No.599597

魔法妖怪は転生者

第二十二話

2013-07-20 15:37:14 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:3856   閲覧ユーザー数:3600

 

 

 

 

 

 

 

 

鴛鴦達が小学4年生に成って数日後

 

 

黄泉川「んじゃあ、体力テスト始めるじゃん。と、言いたいんだけど」

 

 

今現在、鴛鴦達4年1組――高町・テスタロッサ姉妹・八神は欠席――は体操服を着て校庭に整列して座っている。理由は冴えない緑のジャージを着た体育教師――黄泉川が言ったように体力テストをする為なのだが。教師の黄泉川にどうもやる気が感じられない

 

 

幸「黄泉川センセ。何でそんなやる気無いな?」

 

 

女子の一人の天狗幸が質問をする

 

 

黄泉川「関係者の殆どがこのクラス見たら卒倒するじゃん」

キラ『天狗。ちょっとクラス見渡して考えたらすぐ分かるだろ?』

幸「? …………分からないな」

 

 

キラに言われたようにクラスメイト全員の顔を見て少し考えてから分からないと言う幸に箱庭組がズッコケる。よくよく見てみると数人を除いて他のクラスメイトも意味不明と言いたげな表情に成る

 

 

キラ『あのなぁ。いいか、簡潔に、分りやすく説明するぞ?まずこのクラス。今居る全員裏会所属。それは分るか?』

幸「それ位分かるな。じょーしきな」

キラ『結構。裏会に所属している=身体能力が普通の奴よりも可也高い。これも分かるか?』

幸「分かるな」

キラ『そんな奴等が50m走やらソフトボール投げやらやってみろ。一般人じゃ出ない記録が出るだろ。裏に関係の無い学園長とかに提出出来る訳無いだろ』

黄泉川「ヤマトの言う通りじゃん。まあ、今居ない四人は身体能力は一般人と同等だから明日にでも測るけど、あんた達は別じゃん。適当に書いて提出しとくじゃん。皆が皆、ヤマト達みたく身体能力を抑えられる訳でも無いし。つ~訳で、適当に時間潰しといて~」

4年1組全員『『『『『『『『「「「「「「「「「「(それでいいのか聖祥)」」」」」」」」」」』』』』』』』』

 

 

裏会の仕事以外で全員の心が一致した瞬間だった

 

 

 

 

大河「ハイハーイ、じゃあメンドくせぇ授業も始まって無い事だし。部活と委員会決めようか。部活はこれから聖祥ずっと通うなら大学まで続くからね。よく考えて決める様に」

 

 

この私立聖祥学園。学力が有れば大学までエスカレーター式で進学出来、尚且つ高等部からは専門学科――建築科・土木科・商業科・農業科・機械科等――も有ると言う、麻帆良も吃驚なマンモス校だ。校舎の裏の山に牛舎や鶏舎も有る

 

 

部活や委員会の掛け持ち可・小中高大合同・数は余裕で3桁越え・必ず何かしらの部に入部する事

 

 

の四拍子揃っている。まあ、最後のは暗に入部すれば参加しなくても良いと言っているのだが

 

 

秀吉『ワシは何に入るかのぉ』

キラ『俺と迦楼羅と飛鳥と迷彩はもう決めてる』

『早いね』

迷彩『ああ。ここの部活は一応全部把握してるし、去年私達が活動してた事の部活も有るからね』

飛鳥『人数的にはギリギリ部活なんだけどな』

和人『まあ部活ぐらいはバラバラに成るか。寮は同じだし』

秀吉『そうじゃのぉ。なら秀吉だけに演劇部にでも入ろうかの』

迦楼羅『………俺達は既に入部届を出していたり』

秀吉『何と!?』

 

 

 

 

キラSide

 

 

そんなやり取りをしてから数時間後。時間は午後8:00……のチョット前。場所はスーパー常盤のお菓子コーナー。ここに俺・カルラ・飛鳥・迷彩の四人が揃っていた。そして、其処に長身で銀と灰色を混ぜたような色の髪をした男が近付いてきた

 

 

男「……珍しいな。貴方達が参加するなんて」

『お前が参加するのも十分に珍しいな。優』

 

 

この男の名は金城裕。聖祥中等部3年で、俺達4人が所属したHP(ハーフプライサー)同好会の会長だ。まあ、高等部と大学部の生徒が一人も入って無いから自動的に最年長のコイツが会長に成った訳だ。因みに、HP同好会の会員は俺達含めて11人――中等部は3年が2人、2年が3人、1年が2人。初等部で俺達4人――。内9人が裏会に所属して居たりする

 

 

『なんか最近犬が徒党を組んで狼の邪魔してるみたいだからな。それに、豚やアラシも大量発生してるみたいだし、坊主達がその所為で半額弁当取れないってマジ泣きしてたしな。古狼だけど出張って来たんだ』

優「……俺、今回弁当取れるかなぁ」

飛鳥『大丈夫だ、今回の獲物(弁当)は9つと可也多い。大猪もお前の活躍で大人しくなってる。アラシ・豚・堕ちた駄犬を殲滅してから取りに行っても間に合うだろ』

優「……………それもそうか」

迦楼羅『………そろそろジジ様が居なくなるぞ』

 

 

迦楼羅がそう言ったので、弁当・惣菜コーナーを見ると、既にジジ様は裏に続くドアを潜っており、そして揺れていたドアが止まる

 

 

途端に狼達が弁当に向かって走り出す。すると

 

 

ピイイイイイイィィィィィィィィ!!

 

 

突然何度か口笛が響く。すると何処からともなく同じジャージを着た連中が現れ、狼達を抑え込んで道を作ろうとしていた

 

 

『成程。あれが駄犬の集合体の正体か。下らん。潰すぞ』

迦楼羅・飛鳥・迷彩・優『『『「了解」』』』

 

 

キラSide:了

 

 

 

 

キラの合図と共に、5人で狼を抑え込んでいる駄犬の連中――ダンドーと猟犬群に殴り掛かる。すると面白いようにジャージの集団が吹っ飛ばされる

 

 

山原「な、なんだ!?何事だ!?」

 

 

駄犬群のリーダーである山原が驚きの声を上げる

 

 

キラ『よォ。部下を使って悉く狼の邪魔をした挙句悠々と楽して半額弁当取って食ってるらしィじゃねェか。山猿』

山原「な、なにぃ!?貴様!年上に向かって何だその口の利き方!!」

キラ『うっせェなァ。二つ名も着いて無ェ駄犬が壇堂先生の名前を使って悪さしてんじゃ無ェぞ

三下がァ。スクラップの時間だぜェ』

 

 

キラが某一方通行の様な話し方に成っている理由。それは自身の名を使わずに悪事を働き、他人の所為にしているのと、争奪戦を穢した為だ。まあ、キラも腐っても狼だったと言う訳だ

 

 

狼1「お、おい!あれって朱雀じゃねえのか!?」

狼2「って白虎に青竜に玄武に魔導士(ウィザード)も居るじゃねぇか!四神と魔導士が参戦してるとかどんなムリゲーだよ」

狼3「マジかよ。しかも朱雀ブチ切れてるし。巻き込まれたくないな」

 

 

ジャージ連中が吹っ飛ばされたことでキラ達の存在を確認した狼達は各自愚痴りながらも弁当争奪戦を開始する

 

 

キラ『悪ィが此処は狼が礼儀を持ち、誇りを掛けて戦う場所だァ。誇りも礼儀も無ェ奴は侵入禁止ってなァ!!大人しく元の居場所に引き返して誇りと礼儀と力を磨いて出直して来やがれェェェ!!!』

山原「嘗めるなガキがぁーーー!!」

 

 

山原が我武者羅にキラに殴り掛かるが、キラはそれを難なく避けて鳩尾に一発軽いの(それでも成人男性がそれなりの力で殴ったくらいの力が有る)を込めると山原はそれだけで気絶した

 

 

 

 

 

後書き

 

 

ベン・トーを見ていたら無性に書きたくなった。設定としてキラ達は3年の頃に狼として参戦して朱雀(キラ)・青竜(迦楼羅)・玄武(飛鳥)・白虎(迷彩)の二つ名を付けられた古狼と言う設定です

 

 

 

 

 

 

黄泉川先生

本名、黄泉川愛穂。聖祥の体育教師の1人。裏会の事後処理第1班班長で、教師職も事後処理職もそれなりに優秀だが、表でも裏でも偶に絶妙なミス(表では運動会で使うピストルの火薬量を間違える。裏では被害を増やす(具体的には異能者を倒した後、敵に更に追い打ちを掛ける等)等のミス)をするような面もあることから、『シリアスをコミカルに処理する女』と評される。また、年中冴えない緑のジャージを着ており、何か問題があると後先を考えずに部屋の整理整頓を始める癖を持つ

語尾に『~じゃん』と付ける

 

 

天狗幸

聖祥学園初等部4年1組の一人で鴛鴦達のクラスメイト。裏会強行制圧部隊所属。一族は皆膂力に優れているが、幸は一族の中でも突出して強い。通常、大人より強い子供は嫌厭されがちだが、一族全員子煩悩の為、一族中に可愛がられて育った

語尾に「~な」をつけて喋る。一族特有の特殊能力『意中傀儡の術』を不完全ながら扱う事も出来る

 

 

壇堂先生

本名、壇堂健治。聖祥の国語教師の1人で剣道部顧問。生徒指導部の1人

トライアスロンを趣味とし、アマチュアレスリングの心得もある肉体派教師で、一部生徒からは『鉄人』と呼ばれている

生活指導室を根城にしており、『規律を乱すものには鉄拳制裁』という教育方針から、『生活指導の鬼』として生徒から恐れられている。問題児は常にマークしている。ただし、素行不良な生徒でも根拠なく疑うことはなく、生徒とは真摯な気持ちで向き合っている。そのため、大多数の生徒に恐れられながらも慕われている

 

 

山原

聖祥学園中等部3年の生徒。剣道部所属。楽をして弁当を得るために部活の後輩を脅して『ダンドーと猟犬群』を組織し、批判などを全て壇堂先生に擦り付けようとしてキラの怒りを買ったアホ。擦り付けようとしても山原の卑怯具合は学園内外を問わず、海鳴全域で有名な為、海鳴内の殆どの喫茶等の店に出入り禁止を喰らっており、罪は擦り付けるどころか5倍~10倍に成って帰ってくる

出番何てもう無い

 

 

 


 
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