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No.534572
IS〈インフィニット・ストラトス〉 ~G-soul~
ドラーグⅡさん 2013-01-21 19:36:44 投稿 / 全3ページ 総閲覧数:969 閲覧ユーザー数:916 |
林間学校初日の夜。俺は宿泊施設であるホテルの一室。要は織斑先生の部屋にいた。
「では、夕方にお前が言っていた更識を連れて遠くまで行ってしまったというのは全くのデタラメだったのか」
「はい。あの時はああするのがベストだと判断しました。無駄に混乱したらまずいので」
「だからこうして私の部屋に単身来たというわけか」
椅子に座っている織斑先生の前に正座。痺れはさして感じない。
「山の地下に謎の洞窟に謎の秘密基地、そして極めつけに謎のサイボーグ少女…にわかには信じられんな」
「でしょうね。けど、それよりも信じられないものがありました」
「なんだ?」
俺はG-soulの腕の装甲とヘッドギアを展開した。
「地下から出る直前にすごいものを見ました」
アイ・センサーでウインドウを操作して展開した右手装甲の手のひらに画像を拡大して先生の前に出した。
「これは…」
「形はちょっと違いますけど、間違いありません…ゴーレム系の機体の残骸です」
僅かに開いた段ボールから覗く黒い腕や頭のパーツ。それを見る織斑先生の目はいつにも増して鋭い。
「そのサイボーグ少女、『くー』とか言ったか? それがこれを運んでいたのか?」
「はい。俺と簪があの子と会った時も段ボールを運んでいましたし、それの中身も十中八九は……」
「……………」
織斑先生は思案するように手を口元にやって数秒してから俺の方を向いた。
「桐野、このことを更識の方は知っているのか?」
「いえ、俺だけです。簪はくーの方に注意を向けていましたから」
「そうか…このことは私から他の先生たちに話しておこう。お前はもう行け」
「わかりました」
展開を解除して立ち上がる。
「一夏たちには、伝えますか?」
「いや。やめておけ。それが他の生徒に聞かれたらそれこそ混乱を招きかねない」
確かに先生の言うことには一理あるな。
「そうですか。では、失礼します」
「……………」
扉を閉める瞬間、織斑先生の顔が見えたけどその表情はどこか怒っているように見えた。
「どうしたんだろ…?」
ほんの少し気になったけど、それよりも気になる現象が来た。
「きーりーのーくん…」
「え?」
曲がり角から俺を呼ぶ声と手招きが。
「こっちにおいで……」
「誰だ?」
曲がり角に出ると真っ白い布を被ったなにかが現れた!
「うおっ!?」
驚く俺をよそに白い布のなにかはクスクスと笑いながらUターンして走り出した。
「なんだったんだ、今の?」
白くてなんかフワフワした感じだったな。幽霊的な…
「………………」
幽霊、的な…
「…ま、まさかな。は、ははは………ん?」
ふと足元に赤い紙切れが落ちていることに気づいた。
「『ホテルの外、入り口付近に一人で来い。恐怖の案内人より』…?」
・・・
・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・・・
ヒュウゥ~
ホテルの外に出ると少し冷たい風が髪を揺らしてきた。
「来てみたものの…誰もいないな」
キョロキョロと見渡す。しかし俺以外に人らしい姿は見当たらない。
ふと、あるものが視界の端に映った。
「な、なんかえらく不気味な看板だな」
真っ赤なペンキで着色された木の板に『こちら』という文字と矢印が乱暴に彫られていた。矢印が指す方向を見れば、夜の暗さで先がよく見えない林道がこちらに口を開けていた。
「……………」
はい。はいはいはい。感じてるよ。俺の第六感が危険を察知してるよ。これはアレだな。悪ふざけだなきっと。
「や、やっぱ部屋に戻ろ――――――」
prrrrr!
「うわビックリした!」
携帯の着信音に驚いてしまった。ひ、人がいなくて助かったぜ。
「…シャルから?」
通話ボタンを押して携帯を耳に近づける。
「シャルか。どうし―――――」
『え、瑛斗助けてっ』
直後、シャルの震える声が聞こえた。
「どうした? なにがあった!?」
『ほ…ホテルの前の赤い看板の林道に入ったら………うわっ!』
ブツッ! ツー、ツー…
「シャル!? おい! シャル!?」
突然切れた電話に、妙な危機感を覚えた。掛け直してもシャルの携帯の電源は落ちてるらしく出ることはない。
「一体なんだってんだ…!?」
電話で聞き取れた言葉を思い出す。確か『林道』って言ってたな…
「………ひょっとして、この林道か?」
ホテルの前の赤い看板の林道と言ったらこれしか考えられない。ISを展開するには狭すぎるか…!
「…くそっ!」
俺は林道へ駆け入った。
(シャルに何が―――――)
ガサガサッ!
「!?」
後ろからの物音に弾かれるように振り返った。数メートル先に小さな人の影が見える。
「……………?」
目を凝らして観察しようとすると、その人影は手を俺の方へ突き出してピョンと一度飛んで近づいてきた。それと同時に頭の部分の左右から垂れているなにかが揺れる。顔を隠すように札が貼ってあるな。あ、これ本で見たことあるぞ。確か…そう! キョンシーだ! 中国の妖怪の!
「…キョンシー?」
おかしいぞ。なんで…日本にキョンシー? ってか、キョンシーってホントにいんの!?
「…ち………せ」
「え?」
呻くような声が聞こえた。
「血を…よこせぇぇぇ!」
キョンシーが叫ぶやいなや円月刀を振り上げてきた!
「ぎゃああああああ!?」
その斬撃を咄嗟に躱し、ダッシュで逃亡を図る。
「まぁぁぁてぇぇ…!」
小柄なキョンシーは円月刀を片手に同じく走って追いかけてきた。なんで!? ジャンプするだけじゃねえの!?
「うわああああ!!」
無我夢中で走り、分かれ道を特になにも考えずに左へ曲がる。
「あ〜…」
キョンシーは右の方へ走って行った。
「な、なんなんだよ…あれ」
怖かった………ハッ!?
「お、おいおいおい…べ、別に怖がってなんかないぜ? よ、よよよよよ妖怪なんて、そそそそんなひ、非科学的な…」
誰にというわけでもなく言い訳する自分が悲しくなった。
「そうだ! シャル!」
忘れるところだった! シャルが危ないんだ!
林道を進むこと数分。井戸が目の前に現れた。
「やだよぉ…またそれっぽいじゃーん」
こういうのって、井戸から女のお化けが出てくるって相場が決まって―――――
「一まーい…二まーい………」
…ん? なんか、皿的なのが井戸から浮かんで……?
「三まーい…四まーい………」
「で、出た!?」
井戸から出てくる皿を数えるようにしながら、白い着物を着た髪の長い女が皿と一緒に浮上してきおった!?
「一枚たりなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!」
「おわああああああっ!!?」
女の周りを浮遊していた皿たちが俺めがけて飛んできた!
ドスッ! ドスドスドスッ!
躱すと、皿は木に刺さって止まった。
「あれ? あれれ?」
女幽霊が困惑している! きっと今のが予想外だったんだな!
「さ、さいならっ!!」
タイミングを逃さず逃亡! 皿は周りを良く見てから飛ばしましょう! いや飛ばしちゃダメだけども!
「くそおおおお! なんだってだよおおおおおお!」
もう半泣きで道を進み続ける。途中あんな妖怪やこんな妖怪、ゾンビの集団やヴァンパイアとか、いろんな国のいろんな魑魅魍魎に遭遇し、おまけに背中にこんにゃくが張り付いたりと心身…主に精神がボロボロになりました。
「ぜぇ…ぜぇ…シャルゥ~どこだぁ~………」
それからしばらく経ってから大分開けたところに到着した。すると少し遠いところに金色の髪をなびかせた見覚えのある背中が。
「……………」
「シャル! 無事だったか!」
安心した俺はシャルに駆け寄る。
「あの化け物たちはなんだ? すっげー怖かったんだけ…ど………」
「…………………………」
変だな? なんでこっちを振り向かない?
「…シャル、だよな?」
念のため確認を取ってみる。
「シャル? その人は…こんな顔だったぁぁぁぁぁぁ!?」
「~~~~~~~~~!?!?!?!?!?」
俺は、生まれて初めて声にならない悲鳴を上げた。
「の…のっぺら…ぼ………」
そこで俺の視界は暗転した。
「……ハッ!?」
目を覚ました俺が最初に見たのは俺の顔を覗き込むシャルだった。顔は付いてる。
「あ、瑛斗起きた?」
「こ、ここは?」
「えっとね、準備する場所だよ」
「準備…?」
「ほら」
シャルが指差した方向を見ると、顔に貼られた札を剥している俺が林道に入って一番最初に遭遇した妖怪、円月刀を振りかざしてきたキョンシー……
「いやぁー、驚かし甲斐があるわね瑛斗は!」
もとい鈴。
「……………」
「面白かったねー! お皿が木に食い込んで動かなくなったのは予想外だったけど」
井戸から出てきて皿を飛ばしてきた女幽霊…ではなく、マドカ。
「……………」
「でも…ちょっと可哀想だった……」
釣竿にこんにゃくを垂らしているものを持った簪。
「………………………」
「わたくしが棺桶から出てきたときは瑛斗さんすごい顔でしたわ」
額の汗を優雅にハンカチで拭く、ヴァンパイア…の恰好をしたセシリア。
「………………………………」
「私がセットしたトラップもいい具合に作動したな」
特になにの恰好をしてるわけじゃないけど、ラウラも満足気に頷く。
「…………………………………………」
そしてその他大勢のクラスメイトや同学年の女子たち。
「瑛斗。もう、わかったよね?」
「…は、はは、はははは」
もう、笑うしかない。これは、つまり、あれだ。
「ドッキリかチキショォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!」
やられたよ。まったく!
・・・
・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
「なるほど。イベントってこれのことだったのか」
どっと息を吐き、全てを理解した。
「うん。瑛斗と一夏以外の人には話がついてたんだ。ちょっとやりすぎちゃったかも。ごめんね」
シャルが苦笑いをしながら謝ってくる。
「いや、いいよ…ドッキリとしての完成度は超凄かったから」
「そう言われるとアタシたちも張り切って準備した甲斐があったってもんよ」
鈴が得意気に笑う。
「見て見て! このお皿、ブレードビットを挟み込むようにしてセットするから浮いてる風に見えるんだよ!」
マドカが心底楽しそうにしながら皿、というかビットを飛ばす。
「整備科も頑張りました~」
相変わらずダルッダルの袖ののほほんさんが様々なドッキリグッズを準備しながら言う。
「頑張り過ぎ。コスプレにしても…あれ?」
数えてみる。足りない。というか、いないぞ。
「どうかしたの?」
「なあ、箒は? アイツはやらないのか?」
考えてみれば、箒以外の専用機持ちは全員集合している。
「「くっ…!」」
なぜかセシリアと鈴が悔しそうに呻いた。
「?」
「箒は一夏と共に来ることになっている」
横に立つラウラが説明してくれた。
「一夏と?」
「ああ。くじ引きで決まった」
「ふーん…ん? 一夏は箒となのになんで俺は一人で回らされたんだよ?」
「この手のものがお前は苦手だと言うのは周知の事実だからな。ただの遊び心だ」
「さらっと失礼なこと言わなかった今!?」
くっそー完全に俺で遊ばれた。しかし、こうしてドッキリをされたまま終わるのも癪だ。なにか・・・そうだ!
「よし! 俺も参加するぜ! このドッキリ!」
「お前もなにか驚かせる道具を持っているのか?」
ラウラが向けてくるその赤い目に、
「ああ持ってるさ! 特別なのをな!」
俺は元気よく頷いた。
一「インフィニット・ストラトス~G-soul~ラジオ!」
箒「りゃ、略して!」
一&箒「「ラジオISG!」」
一「読者のみなさんこんばんわ!」
箒「こんばんわ」
一「今回は瑛斗は急用だとかで来られないらしいから箒に来てもらったぞ。よろしくな箒」
箒「あ、ああ。任せておけ。私も少しは慣れたからな」
一「そうか。それじゃあそんなお前に質問が来てるぞ。カイザムさんからの質問! 好きな戦国武将は誰なんでしょうか? だって」
箒「戦国武将?」
一「ああ。ちなみにカイザムさんは長宗我部元親と風魔小太郎が好きなんだって」
箒「長宗我部元親…渋いな」
一「歴史の授業とか中学でやったなー。箒もやったろ?」
箒「当然だ。武将やはり有名どころをいくなら武田信玄だろうか」
一「おお、有名どころ。理由は?」
箒「やはりその武勇だな。上杉謙信との川中島の戦いを筆頭に、様々な戦において無類の強さを誇っている」
一「なんだか箒が言うと妙に説得力があるな」
箒「…どういう意味だそれは」
一「い、いや別に? ただ説得力があるなーって」
箒「だからそれがどういう意味だと聞いているのだ!」
一「わー!? 刀を抜くな! なんだ! 俺変なこと言ってるのか!?」
箒「う、うるさいっ! 成敗してやるぅっ!」
一「うわあっ!? み、みなさんさようならーっ!」
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