No.515711

ソードアート・オンライン After Story ~100層到達を目指して~ 第3話

suikaさん

2次関数が全く出来ない!!
それはつまり、勉強しなければならない!!
しっかりとやらなければ!!
と、頭では分かっていても、気がつくとPCの電源の入れている私がいますww
でも、マジで勉強しないとヤバイ・・・・・。

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2012-12-06 23:01:47 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:1865   閲覧ユーザー数:1782

 

 

 

 「キ――君!!キリ――君!!目を――けて!!――ト君!!」

 

 俺の名を必死に叫ぶ人がいる。ゆっくりと目を開けると、そこは七十五層のボス部屋だ

 

った。そして、俺の肩を揺さぶり必死に名前を呼ぶアスナの姿があった。

 

 「んんっ・・・。ア・・・スナ・・・。」

 

 俺が確認するように名を呼ぶと、アスナは途端に大粒の涙を流し始める。

 

 「キリト君・・・!よかった・・・・。よかったよぉ・・・・・。」

 

 そう言って、俺の体を抱きしめた。彼女の温もりがしっかりと伝わって来る。俺は、そ

 

の華奢な体躯をやさしく抱きしめると、彼女の耳元で囁く。

 

 「大丈夫だよ、アスナ。俺は、君を現実の世界に帰してみせると、守ってみせると約束

 

したんだ。だから俺はそれを果たすまで、絶対に死なない。」

 

 

 

すると、アスナは俺に優しく微笑む。

 

 「・・・・・うん。私も、キリト君を守ってみせるよ・・・。」

 

 そう言って彼女は、俺の頬に触れ顔を近づけていく。俺も、ゆっくりと顔を近づけてい

 

った。そして、お互いの距離が徐々に縮まって――

 

 「えーと・・・。お取り込み中大変申し訳無いんだが・・・・・・・。」

 

 「「ハッ!!」」

 

 その言葉で状況を悟った俺たちは、辺りを見回す。すると、周りには様々な反応が見ら

 

れた。視線を逸らす者、苦笑する者、そして射殺すような視線を俺にぶつけてくる一名の

 

武士――明らかにクラインであった。このままだと本気で斬りかかってきそうなので、こ

 

こは話を進めることにした。

 

 「ああ、悪いなエギル。それじゃ、何が起こったか説明するよ。」

 

 俺は、話しかけてきた巨漢の男――エギルにそう言うと、俺の身に起こった出来事を話

 

し始める。

 

 

 

 「まず、ここにいる皆に約束して欲しいことがある。俺が今から話すことを、誰にも口

 

外しないで欲しいんだ。この話がプレイヤーに知れ渡れば、かなりの混乱を招くことにな

 

る。だから、誰にも言わないでくれ。頼む。」

 

 そう言って、俺はこの場にいる全てのプレイヤーに頭を下げる。すると、皆は「分かっ

 

た。」と言って承諾してくれた。とりあえずこれで一安心だな。

 

 「おいキリト。おめぇ一体何があったんだ?」

 

 レア武器である『日本刀』を装備し、趣味の悪いバンダナを巻いたクラインは皆が一番

 

疑問に思っていることを代弁してそう聞いてくる。俺は、鮮明に残っている記憶を辿りな

 

がら話を始める。

 

 「とりあえず、俺が茅場――ヒースクリフと相討ちになった後からだな。あの後、俺の

 

意識は謎の白い空間に飛ばされたんだ。そして、俺はそこでヒースクリフと話をしてきた

 

んだ。」

 

 

 

 

 「その話っていうのは、一体何なんだ?」

 

 エギルが間髪入れずに聞いてくる。しかし、俺はその質問に答えようとはしなかった。

 

 「そのことなんだけど、話は明日でもいいかな?皆、ボス攻略で疲れてるだろうし・・・。

 

だから、明日にしっかりと話をしたいんだ。」

 

 代わりに、皆に話は明日にするという提案を持ちかける。すると、アスナが俺の意見を

 

後押しするように言葉を続ける。

 

 「私もその方がいいと思うわ。ここで話をするよりも、まずは攻略の疲れを癒して、そ

 

れから後日話をした方が、よりしっかりとした話合いが出来ると思うわよ。」

 

 「確かに。」「その方が良いな。」と皆が口々に呟く。さすがは『血盟騎士団』の副団長。

 

ソロの俺に比べて説得力が段違いだな・・・。

 

 そんなことを思っていと、一人のプレイヤーが質問をしてきた。

 

 

 

 「あの~・・・。ログアウトの話は、一体どうなったの?」

 

 俺はその質問に、忘れていたある『重大』なことを思い出し、皆に聞こえるように、な

 

おかつ混乱させないようにはっきりと言う。

 

 「皆、今から聞いてほしいことがある。だが、落ち着いて聞いてくれ。」

 

 先ほどまで皆気を抜いていたが、俺の真剣な雰囲気を感じ取ったのか、再びこの場に緊

 

張が流れる。そして、俺はそのままの声音で話始めた。

 

 「詳しいことは後ほど話すけど、これだけは頭に入れておいて欲しい。俺たちプレイヤ

 

ーは、100層に到達する以外に、ログアウトの方法は無くなった。」

 

 俺の放った言葉に、この場にいる皆に激しく動揺が走る。すると、クラインが叫ぶよう

 

に俺に問い詰める。

 

 「おいキリト!!そりゃあ一体どういうことだよ!?」

 

 

 

 俺は、奴に落ち着くよう促す。

 

 「クライン、落ち着け。詳しいことは明日まとめて話す。」

 

 「これが落ち着いてられっかよ!!」

 

 「落ち着けクライン!!今騒いだってどうこうなることじゃ無いだろ!!」

 

 俺が語気を強めてそう言うと、クラインは舌打ちをしながらも「わぁったよ。」と言って

 

一歩身を引いた。すると、動揺していた場も少しずつ静かになった。そして、空気が鎮ま

 

ったのを確認したアスナが、これからの予定を聞いてくる。

 

 「それで、キリト君。この後どうするの?」

 

 俺は、今後の予定を話し始める。

 

 「う~ん・・・・・。とりあえず俺の案としては、七十六層の転移門をアクティベート

 

したいんだけど・・・・。皆はどう思う?」

 

 俺の提案に、クラインとエギルが真っ先に答える。

 

 

 

 「俺は、別にそれでも構わねーぜ。」

 

 「俺もだ。」

 

 アスナもそれに続く。

 

 「私もそれでいいわ。皆はどう?」

 

 アスナがそう問うと、皆も同じような反応を見せた。それを見た俺は、最後の確認を

 

する。

 

 「最後に確認するけど・・・。皆回復は済ませた?」

 

 その質問に、エギルが答える。

 

 「ああ、問題無い。全員回復は済ませてある。」

 

 その返答に、俺は僅かに頷き、そして皆に言う。

 

 「よし・・・。それじゃあ、行こう!!」

 

 

 

 俺は皆にそう言うと、転移門の前に歩を進める。ボス攻略に参加したプレイヤー達が後

 

に続く。そして、転移門をアクティベートした。すると、そこに見慣れた転移ゲートが姿

 

を表す。そして、俺たちは転移ゲートへと足を踏み入れる。すると、先ほどまでいた七十

 

五層のボス部屋がゆっくりと歪んでいく。転移が始まった証拠だ。視界が徐々に青い光で

 

埋め尽くされていく。そして、とうとう俺たちの視界が全て青一色に染まった。しかし、

 

それもほんの数秒のことで、すぐに青一色だった視界が変わり始める。視界に形成される

 

それは、明らかに街のグラフィックだ。そしてその直後、俺たちの視界を、七十六層の主

 

街区である≪シグナード≫が包み込んでいた。

 


 
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