No.601145

真・金姫†無双 #49

一郎太さん

そんなこんなで、ようやく#49までこぎつけた。

どぞー。

2013-07-24 20:07:54 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:6136   閲覧ユーザー数:4573

 

 

 

#49

 

 

駆ける。

 

「あれっ、北さんじゃないか――」

 

点心屋のおばちゃんの呼び声を無視し。

 

「おっ、北郷じゃねーか。久しぶりだ――」

 

食事処組合の同僚の声を聞き流し。

 

「あっ、北郷の兄ちゃんあぁ!」

「よーしよしよし」

「きゃっきゃっ」

 

駆け寄ってきた幼女の頭を撫で両脇に手を差し込んで持ち上げぐるぐると振り回しゆっくりと地面に下ろし。

 

「亞莎ぇえっぇぇえええええっ! 雛里ぃぃぃぃいいいいいいっ!!」

 

癒しを求めて城に駆けこんだ。

 

 

 

 

 

 

執務室。

 

「一刀っ!?」

 

いない。

 

練兵場。

 

「おっ、一刀ではないか――」

 

いない。

 

玉座の間。

 

「北郷?」

「師匠!」

 

いない。

どこにもいない。

執務室(冥琳ちゃんin)、練兵場(祭ねーさんin)、玉座の間(権ちゃん&思春たんin)のどこを探しても愛しの妹の姿はなく、俺は中庭へとやって来た。

 

「うぅ…亞莎ぇ……雛里ぃぃ……」

 

中庭にも誰もいない。丁寧に剪定された植樹の根元に、俺は腰を下ろした。

 

「なんで誰もいないんだよぉ……」

 

さめざめと泣く俺に近づく気配。

 

「あれ、一刀やん」

「コイツが?」

 

久しぶりの関西弁に顔を上げれば、霞たんと露出過多の銀髪女がそこにいた。

 

 

 

 

 

 

「霞たんか……」

 

虎牢関で別れて以来のサラシねーちゃん。真っ白な布に押し付けられた褐色のたわわな果実は今日もその弾力を誇示し、すっと縦に1本線の入った腹が色っぽい。

 

ではなくて。

 

「張遼。こいつが『あの』北郷なのか?」

「せやでー」

「誰?」

 

名前を呼ばれ、俺は銀ちゃんに視線を向けた。

 

「あぁ、コイツは華雄や。アレ? 汜水関で()うてへんの?」

「極力輜重隊の方に居たからな……」

「ま、えぇわ。アンタとの約束通り、ウチらはココに来た」

「そうか」

 

霞たんの言葉に力無げに応えれば、彼女の眉間に皺が寄る。

 

「そうか、て……アンタ、月っちはどうしたんや。なんで一緒におらん?」

「だって、1人だし」

「なっ!」

 

正直に答えれば、霞たんの顔に驚きの色が浮かぶ。それは次第に冷静さを取り戻し、次いで怒りの様相を呈した。

 

…………って、えっ?

 

「なぁ、一刀。自分、約束したよなぁ。月っち達を助けて、ここに帰ってくるて」

「言ったな」

「んなら、なんであの娘らがおらんのや! 嘘吐いたんか!?」

「えと……」

 

その怒気に口籠る俺の姿を肯定と捉えたのか、霞たんは偃月刀を構えだしやがった。いやいやいや、待て待て待て。

 

「そうか。なら、やっぱ交渉は決裂や」

 

だが、それを止める手。

 

「まぁ、待て。張遼よ」

 

銀ちゃんだった。

 

「なんや、華雄! 止めるんか!」

「私も自分の頭が悪い事は自覚している。だが、それでもコレだけはわかるぞ」

「なんや」

 

よかった。銀ちゃんは冷静のようだ。

 

「コイツの所為で、董卓様はお亡くなりになったのだな」

 

って、えっ?

 

「連合は洛陽まで行った。『宮廷に火を放って董卓は自害した』なんて噂が流れとったが、情報操作やなかったらしいな。つまり」

「つまり?」

「返事は(Yes)や」

「あい分かった」

 

そして銀ちゃんは、巨大な斧を構える。

 

「コイツを殺すぞ、張遼」

「せやな」

 

…………って、えっ?

 

 

 

 

 

 

2人がそれぞれ得物を構えた、その時だった。

 

―――…………ガラガラガラガラ。

 

「なんや、この音?」

「はて、いったい――――」

「恋っ、速い! 速いってば!」

「恋殿ぉぉおおおっ!」

「へぅ…詠ちゃぁん……」

 

キキィィィィイイイイイイッ!! ドグシャァァアアアアッ!!!

 

「「ぎゃぁぁああぁぁあぁあああああああああああああああああああっ!!!!」」

 

城門の方から突撃する荷車。その上には董卓軍のロリっ娘たち。それを引くは、天下無双の恋たん。

 

「……止まった」

「きゃぁっ」

「いやぁっ!」

「ですぞ!?」

「……ほぃ、キャッチ」

 

両足で踏ん張り、荷車を振り回す恋たん。地面と摩擦音を発し、ドリフトをする荷車。遠心力によって飛ばされるロリ×3。それを程よくキャッチする俺。中庭の向こうにある壁にめり込んだ霞たんと銀ちゃん。

 

「はぁっ、はぁ……やっと追いついたっす……」

「どうなってんの、波才?」

「あ、社長! いや、社長がいきなり走り出したし、月ちゃん達を放っておくわけにもいかないんで、恋が荷車に乗っけて追いかけてきたんすよ」

 

後からノコノコとやってくる波才に事情を問えば、そりゃ当然だ。波才はともかく、恋たん達はまだ誰とも面識がないしな。

 

「つーか、よくここまで入って来れたな」

「いや、それは、えっと……」

 

『敵襲っ! 敵襲だぁあああっ!』

『練兵場が1番近い! 黄蓋将軍を呼んでくるんだ!』

 

「……こういう事っす」

 

おぅまいがっ。

 

 

 

 

 

 

んで、玉座の間。

 

「……なんで俺が縛られてるの?」

 

俺の前には、仁王立ちをする冥琳ちゃん。背後に黒いオーラが見える。

 

「なんでアタイまで縛られてるんすか?」

 

その向こうでは、雪蓮ちゃんと祭ねーさんが腹を押さえて笑いを堪えている。ムカつく。

 

「つーか、なんで一番の加害者の恋たんが縛られてないの?」

 

その隣では権ちゃんと思春たんが呆れ顔。

 

「……?」

「なんで恋たんは首を傾げているのかな?」

 

可愛いから許すけど。

 

「とりあえず、お前に言わなければならない事がある」

 

ここで、ようやく冥琳ちゃんが口を開いた。あんまり下に見られるのも嫌なので、皮肉を込めてすっ呆けた表情で返す。

 

「なに(゚ω゚)?」

「死ね」

「いやぁぁああああああああああああああああああ!」

「なんでアタイまでぇぇぇええええええっ!?」

 

おっぱいの奥から取り出した鞭で叩かれた。

 

 

 

 

 

 

事情を説明し、ようやく解放される。

 

「あー、痛かった」

「なんでケロッとしてるんすか……」

 

ぐるぐると肩を回す俺の横で、波才は伸びていた。

 

「いたた……アレ、ここどこ?」

「呂布のような姿が見えた気がしたのだが……」

 

ここで、霞たん達も回復。

 

「大丈夫ですか、霞さん、華雄さん?」

「……月っち?」

「董卓様……?」

「はい、お久しぶりです。そして、よく無事でいてくれました……」

 

涙目の月たん。

 

「えぇ。ホント、よかったわ。また会えて……」

 

詠たんも涙目。

 

「なぁ、雪蓮ちゃん」

「なに、一刀?」

 

そんな感動的な光景を横目に、俺は雪蓮ちゃんに声をかける。

 

「こいつらの感動の再会場面(シーン)とか他所でもよく見るし、みんな見飽きてるだろ。酒でも飲もうぜ」

「あら、いい誘いね」

「台無しにするな」

「いでででででっ」

 

冥琳ちゃんに耳を引っ張られた。

 

「ま、事情は分かってるだろ?」

「えぇ、霞から聞いたわ。それに、見ての通り華雄もウチに参陣してくれたしね。そうそう、貴方が送った、商隊に偽装した部隊も続々やって来て、軍の編成が大変なんだから」

「編成をしているのは、もっぱら私なのだがな」

 

相変わらず苦労してるんだ。

 

「ま、それはそれとして」

「なぁに?」

「亞莎と雛里は?」

 

俺は、ずっと気になっていた、この騒動の一端を担う2人の名前を出す。

 

「亞莎たち? さっき、天和たちの店に行くって出てったけど?」

 

おぅふ。

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

という訳で、#49でした。

 

 

あと1話で、放浪編もオシマイです。

 

 

さて、何故居酒屋がメイド喫茶に化けたのかについては、次回に持ち越し。

 

 

上手くいけば、明日も上げれる……はず。

 

 

ま、期待しないで待っててください。

 

 

ではまた次回。

 

 

バイバイ。

 

 

 


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