No.588693

【オリ主転生ハーレム物】Idiot【IS×仮面ライダーフォーゼ(能力のみ)】

三振王さん

※この作品はISの世界に転生したオリ主が仮面ライダーフォーゼに変身する能力を使ってハーレムを築くSSです。

※メインヒロインはシャルを設定しております。

※こういう類は受け付けないという方は戻るをクリック……せずに一応最後まで読んでみてください。

2013-06-18 12:14:52 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:12830   閲覧ユーザー数:12529

 プロローグ「Dieu n'est pas.」

 

 

 

 この俺、河原一也はごくごく普通の高校一年生、代わり映えの無い日常、家族もまともで学校生活も順風満帆、彼女はいないが友達もそれなりに居て、幸せで、とても退屈な人生を送っている。

 そんな俺の趣味は特撮番組の鑑賞とライトノベルの購読、最近は近頃活動を再開したインフィニットストラトスの改装版を読むのが日課だ。

 それにしてもこの作品……以前は何気なく読んでいたが、最近の作者の言動やネットの感想を見ると、読めば読むほどツッコミ所の多い作品だと思う。

 無気力のくせにいざという時はありえない主人公補正で逆転するホモ野郎一夏、そしてその主人公にとても理解できない理由で惚れるヒロイン達、世界観の破綻具合、もうマジで何なんだと思う。

 

 俺がこの作品の登場人物だったら、束なんという高慢なコミュ障女をぶちのめしISなんてものを無くして、主人公を排して、ヒロイン達に……特にシャルロットに本当の恋というものを教えてやるのに(二組の人はいらん)、まあそんな事を考えていても、俺はISの主人公じゃないのでどうしようもないんだけどな。

 

 そんな事を考えながら、俺は今日も下校時間になったので部活動のある友人たちと別れ、日課であるライトノベルが置いてある本屋へ向かう。無論立ち読み目的だ。金の無い高校生にはライトノベルの大人買いなんぞ夢のまた夢の行いなのだ。

 

 そして人気の無い信号が青の交差点を渡る俺、次の瞬間……俺目掛けて猛スピードでトラックが突っ込んできた。

 

「!!」

 

 運転席を見ると、運転手らしき人間がコクリコクリと舟をこいでいる。眠りの世界に入りかけているので俺の事は気付いていないようだ。

 

 逃げなくちゃ、でも足が動かない、トラックが徐々に近付いて来る。5m、4m、3m、2m、1m、0m……俺の体に衝撃が襲った。でも、痛みは不思議と感じなかった。

 そしてそのまま俺の意識は暗闇に沈む、同時に「河原一也」という存在はこの世からきれいさっぱり無くなった……。

 

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

 

 気が付くと俺は、どこまでも真っ白な世界に一人で立っていた。辺りを見回しても真っ白な世界、体験したことのないような状況に俺の心に不安が募る。

 

「まさか、これが死の世界……?」

「ええ! その通りです!」

「うわ!?」

 

 突然、後ろから声を掛けられ俺は飛び退く。そして声がした方角を見ると、そこには白いスーツに金箔を施してキラキラしているネクタイをした、銀髪オールバックの男が立っていた。

 

「あ、あんた誰だ!?」

 

 俺の質問に対し、男はニヤニヤと笑って答える。

 

「神様です」

「はあ!?」

 

 何を言っているんだこの男は? 頭おかしいのか? こんなある種狂気じみた場所に居たらそうなってもおかしくはないが。

 

「うーん、信じて貰えないようですね……まあいいでしょう、まずは簡単に貴方の状況を説明します! アナタは先程、トラックに轢かれて死にました!」

「お、おう」

 

 とりあえず俺はその男の話を聞くことにした。

 

「しかし! アナタはあの場で死ぬ運命ではなかった! 本当なら天界の定めた寿命により後100年は生きる筈だったのです!」

 

 100年!? マジでギネス級に長生きする筈だったのか俺!? そう思うと勿体無いような、代わり映えの無い人生を後100年も生きるのは苦痛というか……。

 

「これは明らかに私達のミス! という訳で貴方には別の人間として生き返ってもらい、生きる筈だったもう100年を謳歌してもらいます!」

「え、あの……普通に生き返るじゃ駄目なの?」

「残念ながら前世のアナタの肉体はついさっき火葬されたので戻りようがありません! 誠に申し訳ございません! その代り前世の記憶を持ち越したまま! 好きな世界に、好きな能力を持って転生させていただきます!」

 

 その言葉に、俺は耳をぴくっと動かす。これは確か……ネットの二次創作小説でよく使われる手法であるチートオリ主の転生というものじゃないか!? 強くてニューゲームともいう奴!?

 

「あ、あの! ラノベとかアニメの世界とかでもいいっすか!?」

「もちろん!!」

「能力とかも!?」

「もちろん!!」

 

 そう言われて、俺はうーんと悩み始めた。行く世界はもちろんISの世界だろう、なら持ち越せる能力は何がいいだろう。

 まっさきに浮かんだのは特撮の中でも特にカッコいい平成仮面ライダーシリーズ、その中でもサイバーな雰囲気を醸し出す作品がいい。

 

 ファイズは……駄目だ、折角寿命が100年もあるのに寿命の短いオルフェノクになる必要が無い。

 カブトは……悪くないけどパワー不足だし、シナリオがクソすぎてぶっちゃけ嫌いだ。

 他にも候補が浮かんだが、最善だと思ったのは一つしかなかった。

 

「あの……フォーゼドライバーください! スイッチも40種全部! 劇場版仕様も付けて!」

「ハイ解りました!」

 

 男は指をぱちんと鳴らすと、俺の手元にはフォーゼドライバーが収まっていた。もちろん市販のおもちゃなどではなく、重量感から本物だという事が解る。

 

「はあああ……アンタ本当に神様だったんだな!!」

 

 俺は目の前の男を完全に尊敬の眼差しで見ていた。すると男は俺に一枚の紙を渡した。

 

「ではこの紙に転生した時の設定を記載しておいてください! 極力反映しておきますので!」

「わっかりましたぁ!!」

 

 俺はポケットに入っていたボールペンで渡された紙に色々書き込み、それを男に渡した。

 

「では、よい人生を……」

 

 男はニッコリ笑いながら手を振る。その瞬間俺の視界は強い光に包まれた……。

 

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

 

 それから16年後、転生を果たしISの世界にやって来た俺は、フランスで生まれ赤ん坊の頃両親に捨てられ、孤児院で苛烈ないじめを受けて育った男としてこれまで生きてきた。

 でも辛いとは思ったことは無い、これから俺は織斑一夏に次ぐISの操者として日本に向かう為、国際空港のロビーにいた。過酷な環境で育った為一夏を説教して蹴落とす為のの土台は出来ている。小さい頃幼いシャルロットに出会ったというフラグも立てている。これで土台はばっちりだろう。

 あとは入学したIS学園で学園対抗戦に乱入してきたなんちゃら企業とかいう奴等にシャルを庇ってワザと撃墜されて、フォーゼの力を使って逆転、ISを使う必要が無くなり世界中の人間が俺を英雄として称賛するんだ! ああ、早く飛行機来ないかな~?

 

「すみません、河原一也様ですか?」

 

 その時、突如俺の背後から誰か話し掛けてきた。後ろを振り向くとそこには青いショートヘアーに黒いスーツを身に着けた、今の俺と同い年程度の少女が立っていた。

 

「俺の以前の名前を知っているという事は……」

「はい、神様の指示で貴方のサポートの為に派遣されました、青木葵という者でございます」

 

 そう言って名前がアオ尽くしの少女は俺にぺこりとお辞儀する。成程……神様はアフターサービスもばっちりって訳か。気が利くねえ。

 それにしてもかわいい子だ、俺にはシャルという嫁がいるのだが……展開によってはこのオリジナルヒロインと一緒になるのも悪くない。

 

「サポートって……一体どんなことしてくれるの?」

「はい、一也様がよりよい転生生活を送れるよう、様々な面でサポートいたします」

「様々な面……!」

 

 そう言われて、俺はにやけた顔を必死に戻す。ここでスケベ心があると思われたら彼女……葵に変な男だと思われるかもしれない! しっかりしろ俺!!

 しかし葵はそんな俺の事を気にも留めず、淡々とメモを取出し俺に質問してきた。

 

「では参考までに……一也様はIS学園で一体何をするおつもりですか?」

 

 その質問に対し、俺は得意げにこれからの予定を話し始めた。ISという概念をフォーゼの力を使ってぶち壊す事、一夏を排してヒロインたちの目を覚まさせる事、この世界を救う為の計画を一字一句漏らさず彼女に話した。

 

「成程……わかりました」

 

 そう言って彼女はメモを取るのをやめ、俺の瞳をじっと見つめる。そして突然、

 

「アウト」

 

 と言い、どこから出したか解らない刀のような武器で俺の首をh

 

 

 

 

 

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

 

 

 

 時の制止した世界、その中心で少女は、首を失って肉塊となった少年に静かに話し掛けた。

 

「アナタは……この物語が間違いだと言った。そして滅ぼすべきだと言った。確かにこの世界は間違いだらけなのかもしれない、でも……この世界にだって幸せに生きている人がいる。その人達の幸せを壊していいはずがない」

 

 少女は、少年が落としたフォーゼドライバーを踏み付けて破壊する。

 

「こんな借り物の力でしか何もできない貴方に……この世界を幸せにすることなんてできない」

 

 少女はそのまま、自分が切り落とした血の一滴も流れていない少年の首を持ち上げ、それに話し掛ける。

 

「ねえ知っている? 幸せな家族の未来が、どこからともなく現れた借り物の力を振るう自分勝手なバカに滅茶苦茶にされる気持ちを? 私もね、貴方達に全部奪われたの、父さんも、母さんの笑顔も、私が居た世界の人達の幸せも、全部貴方達に滅茶苦茶にされた ねえ解る? 普通であることが、平凡であることが、沢山のものに満たされている事が、どれだけ幸せだということを、それを自ら手放すことが、どれだけ罪深い事かという事を」

 

 少女は突然、発作的にその首を地面に思いっきり叩きつける。首はドンっとバスケットボールの様な音をたてて、そのまま光の粒子となって消えていった。

 

「私も、貴方達が第二の人生を前と前世と同じ平平凡凡であることを望むのなら何もしなかった。もし貴方達が、欲望の赴くまま私の様な不幸な子を増やそうというのなら……私は全力で抗う、お前たち一人残らず刈り取って、生も死も、光も闇も、心も愛も生まれ変わる事も無い場所に叩きこんでやる」

 

 鬼のような形相で歯ぎしりをする少女、その時……彼女の胸ポケットに仕舞ってある携帯電話から、何かの特撮番組のOPテーマの様な明るい着信音が鳴り響き、少女はそれを取った。

 

「もしもし」

『おう“ブルー”、仕事は終わったか?』

「“グリーン”、今処分し終えた所」

『まったく、最近増えて来たよなあ、境界震災に巻き込まれて、神を名乗る詐欺師共に煽られて、なんかよくわかんねえ力使って転移先の世界の女達を食い物にして、借り物の力を使って世界を滅ぼそうとする奴等、お陰で最近残業続きだよ』

「そんなバカは根絶やし……それが私たちの仕事」

『わあーってるって、取り敢えず次の現場行くぞ、次はリリカルなのはの世界だ』

「またあそこ? 最近は落ち着いてきたみたいだけど……」

『いや、今回はいつもと勝手が違うみたいなんだ、取り敢えず合流してから話す』

「了解」

 

 少女が通話を終えて携帯電話を胸ポケットにしまう。すると少年の胴体も光となって消え、周りの時間は再び動き出し、空港のロビーに人々の騒がしい声や機械の機動音など様々な音が重なり合って命の営みの音楽を奏でる。

 その音を聞いた少女は、何かを思い出したのか、瞳に悲しみを帯び、俯いて黙り込んだ。

 

「あのアナタ……大丈夫ですか? 具合悪そうですけど?」

 

 するとそんな彼女に話し掛けてくる人物が現れた。どこかの学校の白い男子制服を着た、長い金髪を紐でまとめた、優しげな瞳を持つ若者だった。

 対して少女は若者を心配させまいと顔に微笑を浮かべて答えた。

 

「平気です、ちょっとIdiotな男をここから追い払った所で」

「ははは、Idiotなんてひどいなぁ」

 

 すると若者は腕時計を見て、傍に置いてあった旅行鞄を手に取って歩き出そうとした。

 

「あ、僕もそろそろ行かなきゃ、良い旅を」

「ええ、良い物語を……シャルロット・デュノアさん」

「え?」

 

 少女に背を向け歩き出そうとした若者が振り向くと、そこにはもう少女の姿はなかった。

 

「なんだったんだろう? 今の……?」

 

 若者は首を傾げながら、日本行の飛行機がある場所へ歩いて行く。これから描かれる、自分の物語を歩いて行く為に……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【あとがき】

 

 という訳でこの話はオリ主が強制排除されたためにプロローグだけで強制的に終わりです。タグ詐欺ですね。アルカディアの雑談所見て思いついて6時間ぐらいで書きあげた作品なので推敲とか全然していません。タイトルに一発ネタとか完結とか付けると微妙にネタバレになるんで付けれません。でも実はタイトルとサブタイトルにちょっとしたネタバレを含ませてあります。(ヒントはシャルロットの国籍)

 

 作品の中に出てきた少女は、物語の世界を滅茶苦茶に書き換えようとするオリ主や神様(と名乗る人)達から原作の世界を守る為の機関に所属する。とある物語の主人公とヒロインの間に生まれてくるはずだったのにオリ主の介入で沢山の物を失ってしまった過去を持つ……というキャラクターです。

 

 今回書いた作品はこんなのですが、自分は別にたまたま今回こういうネタを思いついただけで、TSやハーレムや最低系オリ主等を否定するつもりはありません。自分も似たような事しているし、そういうのも個性の一つだと思っています。

 ただこの作品のオリ主は、“自分勝手”の区別がついていなかったんだと思います。だからこういうことになりました。

 

 読む人皆が幸せになる作品……多分不可能に近いぐらい難しいですよね。それでもそういうのを目指して作り続けるのは、きっと無駄にはならないと思います。

 

 それじゃ今日はこの辺で、では。

 


 
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