No.524646

IS−インフィニット・ストラトス−黒獅子と駆ける者−

トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!


2012-12-29 11:08:23 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:827   閲覧ユーザー数:789

 

 

 

episode98 全学年トーナメントその4

 

 

 

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

アリーナ内で、鈴と簪は向かい合っていた。

 

『さて!次の試合も専用機持ちが居るチーム同士によるバトルです!中国代表候補生の凰鈴音選手と、更識生徒会長の妹である更識簪選手の両選手はどういったバトルを見せるのでしょうか!』

 

 

 

(簪・・・。悪いけどこの戦いはあたしが勝たせてもらうよ。隼人に色々と分かって貰うためには・・・勝たなきゃいけない・・・)

 

 

 

(・・・もう私は昔の私じゃない。どんな人にも勝ってみせる)

 

 

 

 

 

 

(それにしても・・・なんだろうな、この威圧感は)

 

観客席で見ていた隼人はよく分からない威圧感を感じていた。

 

(他人事で済みそうなもんじゃない・・・)

 

 

 

(師匠って色んな人から見られているんだろうか・・・?)

 

隣でその様子を見ていたラウラは疑問を浮かべる。

 

 

 

 

 

『それでは、試合開始です!!』

 

そして試合開始のブザーが鳴り響き、鈴が先に動き出した。

 

「くらえっ!」

 

鈴は右の非固定ユニットの収束型衝撃砲を連続で放っていった。

 

「っ!」

 

簪はとっさにスラスターを噴射してかわしていくと、荷電粒子砲を展開して放つも、鈴はギリギリのタイミングでかわす。

 

その直後に非固定ユニットのミサイルを放ったが、鈴は左の非固定ユニットの拡散型衝撃砲でミサイルを撃ち落していく。

 

「そんなもん!」

 

鈴は両手に青龍刀を展開するが、その形状は以前とは違っていた。

 

以前よりも刀身の幅が縮まっており、形状も反りの入ったシンプルな形状であったが、刀身に凝った竜の模様があるのは相変わらず。しかしよく見ると刃にはノコギリの様にギザギザの刃があった。

 

「どりゃぁぁぁぁぁぁ!!」

 

鈴は一気に飛び出すと右手の青龍刀を振り下ろすが、簪は日本刀型ブレードを展開して攻撃を受け止める。

 

「くっ!」

 

「・・・ふっ!」

 

すると鈴は不敵な笑みを浮かべると、青龍刀のノコギリの刃が突然回転し出した。

 

「っ!?」

 

そして青龍刀は火花を散らしてブレードの刀身を削って切り裂いた。

 

「そんな物でこの『鮫鋭刃』を防げると!」

 

そして左手の鮫鋭刃の刃も回転させて振るってくるが、簪は何とかかわして行く。

 

「どりゃぁぁぁぁぁぁ!!」

 

鈴は右の鮫鋭刃を振り上げて荷電粒子砲の右の砲身を切り裂いた。

 

「うっ!」

 

簪は切り裂かれた砲身を切り離してとっさに鈴と距離を置く。

 

 

 

 

 

 

 

「鈴の青龍刀が・・・」

 

「まるでチェーンソーだな」

 

観客席で見ていた隼人とラウラは話していた。

 

「確かにチェーンソーなら強引に装甲を切り裂くことが出来てシールドエネルギーも大きく削ることが出来るとは言えど・・・」

 

「だが、精神的面でも効果は抜群だな」

 

「えぇ」

 

「しかし、どうも気に入らんな」

 

「どういうことですか?」

 

「妙に簪の時だけ鈴のやつの攻撃が激しい」

 

「・・・そういえば、一昨日の試合ではあそこまで激しくは無かったですね」

 

「・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どりゃぁぁぁぁぁぁ!!」

 

鈴は鮫鋭刃を連続して振るって行くも、簪は何とかかわしていくが、弐式の各所を擦れていく。

 

「っ!」

 

簪は両サイドアーマーの裏を正面に向けると、鈴に向けてニードルガンを放った。

 

「ちっ!」

 

鈴は足裏のスラスター全開で後退してかわすと、左腕の腕部衝撃砲を放つが、簪は宙返りをしてかわすと非固定ユニットのミサイルを放つも鈴は左の拡散型衝撃砲を放って撃ち落した。

 

簪は薙刀を展開して構えると、一気に飛び出した。

 

鈴は鮫鋭刃を柄頭同士に連結して振り下ろして刃を交えた。

 

(硬い・・・!)

 

薙刀の長い柄を切り裂こうと刃を回転させているが、火花を散らすだけで切れなかった。

 

「この!」

 

そして鈴は右腕のコンテナ先端を開けてそこから電流を流したチェーンが出てきて薙刀に巻きつけると電流を流した。

 

「っ!」

 

簪はとっさに薙刀を手放した。

 

「どりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

鈴は『ボルテックチェーン』を振るって弐式の非固定ユニットの表面を叩き付けて電流を流した。

 

「・・・・」

 

すると簪は残った荷電粒子砲を放ってボルテックチェーンの基部を破壊した。

 

「ちっ!」

 

鈴はすぐにコンテナを右腕から切り離すと、簪に接近して鮫鋭刃を振り下ろしたが、簪は折れたブレードを再度呼び出して受け止める。

 

「・・・・」

 

簪は鈴を押し返して背中のコンテナを展開してミサイルを放った。

 

「しつこいわね!!」

 

鈴は拡散型衝撃砲を放つが、衝撃で撃ち落されたミサイルは爆発すると膨大な煙を辺り一面に広げた。

 

「なっ!?」

 

 

 

 

『おぉっと!!ここで更識選手が煙幕を使った!!アリーナ一面に煙幕が広がり、しかも電子妨害で映像も見れません!?って何してくれるんだぁ!!これじゃ全然見えない!?』

 

 

 

 

 

「簪・・・一気に勝負に出る気か」

 

「しかし、鈴は福音戦でもあの戦法を見ているはず。それにISのハイパーセンサーも既に耐性を持っているのでは」

 

「いいや。簪が使ったのは新しく作った妨害粒子だ」

 

「新しく?」

 

「あぁ」

 

 

 

 

 

 

 

(やってくれるわね。でも、あの時で耐性は――――)

 

と、鈴はレーダーを見るが、ノイズが走っていた。

 

(えっ!?何で見れないのよ!?)

 

鈴は居場所が特定できず焦っていた。

 

 

 

 

 

 

 

「パターンが違うから耐性が付いてないんだ」

 

「なるほど。しかし向こうは耐性を持っているから、普通に見えると?」

 

「そういうことだ」

 

 

 

 

 

 

「っ!」

 

すると後ろに何かが横切った。

 

「このっ!」

 

と、鈴はとっさに鮫鋭刃を振るうが、刃は何かを切り裂いて、爆発した。

 

「なっ!?」

 

爆風に飛ばされて鈴は体勢を崩した。

 

更に背中に何かが当たって爆発してシールドエネルギーが削られた。

 

「な、何なのよ!?」

 

 

そして右手に何かがぶつかって爆発して、鮫鋭刃を弾き飛ばした。

 

 

「くっ!視覚を潰して攻撃なんて!正々堂々戦いなさいよ!!」

 

 

 

 

「見方は人それぞれ・・・」

 

「?」

 

するとオープンチャンネルで通信が来た。

 

「あなたから見れば姑息な手だと思うけど、これも一つの戦法」

 

そして鈴の死角からミサイルを放ってきた。

 

「くっ!」

 

鈴は拡散型衝撃砲を放つが、ミサイルを撃ち落すと更に妨害粒子入り煙幕が放たれた。

 

「確実にダメージを与え、且つ頭脳を必要とする戦法」

 

「はぁ?こんなの頭使う必要なんか――――」

 

と、鈴が動き出した瞬間左足に何かが当たって爆発した。

 

「っ!」

 

鈴はとっさに体勢を立て直すが、左非固定ユニットに何かが当たって爆発する。

 

(さっきから何が爆発しているのよ!?ミサイルが浮遊して配置されるはずが・・・!?)

 

そして鈴はあることに気付いた。

 

「まさか機雷原!?」

 

 

「そう。さっきあなたが撃ち落したミサイルから散布して、あなたの行動パターンを元に配置したから、その微調整が緻密・・・」

 

すると煙幕が晴れていくと・・・

 

 

 

 

 

「ま、マジ?」

 

鈴の周囲には、逃げ道の無いように小さな機雷が宙を漂っていた。

 

 

 

『な、なんと!?煙幕が晴れたら物凄い数の機雷が凰選手の周囲に浮遊してる!?煙幕の中で何が起きたんだ!?』

 

 

「くっ!」

 

「ごめんなさい。でも、私も負けたくないから」

 

そうして簪は右の方しか無いコンテナを展開してミサイルを放って機雷原を爆破した。

 

 

 

 

『凰選手!!機雷原の爆発に巻き込まれた!!これではシールドエネルギーが持たないか!?』

 

 

 

 

「簪・・・容赦ないな」

 

「そうですね。しかし煙幕の中でよく正確に機雷原の配置を行えましたね」

 

「あぁ。これには俺も脱帽だな」

 

隼人は苦笑いする。

 

 

 

 

 

「く、うぅ」

 

煙が晴れると、鈴は何とか立っていた。

 

「よくも・・・」

 

 

 

そうして甲龍のシールドエネルギーが尽きた。

 

 

 

 

『決まった!!更識選手の頭脳戦で見事凰選手を撃破しました!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふ。さすがね、簪ちゃん」

 

その頃病室で試合の様子を楯無が見ていた。

 

(隼人君の援助のお陰で強くなったのね・・・)

 

 

 

 

(いや、それだけじゃない。隼人君が見ているから・・・かな)

 

楯無は微笑を浮かべてモニターに映る簪を見る。

 

その視線の先には恐らく隼人が居るのだろう。

 

「・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書き

簪の性格がちょっと変わっているような気が…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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