「お兄さん、お兄さん。いい子がいるから寄っていきな」
今日も今日とて、警邏と称して市を散歩していた一刀は、人のいない路地の方から掛けられた声に深々とため息をついた。
「何やってんだよ、風……」
路地からひょいっと身を乗り出して手招きしているのは、魏が誇る三大軍師の一人、程昱その人だった。
「女好きで浮気性のお兄さんには、こういう声の掛け方が礼儀かと思いまして」
「勘弁してくれ……」
苦りきった顔の一刀に、風はにっこりと微笑む。
いざとなるとこの国の覇王であり万能の人である曹孟徳すらその智謀に目を見張るという風であったが、普段はどこかボーっとした不思議系少女なのだ。
───その割に変なところで勘は鋭いから困るんだよな……
「お兄さん?」
「あ、ああ、いや、何でもないよ」
「そうなのですか?」
「そ。ほら、今日の昼は何にしようかなーとか」
空々しくとぼける一刀に、風は口に手を当てて微笑んだ。
「そうだったんですかー? 風はてっきり『コイツ、普段は不思議系なのに時々勘が鋭いから困った奴だなー』とでも思っていたのかと」
「…………」
ぐぅの音も出ない。時々、風は智謀の持ち主ではなく超能力者か何かとしか思えない一刀なのだ。
「まぁ、それはいいでしょう」
「あんまり良くないんだが……」
あっさり流す風に一刀は何か言いたげだったが、これ以上ツッコんでも疲れるだけだと判断して話を元に戻した。
「で? 一体何のよう───おいっ!」
「おおっ?」
「一秒前まで起きてた奴が、どうして一瞬で寝れるんだよ……」
「すいません。ついポカポカ陽気にウトウトと」
「…………」
このままペースを握られると、ズルズルといってしまいそうだ。
「だから、何か用事かって言ってるんだ。俺は仕事中なんだぞ?」
「おーおー。仕事───と称して市を散歩中なんですよね?」
「いや、まぁ、それは……」
またも読まれてる。と言うか、絶対に超能力だ。
「と、とにかく、用事が無いなら俺は帰るぞ?」
「いえいえ、用事はちゃんとありますよー」
「何だよ?」
「最初に言った通りです」
「は?」
「いい子がいますよーって」
「………………へ?」
「にしても、さすがお兄さんです。いい子がいると言われると尻尾を振ってついてくるとは」
「気を悪くするぞ……?」
「これは失礼しました。褒めたつもりだったのですが」
「どこがだ」
「それでこそ魏の種馬だと。ちなみに、馬と尻尾をかけてみました」
「誰か、コイツの座布団を持っていってくれ……」
「座布団?」
「いや、こっちの話」
言い合いながら、路地を進んでいく。
この辺の地区は治安こそ悪いわけでは無いものの、まだスラム街からギリギリ抜け出せていないような場所だ。今は一刀がいるからいいものの、風のような小柄で可愛い少女が一人で歩いていい場所ではない。
「風、いつもここら辺に来るのか?」
「時々ですけどね。まぁ、おかしな人に捕まるようなヘマはしませんし、例えそうなったとしてもちょっと大声を出せば優秀な北郷隊の方々が駆けつけてくれますし」
「褒めてくれるのは嬉しいけど、万が一って事があるだろ?」
怒っているわけではなく、あくまで一刀は風の身を心配している。それを分かっている風は少しだけ嬉しそうな表情だ。
「そうですね。どんなに優れた人間が万全の策を立てたところで、それで完璧という事はないでしょう。だからこそ人の世は楽しいとも言えますが」
「俺は風に何かあったら楽しんでなんかいられないぞ?」
真っ直ぐにこちらを見る一刀に、風は感心したようにつぶやいた。
「───さすが魏の種馬」
「?」
「いえいえ、こっちの話です」
分かってない一刀に、風はくすりと笑う。結局、一刀が誰からも好かれるのは、こうやって人の事を本気で考えてくれるからだろう。それは華淋のような万能の人間でも、春蘭のような武に生きる者も変わらない。無論、知略智謀に秀でた風も例外ではない。
「まぁ、大丈夫ですよ。いざとなったら助けを呼びますから。北郷隊よりも早く駆けつけてくれる我が部隊を」
「部隊って、風のか?」
風は軍師であるが、武官のように自分の部隊は持っていないはずだ。
───俺の知らない秘密部隊って事か?
質問を続けようとした一刀だったが、それより早く風はある一角を指差した。
「ほら、お兄さん。いい子はあそこにいます」
「え?」
風が示す方を見た一刀は、一瞬呆気に取られた。
「何だ、ありゃ……」
城壁に続く階段。その一番下の段に腰掛けていたのは、長い黒髪の少女だった。
それだけなら呆気に取られたりはしない。
一刀が呆気に取られたのは、その少女が抱えた猫に頬擦りしながら「はぅわ~♪」と陶酔しきった表情で違う世界に旅立っていたからだ。
「えーっと……」
「いい子でしょう?」
「いや、まあ、可愛いっちゃ可愛いけど……」
「お、種馬の触手が動きましたね?」
「人をバケモノみたいに言うな。それと前も言ったけど食指な? しょ・く・し」
「でも最近の街では、天の御遣いは五本のおち○ちんを無限に伸ばして女性を襲うともっぱらのウワサ───」
「何だそりゃっ!!」
「そんな事をすれば、おち○ちんを触手と言われても仕方ないのではと」
「出来るか!! てか誰だ、んなウワサ流したのは!?」
「さー、風に聞かれても。ただ───」
「ただ?」
「そのウワサが出る前後、桂花ちゃんがおどろおどろしくも淫靡な絵が書かれた紙を何枚も持ってこっそり街に出かけていましたが」
「あ~んの性悪猫耳軍師が~~~~!!」
桂花の「ふふんっ」という得意げな顔を思い浮かべ、ワナワナと拳を震わせる一刀。
風はかくんと小首を傾げて付け加えた。
「まぁ、おち○ちんを五本にしたらと提案したのは風なんですけどねー」
「お前もグルなのかいっ!!」
思わぬ裏切りに半ベソで叫ぶ一刀だったが、風はあっさり頷いた。
「そうでもしないと、これ以上競争率が上がるのも困りものですから」
「はぁ?」
「いえいえ。これもこっちの話です。それよりお兄さん、大事なお話が」
「今の話以上に大事な事は無いと思うが、一応聞こう。話ってのは?」
「あの子」
風が指差すのは、まだ猫を抱いてヘブン状態な少女。
「あの子がどうした?」
「あの子、他国の間諜です」
「かっ───!?」
予想を遥かに越えた返答に、一刀は言葉を失う。
「───か、間諜って、つまりスパイだろ? あんな子が、まさか……」
「天の国の言葉は分かりませんが、意味は合っているようですね」
「だって───」
一刀は自分達に気付きもしないで猫とのスキンシップに没頭している少女を見る。
「あんなだぞ?」
「あんなですが間諜です。お兄さん、風を何だと思っているのです?」
風は少し不機嫌そうに眉をひそめた。
「風は軍師です。その者の本質を見極めるのは得意と自負しているのですよ?」
「でも……」
「むむ? お兄さんは風を信じていないのですね?」
「そ、そんな事はないぞ?」
風を疑うつもりはまったく無い。無いのだが、目の前の少女と『間諜』という言葉にギャップがありすぎるのも事実だ。
「まぁ、どっちにしろ、一度話を聞いてみるか?」
「話す前に捕まえる必要があります。他国で単独行動を取る間諜となると腕は相当の筈。お兄さんでは太刀打ち出来ないでしょう」
「でも、もし間諜じゃなかったら……」
「その時は謝ってお詫びに幾らか払えばいいのです。今は安全を取る事が大事かと。お兄さんが強かったら必要ないんですけどねー」
嫌味交じりに言ってくれるが、風の言ってる事はもっともだ。
「じゃあ、凪達を呼んで……」
「時間がかかりすぎますね」
一刀の意見を斬って捨てる風。一つ頷き、すっと右腕を上げた。
「仕方ありません。風の部隊を使いましょう」
「!」
「出でよ、我が軍団よ」
静かにその腕が振り下ろされる。
そこに現れたものに、一刀は───
「何だ、こりゃ……」
それは物陰から這い出てきた。
それは家と家のわずかな隙間から現れた。
それは屋根の上から舞い降りた。
それらは、一斉に声を張り上げた。
「「「「「にゃお~ん♪」」」」」
「えーっと……」
突如として現れた猫、猫、猫。
その数は五〇匹はいるだろうか。
それらが一斉に甘ったるい鳴き声を上げてる光景に、一刀は膝から力が抜けるのを感じずにはいられなかった。
「えー……風さん?」
「はい、なんでしょー?」
「これは……」
「ふっふっふ。これぞ我が軍団───」
そこで風の瞳がキラッと光る。
「その名も猫レンジャー!!」
「猫レンジャーって……」
確か、季衣にせがまれて元いた世界の戦隊ものの話なんかをした事があったが……
「聞いてたのか?」
「ええ。ばっちり。天の言葉はとても興味深いものですから」
こくんと頷き、風は誇らしげに猫達を見る。
「そしてこの子達が猫レンジャーの隊員─── 一刀一号から五〇号なのです!!」
「またそれかいっ!!」
本日何度目になるか分からないツッコミ。
いい加減疲れているのだが、それでもツッコまずにはいられない。
「お前な、あれほど猫に人の名前をつけるなと―――」
「しっ! 動き出しましたよ。一刀四号」
「誰が四号だ、誰が」
言いつつ見れば、猫達の中から特に毛並みのいい猫五匹がトコトコと少女に近づいていく。
「あれは?」
「あれは囮部隊、一刀十二号から十六号です」
「…………」
果てしなくツッコミたいところだが、場違いなほど真剣な猫レンジャー司令の表情に、とりあえず状況を窺う事にする。
「なお~ん♪」
猫撫で声とはこういう事かというくらいの媚びまくりボイスに、少女はハッと顔を上げた。
その足元に寄り添って体を擦り付けてくる猫たち(十二号~十六号)に、少女の頭からぼふんと湯気が噴き出した。
「ああ、お、お猫様が、お猫様がこんなに…………」
震える手を伸ばせば、指先を舐めたり前足でじゃれてみたり。愛くるしい目で見上げてくる猫達に、少女は目に涙すら浮かんでいる。
「魏のお猫様がこんなに人懐こいとは……さすが大陸随一の強国です……」
何やら感心するところが違う気もするが、少女はじゃれつく猫達に恍惚状態。
「……風?」
「はい?」
「何か……ただあの子にサービスしてるだけに思えるんだけど……」
「ふっふっふ。お兄さんもまだまだですねー。ほら、あそこを」
風が指差したのは少女が座る階段の上。城壁から少女に狙いをつけるように覗き込んでいる猫達だ。
「あれが高いところが大好き隊、一刀二○号から……大体三〇号くらいです」
「くらいって……」
部隊の名前の付け方から猫達の番号に至るまで、何だかアバウトになってるようにしか思えないのだが、とりあえず猫達にはそれぞれの役目があるようである。
「とすると、あの子を包囲するようにじりじり囲んでるのは……」
「良く気付きましたねー。あれが今回の作戦の主力部隊、今日こそお前を引っかき隊です」
「……うん。まぁ、いいんだけどね……」
色んなものを諦めて、ただ頷く一刀。
「では、そろそろ頃合ですねー」
風は再び右手を上げると、
「猫レンジャー―――アタック!」
次の瞬間、耳をつんざく猫の鳴き声×五〇と少女の悲鳴が辺りにこだました。
「ううう~、油断しました~……」
とりあえず風がどこからか出したロープでぐるぐる巻きにされた少女は、半ベソでうなだれている。
「お猫様が攻撃してくるなんて反則です~……」
「ふっふっふ。油断大敵なのですよ。壁に耳あり障子に目あり、天の御遣いに五本のおち○ちんがにゅるっとあり―――」
「やめんかっ!」
ぺしっと後頭部に一発。いつまでそのネタを引っ張るんだと。
と、少女は一刀を見て、はっと目を見張った。
「光を跳ね返す純白の衣―――で、では、まさかあなたがっ……!?」
その反応には慣れていた。一刀はこほんと咳払いして答える。
「うん。一応、俺が天の御遣い―――って言われてる奴だよ」
「あなたが、あの……」
それから少女は何故か一刀の下腹部に視線を移した。ぽっと頬を赤らめて、
「さすが天の御遣い。その……が―――五本もあるなんて……」
「ありません!!」
「お兄さんったら、またまたご謙遜を」
「よし、風。ちょっと腹を割って話し合おうか」
「ところで、お嬢さん」
「無視かよ!」
見知らぬ少女にまでち○こ認定されて全べその一刀を華麗にスルーし、風は少女の前にしゃがみ込む。
「お嬢さんはどこの国の間諜ですか?」
「!?」
少女の顔に緊張が走る。睨みつけるような視線には猫と遊んでいた時の色は欠片も無い。こちらの世界に来てから何度も戦場に立ってきた一刀には、彼女が風の言う通り相当の使い手である事が分かった。
「…………」
少女は風がどれだけの人間かを推し量っているようだが、すぐに諦めて大きくため息をついた。
「どうやら言い逃れは出来ないようですね」
「ふっふっふ。素直なのは美徳ですよ? それでは───」
「分かりました───と答えると思っているのですか?」
決意の色を漲らせ、少女は風をきっと見据えた。
「わたしも故国では名を知られた者。敵に捕まった上に情報を漏らしたとあれば、我が武名の名折れです!」
「ふむふむ。武名ときましたかー」
少女の言葉に、風はくすりと微笑んだ。
「確かに、敵国での任務中に猫に溺れた上、猫に取り押さえられたとあってはお寒い話ですものねー」
「っ! そ、それは、呉の猫は魏の猫みたいにひねくれてないからですっ!!」
「ふむふむ。お嬢さんは呉の方でしたかー」
「!?」
「何て言うか……あっさり身元が分かっちゃったな」
「これが風の実力ですよ、お兄さん」
「まぁ、実力っちゃ実力なのかなぁ……」
それよりも、この少女が結構な天然なだけの気がするが。
「でも、呉か……ん? 待てよ。呉って……」
呉。
黒髪。
長い髪が風に舞う───
「あっ!?」
「? どうしたのですか、お兄さん」
「君、確か董卓討伐の時、呉の陣中にいた子じゃないのか?」
「!?」
少女の顔色が変わる。どうやら図星のようだ。
「知っているのですかー?」
「ああ、直接話した訳じゃないけどな。名前は……そうだ! 確か、周た───」
その瞬間、突然少女を拘束していたはずのロープがほどけた。間を置かず、少女が何かを地面に投げる。
「えいっ!」
ぼわっ!!
「おわっ!?」
「おおっ!?」
突如巻き起こった白煙に、一刀は慌てて風を庇う。そして、その白煙が収まった頃には、少女の姿は何処にも無かった。
「だ、大丈夫か、風?」
「ええ。何とかー」
軽く咳き込みながら風。
「むむむー。逃げられてしまいましたねー」
「縄抜けに煙玉って、まるで忍者だな……」
「にんじゃ?」
「ああ。俺の国では───って、そんな話はどうでもいい! 早く追いかけないと!」
慌てて駆け出そうとする一刀の袖を、風はくいくいと引っ張った。
「無駄ですよー。ああいう人は一度逃げたら見つかりません。恐らく、既にこの街を離れてるでしょう」
「じゃあ、華淋に行って軍を出して───」
「それこそ無駄です。人一人、どこにでも紛れ込めるものを軍を出して探すなんて。無駄足を踏まされた春蘭様の怒り狂う様子が目に浮かびますね」
「うっ……」
自分の進言で出撃命令が出たと春蘭が知ったら───その先はあまり考えたくない。
「でも、これで良かったのか?」
「良くはありませんが……とは言え、これが無難なところだと思いますよー? 下手にあのお嬢さんを追い込んでは反撃を食らってしまいますから。そうしたら風もお兄さんも、首と体が泣き別れーって事になりかねません」
「窮鼠、猫を噛むって事か」
「猫好きなあのお嬢さんが猫を噛むとは思えませんけどねー」
くすっと冗談めかして笑う風。
「今ごろ、一目散に呉へと戻っている事でしょう。残念ですが、桂花ちゃん辺りに報告して、対策を講じるくらいしかないですねー」
「桂花かー……」
敵を捕まえたのに逃げられたなんて言ったら、鬼の首を取ったような顔をしてさんざん嫌味を言ってくるだろう。
「まぁまぁ、お兄さん。その時は風が遠くから見守ってあげますから」
「一緒に報告してくれる気は無いんだな?」
「ぐー」
「寝るなっ!!」
「おおっ?」
「にしても……」
既に日は暮れかけている。
二人は手を繋いで城への帰り道を歩いていた。
「何です?」
「猫レンジャーなんて……いつの間に作ったんだ?」
少し前は猫の生態観察なんてやってた風が、いつの間に猫を組織して使いこなせるまでになったのか。
「それはあれですよー。お兄さんが言ってたじゃないですか。『街の警備が忙しくて、猫の手も借りたいくらいだよ』って。だから、風は頑張ったのですよ」
「いや、それはそんな直接的な意味じゃなくてだな……」
自分の言葉がそこまで飛躍して捉えられていたとは。しかも、それを実現してしまうとは。
さすが魏の三軍師とも思うし、もうちょっとよく考えてくれとも思ってしまう。
いや、むしろそれが分かっていて、あえてやってるのだろうか。
どうにも風は分かりづらい。
以前も思ったが、猫猫言ってる風が、実は一番猫のようだ。
可愛らしく、楽しげで、マイペースで、気分屋。
「でも、まだ訓練が足りなかったようです。まんまと逃げられてしまいましたしねー」
ぎゅっと拳を握って何やらやる気な風。一刀は呆れるのを通り越して笑ってしまった。
「まぁ、俺の為に頑張ってくれたっていうなら嬉しいよ」
「お兄さんの為? 違いますよー。風の為です」
「風の?」
「ええ」
風はこくんと頷いた。
「お兄さんのお仕事が減って暇になれば、もっと風と遊んでくれるでしょう?」
「風……」
「と言う訳で頑張るのです。猫レンジャーは明日から更に強くなるのですよ」
夕日に向かってえいえいおーと拳を振り上げる風に、一刀は暖かいものを感じていた。
そして思う。
きっとこの子とは長い付き合いになるんだろうなと。
そうなればいいなと。
「にしても……」
と、風はそこで立ち止まった。
「一つだけ困った事になるかもですねー」
「困った事?」
「ええ、あのお嬢さんの事なんですが」
「何だ? まさか、何か重要な情報でも持ち出されたんじゃ……」
「いえいえ、そうではないのですが───」
風は一刀を見上げた。
「天の御遣いはおち○ちんが五本あるという話が呉にも広まるのかと」
「最後の最後でそれかいっ!!!」
「まぁ、風としてはお兄さんに近付く人間が少しでも減ってくれればそれでいいのですけどねー」
まったく風は猫そのものだ。
可愛らしく、楽しげで、マイペースで、気分屋で、そして───
少しだけ、わがままだ。
<後日談>
天下を統一し、呉、蜀との交流がさかんになった魏ではあったが、呉の武将のほとんどが一刀の事を警戒していた。
例外は好奇心が全ての隠くらいだ。
果たしてそれが魏の種馬という異名の所為か、それとも過去に周泰が持ち帰ったち○こ情報の所為であるかは───
言うまでもないが言いたくもない一刀なのであった。
魏の三軍師が一人。
姓は程、名は昱、字は仲徳、真名は風。
その深慮遠謀───恐るべし。
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祭り期間延長ということで、また書いてみました。
前回の「楽進伝 傷の誇り」は萌えより燃えを目指したシリアスものなので、今回はギャグっぽいものを目指してみました。
凪好きですが風好きでもあるのです。いいものはいいのです。