No.602101

真・恋姫†無双~絆創公~ 中騒動第一幕(後編・中)

オチが若干変更になりましたので、また分割します。大変申し訳ございません。

2013-07-27 13:11:59 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1151   閲覧ユーザー数:1053

真・恋姫†無双~絆創公~ 中騒動第一幕(後編・中)

 

 泉美に導かれて主祭壇の前に立った一刀と沙和の二人。

 沙和はグローブとブーケを泉美から受け取り、準備を整えた。

 

「さあ! それでは、北郷一刀様と于禁文則様。ご両人の結婚式を、天の国形式で執り行います!」

 

 主祭壇を前に宣誓するヤナギ。力が入るあまり張り上げた声に、その場にいる全員が微かに怯んだ。

 しかし、それをあまり気にしない彼の言葉は続く。

「申し訳ありませんが、今回は時間の都合上様々な点を省略し、手続きに幾つかの矛盾があります事をお許し下さい。私の説教も省略させて頂きます……」

 

「……隊長。お説教されちゃうの?」

 主祭壇を挟んで牧師と向かい合って立つ、一刀と沙和。

 次回の“本番”に向けて勉強中の沙和が、心配そうに隣の一刀を見ながら小声で話しかける。

「ああ、違うよ。これからの趣旨説明の事さ。これこれこういう由来で、今からこういう儀式を行います、っていう……」

「それって、長い?」

「まあ、長いかな……。でも、よくよく聞けば面白い話らしいから……」

 と、ヒソヒソ話す二人は、目の前の牧師が黙ってこちらを見ているのに気が付いた。

 どうやら“お静かに”とでも言いたいらしい。

 雑談していた事に気まずくなった二人は苦笑し、微かに頭を下げた。

 

 牧師は咳払いを一つする。

 

「えー、それでは誓約をして頂きます……。皆様、御起立を御願い致します」

 その言葉を合図にして、今回の来客役となる北郷家の三名と女性役員二名が、席から立ち上がる。

 

「北郷一刀様、于禁様。このお二人の結婚に対して、正当な理由のみで意義のある方は申し出て下さい」

 

 牧師の言葉の後に、口を開こうとする者はいない。全員の表情が、否定の意志のない穏やかなものである事を確認すると、牧師は満足そうにゆっくり頷いた。

 

「参列者の皆様、ご着席下さい。…………北郷一刀さん」

 

 一刀の呼び方が普段とは変わる。そこから伝わった真剣さに、一刀はこの後の展開が予測できた。

 

「 貴方はこの女性を、健やかなる時も病める時も、富める時も貧しい時も、良い時も悪い時も、愛し合い敬い慰め助け、変わることなく愛する事を……誓いますか 」

 

「はい。誓います…………!」

 

 牧師の気迫に押されぬように。

 

 何よりも……沙和のために。

 

 負けじと強い意志を込めた瞳で、見つめ返しながら頷く。

 

 牧師もそれを感じ取り、力強く頷き返す。

 

「では、于禁文則さん。 貴方はこの男性を、健やかなる時も病める時も、富める時も貧しい時も、良い時も悪い時も、愛し合い敬い慰め助け、変わることなく愛する事を……誓いますか 」

 

「はい。誓います、なの……!」

 

 自分を幾度となく支えてくれた、一刀。

 

 そして自分を選んでくれた、彼の家族の想いに応えたい。

 

 一見すればオシャレ好きな、どこにでもいそうな女の子。

 

 しかし、今の彼女はどこにでもいない。可愛らしく、それでいて綺麗な一人の花嫁。

 

 今日は突然、そんな状況に置かれて。でも、自分なりの決意を秘めて。

 

 色々な想いを、沙和はその言葉に表す。

 

 

 

 二人の想いをしっかり感じ取った牧師は、一層その表情を引き締めて口を開く。

 

「それでは、次に指輪の交換に移ります。今回は臨時の式であります故、指輪はこちらで用意させて頂きました……」

 

 その言葉を合図に、黒髪の女性役員が立ち上がる。今回の介添人役である。

 一枚の四角い銀の盆を両手に持って、沙和の前に立つ。

「沙和。花束と手袋を預けて……」

 こっそりと耳打ちした一刀に従い、沙和は盆の上にブーケとグローブを乗せる。

 介添人は軽く一礼をして引き下がり、今度は小さなケースを持った牧師が前に出る。

 ケースの中に大事に納められた二つの銀色の指輪は、どこか甘い輝きを放っている。

 

「こちらも、新郎の御両親に御協力を仰ぎ……お二人の挙式の際に使用した物を、今回の新郎新婦のお二人に合わせて、我々が作製いたしました。」

 

 牧師の言葉に驚いた一刀と沙和は、ほぼ同時に後ろに目を向けた。視線の先にいる一刀の両親は、ただ何も言わずに微笑んでいるだけだ。

 言葉では何も言わなくとも、託された想いはしっかり受け取る事ができた。

 その証拠か。一刀も沙和も、瞳の奥がじんわり熱を帯びているのを感じていた。

 

「……それでは。互いに指輪の交換を」

 牧師はまず新郎に指輪を一つ手渡す。

 それを受け取ると新婦に向かい合い、その左手をゆっくりと手に取る。

 

-確か、コツがあるんだったよな……-

 

 あまり力任せに押し込んではいけない。聞き伝えの記憶にあるのはそれだけ。

 一刀は初めてである以上、やはりどこかぎこちなく少し戸惑う。

 しかし、ここで沙和を不安にさせてはいけない。彼女の真摯な想いを傷付ける事になってしまう。

 と、指輪がスルリと薬指に入っていった。

 一瞬驚くが、一刀はすぐに気が付いた。沙和が少し手伝ってくれた事を。

 目を合わせた沙和は、大丈夫と言うように柔らかく笑っていた。

 

「続いて、新婦から新郎へ指輪を……」

 言葉の後、指輪を受け取った沙和が同じ様に一刀の左手を取る。それに合わせて、一刀はさり気なく薬指を沙和に向けた。

 先程のお礼のように、一刀も沙和がやりやすいようサポートしようと試みる。

 だが、沙和はすんなりと自分の薬指に指輪をはめた。

 一瞬呆気にとられたが、よくよく考えてみれば沙和はオシャレ好きだ。恐らくこういうアクセサリーを付けるのは、他人にもよくやっているのかもしれない。

 感嘆のあまり、小さく溜め息をついた一刀。

 沙和はそんな彼を見て、凄いでしょうというような、今度は少しからかうような小さな笑みを浮かべている。

 

 

「……それでは、ベールを上げて誓いの口付けを」

 

 

 一刀はその言葉に躊躇った。

 

 これもやらなくちゃ駄目なのかと訴えるような眼差しに、当然ですよと言わんばかりに睨みを利かせる牧師。

 だが、流石にここにきて気恥ずかしさが沸いてきた一刀は、その動きを止めてしまう。

 

 と、視線は彼の目の前にいる新婦の沙和。

 彼女が自分を見つめている。今日、幾度となく見てきた。その不安に満ちた、微かに潤む瞳。

 それが今までとは違う色である事を一刀は感じた。

 

 ここで拒絶してしまうのは、沙和の想いや決意を。何より彼女の全てを拒む事になる。

 そして、ここまで準備をしてくれた自分の母親の願いまでも、踏みにじってしまう事になる。

 

 一刀は、自分の侠気を呼び起こした。

 

 そして、その手をベールへと伸ばした。

 

 

「…………隊長」

 ベールの奥から覗かせた顔は、不安そうな色はなく。しかし今度は、ほんのり紅潮した顔で小さく声を上げた。

「ん? どうした」

 同じように、微かな声で問いかける。

「……ちょっぴり、恥ずかしいの」

「恥ずかしいって……。結構やってるだろ?」

「それとこれとは違うの」

 沙和は不服そうに、少し頬を膨らませる。

「そういうもんか?」

「そういうもんなの」

「……そう、だよな。ごめんな」

「わかればよろしい、なの」

 その言葉を最後に、瞳を閉じて軽く口唇を突き出す。

 

 なるほど、沙和の言葉は正しいようだ。

 

 一刀は改めて実感する。

 今の彼女は普段とは違う、本当に惹きつけられるような神秘的な力を持っている。

 月並みな言葉だが、“お姫様”と言うに相応しいのが、今の彼女の姿である。

 その魅力に酔わされるのは、男からすれば当然の事なのだろう。

 

 そんな彼女が醸し出す力に、吸い寄せられるように。

 

 

 一刀はゆっくりと、自分の口唇を近づける…………

 

 

 

 

-…………ドドドドドドド!!-

 

 そのまま誓いが交わされるかと思われた時、遠くから凄まじい地響きが聞こえてきた。

 

「…………えっ!?」

「な、なんなの!?」

 

 突然の事に驚いた二人は、近付けていた顔を離してしまう。

 それは牧師や参列者も同じようで、耳に届いたその音に反応して、辺りをキョロキョロ見回していた。

 全員の戸惑いを余所に、地響きはどんどん音量を増していく。それで皆は一斉に気付いた。

 

 何かが、こちらに向かってきていると。

 

 そう察した途端、音はピタリと止んだ。

 

-……な、何すか!? 皆さん、怖い顔して!?-

 

-すいませんが……。まだ中では、診断中ですので-

 

 今度は外から。ちょうど一刀と沙和の後方に位置する広間の扉の向こうから、人の声が聞こえてきた。

 

「た、隊長。あの声は……」

「……外で見張りをしている、二人だな」

 

 

-ええい! そこをどけっ!! 中で何をしているかは知っているんだ!!-

 

-とっくに調べはついとるんやで……!!-

 

-佳乃様が、全て話して下さいました……!!-

 

 

「た……隊長!? い、今の声はもしかして!?」

「…………もしかしなくても、絶対そうだろ」

 二人の表情は、恐怖で青ざめてひきつっている。

 

 

-ああ……。なるほど……-

 

-あちゃー、バレてしまいましたか……ってちょ、ちょっと! 何で僕らに剣を向けてるんすか!?-

 

-ハアアアアアアッ!!-

 

-って、こっちはメッチャ気を溜めているー!?-

 

-…………そーーこーーをーー-

 

-リ、リンダ! 何とかしてくれ!!-

 

-無理でしょ-

 

-どーーーけーーーーーっ!!-

 

 

 ドゴオオオオオオオオオン!!

 

-ギャアアアアアア!!-

 

 轟音と共に、広間の扉が粉砕された。

 舞い上がる大量の粉塵が中に流れ込み、全員が咳き込みだした。

 

 ついでに。緩やかな放物線を描いて飛び込んできた、二つの黒い塊も確認できた。

 

「コホッコホッ! な、何も見えないのー!」

「ゲホゲホッ!! こ、これはひどいな……」

 

「アキラ!! リンダ!! しっかりしろ!?」

 と、いつの間にか主祭壇から離れていた牧師、ヤナギ。口調が元の彼のものへと戻っている。

 彼は一刀と沙和の数メートル後ろ。バージンロードの上でしゃがんでいた。

 そんなヤナギの目の前には、ボロボロな塊と化した、二人の男がいた。

 

 その姿はまるで、サイ○イマンにやられた青年のようだったという。

 

「す、すんません主任……。僕らには、荷が重すぎました……」

「ああ、恐ろしきは女の嫉妬心……」

 

 どうやら辛うじて無事だったらしく、ダブルヤ○チャは弱々しく口を開いた。

 

「おい、リンダ! 何故抵抗しなかったんだ!? お前なら足止めくらい出来たハズだろう!?」

「約束したじゃないですか。もう皆さんに危害は加えない、と……」

「そこは臨機応変に対応しろ!! 何のための見張りだと……」

 

 

「……おい! 北郷っ!!」

 

 響き渡る怒鳴り声。ビリビリと震えそうな室内に、全員が微かにたじろいだ。

 舞っていた砂塵が落ち着いて、辺りの景色の輪郭がはっきりと見えてきた中、今や吹き抜けとなった入り口には幾つかの人影がいた。

 

 最初にはっきり見えてきたのは、今叫び声を上げたらしい女性。

 

 通称、魏武の大剣。春蘭である。

 

「な、何だよ春蘭。そんな怖い顔して……」

 扉を吹っ飛ばした一人であろう女性に対して。

 ……まあ、いつもの事かと思いつつも、心底面倒くさそうに顔を歪める。

「何だではない! こんな所に隠れて何をやってるかと思えば……」

 言葉は荒々しく、そして身体はワナワナと震えながら更に大きく叫ぶ。

 

 

「沙和を正妻に迎えるとはどういう了見だ!?」

 

 

「………………はい?」

 

 まったく予想だにしていない言葉に、一刀は間抜けな声で聞き返す。

 そんな戸惑いなど一切悟らずに、春蘭は更に叫ぶ。

 

「貴様らは今まで、天の国の婚儀をしていたんだろ!?」

「……ああ。そうだけど」

「そして娶ったのは、そこにいる沙和だろう!?」

「……まあ、そうだな」

「つまり! 最初に娶ったならば、それは貴様の正妻となるわけだ!! だから、何故沙和を選んだのかと訊いているんだ!!」

「………………ハア」

 ある意味理にかなっている、しかしながら彼女らしい勘違いに、そりゃ溜め息も出るだろう。

「さっさと答えろ! どうしてそこにいる沙和を選んだ…………」

 力強く沙和を指差しながら叫んでいた春蘭が、急に静かになる。

「……ん? どうした春蘭」

「春蘭さま……?」

「…………お、お前……。本当に沙和、なのか?!」

 さっきとは違う震え方をする、器用なマネをした春蘭が、そのまま指差しながら訊ねる。

「は、はいなの……」

「なにーーーーーっ!! 何だその格好は!? 別人ではないか!! 眼鏡はどうした!? ソバカスもなくなってるじゃないか!!」

 

 ああ、もう面倒くさいな……。

 

 ギャアギャア騒ぎ立てる春蘭に対して、全員が似たような感想を抱き始めた、その時……。

 

 

「隊長…………」

 

 

 うなだれていた一刀は、身震いした。

 

 今日は何度も聞いた、その自分への呼称。

 しかし、今のは違う声であり、違う響きを持っていた。

 

 それも二人分。

 

 そこに感じるのは、恐らく怒りと、そして悲しみ。

 

 それから逃げたかったが、逃げたら後が恐ろしいことを経験から学んでいる。

 一刀は恐る恐る顔を上げて、声の主を目で追う。

 

 いまだに一人で騒いでいる春蘭の後ろの方から現れた、自分の大切な部下であり、自分の大切な少女が二人。

 

 凛々しい顔の凪と明るい笑顔が持ち味の真桜。だが、今の二人は随分と険しい顔へと変貌を遂げている。

 おまけにこの二人は、今自分の隣にいる沙和の親友でもある。

 

 それも手伝って、気まずさは最高潮である。

 

「よ、よう。凪も真桜も、お揃いで……」

 強ばる筋肉を必死に稼働して、無理やり笑顔と明るい声と捻り出す。

 誰がどう見たって、そんな雰囲気の似合う状況ではないのは判る。

 しかし、何とか明日の命を食いつなげたい一刀は、藁にもすがる思いで、そうするしかないのである。

 

「随分と仲が宜しそうですね……」

「ウチらに黙って、何や楽しそうな事しとるやないか~、隊長~……」

 

 普段は忠犬のように可愛らしく一刀を慕ってくれる凪と、その天真爛漫さでムードメーカーにもなってくれている真桜。

 だが、今の二人はそんな気配は微塵もなく、今にも噛みつきそうな勢いで睨んできている。

 特に、凪に関して言えば一途であるが故に、裏切られた感が半端ないのだろう。

 一刀もそれを理解しているのか。二人に対して恐々とした口調が戻らずにいる。

「いや、まあ、何だ。これはその、流れ上仕方ないと言うか……」

「沙和も、いい加減隊長から離れろ…………!」

「お嫁さんゴッコはもうお開きやで…………!」

 怒りを露わにしている二人の言う通り、誓いの口付けをしようとしていた一刀と沙和は、かなり近い距離にいる。

「さ、沙和。とりあえず一旦離れ…………」

 

 

「嫌なのっ!!!!」

 

 

 突然の大声。

 引き剥がそうとしていた一刀は一瞬怯んだ。

「さ、沙和…………って、ちょっ!?」

 戸惑う一刀は更に戸惑ってしまう。

 離そうとしていた沙和が、一層自分との距離を詰めてきたのだ。

 その細い腕は一刀の首の後ろに回し、絶対に離れないと皆に見せつけるようでもある。

「さ、沙和……あ、あの…………」

 鼻腔をくすぐる甘い香りやら、押し付けられる柔らかい双丘やらで、一刀はまともに頭を働かせられない。

 狼狽えている一刀から、沙和はなおも離れようとはしない。

「今は隊長と結婚式の最中なのっ!! 誰にも邪魔されたくないのっ!!」

 まるで新兵訓練の時のような強気な態度で言い放つ。抱き締める力はますます強くなり、ピッタリと言う表現がもはや霞むほどの近さになる。

 そんな様を見せつけられて、はいそうですかと引き下がるほど聞き分けが良い状態でもなく。

 ただ、凪と真桜が顔に浮かべる青筋が増えるだけであった。

「さーーーーーーわーーーーーー!!!!」

「ええ加減せんと、ウチらかて我慢の限界っちゅーモンが…………!!」

 血が出るほどに握り締めた拳は、痙攣に近いほどに震えている。

「凪ちゃんに真桜ちゃんだって、内緒で隊長と結婚式できるって言われたら、喜ぶくせにーーーー!!」

「そ、それは…………」

「ま、まあ…………」

 沙和の反論に一瞬怯んだ二人。そんな三人の様子を眺めていた、色々と身動きがとれない一刀は冷や汗をかき続けている。

 

-沙和……あんまり二人を刺激するなよ……。春蘭ならまだしも、これじゃ収拾がつかな……-

 

 と、そこまで考えていた一刀は、ある事に気が付いた。

 

-ん? ちょっと待て。確か春蘭は、警邏に行く佳乃の警護に行ったんだったよな…………って事は…………-

 

 

 

「一刀…………」

 

 

 

「ッ!!!!!?」

 

 地の底から響くようなその声に、一刀の身体が無条件に大きく跳ね上がる。沙和と向かい合っていた顔が、錆び付いた機械のように鈍い音を立てて、声のした方向を向いた。

 

 そう。春蘭がここにいるのなら、同じく警護に付き添った“彼女”もいるハズだ。妹から一切の事情を聞いてきたのなら、尚更だ。

 

「随分と面白そうな事してるみたいね。私にも秘密で…………」

 

「か、かかかか華琳!!!?」

 

 視線の先には、予想通り自分の愛する女性の一人がいた。

 

 その小ぶりな胸の前で腕組みをしながら。満面の笑みをその端整な顔立ちに浮かべて。

 

 しかしながら、漂うオーラは全然似つかわしくない。

 

 何故か解らないが、ドドドドドという文字が背後に浮かんで見えている。

 

 いや、厳密に言えば表記が違う。

 

 全て“怒”だ。

 

 

「……さて。きっちりと事情を説明して貰おうかしら?」

 

 

-どんなに時間や予算を割いたとしても、いくら弁解したとしても、全て罪悪なんだろうな……-

 

 果たして一刀は、明日のお天道様を拝めるのか……?

 

 

 

 

 

-続く-


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
11
2

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択