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真・恋姫無双 三人の天の御遣い 第二章『三爸爸†無双』 其の十六

雷起さん


得票数13の蓮華のお話です。
出産のお話+おまけとなります。

引き続き、どの恋姫メインの話が読みたいのかリクエストを募集しております。

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2013-01-18 18:04:52 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:4037   閲覧ユーザー数:3115

 

 

第二章  『三爸爸†無双』 其の十六

 

 

本城 後宮談話室          (時報:桂花 一人目妊娠一ヶ月)

【赤一刀turn】

「あ!今、蓮紅と烈夏が同時にお腹を蹴ったぞ。」

 俺は床に膝立ちして、椅子に座る蓮華と思春のお腹に手を乗せていた。

 右手は蓮華。左手は思春。

「ふふ♪私と思春の子供だけに息が合うのね♪」

「触られるのを嫌がって蹴ったのかも知れません。」

 思春の言葉は昔のまま辛辣だが、その言い方は笑みを含んだ物。

 つまり冗談なのだ。

「え~?思春、それはないだろう?」

 俺もその冗談に乗っておどけてみせる。

 それを見て二人はクスクスと笑い出し、俺も声を出して笑った。

 

「はうあ~・・・・・蓮華様と思春殿が羨ましいのです・・・・・」

 

 端で見ていた明命がうっとりした表情でぽわぽわしていた。

「私もです、明命・・・・・お二人共、とても幸せそうで・・・」

 亞莎も夢見る乙女の顔をしている。

「明命!亞莎!頼むから思春が完全復帰できるまで身篭らないでくれ・・・・・いや、これはむしろ、北郷に言うべきなのだが・・・はぁ・・・」

 うわ、冥琳にため息まで吐かれた!

「そうですねぇ~、文官は妊娠中でも仕事ができますが、武官は思春ちゃんの様に仕事が大幅に制限されちゃいますからねぇ。」

「冥琳と穏の言いたい事は解るよ。五胡の烏丸や鮮卑、それに呉領の山越なんかが攻め込んで来たら抜けた将軍分の戦力低下もそうだけど、軍の士気低下につながるからだろう?俺たちだってそれくらい解ってるって。」

「お前たちの頭がいくら理解してても、股間の逸物はお構いなしに暴れるから困っているんだ!」

「そんな事は!・・・・・え~と・・・・・」

 思い出せ、俺!反論できる過去の事実をっ!!

「私はここに居る呉の人間だけでは無く、魏と蜀からも話を聞いた上で言っているのだが、反論が有るなら聞いてやろう。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・有りません・・・・・」

 あっれえ?おかしいな・・・・・まるで思い出せないぞ?

「まあ、そう心配するな。いざとなったら儂はボテ腹抱えて戦場に出る覚悟は出来ておる。あっはっは!」

「そうねぇ、あの鬼ババに出来て私が出来ないってのも癪だし、私もそうするわよ。」

「祭殿!雪蓮!そこまで文台様の真似をする必要は無いだろう!?」

 孫堅文台。蓮華たちの母親で正史同様『江東の虎』って呼ばれた人か。

「たまに話題に出るけど、本当に凄い人だったんだな。」

「シャオはお母様が戦うのを見たのはほんの数回だけど・・・・・あれは一回でも見たら忘れないわよ・・・」

 シャオの苦笑いが説得力を増すなぁ。

「小蓮様がお生まれになったあとは幾分大人しくなった方ですぞ。今の蓮華様みたいな臨月の腹を抱えて馬に跨り、敵兵を屠る姿は異様・・・・・と言うか、正に鬼じゃったな。しかも策殿、蓮華様、小蓮様の時と三度も同じ事を繰り返しておる。」

「きっと一刀が見たら腰抜かすわよ、あはははは♪」

 話だけだと無茶苦茶怖い人だな・・・・・だけど・・・。

 

「だけど・・・・・孫の顔は見てもらいたかったな・・・」

 

 あれ?蓮華が真顔で俺の顔見て・・・・・まさか声に出てたの?

「一刀・・・・・ありがとう。」

「い、いや、今のは無意識で口から出ただけで・・・」

「まったく、これだからお前は・・・・・」

「思春まで笑って・・・」

 そんな和やかな雰囲気を突然の大声が引き裂く。

 

「孫呉のみんな、ここに居たっ!!」

 

 庭から談話室に飛び込んで来たその声はたんぽぽだった。

 みんなも驚いてたんぽぽに声を掛けようとしたが、その前にたんぽぽがまた叫んだ。

 

「華琳が産気づいたのっ!!」

 

 

 

 俺と孫呉のみんなはたんぽぽと一緒に分娩室に急行した。

 医務室と隣接する分娩室の前には、曹魏と蜀の面々が既に集まっている。

 そして緑も。

「華琳には紫がついて励ましている。ここは産婆さんと華佗に任せよう。」

 妙に落ち着いた顔で緑がそんなことを言う。

「そんな!俺たちも華琳を励まして・・・」

「(華琳からの伝言だ。俺たちは桃香、蓮華、思春に付いていて励ましてくれってさ・・・)」

 周りに聞こえないように囁いた緑の言葉に、俺は蓮華と思春の顔を振り返った。

 二人共不安そうに固く閉じられた扉を見つめ、その横で更に不安な表情の桃香が立っている。

 まったく・・・・・華琳には本当に頭が下がるよ。

「紫苑も付いてくれている。俺たちはここでの役目を果たそう。」

「そうだな・・・」

 俺と緑は扉の前の三人の妊婦さんにそっと近付いた。

 両手を胸の前で固く握り合わせている蓮華に、俺は出来るだけ落ち着いて声を掛ける。

「蓮華、華琳なら大丈夫。産婆さんも華佗も、紫苑も居るんだ。生まれるまではまだ時間がかかるから取り敢えず座ろう。」

 廊下に用意された椅子にはまだ誰も座っていない。

「一刀・・・・・私・・・」

「蓮華と桃香が座らないと思春が座れないだろ。それに他のみんなも。」

「あ・・・そ、そうね・・・」

 初夏の城内の廊下は適度な暖かさを保ち、体調を崩す事は無いだろう。

 三国全ての将軍と軍師が集まっているのに、囁き合っている声が聞こえる程度でとても静かだ。

 みんなが華琳を心配している。

 春蘭なんか本当は中に入って華琳の傍に居たいだろうに、扉を見つめて仁王立ちをしていた。

 遠くからかなりの人数の足音と甲冑の立てる音が聞こえて来る。

 華琳を守るための厳戒態勢を整えるのに、兵が配置に着く音だ。

 指揮を執っているのは親衛隊の面々。

 この日の為に何度も訓練を重ねて来たのだ。

 椅子に座った蓮華は、まだ不安な顔をしていた。

 俺は蓮華の横に座りその手を握る。

「・・・一刀・・・」

「大丈夫だ。」

 俺は蓮華の碧い瞳を見つめてそう繰り返した。

 

 

 

 

本城 分娩室前廊下

【蓮華turn】

「大丈夫だ。」

 一刀が私の手を握ってそう言ってくれた。

 一刀自身、不安を抑えきれてないのに・・・・・。

「えぇ・・・大丈夫よね・・・」

 私は一刀の手を握り返して微笑もうとしたが、上手く出来たとは思えなかった。

 華琳のことが心配・・・・・それは間違いない。

 だけど私の心にはもう一つの不安が湧き始めていた。

 お産の苦しみとはどれだけの物なのかしら・・・・・世の母親達は皆同じ経験をしている、改めて気付くと『母』という存在に畏敬の念を覚える。

 以前、紫苑は『命を産むのだという想いが不安を和らげてくれますよ』と言ってくれた。

 確かに今日まではその想いで乗り越えてきた。

 だけど華琳の出産を目の前にして、その言葉の本当の意味、奥の深さを実感してしまった・・・・・・いえ、怖気づいているのね・・・私・・・・・。

 これまで多くの盗賊や敵兵を殺してきた私が、今度は命を産もうとしている。

 今までは獣以下に落ちた輩だから。味方を、民を守るためにと何の疑問も持たず戦ってきたけど・・・・・彼等にも母親がいて、その女性は子供が幸せになって欲しいと願って産んだはず・・・・・今になってこんな事に気が付くなんて・・・・・。

 一刀たちは分かっていたのね。

 出会ったばかりの頃は臆病者の戯言なんて思っていたけど・・・・・きっと一刀が言いたかったのはこんな気持ちのことだった筈・・・・・・あの頃から一刀たちの方が私の何倍も強い心を持っていたのね。

 

「一刀・・・・・」

 

 もう一度、一刀の手を握る。

「蓮華に話した事有ったよな。俺にも妹がいるって。」

「え?」

「妹が生まれる時は俺、まだ小さかったから良く判ってなかったけど・・・・・蓮華はシャオの時どうだった?」

 シャオが産まれる時・・・・・・・。

「・・・あの時は母様・・・・・笑っていたわ。『すぐに妹か弟か判らないけど、会わせてあげるわよ』って言って頭を撫でてくれたわ。」

 そう・・・・・私はワクワクしてシャオが産まれるのを待っていたわ。

「本当に豪快な人だな・・・・・」

 一刀はまだ、私が自分の出産の事を不安に感じているとは分かっていない筈なのに・・・・・それでも私に安心と勇気をくれる。

「ありがとう、一刀・・・・・励ましてくれて。」

「いや・・・・・俺も文台さんの話を聞いて励まされたよ。」

 私は孫呉の王だ。国を守り、民を守る。やることは今までと変わらない。

 けれど、その意味とそこに込める意志は今までとは違う。

 私は『母』として国を守る事を目指す!

 

 

 

 

 

「「・・・・・・・・・・・・・・」」

 赤と緑の一刀が眠そうな目をしながら分娩室の扉を睨んでいた。

 華琳がこの部屋に入ってから、日が沈み、夜が明けた。

 私達妊婦は強制的に医務室の寝台に寝かされ、日の出を迎えた今、こうして戻ってきた所。

「まだ・・・・・なのね。」

 わざわざ口にするまでもないわね・・・・・生まれたら誰かが起こしに来た筈だもの。

 武将達は皆、戦で慣れているから昨日と同じ様に静かに待っているけど、軍師達は慣れない緊張の所為かかなり疲れが見えるわ・・・・・。

 

『うぅうっ!』

 

 扉の向こうから華琳の苦しそうな声が聞こえ、皆がビクリと反応した

「(夜の間これの繰り返しでね・・・・・さすがに不安になってくるわ・・・)」

 雪蓮姉さまがそっと耳打ちしてくれた。

 昨日の決心が早くも鈍りそう・・・・・・。

 

 しかし、直後に静寂を破る泣き声が扉の向こうから聞こえて来た!

 

 産声。

 とても元気な産声に全員が立ち上がった。

 扉が開き、華佗が姿を現す。

「母子ともに心配ない!元気な女の子だ!」

 二人の一刀と、私、思春、桃香が先に室内に通された。

 

「お疲れ様、華琳♪」

 

 寝台の上で赤ん坊を抱き、微笑む華琳を見て私は・・・・・・。

 

 自分も早く産みたいと強く思った。

 

 

 

 

【赤一刀turn】

 眞琳が生まれた三日後の朝。

 後宮で俺たち三人は妊婦のみんなと同席しての朝食を摂った。

 食べ終え一服している処で、桃香の陣痛が始まった。

 今度は緑が桃香に付き添い、俺と紫は廊下で待機。

 みんなも華琳の時の経験から長期戦を覚悟していた。

 しかし、予想に反して桃香はその日の夕方に香斗を出産したのだった。

 

「「「桃香は安産で良かったな。」」」

 

 俺たち三人がそう呟くのを華佗が聞きつけた。

「一刀、曹操も安産だったぞ。」

「「「へ?」」」

「よく勘違いされるが、安産と難産の違いに分娩に掛かった時間は余り関係無いんだ。要は母子の命に関わるかどうかという事だ。」

「「「い、命に関わる!?」」」

 

「安心しろ。その為に俺がいる!俺がいる限り母子ともに必ず死なせやしないっ!!」

 

「「「おおおっ!!華佗から後光が差して見えるうううっ!!」」」

 これまでも頼りにしていたが、いまはもう神を崇める様な気持ちだよ。

 そして、香斗が生まれてから四日後。

 

 蓮華の陣痛が始まった。

 

 正午より少し前に知らせを受け、走って駆けつけた俺たちは、三人共が分娩室の中で蓮華の手を握っている。

 分娩台の上で苦しげな声を漏らす蓮華。

「頑張れ!蓮華っ!!」

 紫も緑もこんな苦しそうな華琳と桃香を見てきたのか!

 代われるものなら代わってあげたい!

 陳腐なセリフだが今は心底そう思う。

「旦那が三人もいるお産なんて生まれて初めてだけど、奥さんとしちゃ心強いさ。しっかり励ましな、陛下♪」

 産婆さんが軽口を言って、俺の緊張を解してくれる。

 産婆さんの雰囲気から安産であることを確信し、不安も少しだけ解消された。

 華佗は少し離れた所で蓮華とお腹の中の蓮紅の氣を診ていた。

 何か異変があれば直ぐに対処できるように。

「ほら、旦那が不安そうじゃ奥さんも不安になるよ!笑顔、笑顔!」

 俺が無理やり笑顔を作ると、蓮華も少し微笑んだ。

「蓮華、息を二回吸ってゆっくり吐くんだ。ヒッヒッフーって感じで。」

 咄嗟に思い出したラマーズ呼吸法・・・・・えっと、この後は息の吐き方変えるんだよな・・・・・どうだったっけ?

「くうっ!!」

「「「蓮華っ!!」」」

 一際苦しそうに、これまでに無いくらい強い力で俺たちの手を握り返してくる蓮華に俺たちの不安が一気に高まった。

 

「おあ゛あ゛あ゛あ゛!」

 

 『おぎゃー』というよりもそう聞こえる声が・・・・・・え?

「初産でこんなに早いなんて、こりゃまた生まれて初めてだね!」

 振り返ると産婆さんが赤ん坊を抱き上げ、へその緒を切るところだった。

 

「「「・・・・・生まれたの?・・・・・もう?・・・・・」」」

 

「元気な女の子だよ。よかったねぇ♪」

 生まれたばかりの蓮紅は大きな声で泣きながら、産婆さんの手によって産湯に入れられる。

「「「ええと・・・・・・蓮華・・・・・お疲れ様・・・・・」」」

 

「はぁ・・・・・はぁ・・・・ありがとう・・・・・一刀・・・♪」

 

 えっと・・・・・今何時だ?窓の外はどう見ても夕方になるのはまだまだ先に思えるんだけど・・・・・。

 

 これが尻神様の力か!

 

 

 

 

【蓮華turn】

「陣痛が始まって一刻半で出産って、私の苦労は何だったのよ!」

「産婆さんも驚いてたもんねぇ。やっぱりお尻が大きいと産みやすいのかな?」

「・・・・・・・・・・・・」

 華琳と桃香の言葉に私は返事に窮していた。

 後宮のひと部屋に寝台を三つ並べ、華琳、桃香、私。そして私の寝台の横の椅子に思春が座って話をしている。

 皆からお祝いの言葉をもらい、時刻はもう戌の刻(午後八時)を過ぎた頃。

 玉座の間では連日続く宴会が今日も行われている。

「どうせ私は背も低いし、お尻も小さいし、子供が生まれても胸が白蓮より小さいわよ!」

 華琳が気にしていたのは知っていたけど、ここまで愚痴るのは初めてね・・・・・本当にどう受け答えをしたものやら・・・・・。

「私の体型は華琳殿に近いのでお話しを聞いて参考にしたいのですが。」

 思春が私の様子に見かねたのか、華琳に話を振ってくれた。

「苦しいのを只ひたすら我慢していきむだけよ。時間がどれだけ経っているかなんてまるで分からなかったわ!」

「い、いえ・・・・・それでも何かこう苦しさを紛らわせる方法とか・・・」

「・・・・・・そうねぇ・・・生まれてくる眞琳と一刀たちのことを考えていたわね。眞琳を早く一刀たちに会わせてあげたいって・・・」

 華琳の表情から劍が取れた。

 ふぅ・・・・・まずは一安心ね。

「それ分かりますよ、華琳さん!わたしの場合はご主人様たちに香斗ちゃんを会わせてあげたいって思ってました♪」

 え?桃香も?

「蓮華さんはどうでした?」

「え、ええと・・・・・私は・・・・・」

 三人の視線が私に集中している。

「・・・・・もしかして考えている時間も無いくらいあっさりと生まれてくれたと・・・・・」

「うっ!」

「ええーっ!!それはホントにズルいよ!やっぱりお尻の大きさなんだあああっ!!」

「ちょっと、桃香っ!あなたと私ではそう変わらないでしょ!!」

「でも蓮華さんの方が大きいもん!」

 そんな!ほんの少しだけじゃない!

「一刀たちの言う『尻神様』というのが真実味を帯びてくるわ・・・・」

「華琳!そんな真顔で言わないで!ひゃあっ!!」

 な、なに!?今お尻を触られ・・・・・。

「思春!?何でお尻を触るのよ!?」

「も、申し訳ありません!そ、その・・・御利益があればと思い・・・・・つい・・・」

 し、思春まで・・・・・。

「蓮華、信頼する家臣であり親友の為なんだから、お尻くらい存分に触らせてあげなさいよ♪」

「うん、絶対に御利益が有ると思うよ!」

「そ、それでは蓮華様・・・・・失礼致します。」

 子供を産み終えたばかりなのに、なんでこんな目に会うのよー!!

 

 今回こそお尻ネタから逃れられると思ったのにーーーっ!!

 

「メタな事考えても現実は変わらないのよ♪」

「か、華琳!?」

 

 こんなオチは嫌あああああああっ!!

 

 

 

 

おまけ

蓮華の娘 孫登 真名:蓮紅(れんほん)

六歳

本城 北郷学園教室              (時報:桂花 六人目 妊娠九ヶ月)

【蓮紅turn】

「蓮紅、今日もしっかりお勉強するのよ。」

「はい!お母さま!」

 優しく笑うお母さまにわたしはいつもの様に元気よく返事をした。

 お母さま、華琳媽媽、桃香媽媽、思春媽媽がお仕事にいくのを、わたし、眞琳ちゃん、香斗ちゃん、烈夏ちゃんが手をふってお見送りする。

 お母さまたちがかどを曲がって見えなくなった。

「はぁ・・・・・」

 手をふるのを止めるとため息が出た。

「どうしたの、蓮紅ちゃん?」

 眞琳ちゃんが声をかけてくれた。

「みんなの媽媽がすてきでうらやましいなって思って・・・・・」

「ええ!?蓮華媽媽だってすてきよ!」

「わたしのお母さまってお家に帰ったらすごいドジなのよ!今日の朝ごはんも塩かげん間違えてひどかったんだから!お父さまは食べてたけど。」

「あはは♪それ、香斗の媽媽とおんなじだ♪にんじんやおいもが生にえだったり、きゅうりがつながってたりはしょっちゅうだよ。爸爸はたべるけど。」

 香斗ちゃんがケラケラ笑っておしえてくれた。

 わたしたちは教室に入り、席にむかう。

「でも、桃香媽媽ってやさしいよね。」

「媽媽もおこることあるよ・・・・・あ、でも前に媽媽がニコニコしてるのに爸爸が土下座してあやまってるの見たことあるけど・・・あれもおこってたのかな?」

 桃香媽媽がニコニコして、お父さまが土下座?

「ちがうんじゃないかな?お母さまはおこるとこわいもの。」

「烈夏の媽媽・・・おこるとスゴくこわい・・・」

 席に着いた烈夏ちゃんが青ざめてた。

 わたしたちはみんな同じ制服を着ている。

 爸爸たちが考えてくれた白い上着と白いふわふわのスカート、白いお帽子。

「思春媽媽は武将だからじゃないかな?つよいし、カッコイイし。それでいてお料理もじょうずだよね。」

「蓮紅ちゃん、蓮華媽媽もつよくてカッコイイよ。」

 眞琳ちゃんはそう言ってくれるけど・・・。

「う~ん・・・・・華琳媽媽とくらべるとなぁ・・・・・華琳媽媽ってカンペキだから・・・」

「でも、まわりのひとたち大変なんだよ。桂花媽媽や春蘭媽媽が『あとでオシオキよ』って言われてるのたまに聞くの。わたしも前におしりたたかれたもん。」

「華琳媽媽もなの?わたしもお母さまにおしりたたかれるの・・・・・・」

 わたしたちがお話をしている間に他の妹たちも教室にやって来ていた。

 嵐ちゃんは席ついたらすぐにねむっちゃた。

 金桂ちゃんと冰蓮ちゃん、冥龍ちゃんたちは走り回ってる。

 あれ?愛羅ちゃんは・・・・・あ、今日は愛紗媽媽とお稽古って言ってたっけ。

「で、でもほら、媽媽たちってほめてくれるとき、すごくやさしいよ!」

 香斗ちゃんがお母さまたちをフォローしてくれた。

「・・・うん・・・そうだよね。そういえばお母さまが一番こわいときってお父さまをおこってるときかな?」

「あ、わたしの媽媽もそうかな・・・」

「烈夏の媽媽も・・・・・・・爸爸かわいそう・・・」

「でも爸爸をおこってた次の日の朝って、媽媽のごきげんがスゴくいいの。」

「そういえばお母さまもそうだわ。」

 夜中にお布団に入ってるときに、お母さまの声が聞こえてきて不安になるけど・・・。

「烈夏の媽媽もだ・・・」

「へぇ~、爸爸ってどんな魔法をつかってるんだろ?」

「やっぱり爸爸ってスゴイね♪」

「爸爸スゴイ♪」

「うん。お父さまはスゴイわ♪」

 お父さまの話でもりあがりそうなところで白蓮媽媽・・・じゃなくて、白蓮先生が教室にやって来た。

「ほらほら!みんな席に着けー!」

 

『はーい!』

 

 お父さまの魔法かぁ・・・・・こんどきいてみようかな?

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

このお話を風音様に、下僕(ファン)から謹んで献上致します。

 

今まで書かなかった出産のお話。

これは『三爸爸 第二話』の桃香の話を書くときから

出産の話は蓮華で書こうと決めていた為です。

 

何故蓮華にお尻ネタを振るのか?

それは雷起がお尻も大好きだからですwww

 

 

少々遅くなりましたが

白蓮のCVの柚木かなめ様

女の子ご出産おめでとうございます!

 

 

前回のコメントでは貂蝉と卑弥呼の乱入により

大変ご迷惑をおかけしました。

皆様無事逃げる事ができましたでしょうか・・・・・。

 

殴って退場様

ご質問の璃々メインの投票もOKです!

前回頂いたコメントを1票目として登録いたしました。

 

それでは

《次回のお話&現在の得票数》

です!

 

☆凪    15票

 

という事で次回は凪に決定しました。

 

以下、現在の得票数です。

 

七乃   15票

白蓮   14票

詠    13票

数え役満☆シスターズ13票

朱里+雛里11票

猪々子  10票

流琉   10票

月    10票

ニャン蛮族10票

小蓮   10票

秋蘭   10票

亞莎   9票

明命   9票

焔耶   8票

穏    6票

音々音  6票

斗詩   5票

二喬   5票

春蘭   5票

華雄   2票

稟    1票 

星    1票

璃々   1票

 

※「朱里と雛里」「美以と三猫」「数え役満☆シスターズ」は一つの話となりますのでセットとさせて頂きます。

 

リクエスト参戦順番→ 凪 朱里+雛里 猪々子 穏 白蓮 亞莎 流琉 七乃 ニャン蛮族 小蓮 詠 焔耶 明命 数え役満☆シスターズ 秋蘭 月 斗詩 二喬 春蘭 音々音 華雄 稟 星 璃々

 

過去にメインになったキャラ

【魏】華琳 風 桂花

【呉】雪蓮 冥琳 祭 思春 美羽 蓮華

【蜀】桃香 鈴々 愛紗 恋 紫苑 翠 蒲公英 麗羽 桔梗

 

引き続き、皆様からのリクエストを募集しております。

リクエストに制限は決めてありません。

何回でも、一度に何人でもご応募いただいても大丈夫です(´∀`)

よろしくお願い申し上げます。

 

 


 
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