人の出入りのない自然豊かな名も無き島、そこにはほのかに光る鳥がおり、同じく光る花が咲いているという。
鳥の名は蛍鳥(ケイチョウ)、花の名は蛍花草(ケイカソウ)。蛍鳥は蛍花草の近くに巣を作り、同じように光を発する。
故郷の島の言い伝えだ。しかし、今私の眼前にあるものは何であろうか！それはまぎれもなく蛍鳥、そして蛍花草ではないか！言い伝えは実在したのだ！──────航海日誌第65冊より抜粋

小さな船ながらも長らく航海していた者達が、その島にたどり着いたという。しかし、その後たどり着いた者はいまだいない。言い伝えは伝説となり多くの船乗り達と共に今日も海をさまよい続けている。