No.570879

魔法少女リリカルなのは 幸せを望む転生者

はらっぱさん

考現学部

2013-04-28 21:39:25 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:4984   閲覧ユーザー数:4697

夕也「ここか・・・」

 

俺は今ある教室の前に来ている。

 

そこは今は使われていない教室であり現考現学部の部室である。

 

実際に来てみるとわかるが何だろう・・・

 

雰囲気がすでに周りの空気と違うということが分かる。

 

意を決しドアに手を掛け開ける。

 

夕也「すいませ~~~ん、生徒会ですがっ!?」

 

俺は教室に入って絶句した。

 

何せどこから持ってきたのか色々な物が置かれているのだ。

 

魔法少女が使いそうなステッキ、お父さん帽子、仙豆と書かれたお菓子etc.

 

これだけの物を一体どこから・・・?

 

すると奥の方から声が聞こえてきた。

 

???「は~~~~い、どなたですか?」

 

夕也「いや、だから生徒会って・・・」

 

???「ああっ!生徒会の方ですね!!」

 

その声の主は奥の方で何かしていたのかガチャガチャと音がした後出てきた。

 

・・・・・・やっぱりそうか・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「始めましてっ!私、“広原雪子(ひろはらゆきこ)”と言います!」

 

やっぱりいた・・・考現学部と聞いてもしかしたらと思ったよ。

 

何、この世界は11eyesの要素でも混ざってんの?

 

でも、美鈴先輩は手袋なんてしていなかったしもしもの世界って事かな・・・

 

でも雪子は眼鏡をかけてるんだよな・・・何かあったってことかな?

 

夕也「君しかいないの?」

 

雪子「はいっ!現在考現学部は私しかいませんっ!」

 

夕也「そうなんだ・・・実はね君の部活はこのままじゃ廃部になる可能性がある。」

 

雪子「えっ?何でですか?」

 

夕也「わかってると思ってたけど・・・君、活動報告していないでしょ?だから部費の振り分けに支障をきたすからね。」

 

雪子「そうなんですか・・・じゃあ・・・考現学部は・・・」

 

夕也「だからこれからはちゃんと活動報告をしてくれれば部活は維持できるから。」

 

雪子「え・・・?」

 

夕也「それさえ守ってくれれば俺達も何も言わないからさ・・・」

 

夕也「じゃあそれだけだから。」

 

俺はそう言って教室を出ようとする。

 

雪子「ちょ、ちょっと待ってくださいっ!」

 

すると広原・・・いや心の中では雪子と呼ばせてもらおう。雪子に止められた。

 

雪子「あの・・・こういうのって問答無用で・・・廃部とかなんじゃ・・・」

 

えっ?そんな風に見られてたの?

 

夕也「うちは活動報告だけしてくれれば部活は維持できるからね。うちの校風にも『生徒の自主性を尊重する』ってのがあるし。」

 

雪子「そ、それはそうですけど・・・」

 

夕也「それにさ・・・君はこの部活に逃げてる(・・・・)んじゃないかなって思ったから・・・」

 

雪子「え・・・?」

 

夕也「今は五月だ。そろそろどの部活に入るのかを新入生は決めていなきゃいけない時期だ。」

 

夕也「だっていうのに君はどの部活に入るのではなく自分で部活を作った。」

 

夕也「だから逃げたい場所が欲しかったんじゃないかな?って思って・・・」

 

俺はその時疑問に思っていたことをぶつけた。

 

雪子SIDE

 

私は目の前の人が何を言っているのかわからなかった。

 

私が逃げたい場所を作った?

 

そんな筈は無い。ここは私がやりたい事をする部活だ。

 

でも・・・

 

雪子「(そうか・・・私、そう思ってたんだ・・・)」

 

目の前の人ー生徒会の人ーに言われて納得してしまった。

 

そうだ・・・私は何であんなに躍起になって部活を発足させようと思ったのか・・・

 

それは私の家族に迷惑を掛けない、そして自身が安心できる空間を作りたかったんだ・・・

 

SIDE OUT

 

俺が疑問に思っていた事をぶつけると雪子は放心していた。

 

そして何か考えた後に俯いた。

 

?どうしたんだろうか・・・?

 

夕也「どうしたんだ・・・?っ!?」

 

俺は慌ててしまった。

 

何と、雪子が泣いていたのだ。

 

夕也「えっ?えっ?な、何で泣いて・・・?」

 

雪子「ち、違うんです・・・私・・・納得して・・・」

 

え?納得って・・・

 

雪子「名前、何て言うんですか?」

 

夕也「えっ?・・・前園夕也だけど・・・」

 

雪子「夕也先輩ですね・・・すいません、話を・・・聞いていただけませんか・・・?」

 

夕也「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

雪子の雰囲気で結構思い話なんだなってのは察せた。

 

だから俺も真剣に話を聞くことにした。

 

夕也「ああ・・・いいよ・・・」

 

雪子「ありがとう・・・ございます・・・」

 

そこから雪子の話は長かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうやら雪子は元々広原の家に生まれたわけではなかったらしい。

 

元々の名前もわからない・・・そして一番古い記憶は瓦礫に覆われた世界・・・

 

 

 

雪子は戦災孤児だったらしい。

 

そして雪子は自身の足で孤児院に辿り着き、そこで生活をしていた。

 

当時は自分以外の存在をとことん嫌っていて今とは全く性格が違ったらしい。

 

そして人生の転機が訪れた。広原家の広原喜十郎の家系であったことが判明し彼女は広原に拾われた。

 

でもそこでも自分以外の人間を拒絶していて半ば孤立状態だったらしい。

 

そんな中ある女性が話しかけてきたそうだ。

 

「あなたは広原であることに誇りを持ちなさい、あなたは望まれて生まれたんだから・・・」

 

その言葉で雪子は救われたらしい。

 

その時にこれまでの自身と決別すると言う意味も兼ねて眼鏡をかけるようになったらしい。

 

それからはこれまでの自分とは一変、元気ハツラツといった性格になったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕也「そうか・・・そんな事が・・・」

 

雪子「・・・・・・・・・・・」

 

雪子は押し黙っている。

 

多分、広原家以外の人に今の話をするのは初めてなんだろう・・・

 

俺がどんな反応をするのか・・・不安でしょうがないのだろう・・・その顔には不安ですと書いているような感じにわかりやすかった。

 

夕也「でも、広原は救われたんだろう?じゃあいいじゃないか。」

 

雪子「え・・・?」

 

多分雪子は今の話を聞いて俺が軽蔑するとでも思ったんだろう。

 

でもな、そんな事で俺は軽蔑しない。

 

夕也「誰にだって過去に嫌な思いをした人はいる。俺にだってあるさ。俺には両親はもういなからな。」

 

雪子「あっ・・・すいません・・・辛い過去を・・・」

 

夕也「いいよ、もう割り切ったし・・・でも君はまだ割り切っていない。」

 

夕也「多分、誰にも話していなかったんだろう?だからあんな不安な表情をしていた。」

 

夕也「でもな・・・少なくとも俺はお前の味方だ。誰が何を言おうと俺はお前の味方だからな。」

 

雪子「夕也・・・先輩・・・」

 

雪子は何かを堪えていた。

 

多分、それはその女の人に見せた一度っきりなんだろう。

 

でも我慢していた。そんな姿は見せれないから・・・

 

俺は雪子の頭を撫でた。

 

雪子「あ・・・」

 

夕也「誰にだって・・・泣きたい時はある・・・自分が泣きたいって思ったときは泣いてもいいんだ・・・今は・・・俺の胸を貸してやるから・・・」

 

その言葉によっておそらくタガが外れてしまったんだろう。

 

雪子は俺の胸に静かに顔を押し付けてきた。

 

雪子「ありがとう・・・ございます・・・夕也先輩・・・」

 

俺はそんな雪子を抱きとめた。

 

雪子は安心するようにゆっくりと嗚咽を漏らし始めた。

 

 

 

 

 

雪子「す、すいません・・・制服を汚してしまって・・・」

 

夕也「いいよ、ちょうどクリーニングにだそうかな?って思ってたから。」

 

雪子「・・・それって嘘ですよね?」

 

夕也「うっ・・・俺ってそんなに嘘が下手?」

 

雪子「はい、とっても♪」

 

おぅ・・・雪子にも見分けられるなんて・・・

 

雪子「でも・・・ありがとうございます、先輩。」

 

夕也「何、気にすんな。俺はやりたいことをしただけだから。」

 

夕也「じゃあな、暇が出来たらまた来るからな。」

 

俺はそう言って部室を出た。

 

雪子SIDE

 

雪子「夕也・・・先輩・・・か。」

 

あんなにも素直に感情を出したのは久しぶりかもしれなかった。

 

雪子「夕也・・・先輩・・・」

 

ああ・・・そうか・・・安心できたんだ・・・

 

夕也先輩だから・・・

 

夕也先輩の前では嘘はつけないな・・・

 

私・・・夕也先輩の事・・・好きになったのかな・・・?

 

夕也先輩の事を考える・・・

 

心臓の音がうるさく聞こえてくる。

 

これはもう確定だろう。

 

私、広原雪子は前園夕也先輩に恋をしている。

 

でも、今まで見てて分かってることがある。

 

先輩に好意を持っている先輩方はたくさんいる。

 

二年の高町なのは先輩、フェイト・テスタロッサ先輩、アリシア・テスタロッサ先輩、八神はやて先輩、アリサ・バニングス先輩、月村すずか先輩、西園遥先輩達。

 

怪しいのは生徒会の人たちだ。

 

でも、私のあるとは思っていなかった初恋。

 

絶対に負けたくないっ!

 

そう、私広原雪子は硬く心に誓った。

あとがき

 

はい、終わりました。

 

・・・・・・悪乗りですね、すいません。

 

どうしよう・・・自分基本行き当たりばったりな感じだから・・・まだ決めかねている事がある。・・・あ、ちなみに神城は更正させる方向で決めました。

 

でも、それを見るのは最後辺りになります。

 

ちゃんと更正させますんで乞うご期待!

 

決めかねていることと言うのは11eyesメンバーを魔導師にしようか、しまいかって事で悩んでおります。

 

そこら辺もコメントしてくれるとありがたいです。

 

次回もお楽しみに!


 
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