No.568230

【獣機特警K-9ⅡG】颯爽登場、幻獣部隊【交流?】

古淵工機さん

とりあえず、デモンストレーション的な何か。
■出演
キリカ:http://www.tinami.com/view/554905
ルネ&ぐり之進:http://www.tinami.com/view/566647

2013-04-20 23:30:20 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:891   閲覧ユーザー数:869

某日深夜。

エルメシオン・リリジオンの教徒が、一組の母子を取り囲んでいた。

 

「お、お願いです。この子は今すぐ輸血しなければいけないの…」

「ならぬ…他者の血を利用して生きながらえるなど、神に背くべき行為だ」

「よって貴様らには神罰を与える。さぁ覚悟しろ」

「いや!わたしはともかくこの子だけは見逃して…」

「問答無用!やってしまえ!!」

一人の教団員が手を振り上げると、横道から巨大な生物が現れた。

 

その生物のうちの一体はライオンの身体にコウモリの翼、雄牛の角、

さらにサソリの尾を持った、醜悪な姿というがふさわしいような生物。

もう一体は、上半身は人間の女性であるが下半身は蛇で、背には翼が生えていた。

 

「…さぁマンティコア、母親を噛み砕くのだ!」

「エキドナよ。お前はその子供を絞め殺してしまえ!!」

号令とともに、母子のもとに二体の幻獣が襲い掛かってきた!

「あ…あ…!」

ぐったりとしている我が子を抱きかかえたまま、母親が涙を流しおびえる。

まさに、幻獣が母子に手をかけようとしたその瞬間であった。

「!!」

母親が目を開けると、そこには先ほどの二体とは別の幻獣が立ちふさがっていた。

前半身はオオワシだが、後半身はウマで、大きさはそこそこにある生物。

マンティコアを押さえ込んでいる辺りを見ると、おそらく敵意はないのであろう。

そう思っていた母親に、その幻獣は目をやるとその嘴を開いた。

 

「やれやれ…ったく、不注意がすぎるぜ…子連れさんよォ」

「しゃ、喋った…?」

「幻獣が喋っちゃいけねえのか?とにかく話は後だ。早く逃げな」

と、その幻獣の横から、黒ネコ形のファンガーが現れた。

彼女が着ている制服についているエンブレムから、すぐに警察官だとわかった。

「…大丈夫。あのヒッポグリフはあなたの味方です。さ、今のうちに早く」

「は、はい!」

言われるがまま走り出す母親。だが今度はもう一体の幻獣・エキドナが飛び掛る!

「くっ!」

必死に黒猫婦警は拳銃を構えてエキドナめがけ発砲するが、速過ぎて当たらない。

「このままじゃあの母子が…!ぐり之進!」

「ムチャ言うなルネ!こちとらマンティコアの相手すんのに手一杯なんだ!!」

こうしている間にもエキドナは母子に近づいていく…。

その瞬間、一筋の光が走ったかと思うと、エキドナの首が飛んだ。

「…ふぅ、危なかったわね」

見ると、そこには同じく紺の警察制服を着た女性。その手にはカタナが握られていた。

…だがしかし、彼女の顔や尻尾はまるでファンガーのそれとも違ったもので、

頭頂部には円錐形の角が出ており、尻尾は羽毛にこそ覆われているものの、さながら爬虫類のそれに似たような形である。

そう、その女性警官もまた、幻獣ドラゴンなのであった。

「でぇぇぇぇぇぃっ!!」

ちょうど時を同じくして、ぐり之進と呼ばれたヒッポグリフも、その前足に備わった鉤爪でマンティコアの喉笛を引き裂き倒した。

その圧倒的な戦闘能力を見せ付けられたとあっては、さしもの教団員も恐怖に青ざめるしかなかった。

「そ、そんな馬鹿な…」

「さぁ、二人ともおとなしくお縄についてもらいましょうか」

と、ドラゴンの警官は警察手帳を見せる。彼女こそラミナ警察署に新たに配属された特捜10課、通称『幻獣部隊』の隊長である淵野辺霧香だったのだ。

そして彼女が手錠をかけようとしたその瞬間、教団員は懐より光る石のようなものを取り出すと、自らの胸の前に構え呟いた…。

「…バモラ・エルメシオン」

「ぐっ!?まぶしい!!」

次の瞬間強烈な光が走った!咄嗟に目をつぶるキリカたち。

やがて彼女たちが目を開くと、そこには変わり果てた教団員の姿があった。

首から上が焼け焦げ、完全に消え去っている…。その焦げた切り口からは血液が滴り落ちていた…。

 

しばらくするとキリカは、本来のテラナーの姿に戻り、近くにいた黒猫形ファンガーの警官、ルネ・シャルダンに声をかける。

「ルネ、あの母子をすぐに病院へ」

「犯人はどうするんですか?」

「被疑者死亡のまま書類送検よ。あなたはすぐに病院へ」

「了解。…いくよぐり之進」

「たく、人を乗せるのはオレのガラじゃねーってのに…」

……と、愚痴をこぼしながらも三人を乗せ、ぐり之進は月が浮かぶ夜空へと飛んでいったのであった…。

 


 
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