No.602993

【獣機特警K-9ⅡG】大ピンチ!仕組まれた恐怖の罠【戦闘】

古淵工機さん

一度くらいはピンチ回を書きたくなる。

■出演
K-9隊のみなさん
ナインキャリアー(ⅠG):http://www.tinami.com/view/387532

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2013-07-30 00:04:59 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:565   閲覧ユーザー数:531

さて、事件の一報を受けたクオン以下K-9隊を乗せたナインキャリアーは、

キャピタル・ハイウェイをボーダーポート地区へ向かっていた…。

 

「いよいよ到着ですね…」

ナタリアが呟く。車内には緊迫した空気が流れる。

「…よし、ただちに全員準備にかかってくれ!」

やがてナインキャリアーはハイウェイを降りると、古びた倉庫の目の前に到達した。

 

「…ここか。随分と薄気味悪いトコだぜ」

と、ジョニーが呟く。

「相変わらずこういうところに隠れるのがセオリーみたいですね…あ、ジョニーさん、あれ見てくださいよ!」

と、ソラが指差した先には、数台、いや数十台のパトカーが置かれていた。

いずれも所属番号はバラバラであるが、ラミナ近郊のものばかりである。

「…きっとこれが盗み出されたブツなんだろうな。GOD DAMN!胸糞悪りぃったらありゃしねえぜ!」

「でも、おかしくないですか?」

と、ミライがジョニーに訊ねる。

「WHAT?おかしいって、何がだよ?」

「盗み出されたにしちゃ全くと言っていいほど手を加えられていない。それどころか、盗んだあとに全く使った形跡がない。なんか…悪い予感がするんですけど」

「…ミライ。その予感が大当たりかもしれないぞ…」

と、クオンの表情がいっそう厳しくなる。すると突然、張り詰めた空気を切り裂く不気味な風!

「くっ…!」

ソウが咄嗟にレーザーソードを構える!しかし、相手を補足しようとしている間にレーザーソードは弾き飛ばされてしまった!

「し、しまった…!」

「ソウ君!」

ナタリアが叫ぶ。

「ちくしょう!どこだ!どこにいやがる!!」

と、ジョニーもリボルバーを抜き放ち臨戦態勢に入る。だが相手の姿は見えない。

焦るジョニー、ソラ、ナタリア、ソウの4人…そして次の瞬間だった。

 

Fahr zur hölle(地獄に落ちな)!!」

という声とともに、電磁クローの一撃がナタリアの左肩を掠めた!

「きゃあっ!」

左肩の外装カバーが切断され、内部からは断線したケーブルが飛び出す。

その先端からは青白い火花が飛び、折れたシャフトがむき出しになったナタリアの肩。

火花が飛ぶたび、ナタリアは苦痛に顔をしかめる。

「うっ…くっ…」

「ナタリアちゃん!…よくもやったな!」

と、レーザーソードを片手に飛び掛ろうとするソウだが、相手が速すぎて切りつける前に逃げられてしまう。

「なっ…速い!」

「オラオラ、ドコ見てんだ!てめえも刻んでやる!!」

ソウの目の前に現れたのは、ブラックジャガー形の女ロボット…ブラッドファミリーのモンド・ユーベルだった!

「ソウ君…逃げて!」

「ちっ…」

ソウにモンドの電磁クローが迫る…!その時、一条の閃光がモンドの頬を掠めた!

「あ…!?」

「ミライ!」

「ミライちゃん!」

モンドの頬をかすめた光は、ミライの持つソニックブレードの残像だったのだ。

「みんな大丈夫ですか!?」

「ああ、僕は助かった…だけどナタリアちゃんが…!」

「なんだって!?ナタリアちゃん、しっかりして!ナタリアちゃん!」

肩を押さえて苦しむナタリアに、ミライは声をかける。

その後ろでは、ミライを睨みつけながらモンドがゆっくりと立ち上がった…!

 

「…ってぇなオイ。このキズどうしてくれんの?」

その声に気づいたミライはモンドの方に向き直るとこう切り返す。

「そいつはこっちのセリフだよ。あたしたちの仲間になんてことしてくれてるの…?」

そのミライの表情にいつものおちゃらけた様子はなく、その眼差しは鋭く、相手を突き刺すかのようであった。

モンドはさらに逆上した。

「るっせえんだよ!てめえから先に刻んでやろうか!」

「やれるものならやってみなよ。ただし…やるからには…覚悟はできてるよね?」

と、ソニックブレードを構えるミライ。…だが、何者かの気配を察知したソラが叫ぶ!

「ミライちゃん!後ろ!!」

「なっ…なんだって!?」

だが、ソラが叫んだのに気づいて身を翻そうとした次の瞬間、ミライは腹に焼けるような激しい痛みを感じた。

「ぐっ…が…あぁぁ、ぁぁ…」

ミライの腹部は光の刃によって貫かれていた。

その背後には、黒いスーツに黒い帽子をかぶった少年のような人物。

「おっと、敵は一人じゃあないんだぜK-9さんよぉ」

「ぐ、ぅぅ…」

「てめえは…ブラッドファミリーの首領スレイ・ブラッド!一体何をたくらんでやがるんだ!!」

完全に頭に血が上ったジョニーが吼える!

「フン、ならいいこと教えてやるぜ。オレ達がパトカーを狙って盗み出してここに運び込めば、頭にきたテメーらは真っ先にここに飛び込んでくるだろうな…そして予想通りにテメーらはここに来たってワケだ」

「な、なんだと!?」

「予想通りって…どういう…ぐっ…!」

「テメーらはオレ様たちの罠にかかったんだよ!このままバラバラの部品にしちまえば高く売りつけられる。ま、テメーらの運のなさと、ロボットに生まれちまったことを恨みながら死ぬこった!ハーッハッハッハ!!」

と、高笑いをしていたスレイの顔面に、クオンの飛び膝蹴りが炸裂した!!

「…なっ…何しやがる!テメーから先に死にてえのか!?」

「…何しやがるはこっちのセリフだよ…。どこまでも他人を見下して…平気でそんなことができるお前の神経が…僕には理解できない!」

クオンの表情はいつにも増して険しく、その眼差しはまるで相手を突き刺すようであった。

彼女の怒りが完全に頂点に達しているだろうことは容易に想像できた。

「フン、よっぽど最初にスクラップ行きがお望みと見た。オレ達ファミリーにケンカを売ったことをあの世で後悔するんだなっ!!モンド、まずはコイツから畳んじまうぞ!!」

「おうよっ!」

と、両手から各々の武器を展開し、クオン目掛け突進するスレイとモンド。

「隊長!!」

「ヤバい!いくら隊長でも2対1じゃ…!」

ソラが、ナタリアが、ミライが、ソウが、ジョニーが、固唾を呑んで見守る中、クオンは咄嗟にモンドの足を払い転倒させると、そのまま勢いに乗って電磁警棒をモンドの腹に突き立てる。

「ぐあぁぁっ!!」

「やった!」

「でもまだ、スレイが…」

「よくもモンドを!死にやがれぇぇぇっ!!!」

クオンの額目掛けて突き立てられようとする光の刃。

だがクオンはすんでのところでこれを回避すると、返す刀で電磁警棒から展開されるソニックブレードをお見舞いする!!

「ぐっ、ち、畜生…」

切り飛ばされた左肩を押さえて苦痛の表情を浮かべるスレイに、クオンは歩み寄る。

「…スレイ・ブラッド。特定犯罪組織取締法違反、ロボット兵器取締法違反、特別窃盗罪、公務執行妨害…および我々K-9隊への殺人未遂容疑でお前を逮捕する!」

「くくく…オレ様がここでおとなしく捕まって…たまるかよ!」

と、スレイは右腕を挙げると、次の瞬間激しい爆発と煙に阻まれて、あたり一面は見えなくなる!

 

「待て!ぐっ…くそっ…あいつ…!!」

スレイたちのあとを追わんとするクオンの腹部に激痛が走る。

煙幕を放つと同時に、クオンの腹部目掛けてレーザーガンを撃ち込んでいたのだ!

「た、隊長!!」

叫ぶソラの目には涙が浮かんでいた。クオンの腹には穴が開き、内部メカ焼け焦げているのが見受けられた。

「くそ…!僕としたことが不覚を…」

「無理です隊長!そんな身体じゃ…」

「ああ…す、すまない…。ソウ、近隣の部隊に連絡を…盗まれたパトカーは…奪還…した……って…」

「隊長…隊長…?」

クオンの瞳から光が消え、ゆっくりとその瞼も閉じていった…。

「隊長ーーーーーーーーーーー!!!!」

翌日、本庁ロボットメンテナンスルーム。

「隊長、気がつきましたか?」

クオンが目を覚ますと、目の前にはソラが立っていた。

「…あれ、ここはもしかしてあの世?…なワケないか。ソラがいるってことは…」

「まったく、大変だったんですよ。隊長とナタリアちゃんとミライちゃんを抱えて運ぶの」

「そうそう、幻獣部隊のキリカさんたちにも手伝ってもらったんスから」

と、ソウとジョニーがクオンを励ます。

「すまないな、心配ばっかりかけて。…はぁ、僕ともあろう者が不甲斐ない…」

と、深くため息をつくクオンの元に、聞き覚えのある声が聞こえた。

「いいやクオン、君のせいじゃない。そう自分を責めるな」

「しょ、署長!?それに総監!?」

クオンの目の前に現れたのは、ラミナ警察署長のエルザ・アインリヒトと、現プラネットポリス総監のフュア・フランバージュだった。

(エルザ)から事件のことを知ったときには驚いたが…君たちがいなければ今頃どうなっていたか」

「でも、僕…ブラッドファミリーの一味を取り逃してしまった…それに隊員たちを危険にさらして、挙句の果てに自分もこんな状態で…隊長失格です…」

「…大丈夫。隊員達は全員生きているさ。それに相手はあのスレイとモンドだ。ある程度は仕方がなかろう」

「そうとも。それに君はあの状況で最善の判断をつくそうと考えていたし、仲間を見捨てようとはしなかったのだろう?ならそれでいいんじゃないか?」

と、フュアとエルザ。さらにミライが、ナタリアが起き上がって続く。

「大丈夫ですってば。おなかに穴をあけられたぐらいでへこたれるミライちゃんじゃないのですよ!」

「隊長は私達が傷ついているのを見て、すぐに飛んできてくれた。仲間を見捨てるような人なら、きっと逃げてたに違いありません。でも隊長は違う。私達をこれ以上傷つけさせまいと、ご自分の命を懸けて…」

と、さらにジョニーとソウが続く。

「元気出してくださいよ。隊長にはSMILEがお似合いですよ」

「ブラッドファミリーには逃げられちゃいましたけど、パトカーは全部取り戻したし、結果オーライじゃないですか」

「そ、それもそうかなあ…?ははは…」

と、頬を赤らめながら苦笑いを浮かべるクオンの姿を見て、病室にいた全員からは自然と笑みがこぼれる。

 

…しかし油断してはならない。何時また如何なる敵が君達の前に立ちはだかるやも知れない。

戦え、われらがK-9隊!


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