No.492504

いきなりパチュンした俺は傷だらけの獅子に転生した

たかBさん

第七十二話 お見舞い。午後の部。女神様と荒ぶる猫のポーズ。

2012-10-05 20:41:58 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:7033   閲覧ユーザー数:6302

第七十二話 お見舞い。午後の部。女神様と荒ぶる猫のポーズ。

 

 

 

 「いやぁ、都合よく風邪をひいてくれて助かったよ」

 

 「僕ら事務処理に回されていたからね…。僕は管理局員じゃないのにかなりの量をやらされたよ…」

 

 クロノは満面の笑顔で、ユーノはやつれた顔で俺の顔色を見て悪態をつく。

 

 「…てめぇ、クロノ。病人に対してそれか。…ユーノ。お疲れなのとこ悪いな」

 

 だが、高志の言葉などどこ吹く風と言わんばかりに、にやりと笑う。

 

 「君はそんなことを言っていいのかな?僕がその気になれば…。アリシアを解き放つ!」

 

 「むーむー!」(人を悪魔か怪物みたいに言わないで!)

 

 クロノの後ろにはバインドでぐるぐる巻きにされたアリシアが転がっていた。

 クロノとユーノがお昼辺りに高志の見舞いに行くと、フラフラになった高志とアリシアがパジャマのズボン(高志が着用中)で綱引きをしていた。

 普段ならアリシアをぶん投げているところだが風邪の所為で力は拮抗していた。

 アリシアは看病のつもりだったんだろうが、彼女の後ろにあったビデオカメラ(起動中)があった。

 彼女を止めるにはそれだけで十分だっただろう。

 クロノがアリシアをバインドで抑え込んでいる間にユーノが簡単な白いおかゆを作って持ってきてくれる。

 

 「今、食べきれる?」

 

 おかゆという言葉に一度は体をびくつかせたが、それが白い(・・)おかゆだと判断すると自然と手が伸びた。

 ずずっ。と、一口おかゆを胃に流し込む。

 

 …これだよ!

 

 お米の原型が無くなるまでにどろどろに煮込んだおかゆ。

 ちょっぴり熱いが、それでも口の中がやけどしないくらいに暖められた病院食おかゆ!

 

 ユーノが作ってくれたおかゆを俺は「美味い美味い」と、言いながらきれいに食べた。

 

 「それじゃあ、僕は後片付けをしよう。作るのは苦手だが後片付けくらいは僕でもできるからね」

 

 そう言いながらクロノは俺が食べたおかゆの入っていた皿を片付けていく。

 クロノが皿を持って俺の部屋から出ると同時にマンションのドアが開く音がした。

 

 「おじゃましますぅ」

 

 「高志君、風邪は平気?」

 

 と、玄関から一直線に俺の部屋に入ってきたはやてとなのは。

 

 「お見舞いに来たよ」

 

 「あんたでも風邪をひくのね」

 

 すずかとアリサもつづいて入ってくる。

 

 「…今。…帰ったわ、よ」

 

 「…母さん。大丈夫?」

 

 フェイトに支えられながらフラフラのプレシアまで帰ってきた。

 正直、病人の俺より大事を取った方がいいと思う。

 そして、一番最後に入ってきたリインフォースが俺の額に自分の額を合わせっ!!

 

 「むっ?!」

 

 「…ふむ。どうやら熱は…上がっている?まだ横になっていた方がいいな」

 

 目を閉じた銀髪美人が…。いや、女神がいたんだ。

 

 

 

 

 

 女神様が!!

 最上級の女神様が俺の前にいたんだ!

 

 

 

 

 

 俺は今まで生きてきた中での罪を懺悔したくなるくらいに美人な人がいたんだ。

 

 懺悔します!

 

 風呂に入る時に洗濯籠の中にあったプレシアのブラジャーの大きさにびっくりして五秒ほど凝視してしまいました!

 

 すごかったです!

 

 

 

 「むー!むむむー!!」

 

 「む、みんなも来たのか。…今ならバインドも解いてもいいか」

 

 バインドでぐるぐる巻きにされていたアリシアがむーむー呻いている。

 そこにクロノがやってくるとアリシアの拘束を解く。と、同時にフェイト並みの素早さでアリシアが俺とリインフォースの間に割って入る。

 

 「にゃああああああああ!!」

 

 「うわっ!」

 

 「がっ!?」

 

 アリシアは俺の頭を抱え込むように抱きつきながらまるで猫が威嚇するようにリインフォースを睨みつける。

 

 「ふーっ、ふーっ」

 

 アリシアが俺の頭に張り付いた状態でリインフォースをはじめ周りにいる人間にむけて威嚇を開始し始める。

 

 「ふにゃぁああああああ!!!」

 

 両腕を地面について、肩を低くし、腰を上げて、お尻を高く上げていつでも相手(リインフォース)にとびかかれるクラウチングスタート様な体勢。

 

 「ふーっ、ふーっ!」

 

 

 アリシア。

 荒ぶる猫のポーズである。

 

 

 「あ、アリシア…?」

 

 「お兄ちゃん!私を誰だと思っているの!?」

 

 アリシアは俺を上から押さえつけるようにリインフォースを睨みつける。

 アリシアの髪が顔にかかっていい匂いがしてくる。

 リインフォースの柑橘系にも似た甘い匂いと違い、こっちはイチゴのように柔らかく優しい甘い匂いがした。

 

 「お母さんはダイナマイトバディーのプレシア・テスタロッサ。妹はよく食べていろんなところが育ったフェイト・テスタロッサ。そのお姉ちゃんアリシア・テスタロッサだよ!」

 

 「…アリシア」

 

 「アリシア?!」

 

 プレシアは額に手を当てて俯く。フェイトは自分の体を抱きしめるようにアリシアから遠ざける。

 

 「私だってあと十年もすればこれぐらいのナイスバディになるもん!」

 

 「い、いや、テスタロッサ妹。少し、おちついて…」

 

 「落ち着いていられないよっ。それにお兄ちゃんってば私の目の前で、ユーノ君の作った暖かくて白くてドロドロしたものを食べたくせに!」

 

 …ざわっ。

 と、月村すずかの髪が蠢いたかのように見えた。

 

 「…女の子の私じゃ駄目なの?男の娘(おとこのこ)じゃなきゃ駄目なの!」

 

 「…高志君。うちはある程度理解は出来るけど、リアルは…。…ないわぁ」

 

 はやてが口元を引くつかせながら、俺から一歩離れる。

 それを見た俺とユーノは慌てて否定する。

 

 「やめてくんないっ!ベーコンでレタスな関係になるぐらいなら俺はチェインデカッターでユーノのアレをぶった切って女にするよ!」

 

 「僕だって嫌だよ!というか高志!それだと僕だけが被害にあうよね!」

 

 「…そうしたらユーノは美少女になりそうね」

 

 はやてと同じように一歩引いたアリサが恐ろしいことを言ってくる。

 

 「アリサ?!なんてことを言うの?!」

 

 「それに、クロノ君も!」

 

 「なんだ、どうした?」

 

 ちょうど台所から戻ってきたクロノに向かってアリシアは指をさす。

 

 「ユーノ君が出した白くてドロドロした物を綺麗にしに行ったんでしょ!」

 

 「…ふん。ふんっ」

 

 「…す、すずか。鼻息が荒くて怖いわよ」

 

 すずかの様子に若干引き気味にアリサは距離を取る。

 その様子を見てクロノも背筋に冷や水を注がれたかのように悪寒を感じた。

 

 「もし、そうなったら僕はこの場にいる全員を凍らせて超空間に封じ込めないといけなくなるな…」

 

 「あ、アリシアのあの可愛らしいポーズが永遠に保存…はふぅ」

 

 「母さん、しっかり」

 

 プレシアの状態は未だに回復していないようだ。しかし、彼女はそんな状態だというのに手に持ったデジタルカメラでアリシアの荒ぶる猫のポーズを激写し続ける。

 

 かくいう俺。

 何故か知らないがホモフラグが乱立し、目の前にいる女の子とのフラグが立ちはしない。

 リインフォースには腹をぶっ刺され、プレシアには日々受けている折檻でへし折られた。

 シグナムさんは彼女の持っている武器と最初の二人の事もあってか、どうにも…。

 そして、魔法少女組。と、その御学友。

 

 「…ふぁ(ため息)」

 

 「いま、なんとなくだけどムカついたわ」

 

 「高志君。そのため息は何なの?」

 

 「教えて欲しい、かな」

 

 なのはとフェイトの方は「かな?かな?」とか言いながらも俺に問い詰めてくる。が、無視する。

 

 「俺の好みは年上で綺麗なお姉さんな感じだからだから…。俺のタイプからだと、…遠い」

 

 俺はロリじゃありませんから。

 

 「つまり私がど真ん中という事だね!」

 

 おっと~…。アリシアはフェイトの姉(そういやそう)だった~。

 喜色満面のアリシアの笑顔がすぐ近くにある。

 未だに馬乗り状態なのだが、アリシアのすぐ後ろに鬼の顔をしたプレシア。

 

 喜色満面の後ろに鬼色顔面(きしょくがんめん)。ちなみにその隣では、妹であるフェイトがプレシアの気配に押されて顔面蒼白ですよ?

 

 「…まあ、それはそうとテスタロッサ姉(?)はすぐにでも彼から離れた方がいい。風邪がうつるぞ」

 

 「お兄ちゃんのだったらいいもん!そういう、リインフォースさんだって風邪をひくよ!」

 

 「私は管理プログラムだ。疲れることはあってもそう簡単に病気にはならんさ。それに『悲しみの乙女』のスフィアもあるしな」

 

 「私だって『傷だらけの獅子』のスフィア持っているもん!」

 

 「「ちょっと黙ろうか!我が家の最高機密!!」」

 

 はやてと一緒につっこみを入れる俺。

 スフィアの事は秘密ですよ。超秘密ですよ!

 ほら、隣ではアリサとすずかが「スフィアって、なに?」て、フェイトとはやてに聞き出しているし…。

 一応、一般人である彼女達には魔導師の事は伝えても、スフィアの事は話してはいない。

 変な魔法よりもたちが悪いからな。スフィアって…。

 

 それからアルフに連れられてやってきたエイミィがその場を鎮めるまで、俺の部屋はアリシアとリインフォースの話し合いは続き、一般人であるアリサとすずかからのスフィアや魔法関係についての質問攻めが続いた。

 

 皆、俺の事を心配してお見舞いに来てくれるのは嬉しいけど…。

 

 「…お願いします。…どうか、静かに寝かせてください」

 

 ちなみに。

 俺のひいていた風邪がいつの間にか治っていた。

 プレシア曰く、自分が作ったおかゆが効いたからだという。

 

 …おかゆ?

 俺、いつプレシアのおかゆ食べたの?

 


 
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