No.592181

ソードアート・オンライン rebirth of fencer

唐芋さん

第三話「第一層決着」

更新遅れてしまい申し訳ありません!
詳しくはあとがきにて…

2013-06-29 00:11:48 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:3097   閲覧ユーザー数:3016

 

第一層BOSS部屋

 

「はあ!!」

 

ユウトは単発系ソードスキル【スラント】でセンチネルを切り裂く

センチネルの体力を削り切り、センチネルは硝子が四散するような消滅エフェクトを起こし消える

 

「はぁ…」

 

ユウトは今の戦場を見回すと

彼と同じくルイン・コボルト・センチネルと戦っているキリトやアスナや

D隊、E隊、F隊のメンバー

ボスであるイルファング・ザ・コボルトロードと戦っている

エギルやキバオウなどがいるA隊、B隊、C隊のメンバーが見え

そしてこの攻略レイドのリーダーであるディアベルの采配により

ボスの体力は既に二本目をイエローにしており、センチネルも数を減らしている

順調に攻略が進んでいるが

 

(何だ?この感じ…)

 

ユウトはただならぬ不安の様な物を感じていた

原因は分からない、だがこの順調に進んでいる事に

ユウトは本能的に不安や違和感に近い何かを感じていた

 

「ユウト!そっちに行ったぞ!」

 

キリトの声が聞こえ、そちらの方に向くと

キリトとアスナが戦っていたセンチネルがユウトの方に向かってきている

ユウトは謎の感覚を深く考えずにセンチネルをスラントで切り裂く

ユウトside

 

俺はこの状況にただならぬ何かを感じていた

そしてその何かはボスのHPが減るごとに増していく

何処かで感じた事のある何かが…

 

【…お前は…生きろ…】

 

!?…何だ今のは…

恐らくフラッシュバックと言う奴なのだろう

見えたのは俺に優しく語りかける横たわった青年

そしてさっきの事を言った後、静かに目を閉じた

これは多分オリジナルの記憶だろう…

俺はRCSで作られた試作の複製体言わばクローンだ

オリジナルの記憶が混ざるのも仕方ないよな…

と俺が自問自答の様な事をしていると

 

「ユウト君、油断してたら…何で泣いてるの?」

 

「え…?」

 

アスナに言われ、目元に触れると確かに涙を流していた

俺は即座に涙を拭き

 

「なんでもない、行くぞ」

 

と言った後、俺はキリトと合流しセンチネルに向かう

 

ユウトsideout

 

アスナside

 

私達は第一層のボス攻略で取り巻きの

ルイン・コボルト・センチネルを相手に戦っている

相変わらず強いユウト君を見ていると

本当にこのゲームをクリアできるんじゃないかとさえ、思ってしまう

そんな事を考えながら、立ち止まっている彼に話しかけると…

 

涙を流していた…

 

とても悲しい顔で…私は何で泣いてるの?と聞くと

彼は一言、「なんでもない」と言った後またセンチネルに向かっていった

ユウト君…なんでかは分からないけど…君にはそんな顔してほしくないよ…

 

アスナsideout

ユウトside

 

俺は謎の感覚を抱えたまま時々ボスを見ながらセンチネルと戦っていた

キリトが言っていた事やガイドブックに書かれていた事を見るに

ベータテストの時はセンチネルは4体湧くだけだった様だが

製品版である今回はどうやら無限に湧くらしい

ふとコボルトロードの方を見るとHPバーが最後の一本がレッドにさしかかろうとしていた

レッドに入った後、コボルトロードは斧とバックラーを投げる

どうやら情報通りタルワールに持ち替えるらしい

 

「下がれ、俺が出る!」

 

とディアベルは前線で戦っていた奴らの前に出て

ソードスキルのモーションを立ち上げようとする

おかしいぞ、集団戦闘においての単独行動は…

 

【…お前は…生きろ…】

 

…!?また、あれが…

そしてコボルトロードがタルワールを抜き、攻撃モーションに入ろうとすると…

 

「ダメだ!全力で後ろに飛べ!!」

 

キリトの叫び声が聞こえた

タルワールにそんな攻撃があるのだろうか…

などと考えていると

あの謎の感覚が一気に襲いかかった

その感覚はコボルトロードが持つタルワールから

そして脳裏に蘇る一つの記憶…

 

【何だよ、あれ!情報と全然違うぞ!!】

 

【お前らは下がれ、あれの対処法は俺が知っている】

 

【…お前は…生きろ…】

 

【うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!】

 

あのタルワールを見ていると謎の感覚は膨れ上がっていく

そしてさっきのキリトの発言…

まさか…あれはタルワールじゃない…?

そう、考えついた瞬間には俺は走り出していた

己の敏捷に任せ、突進系ソードスキル【ソニックリープ】のモーションを組み立てようとしながら

 

「させるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

左脚を思いっきり踏ん張り、ソニックリープを発動させた瞬間

 

「なん…だと…?」

 

ルイン・コボルト・センチネルが俺の前に大量POPした

数は大体8体くらい

ソニックリープはセンチネル一体に直撃し、センチネルはHPを1ドットも残さず削り切り、消滅する

 

「クソ!退け…退けよ!!」

 

スラントを、バーチカルを、ホリゾンタルを、バーチカル・アークをセンチネルに叩き込むが

センチネル達は俺の進行方向を阻むが如く展開する

そしてコボルトロードがソードスキルを立ち上げ、ディアベルに襲いかかる

 

「ディアベル、避けろ!!」

 

俺は叫んだが、ソードスキルを立ち上げた為そんな事出来る筈も無く、コボルトロードの攻撃をもろに受け

さらに切り上げ、ディアベルは宙を舞い、地面に落ちる

 

「キリト、ディアベルに回復を!」

 

「わっ…分かった!」

 

やっと分かった…あの謎の感覚は仲間を失う感覚だ…前に嫌と言う程味わったあの…

ディアベルともたった数時間とはいえ、仲間だった

だからあの感覚が俺を襲ったんだ…

俺はセンチネルを全て片付け、ディアベルの元へ向かう

 

「ディアベル!何で…何であんな事…」

 

「君も…分かるんじゃないのか…?」

 

「え…?」

 

俺にはディアベルの言っている事が全く分からなかった

 

「ユウト…ディアベルは元ベータテスターなんだ…」

 

元テスターだから、何だと言おうとした時ディアベルが口を開いた

 

「ユウトさん…キリトさん…頼む…ボスを…倒してくれ…皆の…為に…」

 

そう言った後、ディアベルはHPが0になり、消滅した

攻略レイドのメンバー全員がディアベルの死を見て、動きを止めた

俺はゆっくりと立ち上がった後、口を開く

 

「キリト、ディアベルが言っていた事を説明しろ」

 

「あっ…あぁ…ボスにはLA…ラストアタックボーナスがあるんだ

ラストアタックボーナスって言うのは最後にボスに攻撃したプレイヤーにレアアイテムが貰えるんだ」

 

「ディアベルはそれを狙って、一人で出たのか…」

 

ったく…ディアベルの馬鹿野郎が…

 

「行くぞ、キリト。LA…取りに行くぞ」

 

するとアスナが俺の横に来て、短く

 

「私も」

 

と言った、俺も短く

 

「頼む」

 

と答え、俺達三人はコボルトロードに向かって走り出した

ディアベル…あんたの願い…叶えてやるからな…!

 

「方法はセンチネルと同じだ!行くぞ!!」

 

「「了解!!」」

 

キリトの言った事にユウトとアスナが答える

ボスの攻撃パターンが分かるキリトがボスの攻撃を弾き

素早い攻撃が放てるアスナがボスに攻撃を当て

一番威力が高いユウトがダメ押しの一撃を与える

そうやって徐々にコボルトロードの体力を削っていく

 

ユウトがバーチカルを当て、キリトが弾き、アスナの番になった瞬間

行動不能に陥っていたコボルトロードが動き出し、アスナに襲いかかる

 

「アスナ!」

 

ユウトが叫んだと同時にアスナは攻撃を避ける

その時にアスナが着ていたローブがコボルトロードによって切り裂かれ

彼女の綺麗な栗色の髪がなびく

 

「せやぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

アスナがコボルトロードにリニアーを打ち込み、コボルトロードを後退させる

 

「グッジョブ!」

 

ユウトがすれ違い様にアスナに言った後

 

「やって見るか…はぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

三連ソードスキル、バーチカル・トライスをコボルトロードに当てる

 

そして攻撃を続けていき、コボルトロードの体力がもう少しになった時

 

「しまっ…!」

 

キリトがミスをしたらしくソードスキルが途中中断される

それを狙い、コボルトロードの攻撃がキリトを襲うが

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

ユウトがスラントで応戦した、そして

 

バキンッ!!

 

何かが折れる音がした

宙を舞い、それは床に刺さり消滅する

それは、コボルトロードの野太刀だった

 

「っらぁ!!」

 

武器の無くなったコボルトロードにユウトはバーチカル・アークを叩き込む

 

「すまん、助かった!」

 

「ぼさっとすんな、行くぞ!」

 

「あぁ!!」

 

三人は再びコボルトロードへ向かい、走り出した

 

コボルトロードはなすすべ無くキリトとアスナの攻撃をくらい

ユウトがソードスキルを放った瞬間、ユウトの剣を掴み

 

「がはっ!?」

 

ユウトのボディを殴り、ユウトの腕を掴み放り投げた

 

ユウトは攻略レイドの上を通り抜け地面に激突する瞬間

 

「おっと…大丈夫か?」

 

タンク隊にいたスキンヘッドの大男、エギルに抱えられ

激突のダメージは防げた

 

「あっ…ありがとな…」

 

「おう」

 

「ユウト君!」

 

前を向くとアスナがこっちに走ってきていた

本来なら後ろを向けば格好の獲物だがキリトやエギルと同じタンク隊の奴らや他の隊の奴が

コボルトロードへ向かっていっており、足止めになっているようだ

 

「アンタがHPを回復するまで俺達が何とかしておく」

 

「…気をつけろよ、武器が無くなってもあいつは強い…」

 

ユウトはレベルが他のプレイヤーより抜きん出ているが先程の攻撃でHPが4割持ってかれている

ユウトよりレベルが低いエギル達がくらったら恐らく一発でやられるだろう

武器の無いコボルトロードは完全肉弾戦をしており、キリトも攻撃パターンが読めていないようだ

エギルが向かったのを見て、ユウトはポーションを飲む

 

「ユウト君…」

 

「そんな顔すんな、死んだわけじゃないだろ?」

 

ユウトがアスナの頭を撫でながら微笑んで言う

 

「さて、十分休んだし行きますか!」

 

「でも、まだ全然…」

 

「心配すんな、LA取りにいくだけさ」

 

ユウトは剣を構え、走り出す

アスナも一歩遅れて、走り出す

 

「はぁ!」

 

ユウトはコボルトロードにバーチカルを打ち込む

 

「ユウト!お前…」

 

「LA取りにいくだけだ、お前はもう休んでろ!行くぞ、アスナ!!」

 

「了解!」

 

キリトを追い抜き、コボルトロードに飛び込む

ユウトがスラントを放ち、アスナがリニアーを当て

ユウトがバーチカルを放ち、アスナが再びリニアーを当て

コボルトロードの体力が1ドット程になった時、

ユウトが二連ソードスキル【バーチカル・アーク】を放つ

 

「これで…終わりだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

コボルトロードの体をV字に切り、コボルトロードが宙に浮く

そして空中で停止した後、消滅エフェクトで体が四散する

 

「…やっ…「「「「「「「やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」」」」

 

第一層クリア

 

これで第一層が攻略された

ユウトは気を抜き、その場に座り込んだ

そこにキリト、アスナ、エギルが来て

 

「見事な剣技だった、コングラッチュレイション、この勝利はアンタの物だ」

 

流暢な英語でユウトを讃えるエギル

ユウトが周りを見ると皆が笑顔で笑っていた

その様子にホッと一息つくと

いきなりウィンドウが開かれる

ラストアタックボーナスと言う奴なのか

そこには体装備の《コート・オブ・ミッドナイト》と書かれていた

さらに下にもう一つあり、恐らく片手直剣カテゴリの《ブレイブハート》と書かれていた

皆が第一層クリアに大盛り上がりしている時

 

「なんでや!」

 

誰かが叫んだ、全員がその声に目を向ける

どうやら発言したのはツンツン頭のプレイヤー、キバオウのようだ

 

「なんで…ディアベルはんを見殺しにしたんや!」

 

「見殺し…?」

 

「そうやろが!あんさんはボスの持っとった武器の事も知っとった、それを伝えておけば

ディアベルはんは死なずにすんだんとちゃうんか!」

 

キバオウの怒りの矛先はどうやらキリトに向かっているらしい

 

「おい、アンタキリトは戦ってる最中に気がついて…」

 

「あんさんも同罪や!」

 

「なっ…」

 

「ワイはちゃんと見たで…あんさんがセンチネルを一撃で倒してたトコをな!

そんな力があるんやったら、なんでディアベルはんを助けへんかったんや!」

 

「ちょっと待って!貴方も見たでしょ!?ユウト君がディアベルさんを助けに行った時のあの大量POPを!」

 

アスナがユウトの擁護に入った

確かにユウトが向かった時のセンチネルの異常なまでの大量POPはおかしい

その事をやはりおかしいと感じてるプレイヤーもいたらしくざわつきが起き始めている

 

「もし、アレが無かったらディアベルさんを助けられたかもしれないじゃない!」

 

「せやけどな…」

 

「もう良い!!」

 

ユウトが叫んだ

全員の目がユウトへ向く

 

「全部俺達のせいなんだ…俺達のせいでディアベルは死んだ…」

 

「俺達って…ワイらも悪い言うんかいな!?」

 

「なら、何故一人で先行したディアベルを止められなかった!!」

 

「そっ…それは…」

 

「自分が立ち向かう勇気が無かったから…立ち向かえる誰かが必要だったんだよな…

だからディアベルの指示でディアベル一人を先行させた…見殺しにしたと言うなら、したのは俺達全員だ…

…俺は強くなる…もう俺の目の前で誰も死なせないくらい強くなってやる…」

 

ユウトはそう言った後、装備フィギュアからコート・オブ・ミッドナイトを装備し

剣を刀身から柄まで白銀の剣ブレイブハートに変え、次の層へ行く扉を開く

 

「待って!」

 

ユウトが少し後ろを向くとアスナがこちらに着ていた

 

「私も…一緒に…!」

 

「ついて来るな」

 

アスナにそう言い放った後、ユウトは扉の先へ進む

 

第二層 主街区 ウルバス

 

一人で上がってきたユウトが第二層に上がった一人目な為、他には誰もいない

アクティベートと言う物をしなきゃいけないと聞き、転移門へ向かおうとすると

 

「ねぇ…待って…」

 

手を掴まれ、ユウトが振り向くとやはりアスナがいた

 

「ついて来るなって、いった筈だけど?」

 

「お願い…一緒に居させて…ユウト君と一緒じゃなきゃ…ずっと不安なの…

ユウト君と別れたあの日から、ずっとユウト君の事考えてて…だから…「俺を…」えっ?」

 

「俺を他の奴と重ねないでくれるかな?」

 

「えっ…」

 

「言いたい事はそれだけか?…じゃあな…」

 

ユウトはアスナの手を解き、再び歩き出した

 

(ごめん…アスナ…今の俺には君を守れる力は無い…

だから一緒には行けないんだ…本当にごめん…)

 

そう考えながら、ユウトは転移門へ向かった

 

第三話 終

あとがき

 

まずは遅れてしまい本当に申し訳ありませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!(土下座

実は携帯を買い替えて、書いてた物がおじゃんになり、更にはそこから大スランプに陥ってしまい

リアルでも学校行事だのなんだので色々と忙しく手つかずの日々が続けてしまいました…

報告で言うならなのはの特別編は永久凍結です…一文字も出てきません!(オイ

スランプも多分まだ抜けきって無いと思うんですよね〜…本当…文才が欲しい!!

 

 

で、かなり遅めですがこの小説の方向性がやっと決まりました

この小説では主にユウトのオリジナル、勇樹君の過去について主に触れていきたいなと思っております

そして、興味無い方もいるかも知れませんがレベル32もあるのに何故ユウトはアスナを連れていかないのかについてユウトは自信が無いんです。連れていったとしてアスナを守りきる事が出来るのかと

また、本編で掘り下げていきますが過去でも色々ありましたので…

 

では、今回はこの辺で!

こんなクソみたいな作者ですが出来る事ならこれからもよろしくお願いします!!

 

第一層攻略から長い年月が立ち、

俺は再びキリトと出会った

そして俺達はフィールドで

モンスターに襲われていた

あるギルドの連中と出会った

それがキリトを変える連中だとは

俺はこの時まだ思ってはいなかった

 

次回 ソードアート・オンライン rebirth of fencer

 

第四話「月夜の黒猫団」


 
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