No.54036

幸せな日々

xx凛さん

狂気に囚われた少女。
そんな少女に愛された少年。

世界一の幸せな人に、少女はなった。
そのための、犠牲など、少女は知らない。

2009-01-25 00:08:57 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1087   閲覧ユーザー数:1028

教室の後ろの席、本を読む私。

私の視線の先には明るく元気な彼が友人と話している。

ああ、いつ見ても恰好いい。なんて考えてぼやっと彼を見る。

 

 

「ねーねー、さっき先生がさー」

 

愛しの彼に、女が話しかけてきた。

どうやら先程の授業の教師について愚痴を言っているようだ。

何てことだ、盛り上がっている。

 

私がいるのに何故、彼は他の女と話すのだろうか。

何故、彼は私以外の女と楽しそうにするのだろうか。

何故、彼は私以外の女を見るのだろうか。

何故、なぜ、ナゼ?

 

 

ドウシタラ、カレハ、ワタシダケヲミテクレルノ?

 

 

 

 

仕方ないもんね、だって嫉妬させた彼が悪いんだもん。

私は放課後、下駄箱に手紙を入れて、彼を暗い公園に呼び出した。

待たせた?と、制服姿で聞く彼。電灯一つだけで薄暗い。

けれど、それでも恰好いい。

こんな彼の彼女だなんて、私は本当に幸せだ。

 

 

「あ、もしかして告白とか?」

 

なんて、私に尋ねた彼が可笑しかった。

告白なんて、もうずいぶん前に彼が私にしたのに。

まあ、彼が頼まなくても「好き」なんて、いつでも言ってあげるけどね。

 

「違うの」

「あそ、良かったー。俺、お前みたいな暗い奴苦手なんだよね。つか、何の用?」

 

またまた彼の得意な冗談。面白いが少し悪い冗談だ。

不思議そうに私を見る彼は、とても可愛い。今直ぐ抱きしめてあげたいくらいだ。

でも、今は駄目。

 

「あのね、あなた、いつも他の女と仲良くしてるでしょ?」

「他って、お前以外ってこと?」

また、当たり前なこと聞いて、冗談も言いすぎだろう。

でも彼だから、許してあげる。大好きな彼だものね。

 

「そう。あんな不細工どもなんか、見ないでよ。私だけを見て?」

「は?何言ってんの?つか、お前より不細工じゃねぇよ」

「もう、いつもの冗談はやめてよ。私とあなたはこんなに愛しあってるのに」

「だから、お前キモいよ」

 

おっと、少し口論になりそうだった。

微妙なすれ違いで別れちゃうカップルも多いんだから。

まあ彼と私の仲は、こんな喧嘩だけじゃ切れないけどね。

そろそろ、本題に入らなきゃ。

 

 

「私以外の女を見ない、見れないようにしてあげる。嬉しいでしょ?」

「何言ってんだよ、警察呼ぶぞ!!」

私が近づくと彼は声を荒げた。

もう、本当にいっつも強がりなんだから。

足が震えちゃってる・・・。可愛い!!

 

「もう、その目で他の女は見させない。嬉しい?そうでしょ?」

「ちょ・・・やめ、ろよ・・・・・・・。まじで警察呼ぶぞ?」

「素直になって良いんだよ?」

 

じりじりと近づく私を見て、彼は後ろに下がる。

ああ、もう!!本当に可愛いんだから。体が震えてる!!

暗闇が怖いのかしら?

 

「ほら、可愛いあなたの目、他の女を見れないところに置いてあげる」

「や、やめろ!!・・・・・い、痛ッ・・・痛い、痛、い・・・・ギャァァアァァァァアァァァアァァァ!!!!」

 

 

嗚呼、悲鳴までもが愛らしい。

私にまで飛んできた血が、愛しい。

ぐちゃり、という彼の音までもが可愛らしい。

彼のことを好きすぎて、もうどうにかなっちゃいそう!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなたもだよね?」

 

私は鍵のかかった自室の机に向かい、にこりと微笑む。

机の上には綺麗なビンに入った彼の目。

もう、本当に、何で今まで気がつかなかったんだろうか。

これで、良いんだ。

これで彼は私以外の女を見なくて済むし、いつでも私を見ていられる。

 

 

 

 

『今朝、○×公園に目玉を抜き取られた少年の遺体を発見しました。今、警察が――・・・』

 

 

 

 

 

「あら、物騒ね、私も気をつけなきゃ」

私はそう言って、”彼”に優しく笑いかけた。

 

「え、俺が守ってやるって?嬉しいな」

私は満面の笑みを浮かべながら彼を抱きしめた。

私は彼だけを見ていて、彼は私だけを見てくれていて。

これ以上嬉しいことはないだろう。

 

 

 

 

「幸せすぎて、怖いくらい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アア、ナンテ幸セナ日々ナノダロウ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

end.

 


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