No.543162

IS x アギト 目覚める魂 48: 全員集合

i-pod男さん

ちょっと短めです。現在学校では大雪が降ってます。ネットがダウンしません様に・・・・

2013-02-12 00:09:12 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1957   閲覧ユーザー数:1871

次の朝、午前七時半と言うかなり早い時間から、かなりの人数がレストランAGITOに集まっていた。

 

「成る程。大体の事情は掴めた。」

 

涼はコーヒーカップを受け皿に置きながら深く息を吐き出した。

 

「しかし・・・・まさか今になってまたアレが現れるとはな・・・・胸糞悪い話だ。」

 

「はい。正直、僕もショックです。まさか、G-4がまた作られるなんて・・・・また水城さんみたいに、人が・・・・・」

 

氷川は暗い表情を見せる。そう、以前作られたG-4の装着者、自衛隊の陸尉水城士郎をその手で葬ったのは、氷川なのだ。人を殺してしまったと言う事実に苛まれて、今も戦い続けている。そして、人をパーツとして動くG-4には、一条も並々ならぬ嫌悪感を抱いている。勿論、それを最初に設計した深海理沙の倫理観にもだ。

 

「だが、これは逆にチャンスかもしれません。」

 

「チャンス?」

 

木野の言葉に一夏は顔をしかめる。

 

「仮に、仮に、です。G-4が使う、そのESPシステムが使われたとしましょう。大量のアンノウンがそれに導かれて一カ所に固まります。上手く行けば、全てのアンノウンを一網打尽に出来ると考えています。」

 

「木野さんの言う事は間違っちゃいないけど、アンノウンって、正確な数も分布も全く分からないんでしょ?逆に人海戦術で押されたらそれこそこっちが一網打尽じゃない?」

 

真島が口を挟んだ。

 

「真島君の言う事は正しいわ。確かに、幾ら総掛かりで言っても私達は人間よ。限界の壁と言う物には遅かれ早かれ必ずぶつかる事になるわ。全く・・・・一体どこのどいつなのかしら、G-4を作り直した糞馬鹿は。」

 

ギリギリと水の入ったグラスを砕きそうな勢いで握り締める小沢。その怒りのオーラに押されて、涼となりに座っていた氷川と一条は、無意識の内に椅子を数センチ彼女から遠ざけていた。

 

「・・・・・・もし・・・・」

 

「ん?」

 

「もし、これが何らかの罠だとしたら?」

 

一条がコーヒーを新たにカップに注ぎ足しながらそう言う。

 

「「「罠?」」」

 

小沢、氷川、そして尾室の三人が首を傾げた。

 

「あくまで仮定と俺の勘なんだがな、そう言う気がしてならないんだ。委員会はG-4だけじゃ満足しないだろうからな。再三再四小沢さんにG-3とG-4、それに尾室のG-5の一部を異動させたいと言う依頼が来た。仮にそれが成功すれば、それを使って今ここにいるアギト達を全員捕獲する可能性だってある。女尊男卑と言う絶対的な立ち場が危うくなってるから、本格的にヤバい状況に陥る前に磐石の土台を築こうとしているんだ。警視総監も最近じゃ委員会の圧力で頭痛薬を手放せない状況だからな。アンノウンと委員会だけじゃなく、時間との勝負でもある。」

 

「そうね。一条君の勘は、結構当たるから、その考えも捨て切れないわ。あー、もう!!何でこう何時も何時もいらん事ばっかり起こるのよ!津上君、ビール頂戴!」

 

「俺基本飲まないんで、買わないと無いです。」

 

「俺達は行きませんよ?未成年者だし、顔が割れたらそれまでですし。」

 

「朝っぱらから酒かっ食らうなんて不健全ですし、勤務中の飲酒は違反ですよ?」

 

IS操縦者の二人が事務的に淡々と断った。

 

「今日は非番だからいーの!」

 

「しゃーねー・・・・俺が行くわ。車持って来てるし。小沢さん、銘柄は別に何でも良いっすよね?」

 

「うん、お願い。とりあえず今は思いっきり飲みたいのよ。」

 

一条はやれやれと頭を振って外に出て行く。

 

「そうそう、そう言えば、最近また不審死、変死が続いてるんです。エスカレーターから下の階に向かって一気に飛び降りたり、壁に向かって全力疾走して激突したり・・・・これじゃ、あの時と同じです。」

 

「確かに、そうですね。また、彼が、関係しているんでしょうかね。」

 

「今回はそうだと断定出来る。前例があるなら、同じ物が原因となっている可能性が非常に高い。まあ、恐らくアンノウンもこっちに出て来る可能所為もある。アギトは俺達だけじゃないし。でも、学園が心配だな。もしアンノウン対策及び警備の為にG-4が配属されたら、アンノウンを呼び寄せる。俺達も、行かざるを得なくなる。」

 

「難しい所ね。」

 

「だが、俺達は一度は奴らを倒した。今回も絶対倒せる。少なくとも俺はそう信じたい。」

 

涼はハッキリとそう言い切った。

 

「そうですね。俺達一度はアンノウンを倒してるんです。戦ってくれる仲間も増えたんだし、間違い無く勝てますって!」

 

翔一も笑顔で拳を作る。

 

「そうですね。今回ばかりは賛成せざるを得ません。戦う力と意志を持つアギトは今まで以上に増えた。これなら、価値をもぎ取る事も出来るかもしれない。

 

木野も静かに頷いた。

 

「じゃあ、今後の動きを把握する為に、小沢さんにこれを作ってもらいました。どうぞ。」

 

全員がそれぞれ渡されたのは、指先から第二関節までの長さがある通信機だった。

 

「傍受、逆探の心配は無いし、これの間でしか連絡は取れない。皆、気を付けて。後、これから今後の作戦を考えるわよ。」

 

最後の戦いは、刻一刻と迫る・・・・・・・

 


 
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