No.488333

IS-インフィニット・ストラトス- きゅー組物語 12

酢豚じゃー!!!酢豚が来るぞー!!!

2012-09-25 04:56:13 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1257   閲覧ユーザー数:1184

それは四月下旬の事でした。

 

 

「えー、それでは、特別講習を始める。」

俺とロジーナは現在視聴覚室にいた。生徒は四人。織斑一夏、セシリア・オルコット、篠ノ之箒、鳳鈴音。

 

「あー、君たちは許可なくISを展開した上、その武装を使用した。よって、今回の特別授業を受けて貰う事にー………春告。めんどいんだけど。」

ロジーナ、気持ちは分かるがそれはどうかと思う。今さら過ぎるんだけどさ。

 

 

「………。」

よって、ココは無視する。

 

「無視かよ。いーけどー!べっつにぃー、相棒がアタシを見捨ててもー、いじけたりなんてしないけどー!!!!」

 

「あのー」

おずおずと手を挙げて発言の許可を求める男子生徒、織斑一夏。

ロジーナは完全にやる気をなくしている。

こりゃ俺が授業を進める他無いようだ。

 

 

 

「何で、俺まで?」

彼の疑問も尤もだ。今回の特別授業は校内でIS展開及び武装を使用した、織斑一夏を除く三人の為の授業なのだ。

 

「あー、君はあれだ。織斑“先生”からの要請でここにいる訳だ。」

 

「………納得がいきませんわ!今回の事は、私達三人の………」

 

「オルコット君?」

ロジーナが凄む。

 

「は、はい。」

 

「何でお前がここに居んのか分かってんだろう?そこに居る織斑はお前らのとばっちりでココに居んだよ!んでもって、アタシらが晩飯我慢してココに居んのもアタシが酒を我慢してんのもお前らのせいなんだよ!!!分かったか!?分かったら黙ってくっそつまんねぇビデオ見てやがれ!!」

ロジーナ、ブチギレ。

気持ちは分からんでもないが。

 

「………んじゃ、再生する。しっかり見てろよ。」

と、言葉を引き継ぎビデオを再生する。

 

 

 

画面に映るのは、教育ビデオには似つかわしくない無骨なバルカン砲だった。

 

取りあえず説明しなくちゃな。

 

「………こいつは、昔A-10ってアメリカの飛行機に積まれてたバルカン砲だ。この三十ミリバルカンと同じ弾が、ISの突撃砲(アサルトライフル)に使われている。」

 

「センセー、そんなことは知ってます。」

………流石代表候補生の鳳鈴音。武装方面の知識もしっかりあるようだ。

………だが

 

「あー、じゃぁ、こいつを使うとどうなるかは知ってるか?」

 

「………人を殺した経験は有りません。」

 

おー、コイツで人が死ぬ事もちゃんと知ってるんじゃないか。

 

 

じゃぁ、何であんな事するんだよ。

 

「じゃぁ、スクリーンを見てー。」

 

と、指をさしたスクリーンの映像が切り替わる。

航空機の機首に据えられたビデオカメラの映像。

 

「これは昔、有る国が戦争してた時の映像だ。しっかり見とけー。」

 

画面の左端に発砲炎と思しき火が見える。そこから伸びた曳光弾が画面中央の人の形をしたシルエットへと延びて行き………血煙りが舞った。

 

「「「「…………。」」」」

 

生徒たちは茫然としている。

 

「えー、人間が一瞬でけし飛びましたね?これが篠ノ之君の使ったライフルの威力です。生きてて良かったですね、織斑くん。」

 

次に………

 

「えー、これはイタリア軍が開発していた衝撃砲。これは中国軍の物と比べて、数段威力が落ちます。」

 

画面中央に、牛が映された。

 

「はい、ココで発射。」

 

俺の声と同時に、牛が文字通り弾け飛ぶ。撮影していたカメラに、肉片が飛来したらしくモニターが真っ赤に染まる。

 

「はい、ミンチにならなくて良かったですね織斑くん。」

 

「「「「………。」」」」

全員の顔色が悪くなっている。

吐きそうな時のロジーナと同じ顔色だ。

 

 

「最後に、ビームライフルですね。これは、人に使った事が無いので退役寸前の軍艦がターゲットです。」

 

と、艦首をこちらに向けた軍艦が映される。

 

「はい、発射。」

 

一瞬のタイムラグの後、船の右から左へ閃光が走る。

 

「………世界初の光学兵器被害者にならなくて良かったですね、織斑くん。」

 

「「「「………先生、ちょっとお手洗いに行ってきます。」」」」

 

説明が終わるのと、生徒たちが口をそろえてトイレ宣言をするのは同時だった。

 

 

 

 

 

 

 

「はい、以上で特別授業は終了です。レポートは明日の放課後までに提出。以上、お疲れさまでした。あ、織斑くんはレポートいらないから。」

IS用ショットガン、ナパーム、破片手榴弾、携行ミサイル………様々なスナッフビデオを見せて授業は終了。

 

正直、王子織斑に同情する。………お前、良く生きてたなぁ。

 

 

 

 

その授業後、俺は煙草を吸うために屋上に出ていた。

「………何か質問か?鳳。」

 

入口側へと振り向くと、先程寮へと戻ったはずの鳳鈴音がそこに居た。

 


 
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