No.559659

ALO~閃姫After story~ EP5 退院

本郷 刃さん

EP5です。
和人が病院から退院する話しです、さらに加えてあの男とも接触を・・・。

では、どうぞ・・・。

2013-03-27 09:19:15 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:14149   閲覧ユーザー数:12923

 

 

 

 

 

 

 

 

 

EP5 退院

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和人Side

 

明日奈の家族と対面してから1週間、もう1つ言うなれば筋トレメニューを熟すようになってから1週間が経過した。

俺の肉体は通常の生活を送るには十分な程に回復し、退院まで後2日ということになった。

最後に検査を行ってから退院するということらしい。

 

「それにしても、桐ヶ谷君って本当に人間? 普通はここまでの回復力有り得ないわよ…」

 

「失礼ですね、これでも生物学的には歴とした人間ですよ。よく化け物扱いされますけど」

 

安岐さんの呆れたような物言いに流すように答えた。

俺は人間だ、普通の人よりも身体能力などの方面で軽く人間やめた感じは否めないが…。

 

「まぁ私自身こんなこと言ったけど、2年間キミが寝たままだった様子を知っているし、

 リハビリ始めた頃のきつそうな表情を見てたら分かるけどね」

 

「なら言わないでください」

 

「あははは、それじゃあ私は次の患者さんのところに行くから。バイバ~イ」

 

安岐さんは手を振ってから病室を後にした。

付き合いやすいサバサバとした性格だから接しやすいんだけど、どうにも軽い感じだな。

 

「ただ、信頼するには怪しいかな……素人のナースは武術の動きはしないぜ、安岐さん」

 

俺はこの病室には居ない彼女に向けてそう呟いた。

そう、彼女の動きの端々にはなにかしらの武術の一端が垣間見えた…それも素人の動きではなく、

その動きを意図して隠そうとするものだ。

信用できない人ではないけれど…。

 

―――コンコンコンッ

 

「どうぞ」

 

病室がノックされた。

明日奈であればノックしてから声を掛けるし、他のメンツも似たようなものである。

ならば誰だろうか?

部屋に入ってきたのは太い黒縁眼鏡を掛け、スーツを着込んだ1人の男性だった……素人じゃないな…。

 

「アンタは?」

 

「はじめまして、桐ヶ谷和人君。僕は総務省総合通信基盤局高度通信網振興課第二別室、

 省内では通信ネットワーク内仮想空間管理課、通称『仮想課』と呼ばれる部署に所属している『菊岡 誠二郎』です。

 よろしくね、英雄のキリト君」

 

「ほぅ…」

 

警戒しながら問うてみると、まさか総務省の『SAO対策室』の人間が来るとはな…。

しかもこの名前は聞いている。

 

「アンタが公輝達に接触したって奴か…」

 

「お、彼らから聞いていたのかい?」

 

「まぁな」

 

俺が目覚めなかったあの日、公輝達の前に現れたのがこの男だそうだ。

茅場を倒した俺の仲間である『神霆流』の5人に近づき、情報を得ようとした。

その際に公輝達が話しをする代わりにリズやシリカの居場所を志郎と烈弥が聞き出したそうである。

 

「で、俺の前に現れたということは……何か情報がほしいんだろ?」

 

「うん、そうだね。でも粗方の情報はキミの友達から聞かせてもらったし、

 まぁSAOをクリアした英雄がどんな人なのか興味があったんだよ、個人的にね」

 

そうは言うこの男、菊岡だが……どうにも掴めない、な…。

安岐さん同様に完全な素人ではない、なにかしらの心得があるのだろう。

しかし須郷が俺の病室への襲撃を目論んだあのことがあって以来、この病院の警戒レベルは上がっており、

加えて俺の病室への来訪も家族の許可やそれなりの人物えなければ来られないことを考えると、

所属などに関しては事実だと考えられる。

ま、仕掛けて来たところで潰すがな…。

 

「(ぶるっ)な、なんか悪寒がしたんだけど…」

 

「風邪でも引いているんじゃないのか?」

 

「そ、そうかもね……にしても、キミはあまり敬語を使わないタイプかい? 僕は気にしないから良いけど」

 

「相手を選んで使うさ。アンタはどうにも胡散臭いからな…」

 

「あはは、言ってくれるねぇ…」

 

苦笑する菊岡だが、特に不快には思っていないことが窺える。

まぁ総務省の人間というのなら、もっと黒いものを見てきたはずだしな。

 

「とにかく今日は顔見せみたいな感じだよ。でも、出来れば今後ともキミとは交流を持っておきたいんだ。

 SAOをクリアしただけではなく、ALOの一件も解決したキミとね」

 

「なるほど……VRMMOの厄介事の対処に俺を使おうって魂胆か」

 

「やだなぁ~、ただ協力してもらいたいだけだよ。報酬は勿論払うしね」

 

「それはそちらの今後の出方次第だな。いい仕事なら請け負うつもりだが…」

 

「そっか、それじゃあ今後ともよろしくね。じゃあ僕は仕事に行かないといけないから、ここで失礼するよ」

 

菊岡はそういって去っていった。どうにも妙な展開になったが、まぁどうとでもなるか。

それよりも、師匠に頼んで2人について調べてもらうべきかもな。

 

 

 

菊岡との対面から2日後、前日の検査でもまったく異常は見当たらず、完全な健康体となり予定通りに今日は退院だ。

現在は午前の10時、母さんが退院の手伝いで来ている。

荷物といっても入院中はほとんどがリハビリの筋トレか勉強をしていたので、

あるのは軽めのダンベルと参考書だけである。

それらをバッグに詰め、俺も自分の服(黒一色)に身を包む……するとそこに、

 

「キリトく~ん///♪」

 

「明日奈、っとと…(ぎゅっ)」

 

明日奈が病室に入ってきて、そのまま俺に抱きついてきたのでそれを抱き締めながら支える。

母さんは笑みを浮かべており、それに気付いた明日奈は照れながらも俺からは離れようとはしない。

 

「来てくれたんだな、ありがとう」

 

「勿論だよ、折角のキリトくんの退院なんだから♪」

 

嬉しいことを言ってくれるな~、ただ…。

 

「明日奈、やっぱり『和人』って言い難いか? キリトの方が癖になってるとか…」

 

「ぁ、その、別に呼べるんだけど……ずっとキリトくんって呼んでたから、馴染んじゃって…///」

 

「そっか……ま、ゆっくりでいいから和人って呼べるようにしてくれ。やっぱり和人って呼ばれたいからさ…」

 

「うん、なるべく呼べるようにするね、和人くん///♪」

 

早速呼んでくれたか、意識しないで呼べるようになるのは時間が掛かるかもしれないけど、

そこは時間を掛けてゆっくりと直せばいいからな。

 

「はいはい、お熱いのもいいけど荷物を詰めたのなら退散するわよ~」

 

「「ああ(は、はい///)」」

 

母さんに声を掛けられた俺達、俺はバッグを肩に掛けて明日奈と手を繋ぎながら病室を後にした。

そのあとナースステーションにより、お世話になった安岐さんや他のナース達にお礼を告げてから病院を出て、

母さんの運転する車で明日奈と共に乗り込み、自宅へと向かった。

 

 

 

「ここがキリトくんの家なんだね…」

 

「ああ。約2年ぶり、か…」

 

無事に着いた我が家、ここに帰ってくるのも約2年ぶりである。

もっと長く離れていた気がする、それはやはりSAOでの生活が激動の日々だったからだと思う。

改めて見ると感慨深さがあるな…。

 

「大きな日本家屋って感じだね…わ、道場もあるんだ」

 

「小さいけどそれなりのものなのよ」

 

一軒家には見慣れない道場の存在に明日奈は眼を輝かせ、母さんが少し自慢げに答えた。

確かにそこいらの家ではまず道場などないし、他の家に比べたら家自体も少し大きい。

それは桐ヶ谷家が系図もそこそこながら辿れたり、祖父が長年警察に奉公してきたりしたのも一端だと思える。

俺は荷物を持ちながら玄関へと進み、扉へと手を掛けて開いた。

 

「本当に、久しぶりだな…」

 

「あ、お兄ちゃん!」

 

声を漏らすとリビングの方からスグが出てきた。それに続いて、

 

「「「「「「「和人(さん)(君)!」」」」」」」

 

「お、みんな来てたのか」

 

志郎、景一、烈弥、刻、公輝、雫さん、奏さんが出てきた、『黒衣衆』が全員集合だな。

そして俺の後ろから明日奈と母さんが玄関の中に入った。

 

「「「「「「「「「「おかえり、和人(くん)(さん)(君)(お兄ちゃん)!」」」」」」」」」」

 

「っ、ああ…ただいま、みんな!」

 

俺は改めてこの世界に帰ってきたのだと実感した。

このあと、みんなが祝ってくれて軽く食事会のようになった。

さらにそのあと、明日奈は用事があって帰ることになり母さんが送っていった。

また後日、「ゆっくり遊ぼうね///♪」そう言葉を残して。

 

和人Side Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

和人の退院に伴い、菊岡と接触させてみました。

 

本作では志郎達が目覚めた時に接触しているんですよ。

 

そして退院した和人を迎える仲間達、やはりこういうのを書くとほんわかしてきますw

 

さぁ・・・次回からの3話、明日奈とのイチャつきタイムが始まります、各自コーヒーを用意するように!

 

ではまた・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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