No.497119

外史を駆ける鬼・IS編 第008話 前編

おはようございます。久しぶりの投稿ネ。

バイトと学校が忙しすぎて、最近マジで書いてる暇がない状況です。

そういえば、最近友人にISのOVA作品のDVDを借りて視聴したのですが、作中のIS学園は、ただの学園都市ではなく、海の上に面した島みたいな設定になっていますねww

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2012-10-17 07:03:26 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:1402   閲覧ユーザー数:1309

箒「あまり私を・・・・・・舐めないでもらいたい!!」

 

そう言いながら、”赤椿”を展開している箒は生身の重昌に突っ込むが、彼は箒の繰り出す二刀流を避けると、彼女の懐に入り込み、逆に突っ込んで来たスピードを逆手に取り、カウンターパンチを彼女の溝にお見舞いする。

箒のISの展開は解かれて、その場に転がり込んでしまった。

 

重昌「まだ力も使いこなせていない。ましてや、自分の力量も把握できていない青二才の攻撃などたかが知れている。わざわざISを展開するまでもないわ!」

 

そう吐き捨てると、彼はその場を去って行った。

外史を駆ける鬼・IS編 第008話「驕り」 前編

千雨「{皆様こんにちは。この作品のヒロイン、結城千雨です。え?メタ発言は止めろって。そんな事はどうでもいいのです。そう・・・どうでもね・・・・・・ハァ}」

 

彼女はIS学園入学以来、これ程落ち込んだ事は無かった。

原因は勿論、思い人の重昌についてである。

まず合宿初日・・・いろんなすれ違いのせいで、当初彼と共にやろうとすべきした、全ての計画がお釈迦となったが、一応寝る前に重昌の寝た時をいい事に”重昌分”を補給したので、とりあいずはヨシとした。

二日目・・・朝から重昌の寝室で、超が付く程美人な裸Yシャツの女性と共にいる彼を発見。

重昌自身は鬼の様に怒っていたで、”恐らくは何も無い”ことと、”ナニも起こっていない”ことを確認してその場を去ったが、心にはモヤモヤが残ったままで、二日目のISのデータ収集に取り掛かる。

その最中に、朝見た彼と共にいた女性が乱入して来れば、いきなり重昌と仲睦まじい夫婦漫才を見せられる始末。

彼女はどうやら箒のお姉さん・・・ISの創造・創始者、篠ノ之束の様だ。

そしてそして、いきなりの特殊任務・・・・・・いや、任務なのだ。これは仕方がないのだ。

文句を言うわけではないが、せめて千雨としては重昌と束の関係を知りたくて仕方がない。

知りたくて仕方がない時に、ちゃんと重昌と話も出来ずに今回の任務で旅館待機。

生殺しもいいところである。

以上、彼女が落ち込んでいる訳でした。

 

・・・・・・・・・

 

只今、旅館“花月荘”の一番奥に設けられた宴会用の大座敷”風花の間”では、1年専用機組と合宿に来ている教職員が集められている。

照明を落とした薄暗い部屋で、大型の空中投影ディスプレイが浮かび上がり、今回の件について報告が行われている。

詳細はこうだ。二時間前にハワイ沖で試験稼働にあったアメリカ・イスラエル共同開発の第三世代型の軍用IS”銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)”が暴走して、監視空域より離脱したらしい。

福音は合宿所先二キロ先の空域を通過するとのことで、学園上層部よりこの事態を、今ここに来ているこのメンツで対処する事に決定したらしい。

一夏や箒などはいきなりのこの事態に、何か判らず混乱しているが、他の”正式な”専用機持ちの面々はこういう事態の訓練も受けているのか、真剣な顔持ちで話を聞いている。

※本来専用機を与えられるのは、代表候補生になるなど色々あるが、一夏は初の”ISを動かした男”であるので学園から特別に与えられ、箒のは完全に個人的に与えられた物であるので、2人は特殊。

 

要するに、『暴走機を撃退せよ』が今回のミッションである。

暴走機の性能は広域殲滅を目的とした特殊射撃型でセシリアの期待と似通っており、攻撃と機動の両方に特化している。

最高速度は2450キロを超えるので、攻撃へのアプローチは一回が限界。

つまり一撃で落とす。

これが今回の任務の重要性だ。

専用機持ちの面々で最大の攻撃力を誇るは、一夏の”白式”の能力である” 零落白夜(れいらくびゃくや)”だ。

零落白夜は白式の単一仕様能力。対象のエネルギー全てを消滅させる。

使用の際は雪片弐型が変形し、エネルギーの刃を形成する。相手のエネルギー兵器による攻撃を無効化したり、シールドバリアーを斬り裂いて相手のシールドエネルギーに直接ダメージを与えられる白式最大の攻撃能力。

※雪片弐型(ゆきひらにがた)は刀剣の形をした、近接戦闘用の武装で白式の主力武装。拡張領域(バススロット)を全て使っており、後付装備(イコライザ)ができない。

 

重昌「それでは福音が来る空域まで、一夏君を誰かが運ばなければいけませんね。この中で一番のスピードを誇るのは、セシリアちゃんのブルー・ティアーズですが」

 

セシリア「ええ、しかもちょうどイギリスから強襲用高機動パッケージ”ストライク・ガンナー”が送られて来ていますわ。超高感度ハイパーセンサーも付いています」

 

パッケージは、全てのISは換装装備を持っており、中には専用機だけの機能特化専用パッケージもある。

 

重昌「先生」

 

千冬「ふむ。オルコット、超音速度での戦闘訓練時間は?」

 

セシリア「20時間です」

 

千冬「それなら敵n「その作戦、ちょっと待ったなんだよ~!」」

 

突然束が会議室に割り込み、千冬は真耶に束を連れ出すように頼み、彼女(真耶)は連れ出そうとするが『スルリ』とそれを避けて話を続ける。

 

束「赤椿のスペックなら、パッケージなんかなくても超高速機動ができるんだよ!それに、展開装甲を調節すると~・・・・・・ホラ!これでスピードはばっちり!」

 

展開装甲などと聞きなれない単語に、周りは首を捻るが、先程福音の説明に使われた巨大ディスプレイは、束により赤椿の画面にされ。彼女は千冬の隣に立ち、説明を始める」

 

束「説明しましょう~そうしましょ~。展開装甲と言うのはね――」

 

展開装甲とは、束が作った第四世代型のISの装備である。

第四世代型は装備の換装無しでの全領域・全局面展開運用能力の獲得を目指した世代。展開装甲や自動支援装備が標準装備されている。各国が未だ第3世代機の実験段階にある現在であるのに、このアリスは既に作ってしまったと言う。

ここで一度、第一~三世代機の説明をする。

第一は兵器としてのISの完成を目指した機体。

第二は後付武装によって、戦闘における用途の多様化に主眼が置かれた世代。現在最も多く実戦配備されている。

第三は操縦者のイメージ・インターフェイスを用いた特殊兵器の搭載を目標とした世代。未だ実験機の域を出ない。そのためか、甲龍のように燃費の向上に重点を置いたものもあるが、どの機体も燃費が悪く、新たな課題となっている。

 

そして束曰く、一夏のISである白式の”雪片弐型”もこれが使われており、つまり白式も第四世代型・・・・・・ということになる。

白式だけでもより攻撃特化になる展開装甲だと言うのに、赤椿は攻撃・防御・機動といった、様々な用途に切替可能であり、事実上最強の兵器である。

 

束「にゃはは、私が早くも作っちゃったよ。ぶいぶぃ、でも赤椿を箒ちゃんに合わせたのは重ッチだから、重ッチはこの事を知っているはずだけど?」

 

重昌「・・・・・・まだ実戦でも、ましてや練習ですら使われてもいないものを、そう易易といきなりの任務で使えるものか――」

 

束「大丈夫。天才に不可能はないのだ」

 

重昌「・・・・・・ハァ。織斑先生どうしましょう?」

 

千冬「今回に関しては、準備と作戦実行は早い方が良い。織斑を運ぶ役割は篠ノ之に頼もう」

 

セシリア「お、織斑先生!ワタクシとブルー・ティアーズなら必ず成功してみせますわ!」

 

千冬「そのパッケージは量子変換(インストール)しているか?」

 

セシリア「そ、それは・・・・・・まだですが・・・・・・」

 

束「ちなみに赤椿の調整時間は7分もあれば余裕だね」

 

千冬「よし。では本作戦では織斑・篠ノ之の両名による目標の追跡及び撃墜を目的とする。作戦開始は二時間後。各員、ただちに準備にかかれ」

 

千冬の手の叩き、号令と共に教師陣はバックアップに必要な設営を始め、専用機持ちも手伝いにかかる。

重昌のみは千冬に近づき――

重昌「先生。私のISのメンテナンスは新しいバージョンをセットアップ中ですので、恐らく今日一日は使えませんが・・・・・・」

 

千冬「大丈夫だ。今回お前に頼むのは戦闘ではない。お前に頼むのは――」

 

時刻は十一時半少し前。

 

砂浜では一夏と箒が並び、そしてISを展開する。

作戦の性質上、一夏は移動手段の全てを箒に任せるので、彼は彼女の背中に乗る。

箒は作戦前、これを少し嫌がっていた。

男が女の背に乗るのだ。それも当然であろうが、今は機嫌が良いように見える。

きっと初めての専用機を貰い、浮かれているのだろう。

 

箒「それにしても、たまたま私達がいた事が幸いしたな。私と一夏が力を合わせれば出来ないことなどない。そうだろう?」

 

一夏「ああ、そうだな。でも箒、先生たちも言っていたけどこれは訓練じゃないんだ。実践では何が起きるかわからない。十分に注意して――」

 

箒「無論、わかっているさ。ふふ、どうした?怖いのか?」

 

一夏「そうじゃねぇって。あのな、箒――」

 

箒「ははっ、心配するな。お前はちゃんと私が運んでやる。大船に乗ったつもりでいればいいさ」

 

一夏「・・・・・・・・・」

 

機嫌が良い箒は一夏を乗せて飛び立つが、一夏は何も起きなければいいと心配になる。

 

重昌【一夏君、箒ちゃん。調子はどうだ?】

 

離陸してすぐに、一夏と箒のISのオープン・チャンネルから重昌が出てくる。

 

一夏「し、重昌さん!?一体どうして」

 

重昌【いやぁ、第3アリーナでの君達とラウラちゃんとの乱闘騒ぎ。学年別トーナメントでの一夏君に行った指揮が買われてね。それに加え、教師などに振り回されるより、身近な者の指揮の方が、効率が良いとの判断だ。よろしく】

 

箒「いえ、重昌さんの指揮があれば百人力です」

 

重昌【それはありがとう。私は海の沿岸部で君たちに指示するからな。それでは2人、よろしく頼むぞ】

 

重昌は一度チャンネルを切ると、一夏の耳元より声が聞こえる。これは出撃前に重昌が渡した通信機で、耳栓の様な物を片方に、歯の奥に通話用の小型マイクを挟む形で、手で穿(ほじく)り返さない限り取れる心配は無い。

重昌【一夏、今から話すことを黙って聞け。返事はYESなら歯を一度、NOなら歯を二度鳴らせ】

 

一夏「『・・・カチッ』」

 

重昌「箒の様子はどうだ?声が僅かに舞い上がっている様に聞こえる。様子から察するに・・・・・・初めての専用機で浮かれているな?それもかなり」

 

一夏「『・・・カチッ』」

 

重昌「力を持つと、人は変わると言うからな。箒もそうならなければいいが――」

 

一夏「『カチカチッ!』」

 

重昌「NOと言うことは、『そんな事を無い』と言いたいのだな?」

 

一夏「『・・・カチッ』」

 

重昌「うむ。私も自分の弟子を信じたい。だがな一夏よ、指揮官というものは常に最悪の事態も、考慮しなければならないのだよ。・・・・・・どうだ、初めての実戦は?恐いか?」

 

一夏「『カチカチッ』」

 

重昌「遠慮することはない。私しか聞いていないから正直に話すがいいさ。それで、どうだ?」

 

一夏「『・・・・・・カチッ!』」

 

重昌「それは、自分が傷つく怖さか?仲間が傷つく怖さか?前者なら一回、後者なら二回、両方なら三回鳴らせ」

 

一夏「『・・・・・・カチカチッ』」

 

重昌「そうか。君は強いな」

 

一夏「『カチカチッ』」

 

重昌「謙遜することはない。最初の実戦でそう思えることは素晴らしい事だ。・・・・・・いいか。初めての君にこんなことを言うのはなんだが・・・例え何が起ころうとも、今は任務を達成することだけを考えろ。何が起ころうとも・・・だ。判ったか?」

 

一夏「『・・・・・・・・・カチッ』」

 

重昌「よし。それでは幸運を祈る」

 

そして通信は消え、オープン・チャンネルに切り替わった。

重昌「それでは現時刻、一一;三〇(ひとひとさんまる)をもって任務を開始する」


 
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