No.552308

魔法少女リリカルなのは 四天王始めました

バロールさん

7話 転校生

2013-03-07 19:54:22 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1355   閲覧ユーザー数:1289

まさかのテスタロッサ一家がご近所さんになってから数日が経った。そして次の休みが連休なので温泉に行く予定だ。

 

最近最も驚いたのがプレシアがヴァルドと初対面でありながらも普通に接していたことだ。いつもなら他の人の仲介を得てから普通に接することが出来るようになるのだが……。因みに家の中でヴァルドはプレシアが普通に接してくれた事に感動して涙を流していた。

 

ヴァルドも容姿で苦労してたんだね……身近に同じような苦労をしている人物がいることに気がついた。

 

最近の出来事を思いだし、ハァ、と溜め息を吐く。もう原作通りなのってジュエルシードだけしかなくね……そう思い机に突っ伏す。

 

「なあ、レイン。聞いたか!今日このクラスに転校生が来るんだよ!!」

 

机に突っ伏すした俺にテンション高くそう語るのは隣の席の日高。

 

転校生ね……まさかね。それは無いと思いたい……けど否定しきれないのが……現実なんだよね。

 

「今、聞いたばかりだよ……転校生ね、どんな子が来るのやら」

 

テンション低く返す俺。それに対して日高は更にテンションを高くして盛り上げようとする。

 

「レインもテンション上げてこうぜ!!」

 

そう言って日高が俺の肩に触れた瞬間、

 

「キサマァァ!!」

 

「グベッ」

 

竹沢が日高にアッパーをかました。

 

「勝手にレインに触れるんじゃない!」

 

「然り!然り!」

 

「然り!然り!」

 

また、竹沢率いる謎軍団が現れた。

 

「ま!?待て!や、やめ……ギャアアアアアアッ!!!」

 

案の定日高はしばかれた。

 

日高をしばいた後、竹沢の合図で謎の軍団は解散しそれぞれの席に戻って行く。

 

そして、少しすると担任の先生が教室に入ってくる。

 

「はーい、席に着けよ……お前ら。早くしないと転校生がいつまでも教室に入れなくなっちまうぞ」

 

めんどくさそうに言う担任の先生。

 

全員が席に着いたのを確認すると教室の外にいる転校生に呼び掛けた。

 

「おーし、転校生……入って良いぞ」

 

「ハーイ!」

 

教室の外から聞き覚えのある、つい最近引っ越して来たばかりのあの子の声が聞こえた。

 

やっぱり……か。そう思い、視線を教室の入口に向ける。

 

ガラガラ、と音を立てながら教室のドアが開かれて、一人の活発そうな金髪少女が微笑みながら教室に入って来た。

 

「どうもー!皆さん!初めまして、転校生のアリシア・テスタロッサです!今日からよろしくお願いします!!」

 

教壇の前で元気よく挨拶する、アリシアによろしく!と元気よく返事をするクラスメート達。

 

そのまま、アリシアに対する質問タイムとなり、今日の1限が潰れた。何よりも1限が潰れた事に対して生徒よりも先生が喜んでいた。それでいいのか?先生……。

 

アリシアはクラスの皆からの質問に一つ一つ丁寧に答えており、誰にでも隔てなく接する事から1限が終わる頃にはクラスに馴染んでいた。

 

 

 

 

 

 

お昼になると、教室にアリシアの妹としてフェイトがやって来た。そのフェイトの後ろにはアリサ、すずか、栗毛ツインテール少女ーーなのはーーがいた。

 

「……姉さん、お昼一緒に食べよう」

 

フェイトは恥ずかしそうにしながらアリシアを昼食に誘っている。

 

「うん!良いよ。どこで食べる?」

 

元気よく笑顔で返事をする、アリシアにアリサが答えた。

 

「えっと、私達が普段食べている場所があるんでそこで良いですか?」

 

「全然良いよ!ちょっとそこで待っててお弁当持ってくから」

 

そう言うとアリシアは鞄から弁当を取り出してフェイト達の所に駆け寄っていく。

 

そして、教室から出て行った。

 

さて、俺も食べるか。弁当を持って、教室から出て行き、校舎の裏に向かう。校舎の裏は基本的に人がおらず静かに食べるには最適の場所だ。

 

校舎の裏のベンチに座り、弁当を広げて、静かにひっそりと一人で弁当を食べる。

 

たまには、こういう時があっても良いだろうと俺は一人考えながら昼食を取った。

 

弁当を食べ終わると俺は下駄箱に行き靴を履き替えて教室に戻ると弁当箱を鞄にしまってから時間を確認する。

 

残り十分ほどで休み時間が終わるので教室から出ずに、クラスメートと雑談して休み時間を過ごす。

 

 

 

 

 

 

 

放課後になると俺は屋上に上がり、そこから校庭を眺める。

 

「……それで……何のようかな?」

 

校庭を眺めながら、背後にいる人物に話しかける。

 

「あはは……バレてたか……レインちゃんは鋭いね」

 

ちゃん付けか……もう、良いやちゃん付けでも。

 

「それで……何かな?」

 

俺は振り返りながら言う。

 

「うーん……教室で話す機会がなかったから、少しお話しようと思って」

 

アリシアが頬を掻きながらそう言った。

 

「ふーん……まあ、良いか。それで何の話かな」

 

俺は再び視線を校庭に戻しながら言うと、アリシアは俺の隣に来て俺と同じように校庭に視線を向ける。

 

「……この前、アルフがあなたに近づくなって言ったの。その理由を訊いたら、アイツは血の臭いがする……それに、人間とはまた違う臭いがするって。だからさ、聞きたいんだ……レインちゃん、あなたはフェイトの敵なの?」

 

人間とはまた違う臭いね……それに敵か。

 

「さあね……それはフェイト次第かな」

 

とりあえず、これ以外に答えようがない。邪魔をするなら敵だし、邪魔をしないなら放っておく……それだけだ。

 

「そっか……出来れば敵対しないで欲しいな」

 

俺の言葉に苦笑いしながらそう言うとアリシアは、屋上の扉に向かう。そして、「じゃあ、また明日」と言って屋上からいなくなった。

 

「…………また明日ね…………」

 

俺はそう呟くと屋上から飛び降りて家に帰る。

 

その光景を見られていると知りながら。

 

誰が見ているかなんてアリシアが一人で俺と話していた時点である程度絞れる。それに、バレた所で問題はない。俺は敵にさえならなければ誰とも争うつもりはない……そう、敵にさえならなければ。


 
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