No.60000

賞金稼ぎとドラゴン

初作品『賞金稼ぎとドラゴン』です。

話の内容は、賞金稼ぎである主人公がドラゴンを退治する為に森へと出向いていくという話です。

2009-02-24 05:09:13 投稿 / 全22ページ    総閲覧数:387   閲覧ユーザー数:356

この物語は 狂戦士、悪魔騎士など様々な名前で

後生まで呼ばれ恐れられる事になったある男の物語。

 

その男も、若いころは賞金稼ぎとして自由気ままな生活を送っていた。

 

そんな彼をどうして、後生に残るような残虐非道な騎士になり下げてしまったのか…

 

これはから語るのは、彼の人生の1ページにしか過ぎない。

 

しかし、この1ページは彼の人生においてはとても重要な意味を持っている。

 

そうこれは、たった1日にしか満たないとてもささやかな物語。

 

彼は、賞金稼ぎで村にて懸賞金のかかった

凶悪なドラゴンを退治するという依頼を受けた。

 

彼は、森へと凶悪なドラゴンを狩に行ったが、

その行為が彼の人生の歯車を狂わせ始める結果となってしまう。

 

彼の精神が人に比べて非常に弱かったのか…

 

はたまた、邪悪なドラゴンに心の隙を突かれて闇に引き込まれてしまったのか…

 

それとも他に理由があったのか…

 

ここからは、自分の眼で真実を確かめて欲しい。

 

俺の名前はシオン・ラ・フィール(24)。通称はシオン。

 

冒険者として世界各地を渡り歩きながら生活している。

 

冒険者といえば聞こえはいいが、

まあ命を糧に生活してるわけだから割のいい仕事とはいえない。

 

俺は特別、冒険者になりたかったわけではない。

 

ただ、俺には剣の腕くらいしか特別誇れるものがなくって、また、人の下で働けるだけの

甲斐性がなかったため、自ずと傭兵か冒険者くらいしか選ぶ選択肢がなかっただけだ。

 

しかし、俺は心底、人付き合いが苦手らしい。

 

たまに他の冒険者とも一緒に仕事をすることもあるのだが、大抵が途中で口論になり

喧嘩別れというのがセオリーだ。

 

この間なんて、真剣同士での斬り合いにまで発展したしな。

 

そんな俺も働かなければ喰っていけない。

 

これだけは、どうしようもないことだ・・・。

 

だから、お金を支払い情報屋で情報を仕入れ、

今まさに森に住み着いているという獰猛なドラゴンを狩に行くところなのだ。

 

こいつを倒すと半年は生活できるだけの賃金が支給される。

 

これは決して悪い話じゃない。

 

そんなこんなで今、森を一人彷徨い歩いているわけだ。

 

情報屋の情報だとこの近辺が一番、ドラゴンの目撃情報と獣の唸り声らしきものを聞いたという情報が集まっている箇所らしい。

 

要約すると、このあたりにドラゴンが潜んでいる可能性が非常に高いというわけだ。

 

まあ、ドラゴンと戦った経験はないが、こんな地表の森に住んでいるようなやつだ。

 

そんなにたいした奴とは思えない。

 

仮に、倒すのが非常に困難な相手だとしても

自分の命を守って逃げ切るくらいの実力は兼ね備えているという自負はある。

 

何処にドラゴンが潜んでいるか分からない…。

 

 

あたりに全神経を集中しながら、近辺を捜索していく。

 

こういうのは不意打ちを喰らおうものなら命を失いかねない。

 

適度な集中力を維持する為に、休憩を挟みながら森の中を更に奥に進んでいく。

 

そうこうしているうちにいくらか時間も経ち空も茜色に暮れ始めたころ、かすかにで

あったが前方の森の奥の方で何やら物音らしきものが聞こえたような気がする。

 

俺の勘違いの可能性も合ったが、俺の直感が告げている。

 

間違いないと。

 

死と隣り合わせの世界で生き抜いていく場合、こういう直感のようなものは非常に重要だ。

 

危険というものを早い段階で察知できる者でなければ、この世界では生き抜いてはいけないのである。

 

そしてこういうときの俺の直感というのは、ほとんどの場合外れたことがない。

 

タッタッタッ…

 

俺は、生い茂る木々の枝を掻き分け、無駄に足音を殺すこともせず全力疾走で音のした方向へ駆け出す。

 

今は、ドラゴンに感ずかれる事なんて考えてる場合ではない。

 

奴等の感覚は、非常に鋭いのだ。

 

足音を殺し、気配を絶って近づこうとしても、

その前に気付かれて空に逃げられようものなら手のうちようもない。

 

俺は慎重に行動するよりも、素早く一気に行動に移して相手の虚を付くことを選んだ。

 

それが俺の戦い方でもあった。

 

要は空へ逃げられてしまう前に一撃、その大きな翼に致命傷を与えて飛べなくしてしまえばいいのだ。

 

木々の奥へと抜けると、そこは大きく開けた空間が広がっていた。

 

そして、その空間の一角に青い皮膚を持ったドラゴンが一頭鎮座しているを確認する。

 

俺はドラゴンの存在を確認すると同時に手に持っていた大振りな剣をドラゴンの翼に向けて投射する。

 

ドラゴンは飛ぶ気配もみせてはいない。

 

俺にとっては非常に好都合だった。

 

俺の剣はドラゴンに向けて一直線に向っていく。

 

ドラゴンの体格は、それほど大きいとはいえない。

 

ざっと見て全長3~4mくらいだろうか。

 

俺の剣なら、確実にその翼を貫通し使い物にできないほどのダメージを与えられるだろう。

 

ザブッ

 

グォ~~~

 

俺の剣は狙い通りにドラゴンの翼にに命中し、ずたずたに引き裂いて貫通する。

 

ドラゴンは翼を広げて飛び上がろうとしているようだが、その大きく破れさってしまった翼では上手い具合に飛べないのか、その場

 

でバタバタと羽を動かしながらウロウロしているだけだ。

 

女の子 

 「きゃーーーーーーーーーーーーー!!」

 

シオン 

 「!?」

 

突然の女性の悲鳴に俺は驚き、声のした方向に素早く視線を向ける。

 

よく見るとドラゴンの後方に人間の女の子。

 

いや、あれはエルフなのか。

 

年齢は、見た目15~6くらいだろうか。背丈はあまり高いとはいえない。

 

その腰まで流れる金色の長い髪。そして丹精に整った顔立ち。

 

そして、何よりも印象的に尖ったその耳が彼女の事をエルフであると物語っていた。

 

まあ、エルフは人間よりずっと寿命が長く、また老いが遅いので、見た目=実年齢 とは限らないのだが。

 

しかし、どうしてこんなところに…

 

シオン 

 「危ない!! 今すぐ、そこから離れるんだ!」

 

しかし、少女の対応はまったく予想外のものだった。

 

女の子 

 「酷い…。 シェフィード大丈夫なの?」 

 

女の子

 「お願いだから死んだりなんてしないで…。

  もう私を一人ぼっちになんてしないで…お願いだから…」

 

エルフの少女は、ドラゴンを庇うかのようにその身体にしがみ付き、涙を流しながらドラゴンに向けて声をかけている。

 

正気ではない…。

 

とてもじゃないが理解などできない…。

 

シオン

 「おい!! 分かっているのか、そいつは大変危険な魔物なんだぞ」

 

シオン

 「いつ暴れだしてお前の事を手にかけるか分からない。

  とどめを刺すから、そこからすぐに離れるんだ」

 

俺の言葉に反応したのか、女の子はさっと視線をこちらへと移す。

 

その瞳はとても憎しみの色を込めていた。

 

女の子 

 「どうして? どうしてこんなことするの?? 

  シェフィードが何したっていうの?」

 

理解できない…そして無性に苛立たしい…。

 

目の前の少女は俺の全てを否定しているような気さえしてくる。

 

シオン 

 「分かっているのか!! そのドラゴンは、近くの村で莫大な懸賞金が掛けられている  ような凶悪なドラゴンなんだぞ」

 

シオン

 「何も分かってないなら考えなくていい。 つべこべ言わず黙ってこっちにくるんだ」

 

女の子 

 「あなた何言ってるの?」

 

女の子 

 「シェフィードが凶悪!? 何も知らないのはあなたの方じゃない」

 

女の子

 「シェフィードはとても優しいひと。 私ずっと一緒にいたから全部知ってる」

 

女の子

 「あなたにシェフィードの何が分かるっていうの? 何も分かってないのはあなたの方じゃない」

 

 

 

女の子 

 「何も知らないくせに…勝手に凶悪なんて決め付けて…」

 

女の子 

 「あなたにいったい何が分かってるっていうの。 

  あなたという存在の方がよっぽど凶悪じゃない。 

  シェフィードにこんな酷いことして…。ひっく…シェフィード死なないで……」

 

言い返された言葉に反論する言葉が浮かばなかった…

 

本当にずっと一緒に暮らしていたのであれば、俺の知らないことも彼女は知っているのだろう。

 

俺は間違っていたのか?

 

いや、間違っていないはずだ…

 

あいつには懸賞金が掛かっている。

 

それは、邪悪な存在であるという事の証じゃないか。

 

邪悪な存在を狩ることは、すなわち正義。

 

でも、少女の言うように本当に悪さなどしていないのだとしたら…

 

俺の中で何かメッキのようなものが剥がれていくような気がした。

 

酷く気分が悪い…

 

何で正しい行いをして逆に責められなければいけない??

 

それとも俺が間違ってるとでもいうのか?

 

俺は何が本当に正しくて何が間違っているのか分からなくなってきていた…

 

俺がこれまで信じて疑わなかったことは、実はそれは偽りのものでしかなかったと?

 

そのとき、俺の中で何かが確かに壊れた…

 

シオン 

 「納得いかないところもあるが悪いことした。」

 

シオン

 「一応、謝っておく。俺の名はシオン。君は?」

 

女の子

 「謝って欲しいなんて思ってない… 大体、謝って赦してもらえるような事じゃない!!」

 

 

シオン

 「すまない…」

 

ミーナ 

 「私は、ミーナ。そして、この子はシェフィード」

 

ミーナと名乗った女の子は、赦すつもりはないらしいが一応、名前だけは教えてくれた。

 

しかし俺に対してかなり警戒してるようで、シェフィードと呼ばれたドラゴンを庇う様にその前に立ちふさがっている。

 

シオン 

 「俺のほうにもいろいろと誤解があったようだ。 仕事のことだ。 

  けっして悪気があったわけではない。 それだけは、分かって欲しい。」

 

ミーナ 

 「仕事?? そんなんで割切れる筈ないじゃない。 あなたどれだけ勝手なの。」

 

ミーナ 

 「あなたは、仕事であれば大切な人が殺されたとしても納得できるの?? 

  できるっていうの?」

 

俺の言葉、どれもが彼女の怒りに油を注いでしまうらしい。

 

シェフィード

 「ミーナ、そのへんでもういい。」

 

ミーナ

 「でも、シェフィード…」

 

シオン 

 「お前、喋れたのか!?」

 

突然人語を喋りだしたドラゴンに驚いた。

 

人語を介するドラゴンがいるとは聞いたことがあるが、

まさか実際にお目にかかる事になるとは思ってもみなかった。

 

シェフィード 

 「ミーナ。 こいつは言葉を聞き剣を収めてくれるだけ、

  まだ随分とマシな人間ということだ」

 

ミーナ

 「でも…」

 

シェフィード

 「ミーナ、お前の気持ちは嬉しく思う。 

  しかし、もうこれ以上はいがみ合わなくてもいい」

 

ミーナ 

 「うん。分かった・・・・。」

 

ミーナはまだ納得いったという感じではないが、一応頷いていた。

 

シオン 

 「1つ聞きたいことがある。 どうして、お前はこんな森の中で生活してる??」

 

シオン 

 「こんな村の近くの森に生息などしなければ、懸賞金が掛けられたり、

  俺みたいな冒険者に襲われることもないだろう?」

 

シェフィード

 「何かと思えば愚問だな。」

 

シオン

 「何?」

 

このドラゴンに愚問扱いされたことに少なからず怒りを覚えた。

 

シェフィード 

 「では聞き返すが、お前は人間が近づけないような森で

 この娘が平穏に暮らしていけるとおもっているのか?」

 

この娘とはミーナのことだろう。

 

シオン 

 「だったら、彼女を開放すればいい。そうすれば、

  人間の寄り付かないような山奥でお前だけひっそりと暮らしていける筈だ?」

 

ミーナ

 「開放ってなに?シェフィードが無理やり私を捕まえてるって言いたいの?」

 

何気なく言った言葉だったが、ミーナの燗に触ったらしく捲し立ててくる。

 

シオン 

 「失言だった。特に深い意味はなかった」

 

ミーナ 

 「でも、心の中ではそう思ってる。 だから不意に出ちゃったんでしょ?

  シェフィードの事何も知らないくせに!!」

 

先ほどの言葉がとても気に障ったらしく、ミーナは感情を爆発させて俺を責めてくる。

 

シェフィード

 「ミーナもういい」

 

ミーナ 

 「でも!!」

 

シェフィード 

 「いいから落ち着きなさい」

 

ミーナ

 「……」

 

シェフィードの制止の言葉でやっとおさまったミーナだったが、まだまだいい足らないらしくジッとこちらを睨めつけてくる。

 

シェフィード 

 「とりあえず、辺りも暗くなってきた。

  話をするにもミーナの為に暖をとらないといけない。

  悪いが、先に薪を集めてきてもらえるかな?」

 

そう言われて周囲をよく見ると、確かに辺りは闇に包まれつつある。

 

俺は、ミーナと手分けしてあたりの木の枝を集めてまわり、そして急ごしらえの焚き火の暖炉を作る。

 

こういうのは長年の経験か、非常になれたものだった。

 

シェフィード 

 「ミーナ、話してもいいかな?」

 

ドラゴンは、律儀にもエルフの少女に確認を取っていた。

 

ミーナ 

 「こんな奴に本当は聞かせたくないけど、

  シェフィードが悪く思われてるのはもっと嫌…。だから話して。」

 

随分と嫌われたものだな。

 

まあそれも仕方ない事だ。

 

俺は、冒険者で、しかも、家族といっても過言ではないようなシェフィードの翼をメチャクチャにした張本人なのだから…。

 

シェフフィード 

 「ミーナの両親は、小さいときに人間の野党に殺されたのだ。」

 

シオン 

 「ミーナ…。」

 

訳ありだとは思ってはいたが…。

こんなときにどういった言葉をかけたらいいのか分からない。

気の利いた言葉の1つも掛けるべきだとは思うのだが…。

 

シェフィード 

 「正確には誤りだ。 両親だけが殺されたんじゃない。 

  ミーナを除く村人が一夜で全員殺された」

 

シオン 

 「……。」

 

ミーナの方を見ると、昔の事を思い出しているのか遠い目をしている。

 

その瞳は、少し哀しみの色を帯びているようだった。

 

シェフィード 

 「私がミーナの集落によったのは本当に偶然だった」

 

シェフィード 

 「私は当時、お前の言うように人間の近づくこともできないような

  深い山にて暮らしていた」

 

シェフィード

 「自由気ままに空を駆け、広大な海を泳ぎまわる。 

  そんな雄大で自由な生活を送っていた」

 

シェフィード 

 「そのときも、いつものようにこの翼を広げ何処までも

  続く空をおもいっきり飛び回っていた。 ある異変に気付くまではな…」

 

シオン

 「ある異変?」

 

シェフィード

 「空が燃えていたのだ…」

 

シェフィード 

 「夜もとっくに更けて当たりは闇色一色に染まる中、

  東の空だけが真紅に爛れ燃え上がっていた。 それもまるで、夕日のように…」

 

シェフィード 

 「私はすぐに異変に気付き、異変の原因を確かめるべくこの翼を大きく羽ばたき、

  真っ赤に染まった東の空を目指した。」

 

 

シェフィード 

 「そして原因はすぐに解明する事になった。 

  現地に着くとあたり一面火の海だった。そこに広がっていたはずの広大な森は、

  無残にも火の粉をあげながら燃え朽ちていく」

 

 シェフィード

 「人間の集団が徒党を組んで森を焼きエルフの村を襲ったのだ」

 

シェフィード 

 「実に酷い光景だった。 老若男女問わず、関係なく皆殺しにされた。 

  そんな中、空から見下ろすと私の瞳に泣きながらこの地獄のような世界から

  逃げ出す1人の女の子が映った」

 

シェフィード

 「私は無力だ…。 あれだけ沢山の存在を眼にしておきながら

  幼き少女1人助けるのがやっとだった 」

 

シオン

 「それがミーナだったというわけか」

 

シェフィード

 「そういうことだ」

 

シオン

 「なるほど。 それから、今日に至るまで育てたという訳か・・・」

 

シェフィード

 「私には、何故お前達人間が意味もなく殺すのかが理解できない。別に、生きるのに必要というわけではないだろう?」

 

シオン

 「俺達人間は複雑なんだ。 それに、さっき言った野党まがいみたいなのが

  全てというわけじゃない」

 

シェフィード 

 「理解に苦しむな」

 

ミーナ

 「理解できるわけないわ。 人間がとても愚かで自分勝手で最低な生き物なんだから」

 

シオン 

 「・・・・・。」

 

今まで沈黙を守っていた口が開くと、俺達人間を敵視するような言葉が発せられた。

 

それも仕方がないか…

 

ミーナの心情を考えると、何も言えなかった。

 

彼女にとっての人間は彼女の言うような存在なのだから。

 

シオン 

 「夜が明けてきたらここを出て行こうとおもう。

  それまでは、ここに居させてもらえると助かる」

 

シェフィード 

 「真夜中の森を歩いて出て行けとは言わない。

  それは、ただの自殺行為であり愚か者のする事だからな」

 

ミーナ 

 「・・・・・。」

 

俺は黙って焚き火を眺めながら、この聡明なドラゴンのいった事を考えていた。

 

 

 

俺はシェフィードの事をただ悪だと決めつけ殺しにきた。

 

実際には、何もしていないだろう。

 

それにも関わらずだ。

 

じゃあ、何故このドラゴンには懸賞金がかけられた??

 

それは多数の村民の目に触れることにより、シェフィードの事を悪だと勝ってに決めつけ、彼を退治するような流れに持っていった

 

からだ。

 

本当の彼は、自分の命が危険にも関わらず、

それでもこの少女を守るそのためだけに、この地に残った心優しきドラゴンなのに・・・。

 

シオン 

 「シェフィード。 この地を離れて、もう少し人の眼の付かないところに

  移れないか?」

 

シェフィード 

 「・・・・・」

 

シオン 

 「正直、お前の存在は、俺達に知られ過ぎていて、更には懸賞金までかけられている。

  このままでは、また俺のような冒険者に命を狙われることになってしまう」

 

シオン

 「それなら、いっそうのこと…」

 

シェフィード 

 「…どうして人間というのは、眼に付いたというだけで

  滅ぼしてしまおうと思ってしまうのかな? 実に理解できない・・・」

 

シェフィード 

 「我々はたとえ人間の都市の上を飛んでいたとしても、

  降りていって都市を火の海にしようなどとは考えはしない」

 

シオン 

 「それは俺達が、シェフィード達ドラゴンの事を恐れているからだ。 

  その強大な未知の力に恐怖を覚えているからだ」

 

シェフィード

 「未知の力か…」

 

シェフィード 

 「正直、我々は、お前達人間が考えているよりもずっと弱い…」

 

シェフィードの言った事の意味が理解できなかった。

 

強大で神秘的な力を秘めた自分達を弱いなどと…

 

シェフィード

 「我々は数も少なく群れも成さない。また力があるといっても、

  力を持った人間数百人と戦ったら普通に負けてしまうだろう。」

 

シェフィード

 「ほとんどのわれの眷属は、人間の入ることのできない

  秘境のようなところで暮らしている。

  だが、それが何故だかお前達は考えたことがあるか?」

 

シェフィード 

 「我々が、人間の眼の届かないような山奥に生息しているのは、

  好きでそこに住み着いたんじゃない。」

 

シェフィード 

 「過去、人間達によってその住処を追いたてられ、そして今の人間の手も

  届かないような秘境に追いやられたか、もしくは残ったが為に

  人間の手にかかって殺されてしまったか…」

 

シェフィード 

 「私達は、お前達と比べてずっと力なく弱い生き物なのだ。

 できれば、触れずにそっとしておいて欲しかったが…」

 

シオン 

 「すまない…」

 

気付けば謝ってしまっていた。

 

今までやってきたことが本当に正しかったのかよく分からない…

 

俺は自分で正しいと思いながらも、真実はずっと赦されざる大罪を犯し続けてきたのではないか…。

 

俺達は、正義という名の自分勝手な言葉を盾にして、自分達の事を正当化しながらその実、弱者を虐げ続けていたのか?

 

本当に分からない…

 

この世界の何が正義で何が悪で…何を信じて何を断罪すべきなのか…

 

俺が見ていたのは歪みきった偽りの世界だったのか…?

 

シオン 

 「本当にすまない…。」

 

シェフィード

 「ここを離れよう・・・。 ミーナに危険な想いをさせるわけにはいかない」

 

ミーナの方を視線を向けるとスヤスヤと穏やかな寝息をたてている。

 

その寝顔は、とても純真無垢で美しいものだった。

 

この娘の笑顔をまた曇らせてしまってはいけない…

 

シオン 

 「人目につかれると面倒だ。できれば今日経つのが賢明だとおもうのだが」

 

シェフィード 

 「うむ・・・。 そうしたいところだが、翼が破れてしまい

  満足に飛ぶことも敵わない・・・」

 

シオン 

 「だったら、ミーナを抱えて歩いていけばいい。

  俺もお前達の安全を見送るまでは付き添わせてもらうつもりだしな。」

 

これは、今まで俺が力なきもの達にしてきたことへの贖罪。

 

ミーナとシェフィードを守りきることで少しでも彼等に罪を贖いたかった。

 

それで、罪が赦されたりするとはおもってはいない。

 

ただ、彼等の為に何かをせずにはいられなかった。

 

シオン 

 「俺の命を使い切ってでも、お前達を守りきってみせる。

  それがお前達を長年苦しめてきた俺達の義務であり、

  そして俺の自分に対する誓いでもある」

 

シェフィード

 「シオン…」

 

シェフィード 

 「お前の気持ちありがたく受け取っておこう」

 

シェフィードはミーナを背に担ぐと、俺達は慎重に森を進んでいく。

 

松明が何本かあるが、基本的には夜の森を歩くというのは自殺行為だ。

 

視界が悪いのだ… 

 

どこに何が潜んでいるか分からない。

 

猛獣、魔物、危険なものなど言い出したらきりが無い…。

 

俺は、周囲の気配に神経を研ぎ澄ませながら、僅かな物音、気配をも逃すまいとする。

 

人間の集中力などすぐに尽きてしまう・・・。

 

しかし、だからといって気を緩めて移動できるというほど甘い場所でもないのだ。

 

特に今は守らなければならない存在があるのだから。

 

シェフィード 

 「シオン。 もう少し気を抜け。凄い汗をかいている」

 

その言葉はありがたいがそれを聞きいれるわけにもいかない。

 

シオン 

 「悪いがその言葉は聞き入れられない…。 

  俺はお前達を護衛する為にここに存在しているのだから。」

 

シェフィード 

 「シオン。お前は何か勘違いをしている。」

 

シオン

 「何??」

 

俺が勘違いをしているそんな馬鹿なことが…

 

シェフィード 

 「周囲を警戒するのもけっこうだが、お前はそんなに見るからに疲弊していて、

  もしもというときにミーナを守りきれるというのか?」

 

シェフィード

 「お前は言った。命を使い切ってでも私達を守りきると。 

  たが、そんな状態で命を使い切ったとして私達の事守りきれると

  本当に考えているのか??」

 

シオン 

 「ぐっ…!!」

 

実に的を得た言葉だった・・・。

 

俺は、そんなことも考えられないぐらいにシェフィードの話に動揺し、冷静さを欠いてしまっていたのか…。

 

こんな事では確かに命を使い切っても守る事などできるはずもない。

 

シェフィード 

 「聡明なお前の事だ。 答えはもう出ているのだろう?」

 

俺は深呼吸を繰り返して、夜の冷たい空気を肺に流し込んでいく。

 

夜の空気は澄んでいてとても心地よく、俺は少しずつ冷静さを取り戻していく。

 

シオン

 「悪かったな。 もう大丈夫だ。」

 

シェフィード 

 「そうか。」

 

シェフィード 

 「魔物の類は保障はできないが、猛獣の類は私の存在に近づこうとはしないはずだ。」

 

シェフィード 

 「それに、私は夜目もけっこう利く。お前の抜けた力分は私がフォローしよう。」

 

シオン 

 「頼む・・。俺も冷静さを欠いていたようだな。正直、助かった・・・。」

 

シェフィード 

 「ふむ。冷静さは完全に取り戻したようだな。 こちらとしてもその方が助かる。」

 

周囲を警戒しつつ進む俺達だったが、しかしこれといった危険もなく森のかなり深部へと足を進めていた。

 

恐らくこれもシェフィードのドラゴンという存在のおかげなのだろう。

 

森の深部。この辺りは人間は誰も近づかないような領域。

 

ここならば目撃される心配もなく、きっと静かに暮らせることだろう。

 

シオン 

 「夜が明けたら、俺はここを発つ。 ミーナの事、守ってやってくれ」

 

シェフィード

 「ああ、約束する。 きっと守り抜こう。」

 

シェフィード 

 「しかしお前には世話になった。少数ながら人間の中にも変った個体も

  いるということが分かった」

 

シオン 

 「あんまり俺達に気を許すな。これは俺のただの贖罪…。

  俺達はそんなにいいものじゃない。」

 

シェフィード 

 「シオン…。」

 

 

東の空が微妙に明るみを帯びてくる。

 

シオン 

 「これを最後に俺達の運命が二度と交わらない事を願ってる。 

  君達の明るい未来に神の祝福を…」

 

俺は背を向け、元来た道を歩いていく。

 

願わくば彼のふたりの運命が我と交差せぬことを神に願う・・・。

 

俺の手は血で穢れてしまっている。

 

そして、これからもそうなのだろう。

 

俺と関わるということは、彼等にとって不幸以外の何者でもない筈だ・・・。

 

彼等には、ずっと平穏に幸せに生きて欲しい。

 

 

穏やかな気分で木々を抜け森を進んでいく。

 

とても心が軽かった。

 

………

 

唐突だが違和感を覚えた・・・

 

愚か過ぎた…

 

いったいいつからだ?

 

周囲にかすかにだが人の気配を感じる。

 

この気配の隠し方、素人のものではない…

 

シオン 

 「気づいている。 隠れてないで出て来い」

 

俺の言葉が早朝の森に木霊する。

 

返事は返ってこない。

 

非常に嫌な予感がした・・・。

 

何故気付けなかった?

 

俺は、ふたりを守りきった事に自己満足し心のどこかで緩んでいたとでもいうのか?

 

俺は、もと来た道を全力疾走で戻っていく。

 

前方の気配に動きがあった。

 

 「おっと。待ってもらおう。」

 

唐突に、木の陰から1人の体格のいい男が現れる。

 

コイツ冒険者だな・・・

 

何となくではあるが、直感ですぐに分かった。

 

シオン 

 「邪魔だ、どけ!! 俺はこの先に用があるんだ。」

 

強引に進もうとするが、男は俺の前に道を塞ぐように立ちふさがる。

 

実に燗に触る男だ。

 

冒険者風の男 

 「あんた、あのドラゴン諦めたんだろ? もうアレは、俺達の獲物なわけよ~。

  横取りや邪魔はしないでくれるかな??」

 

軽口を叩いているが眼は笑っていない。 コイツかなり強い…。。

 

シオン 

 「こっちにもいろいろと事情というものがある。そっちこそ邪魔するというなら、

  ただでは済まさない。いいから道を開けるんだ。」

 

俺達は互いに睨み合う。

 

 『嫌ーーーーーー!!!』

 

そのとき、男の背後か女性の悲鳴のようなものが聞こえてくる。

間違いない、ミーナのものだ!!

 

冒険者風の男 

 「おっ? 始まったようだな!!」

 

そういうと顔だけを後方へと向ける、その一瞬を見逃さなかった。

 

ザシュっ!!

 

俺は、一瞬の隙を付き瞬時に剣を抜き、男の腹部を横一線に切り裂き、倒れた男の喉下に剣を突立てた。

 

俺の瞬時の行動に反応すらできていなかった。

 

男は、ごぼごぼと血の泡を口元から発するだけで、もう反応らしい反応は見られない

 

殺人罪…。 これは、人間の世界における、かなり重い大罪になるだろう。

 

俺は、人間のルールにおいて、何の罪もない人間をその手にかけてしまったのだから。

 

だが、取り返しの付かないことをしたというにも関わらず、俺の頭にはシェフィードとミーナの事しか頭の中にはなかった。

 

邪魔者がいなくなった事で全力で駆け、シェフィードの元へと向う。

シェフィード、間に合ってくれ…。

 

俺は、木々を抜けシェフィード達と別れたその場へと…。

 

シオン 

 「……」

 

そこには、体中から数十本もの槍や剣を突き生やした状態で首と翼を縮めて丸くなっている変わり果てたシェフィードの姿があった

 

 

その姿はとても痛々しくて、俺はかつての親友の元に近づいていき、その青い身体に無残にも突き刺さっている剣や槍を力任せに

 

引き抜いていく。

 

引き抜いていると自然と涙がこぼれた…。

 

何で…

どうして…

 

抜く度にそこから鮮血が飛び散っていく。

 

しかし頭では分かってはいても、シェフィードに突き刺さっている

この憎たらしい無数の剣や槍をそのままになどしてはおけなかった…

 

シオン 

 「シェフィード…すまない…すまなかった……」

 

俺の言葉を聞いてなのか先ほどまでぐっと縮めていた体をぐぐっと起す。

 

まだ生きているのが奇跡としか思えなかった…

 

それだけの出血量であり、それだけの傷を負っているのだ…

 

実際に、その身体を起していくだけで、身体中の傷という傷から血飛沫となって鮮血が飛び散り辺り一面を真っ赤に染め上げていく

 

 

シオン

 「シェフィード…もう無理をしないでくれ…。 そのままでいいから…」

 

しかしシェフィードはそんな俺の言葉を聞かずに、その無残に変わり果てた身体を起す。

 

今までシェフィードの身体で覆っていた部分から何かが現れる。

 

シェフィードの身体の下には、シェフィードの鮮血で身体中を真紅の染め上げたミーナの姿があった…

 

シェフィード 

 「シオン…我が親友よ…。 必ずや戻ってくるものと信じて待っていた…」

 

その声は、とても弱弱しいもので、掠れていて上手く聞き取れない…。

 

だから俺は、シェフィードの身体に身を寄せた。

 

俺の身体も流れ出るシェフィード血液によって、その姿を赤く染めていく。

 

シオン 

 「すまない…。 俺が不甲斐ないばかりに…全て手遅れだった…。

  本当にすまない…。」

 

シェフィードは、首をもたげると血に染まったその頭を力なく俺の肩の上に乗せる。

 

シェフィード 

 「お前との約束…確かに私は守った……。次は…お前の番だ…

  今度はお前がこの娘の事を…守ってやってくれ…。」

 

シオン 

 「あぁ…。お前を守れなかった分もこの娘の事を絶対に守ってみせる…。

  必ず守るとここに誓うから…。」

 

俺の肩に置かれた頭がずっしりと重みをます…

 

それがシェフィードの最後の別れなのだと俺にはわかっていた…

 

俺は、この白く透き通る空に向って声の続く限り雄たけびをあげた…

 

何で何だ…?

 

何でシェフィードはあんな風になって死ななければならなかった?

 

何で、どうしてこんなにもこの世界は理不尽にできているんだ…

俺は、この世界を人間という存在を呪い、この怒りをぶつけるが如く雄たけびを上げ続ける。

 

ミーナ

 「うん…」

 

ミーナ!?

 

ミーナに微かにだが反応があった。

 

シェフィードのこんな姿とてもじゃないが彼女には見せられない。

 

意識を取り戻してしまう前に別の場所に移動してしまわないと…

 

ミーナの元に駆け寄りミーナの事を抱き上げる。

 

ここから、立ち去らないと…

 

最後に静かに動かなくなってしまったシェフィードへと視線を向ける。

 

よく見ると、シェフィード頭部の角が根元から無残に切りとられ、

角の付け根には何度も鋭利な刃物のような物で切りつけたような傷が…

 

切り取れないから、何度も鉈のような物で切りつけたのだろう…

 

賞金稼ぎは、殺した証拠として身体の一部を切除して持っていかないと懸賞金は貰えない。

 

それではシェフィードは生きたまま何度も鉈のような物で頭部を殴られ切り付けられ角を切除されていったというのか…

 

その苦しみはどれ程のものだったのだろうか…

 

しかし、それでもじっと耐え俺との約束を守って、ミーナをその身体で守り抜いていたというのか…

 

シオン 

 「これまで俺は無自覚にこれと同じ酷く残酷な行為を…

  同じように繰り返しおこなってきていたというのか…」

 

俺の瞳から、また止まることなく涙が溢れてくる。

 

俺のせいだ・・・。

 

俺がシェフィードの翼をめちゃくちゃになんてしなければ…

 

俺が今日移動しようなんて言わなければ…

 

きっとあの連中は、俺の灯していた松明の火を目印に気配を感じられない程度に離れて付いてきたのだ。

 

早朝に移動していれば、少なくとも目視で存在を察知することができた筈だ…。

 

俺は贖罪などと自己満足する為に、俺は決して失ってはいけない大切なひとを失ってしまった・・・。

 

俺は意識を失いぐったりと腕の中にいるミーナを見る。

 

もう1人の俺にとって非常に大切な人。

 

そして、親友から命を賭して預けられた何をしてでも守り抜かねばならないもの…

 

ミーナ 「うーん。」

 

俺はとんでもないミスに気付いた。

 

俺の溢れ出した涙は、その手元のミーナに降り注ぐというのに…

 

ミーナのことを1番大切に想うのなら、何を置いてでも

すぐにここを離れてしまうべきだった…

 

でももう遅かった…

 

ミーナの閉じられた瞳が開く。

 

そして、シェフィードの返り血で真っ赤に染まりあがった俺の姿が彼女の瞳に映し出される。

 

シオン

 「ミーナ・・・すまない・・・・・。」

 

彼女はぱっと起きると俺の手元から抜け出し、周囲に視線を向ける。

 

そして、その瞳が映し出したものは…

 

ミーナ 

 「嫌ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

 

こうなってしまっては、とても残酷なことだが受け入れてもらうしかない…

 

 

ミーナは、ひとしきり悲鳴をあげると膝をつき頭を抱える。

 

その様子はどこかおかしい…

 

異常を感じた俺はミーナの元へと駆け寄る。

 

シオン 

 「ミーナどうした? おいっ!!」

 

ミーナの顔を覗き込んだが、焦点が定まっていない。

 

ただ虚ろに視線を彷徨わせているだけだ…

 

やはり無理だったのだ…

 

彼女の心では、シェフィードの死という衝撃的な真実をその繊細な心では受け止め

切れなかったのだろう…

 

シェフィードの死は、何としても伏せておくべきだったんだ…

 

今更悔やんでも遅かった。

 

俺はなんて愚かなのだろう…

 

自分の自己満足と過信でシェフィードを失い、そしてまた、

命を賭して託されたはずのミーナまで愚かにも失いつつある…

 

俺は静かに彼女の事を抱きしめた。

 

こんなに温かいのに…もう心は死んでしまったというのか…?

 

シェフィードすまない…俺は最後まで愚か者だった…

 

でも、愚か者でも構わない。 

 

彼女を諦めるわけにはいかない。

 

死んだ友に誓ったのだから…

 

俺は、彼女を背中に背負うと森の奥へと消えていく。

 

今頃、村では俺は指名手配され懸賞金が掛けられているだろう。

 

俺は、冒険者の一味の一人に手を掛けたのだから…

 

彼等は報復に戻ってくるかもしれない、または、他の賞金稼ぎがこないとも限らない…

 

ここにはもう俺達のいる居場所はないのだ……

 

彼女の事は、どんなことをしてでも、きっと元に戻してみせよう。

 

例えどのような犠牲を払う事になり、そして、何年もの月日を費やしたとしてでも…

 

俺の命を使い果たすそのときまで。

 

この地に静かに眠り続ける我が親友に誓って…

 

 

作者からひとこと

 

この度は、私の初作品『賞金稼ぎとドラゴン』をお読みいただきまして、誠にありがとうございます。

 

国語が苦手な私が書いたので、誤字や意味が通らない漢字の使用など、とてもご迷惑をお掛けしてしまったかもしれませんので、この場をお借りしまして謝罪させていただきます。

 

いずれは、イラストを挿絵として自分で描いて入れたいな~とかささやかな野望を心に抱いて、イラストと文をひたすら描いたりしております。

 

この作品のラストの部分は、本当は別に用意してあったのですが、文を書きはじめて1週間程度のド素人だった為、そちらのラストを上手く表現できなかったので別のラストに差し替えてしまいました。

 

いずれは、『賞金稼ぎとドラゴン』をリテイクする時に一緒にラストを変更したいな~と思っております。

 

それでは長い時間お付き合い頂きありがとうございました。


 
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