No.512261

真・恋姫†妄想 もしもの三義姉妹 パターンの弐 #7

狭乃 狼さん

既にタイトル詐欺な件www

ども。

もしもの三姉妹、カオスっぷりがもう甚だしいですが、とりあえず、続きです。

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2012-11-25 22:28:02 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:5229   閲覧ユーザー数:4363

 反董卓連合の戦い。

 三国志におけるあまりにも有名なこの戦い、それは、様々な外史においても同様に発生するもので、その形こそ千差万別なれど、どれほど詳細に違いがあれど、諸侯対董卓、その図式へと変わってしまうのかもしれない。

 

 「月が丞相になって劉協を皇帝に担ぐって……なんでこんなことになるんだ?」

 「……わたしもう、理解するのやめた、この外史……」

 「同感です……」

 

 この外史、当初は何故か皇室のれっきとした一員として生まれた劉備に反発する諸侯が集い、董卓たちに拾われた一刀はその劉備に協力、あの手この手で戦いを有利に進め、もう一歩で連合諸侯を下せる。そんな状況にまですることが出来たというのに、突然振って沸いたその出来事、つまり、都で起きそうだった反乱の鎮圧へと同行したはずの董卓が、突然、劉協というこの世界では劉備の妹に当たるその人物を担いで、都を乗っ取ってしまったというそのとんでもない事件によって、状況は完全に一変してしまったのだった。

 

 「それについては、おれが謝るべき事なんだろうな」

 「!?だ、誰ですか?!」

 

 一刀たちが居たのは虎牢関の内部にある一室なのだが、そこに突如、それまで居なかったはずの男性の声が響いた。一刀たちがその声の方へと一斉に視線を向けると、そこに居たのは二人の男女だった。

 

 「なんやお前ら!?どうやってここに入って来たんや?!」

 「あ、居たんだ霞」

 「最初ッからおったわい!」

 「……存在に気づいてもらえない気持ち……分かるぞ、張遼」

 「……あんさん誰?」

 「公!孫!賛!だ!」

 「まあそういうよくあるネタは置いといて、だ。貴女のその顔、華雄さん……ですよね?この外史には姿が見えないと思っていたのに、一体今までどこに?」

 「そうか、お前は覚えているのだったな、北郷。……私は今回、この外史には元から存在していない存在なのだよ。今ここに居るのは他の外史で生まれた、そして、貂蝉や卑弥呼同様、管理者の末端に席を置く存在たるものさ」

 「管理者?!貴女が?!」

 「ま、そのあたりは話すと長くなるのでな、また、機会があったら話して聞かせるさ」

 「あの~。ところで、華雄さんと一緒に居るのって、もしかして……」

 「……ぱぱ?」

 『ぱぱあ?!』

 

 今度の困惑声は荀彧の一言から起きた。華雄と一緒に居るその男性、龐徳へと向けられた彼女のその「ぱぱ」の一言に、さらにその頭の中が混乱する一同。

 

 「おー、桂花ー。頑張ってやってるかー?やあみなさん、うちの桂花がいろいろお世話になってます。桂花の義理の父親の龐徳令明だ。とまあ、色々ツッコミたい事もあるだろうが、とりあえず、それはいったん横にやって。おーい、君らも入ってこーい」

 『君ら?』

 

 龐徳が部屋の外へとそう声をかけると、その部屋の扉が静かに開かれ、数名の人物がそこに入ってくる。それは。

 

 「うえっ?!え、袁紹?!」

 「か、華琳ちゃんも!」

 「そ、孫策さんに袁術さんまで……っ!な、なんでここに……っ!?」

 

 そう。それは、本来なら今は関の外に居なければならないはずの、袁紹や曹操、孫策に袁術といった、反連合の諸侯たち、その主だった面々であった。

 

 「なんでもなにも、私達だって分かってませんわよ」

 「そうよ。この二人が突然私たちの前に現れて、問答無用でここまで掻っ攫って来たんだから」

 「袁紹や美羽はともかく、私や華琳をそれこそ有無を言わさず、ね」

 「お主ら一体何者なのじゃ?!」

 「ま、その辺の説明、逐一話すと長くなるからな。というわけで一刀、ほれ」

 「っと?」

 

 龐徳が突如、一体どこにもって居たのか剣を一本取り出し、一刀に向かって軽く放り投げる。それを思わず受け取った一刀だったが、その剣をしっかりと目にした途端、驚愕の声をあげた。

 

 「って、おい?!これって、あの時の“麒麟刀”じゃ……っ!」

 「そう、そう。あの狂乱の宴、名だたる管理者たちが集った戦いの時、切り札にとお前さんに渡した“麒麟”さ。そしてまたの名を」

 「……もしかして、携帯型の」

 「そ。俺様一大発明の結界装置。“ご都合主義万歳”さ♪」

 「……で?これを俺にどうしろと?」

 「“解”。そう一言、構えて言ってみな」

 「……まあ、お前さんの言うことだし、悪い事にはならないだろうが……分かった。……“解”」

 

 その瞬間、空間というか、世界そのものが、何か大きくずれるような、そんな音が全員の頭に聞こえる。そして。

 

 「……なに、これ……この、記憶……か…ずと?」

 「華琳?」

 「これって……私の……え、あ……かずと?一刀……なの?」

 「雪蓮さん?」

 「え、あ、わたくしは……ご主人様?」

 「麗羽も?!」

 「主様……主様なのかや?!」

 「美羽ちゃんまで!?ご主人様のこと、みんな、思い出したの?!」

 「兄にゃあ~!兄がいるにゃ~!」

 「一刀!」

 「北郷!」

 「おい!これ一体、何がどうなってんだよ?!」

 

 次々と。一刀の“解”の一言の後、その場に居た劉備と荀彧以外の者達に、これまでの数多の外史、そこに居たときのそれぞれの記憶が蘇り、歓喜の涙を流して一刀へと群がったのであった。

 

 「だからさ、お前さんが今、麒麟をもってワードを唱えたろ?あれ、管理者用の裏コマンドでな。とある所にプールされてる皆の“前回分”の記憶、それを魂の中に戻したのさ。本来ならお前さんには使えない奴だけど、その麒麟で一時的に、お前さんを管理者扱いにしてな」

 「……ご都合主義にも程があるだろ」

 「だからこその、ご都合主義万歳、だろ?」

 「……あーでも、それだったら、別にご主人様がやらなくても良かったんじゃ?」

 「そうでもないさ。一刀はいわば、この世界の、“恋姫†無双”って名前の外史宇宙における、鍵、中心的な存在だ。形こそ千差万別だけど、そのほとんどは北郷一刀を中心に世界は生まれてるからな。記憶の移管は一刀を通してした方が無理なく出来るし、なにより」

 「なにより?」

 「その方がぶっちゃけ、イベント的に盛りあがっていいだろ?」

 「あのな……」

 

 つまるところ。

 龐徳は自身の作成した万能結界装置、ご都合主義万歳による機能をもって、その場にいる全員に、それぞれが過ごした前回の外史での経験、それを全て思い出させたと言うわけである。

 ほんとに、ご都合主義万歳にも程があるっての。

 ……こほん。私的意見が思わず入りましたが、まあとにかく、である。龐徳がそうまでしてみなの記憶を戻したのは、勿論、彼にとっての本来の目的、それを果たすを容易にするためである。すなわち。

 

 「……なるほど、最新型のご都合主義万歳を、な」

 「こればっかりは本当に、俺の手落ちだ。本局の技術部から観測室へ移送するその際、わずかな警備の隙を突かれちまってな。気がついた時にはもう、連中が持ち去った後だった。于吉と左慈のヤツラが」

 「于吉に左慈、か。……随分懐かしい名前が出てきたもんだ」

 「私はまだ会った事無いな~その二人とは」

 

 注:この世界、アニメの世界とは一切繋がっておりません。ご了承ください。

 

 「あいつらとは確か、原初の世界でしか、私も会った記憶が無いわね」

 

 注:他の面子にも、各原作それぞれのルートの記憶のみしかありません。

 

 「大陸全土の美少女を集めるためだけに覇道をなそうとしていた時よね?変態S女のあんたが」

 「……桂花……貴女、この世界では随分、私に対して遠慮が無いというか敵意むき出しね?」

 「そりゃそうでしょ?ちっちゃい頃にされたあれやこれや、それまでの恋心なんて思いっきり吹き飛ばしてくれるだけのことだったんだもの。……敬愛している記憶もまたある分、余計に、ね」

 「……いいわ。なら、またもう一度、私色に染め直してあげるだけよ……ウフフ」

 「はいはい、そういう話は後で、また別のところでやって頂戴、お二人さん。んで?私達はこれからどうすればいいの?」

 

 なにやらおかしな方へと話しの進みかけた曹操と荀彧を、孫策が制して再び話しの筋を元へと戻す。

 

 「みんなはまず、このまま全軍でもって、洛陽を包囲してくれ。多分、だけど、月たちだけじゃあなく、蓮華や星も、連中側に着いてしまってるだろうから、とりあえず、彼女らの身柄を確保しておいてくれ。どうせ于吉たちのことだ、彼女らを囮に使うに決まってるからな。その間に俺達は」

 「長安に行って、あの馬鹿二人をふん捕まえて来る。ご都合主義万歳も取り返し、ここまでぐちゃぐちゃになった外史を修正するよ」

 「操られているの、あの子達?」

 「ぶっちゃけそういうこった。で、だ。その時に皇帝の身柄もしっかり確保しておいてくれ。あのやんちゃ娘にもちゃんと、勝手に外史に入ったO☆SHI☆O☆KIしないといけないしな。フッフッフ」

 「ねえ、先代の帝はどうするの?まだ都にいるんじゃあ」

 「ああ、彼女ならとっくに都を抜け出して、とある人物たちと一緒に、長安に密かに先行してもらってるよ」

 「……とある人物達って、貂蝉と卑弥呼のことか?」

 「いや。……一刀、お前も知ってる連中さ。他の外史で出会ってる、な」

 「へ?……まさか」

 「ま、後はその時のお楽しみってことで。じゃ、段取りはそういうことで、みんな、よろしくな」

 

 一方その頃、都の奥、後宮にある一室では。

 

 

 「にゃっ?!お、おちちうえさまがきたのか?!」

 「ええ、とうとう感付かれました。おそらく、もう間も無く連合軍が劉備たち禁軍も連れてここにやってくるでしょう。例の人形達五人に時間稼ぎをするよう言っておきましたが、それもどれほど()つやら」

 

 後宮の謁見の間、そこの玉座に座ったまま、あからさまにおろおろとうろたえる一人の少女と、眼鏡をかけた導師服の男、于吉が話をしている。ご都合主義万歳の本来の持ち主である龐徳に、全てを悟られたこと、そしてその彼の手によって、向こう側にいる全ての人物が、前回の外史の記憶を取り戻したことで一致団結、揃ってここ洛陽に寄せてくること。

 それらにどう対処すべきかを二人は話し合っているのである。……もっとも、少女の方は龐徳が来たという、その事実に恐怖して狼狽するばかりであったが。

 

 「……しかしそこまで怖いのですか、貴女にとっての彼は」

 「こ、こわいにきまってるのじゃ!おちちうえさまがほんきでおこるとな」

 「本気で怒ると?」

 「……しゃべらんのだ」

 「はい?」

 「おちちうえさまがほんきでおこると、それこそいちねんじゅうでもまったくくちをきかなくなるのじゃ。あのむごんのぷれっしゃーはいちどけいけんすると……ガタガタブルブルガタガタブルブル」

 「……じゃあなぜ、それが分かっていて、毎度私たちに付き合っていたずらを?」

 「たのしいからにきまっておるのじゃ!しげきのないじんせいなどたいくつきわまりないからの!うにゃはははははっ!」

 「……やっぱり、どこか似た者親子ですね、あなた達……」

 

 先ほどまでの狼狽振りはどこへやら、けらけらと心底楽しそうに笑うその少女、この外史において正史の通り、十四代皇帝に即位した劉協伯和のその態度を見て、于吉はそう溜息をついて言うのだった。

 

 「于吉」

 「おや左慈。準備の方が整いましたか?」

 

 そこに、突如湧いてきた一つの影。それは、于吉の相方である左慈であった。

 

 「ああ、儀式の準備はとっくに出来た。お前も遊んでないで、いい加減こっちに来い」

 「わかりました。では夢嬢?後は頼みましたよ?」

 「わかっておる、わかっておる。おぬしらも、こんどこそだっきねえさまをふっかつさせてたもれよ?」

 「勿論ですよ。……それが、私達の悲願、なんですからね」

 

 フフフ、と。そう、眼鏡の奥の瞳を妖しげに光らせながら笑うと、于吉と共にその場から姿を消す。

 

 「……さてと。わらわもそとにいってこようかの?おちちうえはどうせ、ちょうあんにちょくせついくじゃろうし、こうるさいあねうえさまたちもあっちじゃろうしな。さーて、こんかいはどれぐらい、わらわとあそんでくれるかのう~?……かじゅと……こんどこそ、わらわのモノにしてやるのじゃ♪きゅふふふふふふふふ」

 

 そして。

 

 「……」

 「……」

 「……」

 「……」

 

 無言。何も喋らず、虚ろなその瞳を正面に向け、輿の上に担がれた一人の少女と、それを取り巻く、その少女と全く同じ状態の三人。そして、その彼女らを囲むのは、全身白尽くめの衣装を着た、無機質な雰囲気を漂わせる数多の存在。

 

 「月……」

 「月ちゃん……」

 「蓮華……思春……」

 「流琉……まさか、あの子と戦う事になるなんて、ね」

 「星とも、ですね、“桃香”さま」

 「そうだね、“愛紗”ちゃん」

 

 全ての人間が記憶を取り戻した、劉備率いる皇軍あんど諸侯連合軍と、于吉たちに操られた董卓たちの率いる軍勢が、洛陽のその正面にて、もう間も無く、その矛を交えようとしていたのだった……。

 

 

 

 最終回まであと二話。

 

 ご期待ください。

 

 

 

 

 ……たぶんね(笑

 

 

 

 

 かおすまんせー!(コラw

 

 というわけで、久しぶりにもしもの姉妹を投稿ですw

 

 え?なに?メインの筈の三人の扱いが酷い?

 

 だってしょうがないでしょ?あの三人とそれと蓮華と星まで、于吉に操られてるんですものw

 

 そして次回、白装束の軍団と桃香たちの一大決戦が行なわれます。

 

 そして、長安に行った一同もまた、于吉と左慈、この二人と相対します。

 

 果たしてこの超ド級カオス外史、行きつく先はどこになるやら。

 

 なんとか綺麗に納められるのか?

 

 それは作者にも分からないっ!(オイwww

 

 

 ではまた次回、お会いしましょう。

 

 

 再見~!

 


 
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