第13弾 キリトVSアスナ
キリトSide
第2回戦を終えた俺は再び待機エリアに戻され、少し遅れて戻ってきたと思われるハジメに声を掛けられた。
「……お疲れ様だ、キリト」
「おつかれ、ハジメ。お前も2回戦目を勝ったみたいだな」
「……お陰様でな」
お互いに労いの言葉を掛けあい、そばにあるテーブル席に座り休憩する。
第3回戦も始まるだろうけど、少しくらいは余裕があるはずだ。
ふとハジメに視線を向けてみれば深刻そうな表情をしていた。
「何か、あったみたいだな…?」
「……ああ。おそらく…いや、間違いなく『
「なっ…」
いきなりの事実に声が出なかった、むしろ出さなくて正解だったかもしれないが…。
「……加えて、厄介な事に奴はラフコフの生き残りだ。しかもトップクラスの、な…」
「っ…誰が心当たりにいる?」
「……『赤眼のザザ』、一番の要素は奴だろう」
「そうか…」
嫌な予感ほど良く当たるが、外れてほしい時に限って予感は的中してしまう。
ラフコフトップスリーに似た殺意、その予想が当たっていたというのは、正直くるものがある。
「……アスナにはなんと言う?」
「いまはまだ伝えないでおこう。本大会に出場すれば、全てがハッキリするはずだ。だが、油断せずにいくぞ…」
「……了解」
ハジメが言うにはハッキリと相手の全身を捉えたわけではないらしい。
マントとローブで全身を覆っていた為に、体などの装備もわからず、どんな戦い方をしているのかも不明。
一番厄介なのはキャラクターネームが不明だということだ、『死銃』というのは奴が名乗ったものだからである。
「あ、キリトくんもハジメ君も戻って来てたんだ」
「ついさっきな、アスナも2回戦突破おめでとう」
近くまで歩いてきたアスナが俺達を見つけてそう言ったので、俺は簡単ながらに彼女を労った。
まぐれだよ~、と照れているが、間違いなく銃の世界の戦いに慣れてきているはずだ。
アスナもSAOの世界を生き抜いてきた者だからな。
「2人とも、どうかしたの…?」
「んっと、少し進展があってな。いまは時間がないから、予選が終わったら話すよ」
俺達の様子に気付いたアスナは訊ねてきたが、俺の返答を聞いて察したのか、真剣な表情で頷いた。
ま、そこからすぐに破顔して笑顔になり、俺の隣に座ってきたし、ハジメはその様子を見て笑みを浮かべている。
「……むっ?」
そこでハジメは自身の身体が青い光に包まれたのに気付き、すぐに転送されたようだ。
どうやら第3回戦に突入したようである。
「俺達も少ししたら3回戦目に入るだろう。ちゃんと武装の点検もしておかないとな、主に弾倉の充填とか…」
「そうだね。よし、わたしもチェックしとかなくちゃ」
そんなこんなで予備弾倉やらをチェックしようと思った俺だったが、光に包まれて転送された…おい。
キリトSide Out
シノンSide
第2回戦に勝利した私は待機エリアに戻ってきた。
すぐに次のフィールドに転送されないということは、次の相手はまだ決まっていないということ。
そこで私に声を掛けてきた人がいた。
「2回戦も突破おめでとう、シノン」
「ええ、ありがとう、シュピーゲル」
1回戦同様に友人である彼からの祝いの言葉だった。
辺りを見回して、あの3人がいないかを確認したところ、紅髪の少女であるアスナを見つけた。
声を掛けようと思い、歩き出そうとしたところで、彼女は光に包まれて転送された。
どうやら次の戦闘に向かったみたい。
アスナが直前まで見ていたのはモニタに映されている戦闘だったから、
もしかしたらキリトかハジメの戦闘を見ていたのかもしれない。
折角だから、2人の戦い方を拝見させてもらおう。
そうして画面に目を向けて2人の戦闘シーンがないかを探し、見つけた。
「……な、なに…あれ……」
それ以外に、言葉が出なかった。
多分、周囲にいる何人かのプレイヤー達も、私と同じ理由で呆然としているんだと思う。
画面に映っているキリトとハジメ、その戦い方は…。
手甲による拳と銃、銃剣と銃による戦闘だった。
キリトは手甲を装備して、相手が放ってくる弾丸をその手甲で僅かに逸らしたり、弾いたりし、
その隙にかなりの速度で接敵、相手の銃を手甲で殴りつけたり、相手自身を殴るなどして体勢を崩し、
止めに銃で頭部や心臓を撃ち抜いてHPを0にした。
一方のハジメ、彼は銃剣の刃の部分を使って、弾道予測線が見えないはずである1発目の狙撃による弾丸を斬り落とし、
そのまま狙撃手のいるであろう方角へ直進、飛んでくる弾丸を全て斬り落とし、そのまま相手と遭遇し、
銃で攪乱したかと思うと銃剣で発砲、未知の戦法に動揺した相手は成す術もなく、HPを0にされた。
異常だ、本来の戦い方である銃撃戦をほとんど無視した戦い方。
銃を使うのは止めを刺す時と牽制の時のみ、それ以外はまるで特攻するかのような動き。
それなのに、2人とも獰猛な笑みを浮かべながら走っていた。
その様に、私は思わず震えた……それは武者震い、まさか自分が高揚感を抱く事になるなんて思わなかった。
だけど、嫌じゃない…。そして2人が転送されるというところで、私も第3回戦のフィールドへと転送された。
シノンSide Out
キリトSide
俺は第3回戦、第4回戦、そして第5回戦を制した。
正直、あまりにも異常な程強い人達だったので、説明は省かせてもらう。
現在、予選決勝戦のバトルフィールドである、[最果ての海遺跡]にいる。
そして俺の10m程先に立っているのは、決勝戦の対戦相手……アスナ。
俺達は互いに睨みあった状態にあり、
おそらくあの待機エリアでは俺達の様子に緊迫したものを感じているプレイヤーが多いだろう。
だが、実際のところは…。
―――ね、ねぇ、キリトくん…。ほ、本当に、戦わなくちゃいけないの?
―――もちろんだ、俺としては是非とも強くなったアスナの力を知りたいからな。
―――そ、それなら、ALOに戻ってからでも、ね?
―――だ~め。そんなに俺と戦いたくない?
―――その、ぜ、全力はちょっと…。
―――はは、アレは冗談だって。まぁ、そうだな、アスナの頑張り次第では………。
―――……っ/////////!?
―――さて、どうする?
―――た、戦い、ます…//////
システム外スキル《接続》を使い、こんな想いのやり取りをしていたり。
ちなみに俺がアスナに言ったのは
どんなものかって? そこは想像に任せる(ニヤリ)
手甲に包まれた両腕、腰にはファイブセブンを携え、いつでも加速できるように楽な姿勢を取る。
一方のアスナも光剣を構えたまま楽な姿勢を取っている、こちらもいつでも加速が出来るように…。
「「……………」」
―――ヒュウゥ~、ピチョンッ!
遺跡内部に一陣の風が吹き、天上から一滴の雫が落ちた瞬間…、
「「………ッ!」」
俺とアスナは同時に駆け出した。
彼女の振るう光剣、その鋭い一閃とこちらに攻撃を行わせない程の連続突き。
【神速】のヴァルほどではないが、【閃光】の名に恥じないほどに磨きが掛かっているのがわかる。
それになりより、彼女自身も笑みを浮かべているから。
「ハァッ!」
「っ、ふっ!」
アスナお得意の最速の剣技、それらを歩法で躱したり、手甲で僅かに逸らすなどして攻撃をいなす。
そこでアスナは腰に据えていたベレッタを左手で持ち、俺に向けて連射してきた。
はは、容赦ないな……そんな俺の本音を感じ取ったのか、彼女は笑みを浮かべる。
―――キリトくんの期待に応えたいからね!
まったく、嬉しい事を
幾つかの弾丸を被弾するも、重要箇所は全て回避しているのでまだHPには余裕がある。
しかしペースを掴まれるのも危険だからな、それなりのアスナの本気も見て取れたし、
そろそろ決めるか……足に力を溜め、一気に解き放ち、彼女に接近。
一瞬、動揺した様子を見せたが、すぐに剣と銃で応戦してきた。
剣の側面を手甲で弾いて逸らし、銃弾は重要箇所以外は被弾して特攻、アスナの持つ2つの武器を吹き飛ばす。
彼女に微笑み掛けながら背後に回って羽交い絞めにし、頭部にファイブセブンを突きつける。
「チェックメイト、だな?」
「……はぁ~、参りました。
諦めと拗ねた表情を見せたアスナは、降参の言葉を言ってから転送された。
次いで俺もこの場所から転送された。
キリトSide Out
To be continued……
後書きです。
え~昨日、もしかしたら投稿できないかもと言っておきながら、なんとか投稿できちゃいました。
混乱させてしまい、申し訳ないです・・・(ペコリ)
はい、そしてキリトVSアスナの様子でしたが・・・大したものじゃありませんでしたねw
文句は一切受け付けないぞwww
キリトさんは光剣を使わない本気でしたし、アスナさんも細剣じゃないから本調子は出ませんでしたしね。
キリトさんの光剣は本大会にてお待ちください。
次回はハジメVSシノンだお、原作の無気力キリトの時とは違う戦いをお楽しみに。
それでは・・・。
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第13弾です。
はいは~い、みなさんお待ちかねのキリアス勝負の回ですよ~w
どうぞ・・・。