、どうやら僕らと客船の間に入り込んだみたいだよ」

「フン、バカな奴らだ。そのままレーザーで撃ち抜いてやりな。多少お宝に傷をつけたって構いやしないよ」

ロサ・ギガンティアの船底部からマイクロレーザー砲がせり出し、エリック・ザ・レッドを捕らえる。

 

しかし、その様子を見たエドガーは迷うことなく次の指示を出した。

「今だ!シールド展開!およびメインアームを下部へ、サブアームを水平展開!!」

「了解!!」

エドガーの号令とともに、船体上面を覆うようにシールドが展開され、メインアームがしっかりとバスコ・ダ・ガマ号を掴み取る。

そして、サブアームも船体両脇へと展開された。

「よし、あとは脱出するだけ…」

と、エドガーが各モニターに目をやると、バスコ・ダ・ガマ号に一本のチューブが刺さっているのがうかがい知れた。

「しまった!奴らははじめからこうなることを予測して…!」

「はっはっはっは!アタイらの攻撃を封じようとした努力はほめてやろう。アンタが時間を稼いでくれたおかげでこの宇宙船の燃料をゆっくり奪うことができた」

「燃料だと…!?くそっ!」

「どうせもうコイツは抜け殻だ、くれてやるよ。はーっはっはっはっは!!」

と、先ほどまでしっかりつかんでいたバスコ・ダ・ガマ号をあっさり放し、ロサ・ギガンティアは宇宙のかなたへと飛び去っていった。

 

再びバスコ・ダ・ガマ号船内。

「ユナ!クリスタ!大変だ!…今調べたら燃料が抜き取られてる!そのせいで酸素の供給が止まったんだ!!」

「そ、それじゃあ…」

「このままじゃ客室内は吐き出した二酸化炭素でいっぱいになる。おそらく…テラナーやファンガーはあと5時間もしないうちに…っ!」

歯を食いしばり、こぶしを握り締めるスノウ。

「そんな…こんなところで死んじゃうなんて…」

「うっ、うっ…ユナちゃぁん…」

いつもの強気な二人はどこへやら、涙を流しながらお互いの肩を抱き寄せるユナとクリスタ。

乗客の顔からも、絶望やあきらめの表情が読み取れる。

 

「…諦めるな!ユナもクリスタも!お前ららしくねえだろ!!」

「だってあと数時間しか酸素がもたないんでしょ?あたしたちもうおしまいなんだわ!」

「…まだ方法はある。エリック・ザ・レッドにコンタクトをとればいい」

「あ、そうか…ユナちゃん…T-9隊のレシーバーは持ってきてるわよね?」

「ええ、バッグの中に入ってるはず…あった!これで周波数を合わせて…!」

ユナはレシーバーを取り出すと、すぐに船外にいるエリック・ザ・レッドに連絡を取った。

「ああ…こちらエリック・ザ・レッド」

『…はぁ、はぁ、もしもし、エドガー船長ですか?あたしは地球連邦警察T-9隊のユナ・ヒヤマです…』

「ユナ・ヒヤマか!?今船内はどうなっている!?酸素はどのくらいもつんだ!?」

『…もってあと5時間くらい…はぁ…はぁ…』

その報告を聞いたエドガーは、すぐに行動を起こす!

 

「5時間か…よし!各員に伝達!本船の電源をバスコ・ダ・ガマへ接続!」

「電源をですか!?」

「そうだ!少なくとも酸素の供給ができるようにすればいい。接続ポートは締結レベルS!」

「レベルS…まさか!?」

「その『まさか』のときが来ているんだ。本船はこれより…バスコ・ダ・ガマを抱えたままファンガルド衛星軌道上の中継ステーションまでワープする!」

その一大決断を下したエドガーの表情に、迷いの色はなかった。

 

『聞いてくれユナ・ヒヤマ。エリック・ザ・レッドはこれより、バスコ・ダ・ガマを抱えたままファンガルドまでワープする』

「ワープ!?この状態で!?」

「そういえば、息苦しくない…?」

『ああ、エリック・ザ・レッドの電源をそっちに回している。この状態でワープして衛星軌道ステーションまでたどり着けば、君達は全員無事でファンガルドにたどり着けるはずだ。すでに向こうの救援隊にも連絡を回してある。任せておけ』

「あ、ありがとうございます!…よかったぁ、クリスタちゃん!よかったぁっ!!」

「助かるのね!あたしたち助かるのね!やったぁ!!」

「…やれやれだぜ…」

と、半ば呆れつつも、内心ほっとしたスノウであった。

 

…その後エドガーの一大決断により、バスコ・ダ・ガマ号はファンガルド衛星軌道上のステーションに無事送り届けられ、乗客230人は一命を取り留めたのだった。

ファンガルド・プラネットポリス本庁。

「…ということがあったんだよ。もう大変大変」

と、これまでの経緯を語るスノウ。

「そうか…ローゼン海賊団も相変わらず非道な奴らなのだな…」

と、答えるのは本庁勤務のフュア・フランバージュ警視。

「エドガーさんに助けてもらわなかったらユナもクリスタも今頃、ここに辿り着けていなかったかもな」

「よしてくれ。やれるだけのことをやっただけに過ぎんさ。アドベンチャラーたる者、困っている者には救いの手を、そして無法なる者には裁きの手をだ」

 

すると、エドガーの肩に、プラネットポリス総監にして彼の妻であるアイヴィー・ヒルトンが手を置き微笑む。

「ふふ、真面目ぶってもムダよ。エドガーったら顔真っ赤じゃないw」

「そ、そうかな…」

「ところでスノウ君、ユナちゃんとクリスタちゃんは?」

「ああ、彼女達なら真っ先にラヴェンナちゃんの下にダッシュしてきましたけど…ヴァイスさんに迷惑かけてなきゃいいんスがねえ…」

その頃託児室では、相変わらずラヴェンナの耳元で呟くユナとクリスタの姿があった…。

「将来はT-9隊に入るぞ、T-9隊に入るぞ、T-9隊に入るぞ、T-9隊に入るぞ…」

「だから人の娘を洗脳すんなし!!」


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
2
2

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択