No.581055

真・恋姫†無双~家族のために~#9新たな日常

九条さん

今度は主人公視点で進みます。

がくがくぶるぶる

2013-05-28 19:01:58 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:2582   閲覧ユーザー数:2351

 ーー翌朝

 

 早朝。というか朝日が昇ったばかりの時間。僕と空は地下牢の外にいた。若干不機嫌ではあるが。

 たしかに今日呼びに来るとは言われたけど、まさかまだ寝てるところを叩き起こしに来るとは思っていなかった。森にいたときでさえこんなに早く起きることなんて数えるほどしかなかったぞ。

 

 そんな僕と空の気持ちには気付いていないのであろう目の前の女性は、手早く手続きを済ませるとまだ一言も発していない僕達を連れて、どこかへと向かっていた。たぶん昨日来ていたもう一人の女性のところに向かうんだろうなと、どこか他人事のように思いながらも大人しくついて行った。

 

 

 しばらく歩いていると、早朝のためまだそんなに人通りの少ない通りで昨日の女性が立っていた。

 女性はこちらに気付くと一礼し、ここまで案内してきた女性に話しかけた。

 

 「ちゃんと約束は守ってくれたのね」

 

 「あぁ。あとが怖いからな」

 

 「あら? どういうことかしら? 」

 

 優しい口調とは裏腹に、何か背筋が寒くなるような気配が……。こいつらは友人ではないのか? 

 

 「いや、なんでもない」

 

 銀髪の女性もそれを感じたのだろう、あわてた様子で言葉を濁した。あれだけの武を持っているのにこの女性には逆らえないらしい。僕はなんとなくそんな雰囲気を感じた。

 

 

 「そう。今は不問にしておきましょう。それよりもまずは家に入りなさい。お茶を入れるから」

 

 そう言って家へと招かれた。心の片隅に『逃げる』という選択肢はあったのだが、銀髪の女性が気を張っているため無理だと悟った。まずは様子を見なければ……。

 

 「そうそう。逃げるなんてことは考えないほうがいいぞ。あいつは私よりも恐ろしいからな」

 

 「っ! ……」

 

 心を読まれたのかと思った。それよりも恐ろしく実感のある彼女の溜息が気になったが……とにかく今は大人しくしていようと、僕と空は顔を見合わせ同時に頷いた。

 

 

 

 

 家の中に招かれ、おそらくは居間にあたる場所に案内されたところで、そこにあった椅子に座った。

 対面には蒼い髪の女性。僕の右隣に空。左隣の少し後ろに銀髪の女性の配置だ。たぶん暴れてもすぐに抑えられるんだろう。そんなことを考えていると、目の前の女性が話し始めた。

 

 「まずは自己紹介をしましょう。まずは私から。姓は司馬、名は徽、字は徳操。それとここでは私塾を開いていて、門下生達には水鏡先生なんて呼ばれているわ」

 

 「……私塾? 」

 

 つい疑問が口に出てしまった。聞いたことの無いものは知らないままにせず調べるか聞くことと、幼い頃に母から学んだことだ。その癖が出てしまった。

 

 「ええ。私塾というのは簡単に言うと、私個人が開いている学問を学べる場所のことよ。私のところは読み書きから軍略など、あらゆる部門を教えてはいるけれどね」

 

 「……」

 

 司馬徽の返答に対して反応はしなかったが、彼女は質問されたことで満足したのか微笑を浮かべた。

 

 「なら次は私だな。姓は龐、名は徳公、字は子魚だ。官位はないが将軍の立場にあたると思ってくれていていい」

 

 この人は将軍だったのか……父も将軍と呼ばれていたことがあった。将軍とは兵をまとめる立場にあると。武か文、またはその両方に優れた者がなれるらしい……と母から聞いたことがある。

 たしかに武は僕と空が束になっても敵わなかった。頷けるだけの要素は身をもって知っている。

 

 「私たちの紹介は終わったわね。それじゃあ次はあなたの番よ? 」

 

 「……」

 

 それに対して僕は無言を貫くことにした。空が狙われたことに関して彼女は無関係ではあるのだが、頭で理解をしていても心が許せていない。そんな気持ちが名乗ることを押し止めていた。

 

 

 

 「そういえばあなた、戦うときも名乗りを上げなかったらしいわね? こちらの名乗りを聞いた上で」

 

 彼女の声が少し低くなった。先ほどと同様に背筋への悪寒がひどくなり、歯がかみ合わなくてカチカチと鳴っている。空は野生の嗅覚が反応しているのか僕の椅子の下に隠れてしまった。龐徳公はどうなったかと左後ろを見てみると……彼女は尋常じゃない汗を垂れ流し、視線をあらぬ方向へと向けていた。

 

 正直……物凄く怖いっ! 顔は微笑んでいる。ただ声が低くなっただけなのに……。

 僕と空は本能的に彼女……司馬徽に屈した。

 

 「……姓は黒、名は繞……。字は幽明……です」

 

 搾り出すようにして名を伝えると、彼女は破顔した。途端に部屋の空気が元に戻り……僕は彼女に抱きしめられていた。

 

 「え……ちょっ……」

 

 「ふふふっ。今日から宜しくね幽明ちゃん。やっぱり子供は素直なのが一番よ? 」

 

 そんなことよりも離してっ……息ができな……

 

 「そろそろ離してやれ諳。お前は今日からここに住む奴を窒息させる気か」

 

 強引に後ろから引っ張られ、地獄の抱きつき攻撃から開放された。悪意のない悪意ってこれほど恐ろしいのか……。

 

 「はぁはぁ……はぁ」

 

 「ふふっ。ごめんなさいね? 」

 

 笑いながら謝ってくる司馬徽。謝る気が感じられないが、逆らうとまた先ほどの恐怖に襲われるのでは? と考えてしまい、僕はただ頷くしかなかった……。

 

 

 

 

 「では改めまして、ようこそ水鏡塾へ。歓迎するわ幽明ちゃん」

 

 

 

 この日、やや強引にだが僕たちの住む家が決まった。

 もちろんただで住ませるということはなく、司馬徽の仕事を手伝うことが最低条件としてだが。

 その代わり、空とは一緒にいられるし、仕事が終われば自由時間も与えられる。さすがに城の外に出ようとすると兵士達に止められたが……。

 仕事をきちんとやれば給金もでた。特に欲しいものはなかったから、僕と空のご飯ぐらいにしか使われないため、そのほとんどが貯金に回されることになった。

 

 与えられた仕事は最後まで必ず終わらせる僕と、常に一緒にいて、吠えない噛まない虎ということで密かに子供達に人気だった空は、それほど時間も掛からずに街に馴染んだ。

 

 

 

 ある日も、僕と空は街の子供達と一緒にかけっこをしていた。

 そんな様子を見ながら微笑んでいる二人の女性がいることにも気付けないまま……。

 

 

 

 

 

 

【あとがき】

 

 

どうも、こんばんわ。

 

九条です。

 

 

 

族ため#9 いかがでしたでしょうか。

 

個人的に力のある人より頭の良い人のほうが怖いです。

 

なので諳さんがこわryうわなにするやめ……。

 

 

 

 

ただいま戻りました。(汗)

 

 

しばらくはここ(襄陽)でのお話が続くと思います。

 

最後のほうで省略した街での一人と一匹の拠点パートや

私塾でいいように使われている少年の話とか、

むりやり訓練に付き合わされる子供の話とか……。

 

え? 全部同じ人物だって? そんなの当たり前じゃry

 

 

最後に

 

昨日は投稿できなくて申し訳ありませんでした!

 

免許センターで学科試験受けて落ちて、テンション落ちて書けるような状態じゃなかった……。

 

というのは言い訳ですね、はい。

 

 

今までと同じく今日からも気ままに更新していきますので

楽しんでいただければ~

 

 

ではまた次回に!


 
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