No.498351

恋姫~一刀と天下覇道の三剣~

オシリスさん

ども、お久しぶりです!

今回は、7話の修正版です。


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2012-10-20 21:34:46 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:3463   閲覧ユーザー数:2851

   第一章少年期

    7話「どうしてこうなった……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   赤兎と蒼兎を手に入れた俺達は村を出て10里(五㌔)の所で休憩をとっていた。

 

 

 

  現在地は地図で確認した所、雍州に入った辺りだ。

 

 

  この地図は村を出る際に、商人から譲って貰ったものだ。

  商人曰く、「助けて貰った気持ちだから受け取ってほしい」とのことだったが、それじゃあこっちが申し訳ないので、その商人から鞍を二つ購入した。

 

 

 

  実はこの鞍も元値の半分くらいまで負けてくれたため、こっちの財布はまだ厚い。

 

 

  本当はここまで来るためには徒歩でまる一日掛かるんだけど、赤兎たちに乗ってきたお蔭で半日で来ることができた。

 

 

 

  俺と赤兎…凱と蒼兎はそれぞれ相性がよかったらしく、半刻(30分)ほどの乗馬時間で、二頭の最高速度の走りに問題なく乗ることができた。

  そしてそれにはもう一つ理由がある。

 

 

 

  「しかしすごいな、鐙…だったか?

   足をこれに乗せていられるから落ちそうになる事がない、蒼兎の最高速度でも振り落とされることもないしな……」

 

 

 

  そう鐙だ。

  ……といっても素材は木、しかも即席で作ったため鞍の紐との調整しないといけない、……俺は今その調整の真っ最中だ。

 

 

 

  「確かに乗りやすいけど、これは木……しかも即席で作ったものだからいつ壊れるかわからないから注意しろよ」

 

 

 

  「あぁ、わかってる。

   でもやっぱりすごいな一刀は、こんなすごい物を考えだすんだから……」

 

 

 

  「いや、どうやったら赤兎たちに楽に乗れるか考えていたらさ、『足場を作ったら楽に乗れるんじゃないだろうか?』……って考えにいたってな?

   それでこれを考え付いたんだ」

 

 

 

  もちろん嘘だが、未来の知識なんて言えるわけもないから自分で考えたとしかいえない。

 

 

 

  「それにしても凄いな蒼兎たちは、休憩を重ねて来たけど、半日でここまで来るなんてな」

 

 

  「あぁ、俺もここまで早いとは正直思わなかった。

   これなら後数日中には天水につくはずだ、今日は無理せずここで野宿しよう」

 

 

 

  「そうだな近くに川もある、まだ食料は残っているのか?」

 

 

 

  「あぁ、天水に着くまでは大丈夫だろう」

 

 

 

  そうして、他愛もない話をしながら、俺達は夜を明かした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  あれから2日、俺と凱は赤兎たちの手綱を引きながら山道を歩いていた。

 

 

 

  「なぁ、凱」

 

 

 

  山の涼しい風が吹き通る中、俺はすぐ隣の凱に話しかけた。

 

 

 

  「……なんだ一刀?」

 

 

 

  少し疲れの色が顔に出ている凱が少し元気なさげの声で答える。

  いつも元気な凱にしては珍しいことだ。

 

 

 

  「なんでこんなことになってんだ?」

 

 

 

  俺はそう言って後ろにいる赤兎の背へ目をやる。

 

 

 

  「…………俺に聞くな」

 

 

 

  ため息をついた凱も蒼兎の背へと目を向ける。

 

 

 

  そこには――――――――――

 

 

 

  「みてみてえいちゃん! おはながたくさんさいよるよ!」

 

 

 

  「ほんとうだ! すっごくきれいだねゆえ!」

 

 

 

  すっごく可愛い10歳くらい二人の少女が乗っていた。

  そしてさらにその後ろを見ると―――――――――――――

 

 

 

  「済まないね君たち、いろいろと世話になってしまって……」

 

 

 

  高そうな衣服がボロボロになっている20代中盤ぐらいのおっちゃんと――――――――――

 

 

 

  「ん? 何故こちらを見ているのだ?」

 

 

 

  大きな斧を持った銀色の髪の姉ちゃんと―――――――――

 

 

 

  「何か御用でしょうか!」

 

 

 

  同じ鎧を身につけた多くの歩兵がいた。

 

 

 

  「…………なんでこうなった」

 

 

 

  「…………だから俺に聞くなよ一刀」

 

 

 

  ハァ、と同時ため息がでる俺たち、……本当にどうしてこうなったんだか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  事の発端は今日の今朝の事だった。

 

 

 

  珍しく明け方前に起きた俺と凱は、水汲みのついでにひとっ風呂浴びようということなり、竹筒と布を持って川まで脚を運んだ。

 

 

 

  川で水浴びを終え戻ろうと思った時に、偶然女の子たちが俺たちの所に来て「おとうさまをたすけて!」っとお願いしてきたんだ。

 

 

 

  何事かと思い俺たちが二人たちについていくと、賊に追い詰められているおっちゃんを見つけた。

 

 

 

  俺は走ながら鉄砕牙を抜き、賊を切り倒した。(凱が少女たちの目を隠している)

  賊たちは俺が北 郷牙だとすぐにわかったんだろう、俺を見ると一目散に逃げていった。

 

 

 

  凱は賊が逃げたのを確認するとおっちゃんに駆け寄り傷の手当を始めた。

  凱がおっちゃんの手当に入ると、俺は鉄砕牙をしまい泣いている二人たちのお守りに回った。

 

 

 

  それからしばらくして、凱がおっちゃんの手当を終え、俺も二人をあやし終わった後、おっちゃん達を連れて移動しようとした時だった。

 

 

 

  突然俺たちの周りに武装した兵を引き連れた姉ちゃんが現れたのだ。

 

 

 

  その後、俺たちが二人を誘拐しようとしておっちゃんをボコボコにした……っと勘違いした姉ちゃんが大斧持って突っ込んできたモノだから、俺は鉄砕牙で対抗することになってしまった。

 

 

 

  結果として俺が余裕で勝利してしまったため、自害しようとした姉ちゃんをおっちゃんが止めに入りようやく誤解が溶けた。

 

 

 

  その後、このおっちゃんが天水の太守である董君雅である事を知った俺達は慌てて土下座したんだけど、「君たちは子供なんだから敬語はいらないよ。後、君たちは僕たちの恩人だから天水まで来てもらうよ」って事を言われて現在に至るわけですはい。

 

 

 

  「しかし、噂の双極の銀狼が本当にこのような子供だったとは……驚いたよ」

 

 

 

  「…………その名前ってこんな処にもにも届いてるんだな」

 

 

 

  「当たり前だ。

   今やお前たちを知らない者はこの大陸にはいないだろう…………お前たちはそれくらい有名なのだ」

 

 

 

  銀髪の姉ちゃんが俺に言う、……そこまでなのか?

 

 

 

  「実際、お前たちはかなり有名んだぞ?

   〝白銀の子狼・北 郷牙〟は三本の刀を従え、操り、悪を滅ぼす〝武神〟。

   〝黒銀の子狼・華 元化〟は傷つく者を癒し、悪と裁く〝医神〟…………これが今、城下でのお前たちの噂だ」

 

 

 

  「…………それは本当ですか?」

 

 

 

  「本当の事だよ、最近では朝廷さえも君たちに注目し始めている…………君たちを手中に収めるためにね」

 

 

 

  姉ちゃんが言った事を確認するかのように、凱はおっちゃんに聞いた。

  どうやら相当なことになってるらしい。

 

 

 

  「……なるほど、俺たちを天水に招くのはそういうことですか?」

 

 

 

  凱はそう言いながら臨戦態勢に入る、俺も凱に合わせて臨戦態勢に入った。

  しかし、おっちゃんは笑顔のまま首を横に振った。

 

 

 

  「違う違う……確かにそういう気持ちがないと言えば嘘になるけどね、今君たちを天水に招くのは、本当にお礼がしたいからだよ」

 

 

 

  …………後ろの姉ちゃんも武器こそ構えたものの突っ込んでこないところを見ると、どうやら本当らしいな。

 

 

 

  「…………その言葉、今は信じるぜ…おっちゃん……」

 

 

 

  俺はおっさんにそう言い警戒を解いた。

  それと同時に凱も警戒を解くと蒼兎に乗り、緑髪の少女の後ろに跨り、少女を支えた。

  俺も薄紫銀髪の少女の後ろに乗り少女を支えた。

 

 

 

  「目の前の湖まで先に行ってるぜ!」

 

 

 

  そう言うと俺は赤兎の脇を蹴り、そのまま凱と一緒に走り出した。

 

 

 

  「おい待て!」

 

 

 

  姉ちゃんが何か言ってるけど気にせず走る。

 

 

 

  「うわー! 凄い、凄いよえいちゃん!」

 

 

 

  「あははは! もっともっと速く走りなさい!」

 

 

 

  腕の中の少女たちも興奮ながら目を輝かせている。

 

 

 

  「もっと跳ばすからな! しっかり捕まっていろよ!」

 

 

 

  俺は腕の少女……董卓に向かってそう言うと、更に赤兎の速度を上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

  ~董君雅side~

 

 

 

  「行ってしまったね……」

 

 

 

  僕は小さくなって行く影を見ながらそう呟いた。

 

 

 

  「全く……董卓様や賈駆を置いてから行けというに……」

 

 

 

  隣で歩いている彼女はため息を漏らしながら言った。

 

 

 

  「いや、いいんだよ〝結葉〟。

   ……ウチの娘たちは彼らのことが気に入ったようだからね。

  それに彼らなら賊が出ても簡単に片付けてしまうだろうしね」

 

 

 

  彼女は華雄、真名を『結葉』と言って、僕付きの将をしてくれている。

  彼女とは幼少の頃からの仲で、今までずっと僕の側でに居てくれる……言ってしまえば兄妹……いや、双子のような関係だ。

 

 

 

  「それもそうだな。

   ……しかし、本当にいいのか? アイツらを天水に招いて」

 

 

 

  少し怖い顔をしながら、結葉は僕に言ってくる。

 

 

 

  「あぁ、彼らにはいろいろと世話になったからね。

   それに彼らは信用できる…………心配かい?」

 

 

 

  「あぁ、アイツらは信用に値すると私も思う。

   …………だが、やはり心配なモノは心配なんだ」

 

 

 

  「心配し過ぎなんだよ結葉は……。

   昔から僕の事となると何時も過剰に反応するんだから……」

 

 

 

  「当たり前だ、私たちはすっと一緒に過ごしてきたんだぞ?

   〝お兄ちゃん〟を心配して何が悪い?」

 

 

 

  「………………〝お兄ちゃん〟……か」

 

 

 

  結葉にそう呼ばれるのはいつ以来だろうか……もう随分と呼ばれていなかったかな……。

 

 

 

  「……………………きっと、あの子達は僕たちのようになるよ……。

   彼らは、月や詠にとって兄のように………………いや、きっとそれ以上の特別な人になる…………」

 

 

 

  僕はそっと目を閉じ、昔を思い出しながら、静かに結葉に言った。

 

 

 

  「………………それは、勘か?」

 

 

 

  「うん……直感だよ……、……けど、絶対にそうなる…………何故かそう思うんだよ」

 

 

 

  「…………そうか」

 

 

 

  僕たちは目の前に見える湖の淵で楽しそうに水遊びをしている子供たちを見る。

 

 

 

  ……これから、この世を生きる若人たちを見ながら…………僕は彼らの未来を、静かに胸の中で思い描くのであった…………。

 

 

 

 

 

 

  あとがき

 

 

 はい、皆々様お久しぶりです!

 

 

 受験も終わり久々の投稿です!

 

 

 えぇ~~、皆さん知りたくもないかもしれないですけど、受験の結果は見事「合格」でした。

 

 

 今日の朝、自分が学校に行ってる間に届いたんですけど、帰ってきて通知を見たときは安堵の気持ちが胸いっぱいに広がりましてしばらく泣きそうになってました。

 

 

 正直、もうあんな思いはしたくないです(; ̄ェ ̄)

 

 

 さて、久々の投稿したはいいけどちゃんと書けていましたでしょうか?

 

 

 自分的には久々にしては上手く書けたと思っているんですが…………何かありましたらすぐに言ってくださいね?

 

 

 さて、ではまた次回お会いしましょう!

 


 
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