No.546155

真・金姫†無双 #30

一郎太さん

前回のあらすじ。

みんなに虐められて心が折れたので、金姫シリーズが中途終了しそうな件。

今回のオマケ。

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2013-02-19 14:22:45 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:11951   閲覧ユーザー数:7610

 

 

#30

 

 

街に戻っても妹達はいないので、俺が率いる商業旅団はそのまま孫策軍の輜重管理に回る。まぁ、想定よりも長く時間を貰った礼と詫びだ。

輜重管理ではあるが、以前述べたように部下達には戦闘訓練も施してあるし、兵として使う事もやぶさかではない。

 

「あー、ちょっといいか?」

 

翌日の昼には諸侯の合軍地点に到着しようかという日の夜、俺も軍議に参加させてもらって、議題も全部終わった頃に、手を挙げて注目を集めた。

 

「あら、何かあるの、一刀?」

 

雪蓮の許可も受け、俺は口を開く。

 

「皆も知ってる通り、俺はいくつかの街を周って来たわけだが、色々と知り合いを作っちまった」

「そうなのか?」

「冥琳ちゃんだって、それを期待してたでしょ?」

「確かにそうだが……」

「で、そこでは俺は商人として過ごしてきた。軍の人間じゃなくな。だから、俺がここに居る事は、他の奴らには内緒にしていて欲しいんだ」

「何故だ?」

 

孫権ちゃんが会話に加わってくるが、その後ろの甘寧ちゃんの視線が怖い。

 

「だって、雪蓮ちゃんが疑われちゃうじゃん?商人を装って、他所の街の内情を調べさせていた、って。だから、俺の存在はなかった事に」

「どう思う、冥琳?」

「ふむ…ちなみに、親交を深めたのは何処の勢力だ?」

 

親交とは言ってないじゃん。

 

「どうせお前の事だ。いつの間にか仲良くなっているのだろう?」

「まぁ、否定はしないけどさ。えっと、劉備と曹操、それから袁術の――」

「「「「「はぁぁああああっ!!?」」」」」

 

3人目の名前に、皆が驚きの声を上げる。なんだよ、そんなに変な事か?

 

「待って、一刀!貴方、袁術ちゃんとも仲良くなったの?」

「おー。なったなった。袁術が川で溺れてたのを助けたら、城に招待してくれたぞ。これがその証拠な」

 

言って、俺は懐からいくつかの竹簡を取り出して、冥琳ちゃんに渡す。

 

「証拠?……って、これは!?」

 

受け取ったそれを開いた冥琳ちゃんの眼が、大きく見開かれる。

 

「南陽の情報。軍・財・人・産……いろいろ書き写してきたぜ?情報収集が、明命を借りる条件だったろ?」

「確かにそうは言ったが……どこまで深く潜り込んだのだ、お前は」

「言ったじゃん。城に招待してくれた、って。仲良くなって、城に泊めてくれたから、こっそり探っといた」

「こっそりどころの量ではないだろう、これは……」

 

情報は多いに越した事はないからな。

 

 

 

 

 

 

竹簡を囲んで色々と話し合う軍師たちを他所に、雪蓮ちゃんは問い掛けてくる。

 

「劉備はどうだった?」

「あぁ、仲良くなったよ。そういや雪蓮ちゃんの所為で、街には1泊も出来なかったんだぜ?」

「私の所為?」

「そうだよ。いつだったか『北郷は私より強い』とか関羽に言ってたじゃん。身バレして、勝負を申し込まれちまったんだぞ」

「あら、思ったよりも早かったわね。それで、ちゃんと勝ってきたんでしょうね」

 

んな訳ないだろ。

 

「うっそ、敗けたの?」

「いや、戦いを挑まれたから、荷物を取りに行くって言って逃げ出した」

「うわ、関羽も可哀想に…」

「俺は嫌だって言ったのに、我が侭を通そうとするからだ。断っても絶対に引きそうになかったし、手っ取り早かったんだよ」

「あらあら。じゃぁ、劉備のところの情報は?」

「1泊も出来なかったんだ。何もないよ」

「なんだ、残念。ま、軍に関しては連合に来てたら見れるでしょうね」

 

そういえばそうだな。じゃぁ、美羽のとこの情報も要らなかったんじゃね?

 

「曹操は?」

 

雪蓮ちゃんは、再三話題を変える。

 

「あぁ、あそこは軍が強いな。兵もそうだし、武将も親衛隊長を含めて7人いる。みんな一級品だぜ?」

「そうなんだ。うちは私と蓮華を除けば、祭に思春、明命と亞莎、それに一刀の5人か。苦戦しそうね」

「おいおい、戦でもやる気かよ」

 

って、俺の名前入れてんじゃねーよ。

 

「いいじゃない。隠し玉って事で」

「確かに玉は2つほど隠してるけどさぁ」

「ゴフッ」

「「……ん?」

「えっ?」

 

俺のギャグに、かすかに噴き出す音が聞こえた。俺と雪蓮ちゃんは音のした方向を見れば、首を傾げた孫権ちゃんと、相変わらず無表情で睨みつけてくる甘寧ちゃん。

 

「なぁ、雪蓮ちゃん」

「えぇ」

 

俺と雪蓮ちゃんは、アイコンタクトで意志疎通を図る。そして、俺は口を開いた。

 

「全然話は変わるけどさぁ、玉璽ってあるじゃん?」

「えぇ、それがどうかしたの?」

「それって、印だっけ?」

「そうよ。漢王朝の帝である事を示す印が刻んであるの。なによ、洛陽に行ったら、それを盗んで売ろうとでも言うの?」

「まさか。俺はとっくに玉の印を持ってるしな。しわっしわだぜ?」

「ブプッ」

「「……」」

「?」

「……ッ」

「雪蓮ちゃんの剣ってさぁ、南海覇王って言うんだっけ?」

「そうよ。孫呉の宝剣。母様から受け継いだの」

「へぇ。やっぱり、使いこなすのは難しい?」

「そうね。私って冥琳しか相手にした事ないじゃない?父様の南海覇王を毎晩相手にしていた母様には負けるわね」

「アフゥッ」

「よかったら一刀の剣で練習させてくれないかしら」

「まだ若いから、俺の得物は直刀ってよりは偃月刀だぜ?」

「プフゥッwww」

「し、思春!?」

 

甘寧ちゃんが腹を抱えて蹲り、孫権ちゃんが驚きの声を上げる。

 

「ようやく落ちたか」

「えぇ、まさか、思春がソッチ系大好きだったとはね」

「そ、そんな事はあ、ありませっぷはっwww」

 

ぷるぷると震える甘寧ちゃんに俺は近づき、すぐ傍に膝を着くと、その肩に腕を回した。

 

「さ、触るなっ!プクク…」

「ひとつだけいいか?」

「なっ、なんだ……」

 

そして、真っ赤になった耳に口を寄せて、呟く。

 

「――――」

「――wwww――ww――wwwwww」

「思春!?」

 

ついには、笑い転げてしまうのでしたとさ。

 

 

 

 

 

 

発作の治まらない甘寧ちゃんは放置して、話を戻す。

 

「曹操んとこに一番長く居たかなぁ」

「店でも開いたのかしら」

「おぅ。賊の討伐を手伝ったら、褒美に場所を提供してくれてな」

「そっちでも勝負はしなかったの?」

「いや、1回だけしたよ」

 

答えて、俺は春蘭ちゃんとの仕合の事を話す。

 

「へぇ、夏候惇といえば、曹操軍一の武って噂じゃない。その娘に勝ったのね」

「まぁねー」

「関羽とも闘ってあげたらよかったのに」

 

ヤダよ、メンドイ。

 

「ま、そんな訳で、知り合いがたくさん出来ちまったからな。俺の事は内密に」

「しょうがないわねぇ。そうしておきましょう」

「あんがと」

 

そういう事に。

 

「じゃぁ、一刀はずっと後方支援?」

「それも考えたけど、ちょっと情報待ちの件があってな」

「情報待ち?」

「ん。権ちゃんにお願いして、な」

「そうなの、蓮華?」

 

話を振られた権ちゃんは、少し考えた後に手を叩く。

 

「あぁ、アレの事か。馬を1頭貸して欲しいと頼まれまして」

「馬?」

「はい。何をするのかは教えてくれませんでしたが」

「何する気なの、一刀?」

「そりゃアレだよ。ウチは男所帯だったから、皆色々と溜まってんのさ。穴を貸してもらうだけだよ」

「――wwwwwww――――wwwwwwwwwww」

 

バンバンと地面を叩く甘寧ちゃん。可愛いなぁ。

 

「思春がそろそろ壊れそうだから、勘弁してあげて」

「へーい」

「それで、本当のところは?」

「秘密。時期が来たら、教えてあげるから」

「ケチ」

「焦らすのが得意なんだよ」

「私の事は散々焦らしておいて、何もしてくれないくせんに」

「姉様っ!?」

 

あぁ、権ちゃんもこのくらいなら理解できるのか。

 

 

 

 

 

 

そんな訳で、翌日昼過ぎ。

 

「輜重隊って、結構暇だよねー」

 

孫策軍の後方で、俺と三姉妹はゴロゴロくつろいでいた。

 

「そりゃ俺たちだからだよ。兵士だったら、立ち番とか見張りとか色々やんなきゃなんないし」

 

だらける天和に、俺は説明する。

 

「そうよ、姉さん。それに、私たちだって代金を貰ってるんだし、その分の仕事はやらないと」

 

人和も追随した。

 

「でもつまんなーい。ねぇ、兄貴。適当に人集めて、歌ってきてもいい?」

「怒られるからダメ」

「ちぇー」

 

地和も退屈そうに、そんな事を言い出す。駄目に決まってんだろ。つーか、曹操んトコとか元黄巾の奴らも大勢いるし、絶対バレるって。

 

「ひーまーーっ!」

 

ジタバタと暴れる地和。可愛いなぁ、もう。

 

「じゃ、ちょいと商売しに行くか」

「なになに!何するのっ?」

「弁当でも作って、袁紹んトコに売りつけに行こうぜ。アイツ馬鹿な上に見栄っ張りだから、多少高くても買ってくれるし」

「ちょっと、兄さん。勝手に輜重の食料を使ったら駄目よ」

「そこは問題ない。俺が商隊で運んでた積み荷があるだろ?アレを使う」

「じゃー、お姉ちゃんも作るの手伝う!」

「おー、天和の料理は美味しいからなー」

「いやーん、もっと褒めてー」

 

手を伸ばして撫でてやれば、抱き寄ってくる。可愛いなぁ、もぅ。

 

「よし、そうと決まったら、早速手をつけていくか。天和は料理の準備。地和と人和は、商隊の奴らを何人か見繕って、食材を運ばせてくれ。元黄巾の奴らなら、喜んで手伝うだろ」

「「「らじゃっ!」」」

 

さぁ、商売in反董卓連合の開始だ。

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

TINAMI史上最も多くの読者にDisられた一郎太です。

 

 

あまりに辛辣な皆さんのコメントにより、心が折れそうなので、

 

 

金姫シリーズは、一旦投稿を停止させていただきます。

 

 

ご了承ください。

 

 

また精神的に落ち着いてきたら、再開したいと思います。

 

 

というのは冗談で、ストックが切れそうwww

 

 

話的にもキリがいいし、しばし休憩させておくれ_(:3)」∠)_

 

 

具体的に言うと、まだ#32までしか書いてないので、

 

 

#38~9くらいまで書き上がったら、反董卓連合編をうpしていこうかと。

 

 

という訳で、第3部はオシマイ。

 

 

ではまた次回。

 

 

バイバイ。

 

 

 

 

 

 

オマケ

 

 

お前ら雛里ん雛里ん叫んでるけど、

 

 

巨乳だって好きなんだろ?

 

 

オカズを用意してやったんだから、感謝しろや、オラ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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