No.492535

デジモンクロスウォーズ 絆の将と魔道の戦士

第二十話 開戦、敵の正体とバラバラの戦い

2012-10-05 21:38:49 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1141   閲覧ユーザー数:1141

とうとう問題の公開意見陳述会の日になった。はやてやなのは、フェイトは陳述会に参加する為、フォワードの四人にデヴァイスを預け、会場に入っていった。

「そうだみんな、これを持っていて。」

外で待機するメンバーに、タイキは赤色をした通信機「リスター」を渡した。誰かが妨害を行うのであれば、まず最初に情報を遮断する、とワイズモンは予想したので、全員分のリスターを用意しておいたのだ。この世界における、通常の通信手段が妨害されても、リスターならある程度は話を通す事ができるからである。

更にタイキは、

「リロード!モニタモンズ、ワイズモン。」

赤と緑のモニタモンズと、ワイズモンをリロードした。

「今回はお前達の探査能力が頼りになる。何も起こらない事にこした事はないけど、とりあえず警戒していてくれ!」

「分かりましたな!!」

「分かった。」

モニタモンズとワイズモンはこう言って、モニタモンたちはそれぞれ彼方此方を回り、ワイズモンは周辺の警戒を始めた。

(後は、陳述会終了まで何もおこらないかだ)

タイキはこう思って、機動六課の隊舎に残した仲間達を心配した。一応グレイモン達を残してきたとはいえ、キリハの居ない状態では全力が出せないからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、管理局地上本部の近くでは、古本屋で立読みをしながら「キサキ」が、他に潜んでいる仲間に合図を送った。

「後30分で作戦行動開始だ。クワットロ、準備はいいよな。」

「はーい、いつでも何でもできますよ。」

クワットロは通信先にいるキサキに言った。

「とりあえず、連中をバラバラにして戦えば勝機はある。でも、このデジモン達が変化したら教えて。これは俺じゃないと対処できないから。」

そしてキサキは、通信を聞いている面々全員に、シャウトモンとメタルグレイモンの写真を見せた。

「どういう事かは分からないが、了解した。」

皆はこう言って、通信を切った。そしてキサキは、

「さてと、次のレースは二番の単勝でと。」

馬券の通信販売で、競馬の馬券を買っていった。

 

 

 

 

 

 

 

そしてしばらく後、公開意見陳述会をしている地上本部内で動きがあった。突然通信が遮断されたのだ。それに応答して数人の戦闘機人が本部内に侵入した。

「来ましたな!」

モニタモンの一人が動きを察知し、皆に伝えた。

「了解!」

フォワードの四人は本部内のなのは、フェイトにデヴァイスを渡すため本部内に入り、タイキは、

「リロード!クロスハート!!」

シャウトモンを始めとするデジモン達を出した、

「ディアナモンは上空の敵の殲滅、ルーチェモン、リリモン、リボルモン、ピノッキモン、ブルーメラモンは入口を固めろ、他は俺についてきてくれ!」

タイキはテキパキと指示を出すと、シャウトモン、バリスタモン、ドルルモン、スターモンズ、キュートモン、スパロウモン、ベルゼブモン、スパーダモンを連れて本部内に入って行った。

 

 

 

 

 

 

 

そして機動六課の隊舎では、襲来したガジェットを相手にデジモン達が暴れまわっていた。

「ギガデストロイヤー!!」

「ギガクラック!!」

メタルグレイモン、グラウンドラモンは大技で沢山のガジェットを潰し、

「ベルセルクソード!!」

「覇王流、旋翔波。」

ナイトモンとポーンチェスモンズ、シャマルとザフィーラは小技で確実にガジェットを倒した。今回は獣のような動きをする新型の「ビースト型ガジェット」が出てきたが、

「トライデントアーム!!」

メタルグレイモンは絶好調のようで、来る敵来る敵を次々と吹っ飛ばしている。

ちなみにメデューサモンは奥でヴィヴィオとブイモン、テリアモンと一緒にいる。そんな彼女たちの目の前に、いつ来たのかルーテシアとガリューが現れた。

「なるほど、主力に外を任せ、大将は本陣を奇襲か。悪くは無い策ね。」

メデューサモンはこう言って、ヴィヴィオとルーテシアの間に割って立つと、

「でも、あなた達が会った暗殺者より優しくはないよ、私。」

床に剣を突き立て、天上のスプリンクラーの中の水を使って、水龍の姿の防御壁「ストップ・ジ・ヒドラ」を形成した。

そして外では、ナイトモンと双剣を携えた戦闘機人の少女「ディード」が交戦を始めていた。

 

 

 

 

 

そして地上本部内部では、潜入していた戦闘機人三人とタイキ達がバッタリ出会っていた。

「お前が工藤タイキか?!」

赤髪を短く揃えた戦闘機人の少女「ノーヴェ」がタイキに訊いた、

「そうだ!」

タイキははっきりと言った、

「あんたには悪いけど、ドクターから討伐命令が出てる上にキサキさんの太鼓判まで押されるんですよね。ですから大人しくやられてくれません?」

そして、大きいボードを抱えた戦闘機人の少女「ウエンディ」が宣言すると、

「キサキまでいるのか!!」

タイキが訊くと、

「さてどうでしょう。」

水色の髪の戦闘機人の少女「セイン」が言って、まるで水に潜るかのように地面の下に沈んでいった。これはセインの能力である「ディープダイバー」である。無機物内を高速で移動できるようになるのだ。しかし、あと少し全体が沈むと言うところで、スパーダモンが阻止した。それに続いて、

「タイキ達は行け!!」

「早くしないと大変なことに!」

ベルゼブモンとスパロウモンが前に出て言った。そして、スパーダモンがセインを、ベルゼブモンがウエンディを、スパロウモンがノーヴェを止めることになった。

「頼むぞ!!」

タイキはこう言い残すと、キサキを探すと同時にスバル達に連絡した、

「どうやらキサキがここにきてるらしい。ここの人間に被害が出るかもしれないから、なのは達と合流したらその事を伝えてくれ。」

リスターの向こうでティアナが、了解と言った時である。

「なあタイキ、先に行っててくれるか?」

突然シャウトモンが立ち止まり、タイキに言った。

「どうしたシャウトモン?」

タイキが訊くと、

「少し気になることがあるんだ、すぐに追いつくからさ。」

シャウトモンはこう言って、脇道にそれていった。その時である、

「タイキ!通信妨害の大元を見つけた!」

ワイズモンから連絡が入った。なので、シャウトモンは一時自由行動にして、キュートモンとスターモンズを連れて外へと向かっていった。ドルルモンとバリスタモンに内部に侵入しているガジェットを徹底的に潰すように言って。

 

 

 

 

 

 

 

「折角の私のシルバーカーテンを邪魔しないでくださいな。」

上空で様子を見ていたクワットロは、眼下にいるローブ姿の人物「ワイズモン」に言った。

「無理だな、どうあっても邪魔させてもらおう。」

ワイズモンはこう返すと、

(こういう荒事は苦手だが、まあたまにはいいか)

と、考えた。

 

 

 

 

 

 

そしてタイキ達から離れたシャウトモンは、ギンガと合流し、眼帯を身に着けた少女「チンク」と対峙していた。シャウトモンの後ろには傷だらけのギンガがいる。

「邪魔をするか?」

チンクは静かにシャウトモンに訊いた、

「邪魔するにきまってるだろ!」

シャウトモンはこう叫んだ。チンクはため息をつくと、

「タイプゼロの回収は少し手がかかるな。」

と、言った。

「たいぷぜろ?」

シャウトモンが訊くと、

「その娘の事だ、誰が作ったは知らないが、彼女はかなり作りの良い戦闘機人だ。」

チンクはこう言った、

(そういえば、傷の所々から機械みたいな部分が見えてるけど)

シャウトモンはこう思った、それでも、彼の行う事は一つしかない。

「それでもほっとけるか!!」

今では工藤タイキやクロスハート軍は勿論、新人四人の合言葉にもなっている言葉「ほっとけない」その思いを持ってチンクの前に立ちはだかるのだ。

「ソウルクラッシャー!!」

シャウトモンは殺人級の大声を放ったが、チンクは投げつけたナイフを爆発させて音をかき消した。

「だったら接近戦だ!」

シャウトモンは続いてマイクを振り回し始めた。

「くそ、速い。」

チンクは持っている刃物で攻撃を受け止めた。

 

 

 

 

 

 

そして、管理局地上本部の中は勿論、周辺一体、機動六課の隊舎に突然多くのモニタが展開され、そこにジェイル・スカリエッティの顔が映し出された。

「ごきげんよう管理局の諸君、そしてチームクロスハートのデジモン達よ。私はジェイル・スカリエッティ。」

スカリエッティが挨拶をすると同時に、今まで意見陳述会を行っていた会場は大騒ぎになった。

「ジェイル・スカリエッティ?広域次元犯罪者がなんで?」

「というかデジモンって何?」

会場にいる人間が大騒ぎになる中、はやて達は思った、連中はどうやってこの情報を知ったのか、と。これまで工藤タイキらデジモンの存在はうまく隠してきたのだ、キサキにはばれているとはいえ、キサキが話さない限りばれないと思っていたのだ。

「さてクロスハートの諸君、今回私が用意した宴は楽しんでもらえているかな。そして管理局の皆様、私の作品の出来はどうでしょう。」

この言葉に、外でガジェットを潰していたディアナモンは、

「楽しいわけないでしょう!」

と言っていたが、

「これまで我が崇高なる望みの為忍び続けたが、もう忍ぶ必要もないだろう。」

スカリエッティはこう言うと、一回指を鳴らした。すると、彼の容姿が変化し、背中に黒い翼の生えた悪魔のような姿になった。

「我が真名はムルムクスモン、以後お見知りおきを。」

魔王のような姿になったスカリエッティはこう名乗った。この姿を見たディアナモンは、

「な?!なんであいつが?私の暗殺対象になってながら見つからなかったのに!」

と、言った。ちなみに、ムルムクスモンは以前バグラ軍に悪事を行ったことがあり、ディアナモンにその始末命令が言い渡されていたのだ。悪事の内容は、ダークネスローダーの一号機盗難である。

 

 

 

 

 

 

そしてスカリエッティのアジトとなっている場所では、

「ドクター!どういう事ですか?!」

ウーノがムルムクスモンに迫っていた。

「どうもこうも、見た通りだが。」

ムルムクスモンはこう言うと、どこからか一人の男を出した。その男は、広域次元犯罪者、ジェイル・スカリエッティにそっくり、どころか同じ顔をしていた。

「知りたいことがあればこの男に訊くがいい、まあ何か知っていたらね。」

ムルムクスモンがこう言うと、

「ふざけないで!!」

ウーノはこう叫んで、その場になぜか置いてあった剣を持って飛びかかって行った。しかし、ムルムクスモンは片手で受け止めると、

「ゲヘナ・フレイム!!」

口から高温の炎を浴びせた、

「熱い!熱い!」

ウーノ自身戦闘機人であり、ムルムクスモンも手加減していたおかげで身もだえする程度で済んでいるが、普通なら即死の攻撃である。苦しむ様子は見ていて良いものでは無かった。

その様子を他の場所で見ていたキサキは、大急ぎでその場を離れ、管理局地上本部の方へ向かっていった。予想以上にメチャクチャな事態になっている事への慌てもあったが、

(やっぱり、クラウドの言うとおりだ)

心の中でにやけていた。

 

 

 

 

 

 

 

(ムルムクスモン、せいぜい好きなだけ踊ってろ。俺の前では誰も生還することはできない)

一方地上本部の一番上では、クラウドが遠くを見ていた。

そこからは、レジェンドタイプのグレイモンやカブテリモン、ガルルモン、デビモンやクワガーモンと言ったデジモン達の大軍がここへ向かってきていた。その姿はさながらかつてデジタルワールドで頻繁に行われていたバグラ軍のゾーン侵略のようだった。

 

 

 

 

カットマン

「カットマンと。」

 

モニタモンズ

「モニタモンズの。」

 

全員

「デジモン紹介コーナー!」

 

カットマン

「さて、今回のテーマはスパーダモン。スパーダモンは「超クロスウォーズ」というゲームで初登場したデジモン。必殺技は斬撃を投げつける「ブルーブレイブ」だ。」

 

モニタモンA

「伝説の武器デジモンと呼ばれ、持った相手で世界を救うも滅ぼすも自由自在と言われていますな。」

 

モニタモンB

「甘いものが大好きな、デジモンとなのはファンを裏切らないデジモンですな。」

 

モニタモンC

「ちなみに、イカ(マリンデビモン)が嫌いですな。」

 

全員

「それじゃあまたね。」

 

 

 

 

 

次回予告

突如明らかになったスカリエッティの正体。シャウトモン、メタルグレイモンは超進化ができないことで苦戦する。その中で目覚める希望の光、そして、クラウド&キサキ参戦

次回「絶体絶命と希望の光」

 


 
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