No.580351

真・恋姫†無双~家族のために~#6愚者と双柱

九条さん

オリキャラ3名でてきます。好みが分かれるかもしれません。

2013-05-26 15:51:41 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:2854   閲覧ユーザー数:2571

 ここは荊州の襄陽。荊州で最も大きな城が建てられている街である。

 今この街では武官と兵士達が忙しなく動いていた。

 

 

 城内の玉座の間。

 玉座には男が座り、やや離れた位置に女性二人がいた。

 

 男はくせのある翠の髪を弄りながら欠伸を漏らし、あろうことか胡坐を掻いていた。辛うじて服装だけはまともであったが。

 そんな男の様子に小さく溜息を漏らす銀髪の女性。蒼い髪の女性はそもそも興味がないのか、男を見向きもしていない。

 

 男の名前は劉表(りゅうひょう)、字は景升(けいしょう)。荊州の刺史である。

 銀髪の女性は龐徳公(ほうとくこう)、字は子魚(しぎょ)。武官達をまとめる将軍の立場にある。

 蒼い髪の女性は司馬徽(しばき)、字は徳操(とくそう)。こちらは軍に所属している訳ではないが、龐徳公に乞われこちらに来ていた。

 

 

 

 龐徳公は再度小さな溜息を吐くと劉表に向かって申し出る。

 

 「劉表様。報告します。先日より民からの陳情としてあがっていた、何者かによる森での狩りの妨害。その者を捕縛するため再三森へと向かっていた捕縛隊ですが、先ほど全員帰還しました」

 

 「うむ、そうか。して結果は」

 

 劉表はこちらを見ていない。つくづく興味がないのだろうと思いながらも、龐徳公は報告を続ける。

 

 「此度も捕らえる事はできず、何名かは怪我を負ったと」

 

 「なんじゃ、またか。お主達はきちんと働いているのかのう? 」

 

 怪我をした兵士を労ることさえせず、こちらの責を問うた。

 そもそも何の指示もなしに捕縛しろと命令したのは誰かと、文句の一つでも言いたくなったがなんとか抑え、提案する。

 

 「はい。ですのでその責を認め、次の捕縛には私自ら出陣しようと思います。許可を頂けないでしょうか」

 

 「ほう、お主自らとな……よいぞ、許可する」

 

 頭を垂れながら言質は取ったと龐徳公は笑う。その為に友である司馬徽を呼んだのだ。当人は全くこちらに興味を示していないが。

 

 

 

 

 玉座の間を後にし兵舎へと向かい、隊の準備をさせると、龐徳公は司馬徽を城の外へと連れて行った。

 

 「すまなかったな(あん)。面倒を頼んでしまって」

 

 「別に謝らなくてもよかったのに」

 

 「いや、態度があれだからな。気に障るかと思ってな」

 

 「それこそ愚問ですよ。私の性格は知っているでしょう。興味のないものにはなんの感情も抱かないと」

 

 「たしかにそうだな」

 

 と龐徳公は笑った。

 

 

 ここで改めて彼女達を紹介しよう。

 

 銀髪の将軍の名前は龐徳公。字を子魚。真名は千寿(せんじゅ)

 腰まで届く長い髪を頭の後ろで一度縛っている。目はややつり上がっていて、見る者を威圧しているようにも見れる。

 

 蒼い髪の女性は司馬徽。字を徳操。真名は諳。

 千寿よりも少し短く、透き通るような蒼い髪を縛ることはせず、そのまま垂らしている。そして彼女の目は滅多にきちんと開くことはない。それが開かれるのは自身が興味を持った対象のみである。そして話をするときは必ずといっていいほど、どこからともなく出され口元を隠す扇。

 

 彼女達は幼い頃からの親友である。ゆえに千寿は仕官しない諳を勿体無く思っており、諳はこんな主の下に居座り続ける千寿のことを心配している。だが彼女達はそれを口にしない。それぞれに考えがあると分かっているからだ。

 

 

 

 

 

 「諳。そういえば今日は私塾ではなかったのか? 」

 

 「今日は課題を出しておいたから大丈夫よ。今頃子供達の頭から湯気が出ている頃じゃないかしら」

 

 「相変わらず大人気ないことしてるなぁ。たまには子供も労ってやれよ」

 

 「これぐらいじゃないと彼女達はすぐに解いてしまいますからね」

 

 「そうか。そうとはいえ遅くなるわけにもいかないからな、送っていくよ。そのあとすぐに私は出陣の準備に戻る」

 

 「ええ、いつもありがとう千寿。……気をつけてね」

 

 「相手は賊というわけじゃないんだ心配するなって。まあいつも気を付けてはいるけどな」

 

 「ふふっ、そうね。良い報告を期待してるわよ? 」

 

 「あぁ、任せとけ」

 

 諳を家まで送ると千寿は走り去っていった。

 

 

 

 

 

 

 --城門前

 

 十名の選抜された兵と千寿がいた。

 

 「これより、近頃狩りの妨害をしている何者かを捕縛しに行く! 今回は私自ら出る。無様を晒した者には後日の訓練がよりきついものになると覚悟しておけ! 」

 

 訓練の件にに入った途端、兵達に緊張が走る。通常時でさえ厳しいのだ。それが増すなんて生きていられるとは思えないのだろう。

 

 ほどよく緊張した兵達を見て千寿は号令する。

 

 「では出陣する! 」

 

 「「「「「「「「「「応っ!! 」」」」」」」」」」

 

 

 

 この日、千寿を含めた捕縛隊十一名は森へと入っていく。

 

 彼の邑が襲われてから四年の歳月が経っていた。

 

 

 

 

 

【あとがき】

 

どもども~。九条です。

 

 

劉表さんに登場してもらいました~

書く人によって良い人だったり悪い人だったりする彼ですが、

自分のイメージだと袁術タイプかな~って思ってます。

 

典型的なアレな子ですね。根っこは良い子なんですよ……きっと。

 

 

 

今回は出番のなかった主人公ですが、次回はちゃんと出てきます。

 

 

それでは次回もお楽しみに~


 
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