No.532121

SAO~黒を冠する戦士たち~ 最終技 彼の元へ

本郷 刃さん

最終話になります。
SAOから帰還したのは果たして・・・。

第零話と同じで短いですが、最後をどうぞ・・・。

2013-01-15 09:40:01 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:15659   閲覧ユーザー数:14539

 

 

 

 

 

 

 

 

最終技 彼の元へ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスナSide

 

眼を開いてみると、辺りは黒一色に包まれていた。

 

自分の体は認識できる、けれど周りには何一つ存在しない。

 

ここには、自分一人しかいない…。

 

「どこなの、ここ? まだ、ゲームの中なの…?」

 

何も身に着けていない体、周りは漆黒に包まれ、

孤独による不安と恐怖がわたしに襲い掛かり、顔を俯かせて体を力一杯抱き締めてしまう。

 

「誰か、助けて……。怖いよぉ…みんな、ユイちゃん……キリトくん…」

 

『大丈夫です…』

 

「え…?」

 

声が聞こえた、聞き覚えのある声が…。顔を上げると、一筋の小さな光があった。

 

『光に向かって、走ってください…』

 

「あそこに、行けばいいの?」

 

声は光に辿り着くようにと言った。

 

『はい…』

 

わたしは光に向かって走った。

 

走れているのかもわからないけれど、光に近づいているのは分かった。

 

そして光に辿り着こうとした時、声の主がこう言った。

 

『どんな絶望が来ても、貴女は決して一人ではありません。だから、頑張ってください……ママ…』

 

「っ!? ぁ……ありがとう、ユイちゃん…」

 

光に入った瞬間にわたしは振り返った。

 

そこに居たのは紛れもなく、わたしと彼が愛する最愛の愛娘だった。

 

わたしの意識は再び落ちていった。

 

アスナSide Out

 

 

 

明日奈Side

 

重い瞼を開いたわたしは、明るい光が差し込んだことで、思わず目を(しか)めた。

 

そして光に目が慣れてくると、今度は頭にあるソレを、ナーヴギアを取った。

 

体が重い、それでも必死に体を起こした。

 

見慣れない白い部屋、ここは…病院?

 

わたしは自分の体の胸に手を当てた、鼓動がする……わたしは、生きているんだ…。

 

目を覚ます前に、誰かと会ったような気がするけれど、思い出せない…。

 

少しずつクリアになっていくわたしの思考。

 

デスゲームに囚われていた二年間を思う。

 

ゲームをクリアしたのは大好きなキリトくん、そして彼は………っ!?

 

「ぁ…ぁあ……キリ、ト…くん……?」

 

いやだ、みとめたくない、かれが、キリトくんが、しんだなんて…。

 

「う、ぐっ……くっ…!」

 

わたしは必死に体を動かした。

 

二年間もの間動かしていなかった体の筋肉は衰え、少し動かしただけでも全身に響く。

 

だけど、そんなの関係無い、彼が死ぬはずなんてない!

 

そうだ、わたしが生きているんだから彼だって生きているはずだ。

 

わたしと彼は『一心同体』なのだから。

 

ベッドの傍にあった点滴の支柱を支えにしながら、一歩を踏み出した。

 

扉を開き、彼の生を確認できるかもしれない場所へと歩む…。

 

待っててね、キリトくん……ううん、桐ヶ谷和人くん…。

 

わたしが、絶対に会いに行くから…。

 

わたしは前へと進んだ、今度はわたしが彼を見つける為に…。

 

明日奈Side Out

 

 

 

END

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このまま後書きを投稿します・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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