No.516084

なんか神の不手際で転生するらしい

さん

第二十六話:俺は出てくる必要ないと思ったんだけどなぁ

2012-12-07 23:59:56 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:11425   閲覧ユーザー数:10470

白髪の男が守護騎士達を蒐集し、闇の書は完成した。

 

 

 

「また、全てが終わってしまった。今度こそ、永遠の輪廻が終わると思ったが……。悲劇は繰り返される、永遠に……。――我は闇の書。我が力全ては――」

 

 

 

闇の書の管制人格と呼ばれている彼女は、手の平に闇の球体を掲げる。

 

 

 

「主の願いを、そのままに」

 

『ディアボリックエミッション』

 

 

 

そして、『闇の書の意思』が起動し、放たれた魔法が辺りを闇に飲み込んだ。

 

 

 

 

「ふぃー、以外にあっけなかったな・・・調子でも悪かったのかねえ?まあいいや、後はコイツを使ってコントロールして持ち替えりゃ俺は・・・・・」

 

 

 

これから送ることができるであろうバラ色の人生を夢想しながら男は星天の書を開けようとした。

しかし、突如、星天の書が光を発したかと思うと中心から鎖が巻き付き開かなくなってしまった。

 

 

 

「あー?んだこりゃ・・・いったい何が・・・・・」

 

「あの馬鹿野郎が・・・最後の最後でしくじりやがって・・・」

 

「!?」

 

 

 

男は声がしたほうを見ると、そこにはさっきの仮面とは別の仮面をかぶった男・・・・マダラ()がいた。

 

 

 

「誰だお前?」

 

「答える義理は無い。それよりもよくもやってくれたな?お前・・・・これで、こちらの計画はものの見事に頓挫したぞ。」

 

「あ?何言って―――」

 

「星天の書はな、真主と借主以外の人間が開こうとすると強制的に休眠状態に入ってしまうんだよ。そうなってしまった場合最低でも5日はそのままだ。例え真主であろうとも開くことはできん」

 

「な、なんでお前がそんなにこれについて知ってんだよ?そんな情報、俺たちの情報にもなかったそれに真主って・・・・・まさか」

 

「まあ・・・守護騎士達に関しては、(はやて)が望めば何度でも再生できるだろう。転生前なら記憶も元通り、バックアップもある。問題は無い。アイツ()もすでに応急手当はしておいたからそれもいい。が、こうなってしまった以上、後は八神の奴の精神力に賭けるしかないか・・・・とりあえず俺は――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

コイツをぶっ潰す!

 

 

 

 

 

 

 

 

闇の書の意思となのは達との戦いは熾烈を極めていた。なのはやフェイトの砲撃は闇の書の意思の盾に阻まれる。しかし、闇の書の意思が放つ血色の短剣はなのは達に決定打を与えられない。半ば千日手のようになっていた。そんな中、闇の書の意思は桜色のミッドチルダ式の魔法陣を展開して魔力を収束し始める。

 

 

 

「まさか、あれは!?」

 

「星よ集え、全てを撃ち抜く光となれ」

 

「スターライト、ブレイカー?」

 

「なのはの魔法を使うなんて!」

 

「なのはは一度蒐集されてる。その時にコピーされたんだ」

 

 

 

ユーノが説明する

 

 

 

「フェイトちゃん、こんなに離れなくても……」

 

「至近で喰らったら、防御の上からでも落とされる。回避距離を取らなきゃ」

 

「「下手すれば全滅するぞ」」

 

 

 

フェイトと皇魔、聖火(後から来た)が必死の形相で言う。

桜色の収束砲撃の威力がシャレにならない事を知らないのは本人のみだ。

 

 

 

 

 

 

 

伸と男の戦闘もまた千日手のようになっていた。何故かは知らないが伸が放つ砲撃は全て跳ね返されてしまうのだ。そこで数にものをいわせてディバインバスター級の砲撃を10本放つが全て跳ね返される

 

 

 

「10本同時発射でもダメ・・か・・・面倒だな・・・・」

 

「ハ!確かにお前のその砲撃は見事だ!それだけ大量の砲撃を一度に放てる奴はそうそういない!だがな、どんな攻撃も俺のレアスキル『一方通行』の前じゃ意味をなさねぇんだよ!!」

 

「参ったな・・・・」

 

『どうする?』

 

「おそらく名前からして、向きを操る能力みたいだが・・・・・・ん?」

 

『どうした?』

 

「いやな、どこかでこれの対処法を読んだ気がするんだよ・・・・・たしか・・・アルハザードで・・・・えーと・・・・・・・・・・・そう!『木原神拳の全て』」

 

『なんだそりゃ・・・・』

 

 

 

ゼイオンが呆れた感じに聞く

 

 

 

「対ベクトル変換専用の格闘技(多分)」

 

『なんだ、その限定的な格闘技・・・・お前それ使えるのか?』

 

「一応使える。趣味でやっていただけだが・・・でももしあれがただ名前同じだけで全くの別物なら・・・・多分無事じゃすまないが・・・・」

 

『だがそれしかないなら・・・・』

 

「やるしかないか・・・と、なれば」

 

 

 

俺は杖から刀を持ち替え奴に接近する。そして奴に接近して斬り付けようとする。

 

 

 

「遠距離がダメなら近接戦闘か?だがな、そんな刀で俺の『一方通行』を・・・・ガァ!?」

 

 

 

その刀は見事に男の脇腹に直撃する。そして伸は間髪入れずに連続で斬り付ける。

 

 

 

「ガハァ!?な、なぜ・・・攻撃が・・・・」

 

「簡単だ、お前の能力がベクトル変換なら。向きの反射が適用される直前に逆方向に刀を動かせば向きの逆転現象によりお前のもとに引き寄せられる。つまりお前は自分で俺の攻撃を受けに来ているというわけだ。」

 

「ば、馬鹿な・・・・そんなこと・・・・いや、仮にできたとしてもこの短時間でできるわけ・・・・」

 

「お前とは頭の出来が違うんだ。」

 

 

 

実際には写輪眼でその膜が見えているからできるんだけどな。つか、写輪眼便利すぎだろ

 

 

 

「クソが!?邪魔すんじゃねえぇぇぇ!!!」

 

「先に邪魔をしたのはお前だろうが!!!」

 

 

 

そう言って逆上した男は一旦、伸から距離を置き自身の能力でプラズマを作り、それを自身の砲撃魔法に上乗せして伸に放つ。

 

 

 

 

 

ドゴォォォォォォン!!

 

 

 

 

 

「これで奴は・・・・」

 

「・・・・・・・もう時間もないからさっさと終わらせる。」

 

 

 

そう言って、伸は八芒星の瞳―――万華鏡写輪眼を発動する。

 

 

 

「(月読は燃費悪いから―――)天照!」

 

 

 

そういうと突然、男の身体から黒い炎が現れ瞬く間におおわれる。

 

 

 

「な、なんだこの炎は!?な、なんで反射できねえ・・・・・グアアアアアアア!!?」

 

 

 

それは当然だろう。天照は燃やしたい所を瞳力の宿る方の万華鏡で目視し、ピントが合うだけでその視点から黒い炎が発生する。反射する、しないも何もあったものじゃない。男はそのまま黒い炎に覆われそのまま落下した。

 

 

 

「加減はしてある死にはしない。」

 

 

 

そう言って黒炎を消す。

もちろん彼は善意でやったことじゃない。

 

 

 

「お前が闇の書に関わった瞬間から星天の書にお前の記録が乗るからお前が何者かだなんてことはどうでもいい・・・・だがお前の今まで持っている情報をすべて渡してもらうぞ。星天の書は5日間動けないからな。」

 

「ク・・・・誰が・・そんな・・・・簡単に・・・それにこのことは・・・・上の奴らに」

 

「案ずるな。お前の意思に関係なく俺はお前の脳から直接情報を抜き取れる。それからこの地域一帯にすでに結界とジャミングをかけているから今の情報が漏れることはない。おそらく誰も気付いていないだろう。もちろんお前の言う上にもな。」

 

「な・・・・」

 

 

 

いつの間にと、言おうとしたがその前に伸の手が男の頭に乗せられる。

そして、輪廻眼人間道で情報を抜き取ろうとした瞬間だった。

 

 

 

「―――――コードATA始動―――――」

 

「?」

 

 

 

突然男の口調が機械的になりピーという音が鳴ったと思うと―――――

 

 

 

 

ブシャーーーー!!

 

 

 

 

「!!!!!?」

 

 

 

突然男が爆発した。と言っても爆発というより破裂に近い感じだ。あたりに血や肉、臓器排泄物をぶちまけ、その血しぶきや肉の一部が伸の体にかかる。

 

 

 

「な、なん・・・だ?今・・・のは」

 

 

 

いきなりのことで流石の伸も理解するのに数秒の時間を有した。思わずその場から後ずさり、そこで足元で『グシャ』という飛び散った内臓を潰す音と共に伸はようやく目の前の男が爆散したのだと知った。

その、あまりの光景とあたりに漂う腐乱臭に思わず嘔吐してしまう。

 

 

 

「ウプッ・・・ウエェ・・・・・ど、どういうことだ・・・」

 

『おそらくだが、万が一の時のために自動的に自爆するための何かしらの魔法か何かかけられていたのだろう。』

 

「奴さんも・・・一筋縄では・・いかない・・・ということか・・・・・」

 

 

 

そう言いつつへばりついた肉片を払う。

 

 

 

「そう・・・・言えば・・向こうは・・・・」

 

『ちょうど、戦闘が一時終了。守護騎士も復活したみたいだ。』

 

「そうか・・・・どうやら最悪の事態は避けられたみたいだな。」

 

 

 

そう言った伸の声は安堵と共にとても穏やかなものだった。

 


 
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