「あー、時間を無駄にした気分だ」
いやガチで・・・思わず本音を愚痴ってしまいつつ、俺は奴のデバイスを取出しゴニョゴニョと他の人からは聞き取れない小さい声で話していた。
「おーい、伸くーん!」
そう言ってやってきたのは高町達だった。
「いやー伸君って強いんやな!!」
普通に考えればこいつ等が敵わなかったアイツを倒している時点でそれ相応の実力があると分かると思うのだが・・・・
「・・・・弱いつもりはないからな」
「それでもすごいよ。彼も魔力この中じゃ紅帝と同じくらいあるし・・・」
「別に蛇口細いし小さいんだからそこまで大したことじゃねーよ。」
「?・・・蛇口って?」
「なんだ解らないのか?」
「うん」
「そもそもそれは君が独自で言う言葉だろう?初見で聞けばだれもわからないぞ?」
「それもそうだな。蛇口って言うのは一度に出せる魔力のことだ」
「つまり・・・どういうことなの?」
本当に頭使ってんのか?コイツは・・・
「はぁ~・・・ちょっとこっち来い」
そう言って手元にあった馬鹿を放り投げ近くの水飲み場へ向かった・・・投げ捨てたとき、なんか茶色い物体に顔から直撃してグチャと言ったのは気のせいだと思いたい。
「つまりこれと同じ原理だ」
「??つまりどういうことなのかな?」
「執務官・・・魔導師同士の戦いにおいて魔力量だけが魔導師同士の戦いか?」
「それも重要な要素とはいえるがあくまで一因だ。それが絶対とは限らない。」
「流石その年で執務官になっただけはある、頭はそれなりにいいようだな。これからハラオウンと呼んでやろう」
「なんで君はそう上から目線なんだ・・・」
「今こうやって教えているから・・・さて、じゃあ次の質問。この水飲み場から出る水はどこから出る?はい!バニングス」
「それは・・・貯水タンクとかじゃないの?」
「そう・・・」
「話が見えてこうへんな~もっとシャキっと言ってくれへんか?」
「頭使えよ・・・お前等・・・魔法の原理を知らないバニングスと月村は仕方ないけどさぁ・・・」
「なんか遠まわしにバカって言ってない?」
「よくわかったな・・・アリシア」
「バカってなんなの!?」
「そのままの意味だ。まあいい、つまり、どれだけ貯水タンクに水が・・・それこそ一兆ℓあってもそれを一度に外に放出できる量はその蛇口の大きさに左右されるんだよ。魔法とて同じだ。リンカーコアに内包する魔力がどれだけ桁違いでも扱うのはあくまで術者だ。それを一度に放出できる量も術者の腕次第なんだよ。わかったか?」
「なるほど・・・言われてみれば確かにそうですね。」
「因みに皇魔君はどれくらいなの?」
「そうだな・・・アイツの総魔力量が仮に一億と仮定するとして・・・・一回で使える魔力量はせいぜい500がいいところだ。」
「うわ・・・」
「そ、それって」
「まあ、俺から言わせたら宝の持ち腐れだ。因みに出せる魔力量が少ないとはいえ総魔力量が足りていれば別に大魔法は放てる・・・そうだな・・魔法は例えると・・・コップやバケツといった容器だ。水を満タンに入れるのに時間がかかるのと同じ・・・つまり魔法ならチャージする時間に置き換えられる。だからあの馬鹿はさっきのような砲撃が放てるというわけだ。つまり時間さえかければ高町のSLB級の砲撃も放てるだろうよ。・・・まあチャージに1時間は軽くかかるだろうがな。だから時間が無制限で得手不得手を考えなければ理論上、現存する魔法の中でアイツが扱えない魔法はほぼ存在しないと言っていい。」
そう言いつつ俺は水飲み場に誰かが忘れていった物なのか、そばに置いてあったバケツを持って蛇口から水を出しながら説明する。
「な、なるほど・・・」
「いや~タメになるわ~」
「伸君って前の時もそうだけど教えるのが上手いよね」
「へぇ~じゃあどうすれば魔力量伸ばせるの?」
「簡単だ。蛇口を大きくしてやればいい。因みにチャージを早めたいなら水を出す最大出力上限を上げることだ。実際、前に戦ったアイツの本来の総魔力量はドーピングのせいで解らないが、一度に出せる魔力量は5000くらいだ。だから実力はあったんだろうな。」
そう言いながら、蛇口の水の出力をマックスにしてバケツに溜めている途中だった水を一気に満タンにした。
「だからさっき戦った時もアイツが一度に出せる魔力がたったの500・・・俺はそれに合わせてたった500もしくは501以上を出せばいいだけの話というわけだ。砲撃魔法についても当らなければ意味が無いからな。さらにもっと言うとあの砲撃を撃ち出すのに必要な魔力は大体10000・・・つまりアイツはチャージに単純計算で20秒必要だ。」
「君はその年でそこまで魔法を・・・・」
「言っただろう?頭の出来が違うんだ。まあ・・・アイツに至ってはロクに修行もしていないんだろう。」
『あ~ソレは言えてる(そうね)・・・』
「というわけで話はここまでだ。それから今日のこと上に言ったらどうなるか・・・・」
「わ、わかっている」
「うむ、よろしい・・・」
「あ、でも。どうやってあの障壁を破ったの?」
「あの障壁は遠距離ならそこここに堅いが近接戦闘ではそこまで硬くない・・・」
「でも魔力強化なしで破るのは無理でしょ?」
「そこまで教えてやるほど俺は優しくない。知りたければ自分で考えて調べろ。・・・まあ、せっかくだからヒントくらい言ってやる・・・あれは決してレアスキルではない。それだけだ。帰るぞ。」
「「わかりました」」
「は~い」
「うむ」
「そう言えばレヴィ・・・お前どうするか決めたのか?ピーマンかドドリアンか両方」
「う・・・さっきの戦闘で忘れていると思ったのに・・・・」
「そうか、そうか・・・そんなに俺の頭が馬鹿だと言いたいのか・・・ずいぶんと偉くなったな・・・じゃあ今日のカレーはカプサイシンを大量に放り込んで入れてやっても大丈夫だな。」
「かぷさ・・・なんだって?」
「平たく言うと今夜は激辛カレーということです」
「わーい!やったねシュテるん・・・・ってなんで!?なんでよりにもよって灼熱地獄にするの?」
「なに、とある御高名な神父はこういった『辛さこそ至高!辛さこそ究極の味覚!!』と」
「それ違うよ!なんか違うよ!!」
「まあ、ぶっちゃけた話。この前甘すぎるカレーを食ったからその帳消し分として・・・」
「いやだよ!!僕は甘いカレーが・・・「ドドリア・・・」はい、激辛で構いません!!」
「聞き分けのいい子は嫌いじゃないぞ」
(((((((ドドリアンってなんなんだ(んだろう)(の)?)))))))
後日・・・
Side:刃
どうしてこうなったのだろうか・・・
俺は今ほど自分の運命を呪いたいと思った瞬間は無い・・・なぜなら
「早くデバイスを起動しやがれ!モブ!!」
此処にいる聖火(バカ)のせいである。
どうしてこうなったのかって?
じゃあ簡単に説明してやろう。
昨日伸が話したことを知った→はやてが話すかどうかメールが来た→自分だけ隠しておくのは不信がられると思い同じ条件下なら・・・という制約をつけ許可→とりあえず自分のことについてそれなりに教える→突如バカ乱入なんか変なこじつけをつける→それに対してはやてとアリサがキレる→変な言いがかりと被害妄想&ご都合妄想の垂れ流しで決闘→今に至るというわけである。
はっきり言う。もう何かSAN値が急降下して下がっていく感じがリアルに伝わってきている。まあ、それでもさっさと終わらせるためにデバイスを起動する。
「けっ!ようやくやられる覚悟をしたか・・・たくこれだからノロマなモブは・・・」
俺も面倒臭いから速攻で決めよう・・・・文字通りに
「じゃあ二人ともいい?・・・・はじめ!」
「へっ!テメエごときモブの攻撃なんざ・・・・・ゴハァ!?・・・ちょ・・・テメエ・・・ギャハ!??・・・あがぁ!???」
そのまま馬鹿は倒れた。え?何をしたかってアイツが何かをする前に金的と鳩尾と後頭部に蹴りと拳と手刀を思いっきりブチ当てただけ。悪いけど喋っている暇があるなら俺攻撃してるし、そもそもあんな隙だらけの構えで余裕ぶっこいていること自体ありえねーよ。魔法が使えるからって使わせなければただの人間と変わらないわけだし・・・・てか、身体軟いな・・・コイツ
「ねえ・・・」
「何?」
「今魔法使ったの?」
「見て分からなかったかい?どう見ても使っていただろう?なのは」
『どこで使ってたの!?』
なんか納得いかないという表情をしているみんなだった。その時はやてとアリサだけはボ~とこちらを見ていた。
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第四十話:魔法(物理)