No.487874

未来から来た子達 董卓√ 火編 前篇

戦国さん

未来から来た子達に登場する未来才が主人公のお話です。この作品に登場するキャラは今後の話にも登場するため、気を付けてくださいw

かなり長いので分けて投稿します

2012-09-24 00:40:49 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:1150   閲覧ユーザー数:1108

これは、董卓軍の『火』の部隊の物語である

 

 

長安の広間には太守である月が座っており、月の目の前には『火』の部隊、副隊長の未来才がいた

 

「それでは、才さんよろしくお願いします」

 

ニッコリと笑う月だが才はなんだか納得いかない顔をしていた

 

「・・・・こういう仕事は望の方が適任だと思うが」

「しかたがありませんよ・・・望さんや一刀さんを含めて殆どの人たちは今、洛陽復興のために建設の設計などで忙しいですし・・・・他に頼める人はいません」

「はぁ・・・・了解した、とりあえず俺はその会議に参加すれば良いんだな」

 

才が任された仕事は長安付近の邑で行われる長老達の会議に参加する事だった。邑と言ってもとても小さくまだできてから間もないという

 

「それで・・・誰が付いて来るんだ?・・・・他の奴らも仕事だろ」

「ええ、護衛の兵を五十・・・それから将の方が才さんの護衛を志望すると言いまして」

「は?わざわざこんな暇な仕事を志望?」

「はい・・・・入ってきてください」

 

月がそう言うと扉から色黒、黒髪のツインテールの少女が入ってきた

 

「お前・・・・あの時の!」

 

才は思い出した・・・・確か、虎牢関の戦いの時、負傷していた彼女を見つけ、連れて帰ったことがあった

 

「はい!董卓軍、山部隊第一部隊の隊員。姓は成、名は廉、真名は((水晶|すいじん))!あの時は本当にありがとうございました!」

 

少女は元気良く自己紹介して、さらに真名も言った

 

「おい、真名まで預ける必要ないだろ。俺は怪我人を運んだだけだ」

「しかし、才様は私の命の恩人です」

「・・・・様?」

 

才は戸惑ったいきなり現われた少女からいきなり真名を預けられ、さらに様付けで呼ばわれた

 

「成廉あn『水晶です!』・・・・・・・・水晶、護衛は確かに助かるが様は勘弁s『ダメです!』・・・・」

 

才が何とか言い方を止めさせようとするが彼女の力強い言葉に押された

 

「私は才様に救われました。この身、爪の一片まであなたのものです」

「・・・・・はあ?!////////」

 

いきなりの彼女の告白に顔を赤くする才

この場に家族がいなくて心のそこから良かったと才は思った

 

「・・・・ええ、それでは才さん・・・・成廉さんと一緒にお願いしますね」

「ちょっと待て月!この仕事h『さあ、才様!張り切って行きましょう』・・・・ちょ!」

 

バタン

 

才は水晶に引きずられるように広間から出て行った

 

「へぅ/////恋する乙女は無敵です」

 

月の独り言はそのまま彼女の心の中に閉まった。そしてしばらくして詠が入ってきた

 

「月、ちょっといいかs・・どうしたの!顔を赤くして!?まさか才が何かしたの!」

「詠ちゃん・・恋ってすごいね」

「はぁ・・・それより、近くの邑で行われる長老たちの会議なんだけど」

「それなら、才さんに任せました」

「才に?・・・・まあ、あいつなら何とかしてくれるわよね」

 

詠は何か考え込むように床を見た

 

 

長安から会議が行われる邑まではそれほど時間が掛からなかった。ちょっとした馬で歩いてから約二時間、ちょっとした旅行みたいに才一行は目的地へ到着した

 

「さて・・・・着いたのは良いが・・・・・・・」

 

才達は辺りを見回した

 

「・・・これは・・・・・・」

 

隣にいた水晶も何て言ってよいのか分からなかった

 

才が見る限り、邑の活気はあまりにも衰退していた

 

「・・・・こんな所で会議ですか・・・・歓迎されていない以前にここの太守は何をしているのでしょうか?」

 

水晶の感想に兵たちも頷いた

 

「・・・・まあ、仕方ない。兵たちは外で待機。俺と水晶が会議に参加する」

「私も良いのですか?」

「お前は俺の護衛だろ・・・・なら仕事は責任持ってやれ」

「御意!」

 

門前には一人の女性が立っていた。おそらくここの兵なのだろう

 

「董卓軍、『火』の部隊、副隊長の未来才だ!今回の会議に参加しに来た!」

「は!お待ちしておりました。案内は某がします」

 

そう言って彼女は他の兵士に命令を出して、才と水晶と共に門をくぐった

 

「さて、入ったのはいいが近くで見ると太守の性格がよく分かるよ」

「分かるのですか?」

「ああ、見る限り。村人の活気が無い、商人の数が少ない、商品の値段が高い、さらに家の所々に壊れたところがある。おそらく喧嘩なんかがあったんだろうな。治安が悪い事は太守が民のことを考えていないことに繋がる」

「なるほど」

 

「やはり、お二人もそう思いますか?」

 

二人の会話に兵が挟んだ

 

「あ、すまん、別に悪口を言っている訳では」

「いいのですよ、あなたが言うとおりここの活気は酷いものです。太守の何顆(かまん)は民のことを考えていませんし、辺りには盗賊が出没しているという情報が入っているのに城に兵をまとめるだけです。そのせいでチンピラが集まって好き放題やっています」

「・・・・・・・・・」

「見えてきました。そろそろ、着きます」

 

門番が指を指すとそこには豪邸が建てられていた

 

「あれが?」

「大きいですね・・・・・」

 

二人が見たのはこの邑には場違いと思うほど立派な豪邸が建てられていた・

 

「太守様は民から巻き上げた金を全て自分のためにつぎ込みました」

「マジかよ!」

「酷いです」

「某たち兵は何とか最低限の生活が出来ますが・・・・・」

「分かった、会議で何とかなるか話してみよう」

「本当ですか!」

「そのためにこんな話をしたんだろ」

「・・・ええ」

会議室

 

「長安からの使者が参りました」

「分かった、通せ」

「御意!」

 

才たちが会議室に入るとそこには豪華な服を着た男達が座っていた

 

「董卓軍、「火」部隊、副隊長、未来才だ・・・・この度、董卓様の代わりにこの会議に参加させていただきます」

「ほう、誰が来るかと思ったらただのガキか・・・・やれやれ董卓様は私たちをなめているようだな」

「貴様等!才様に何て口の聞き方w『水晶!』・・・才様?」

「護衛の暴言、許してください」

 

水晶が持っていた巨大な斧を構えるが、才が止めた

そして才はそのまま頭を下げた

 

「才様!」

「ほう・・・まだ若いがなかなか礼儀がなっているな」

「・・・・・・・」

「それでは、会議を始めよう。自己紹介が遅れた。私はここの太守を任されている何顆だ。以後よろしく」

 

何顆は笑いながら席に着いた。そして、会議が始まってから一刻後

 

「・・・・・・っというわけで我々は董卓様の為に一致団結して支えようと考えている」

「・・・・・・・・・・・」

「才殿はどう考えておりますか?」

「・・・・・はぁ」

「才殿?」

 

会議が終わりかけたときに太守が才に尋ねると才はため息をついたまま席を立った

 

「今回の会議の内容はしっかりと董卓様に伝えておく」

「そうか・・それは良かった。我々は董卓様のためなら何でも献上します。ですからどうか我々を守ってください」

 

才と水晶は会議室を後にして出て行った

 

「才様・・・・会議の内容どうでしたの?私は半分くらいしか分かりませんでしたけど・・・・」

「腐っているな・・・・どいつもこいつも自分のことばっかり考えている」

「・・・・そうですか、どうしましょうあの門番さん」

「ああ、あのジジィ共を説得するのは無理だ。あいつには悪いが俺だけでどうこうできる問題じゃない」

「ですよね」

 

才たちが話しているとの目の前にはあの兵士が待っていた

 

「才殿、どうでしたか会議は?」

「悪い・・・説得は無理だ。とてもじゃないが、民の事を話せる雰囲気ではなかった」

「そう・・・・ですか。仕方ありませんよ、こんな無茶な頼みなんですから」

「・・・・・・なあ、どこか茶店を紹介してくれないか?」

「え?・・・・・構いませんが」

「とりあえず、太守に頼らないで何とかする方法を考えよう」

 

そして、才たちが入ったのは小さな茶店だった

 

「小さいですが味は保障しますよ・・・おじさん、団子をお願いします」

「それじゃ、俺も団子を三本貰うか」

「私は二本で」

「あいよ」

 

店にいた親父は元気良く返事して団子を持ってきた

 

「へぇ、けっこう美味しいな」

「本当ですね・・・・これならあと二十本は食べられます」

「はは、喜んでいただいて光栄です」

「しかしなぁ・・・・これからどうするか・・・・・・」

「一度長安に戻って、このことを董卓様に報告するのはどうでしょう?資金の提供や兵を派遣するなどは出来るのではないでしょうか?」

「それもそうだが、結局あのジジィ達の思惑になっちまう・・・・・水晶、俺はしばらくここに留まる」

「「え?」」

 

水晶と門番は驚いた

 

「俺が出来ることをここで探す。水晶はこの手紙と一緒に兵を引き連れて長安に戻れ」

「え?・・・でも才様・・・よろしいのですか?」

「いいさ、どうせあのジジィ達は俺のことなんてどうでもいいと考えているからな。肝心なのは俺がどう月に説明するかだ」

「しかし、才殿・・・・宿はどうします?・・・長老達に頼みますか?」

「いや、ボロ宿でも構わないから別の宿をさがす。一応金はあるから」

「分かりました・・・・なら、私もここに残ります!」

「おいおい、お前が残ったら兵はどうするんだ」

「兵は大丈夫です・・・・それに私は才様の護衛です」

 

水晶はまっすぐな目で才を見た。才はこういう女性に弱い

 

「はぁ・・・好きにしろ」

「はい!」

 

水晶は一度外に出て一人の董卓兵に才が書いた手紙を渡し、兵士たちは直ちに長安の方へ向かった。

 

「お二方・・本当にいいのですか?こんな邑のためにそこまでしなくてもいいのですよ」

「俺は自分のやりたいことをやるだけだ」

「・・・分かりました。それではこれからこの邑の案内をします」

 

「そういえば、お前の名前を聞いていなかったな」

「これは失礼しました!某、姓は候、名は成。この邑の門番をしています」

「候成だと?!」

 

彼女の名前を聞いた瞬間、脳裏で三国志の歴史を思い出した

 

 

「(候成・・・確か、呂布を裏切った人物だったな・・・・信用できるのか?)」

「あの・・・どうかなされましたか?」

「(だが、ここは俺たちが知っている三国志とはかなり違う・・・董卓もアレだし)」

「才殿!」

「あ・・・ああ、すまん。少し考えていた・・候成、このあたりの案内を頼む」

「御意!それではご案内します」

 

その後、候成たちは邑を回った

 

「こうして見ると、やはり寂れていますね」

「はい・・・ですが、この辺りはまだマシの方です。この奥は更に酷く危険です。ですからこのあたりで引き返しましょう」

「いや・・そこに連れてってくれ」

「え?・・・しかし、この奥は本当に危険です。そこらの盗賊よりも厄介です!」

「それなら、なおさら引き返せねぇな。一番汚れている部分は先に掃除するのが俺のやり方なんでな」

「・・分かりました、なら少し待ってください。某の家がすぐ近くにあります」

 

候成が案内したのはボロイ家だった

 

「某は着替えてきますのでお二方は外で待っていてください。不審な人物がいましたらすぐに声をかけてください」

「分かった」

 

才と水晶が外で待っていると才は何かに気が付いた

 

「・・・何だ?」

「才様、どうされたのです?」

「水晶下がっていろ、囲まれている」

「っな!」

 

 

水晶は急いで自分の武器である巨大な斧を構える

 

「なんや・・・もう気付かれてもうたで。どうするんや羅金(らこん)?」

「相手は男と女・・・大丈夫だろう」

 

才たちの周りには二十人近くのゴロツキが武器を構え、才が屋根の方を見ると、二人の男性が立っているのが見えた。おそらく、この二人が束ねているのだろう

 

「よう、兄ちゃん。女連れてこんなところに来るなんてアホやな」

「金目の物と女を置いていけば無傷で帰させてやるぜ。衣服も全部だが」

 

メガネを掛けた銀髪で関西弁を話す男と何故この時代に?と思う前髪にメッシュがかかった髪を持った男が笑っていた

 

「お前らがこの辺りを束ねている奴か?」

「そうやけどそれがどうした?」

「俺とサシでやり合わないか?」

 

才は大剣を地面に突き刺し、腕を構えた

 

「なんや兄ちゃん、こっち側の人間か。なら面白い」

「おい(ふぇい)!」

「ワイに任せておきな」

 

銀髪の男は屋根から飛び降り才の前に立つ。才は男を見るとすぐに喧嘩馴れしていることが分かった。体中には所々小さな傷跡が残っていた

 

「まだ、名乗っていなかったな。俺は未来才だ」

「ワイは楊奉。この邑の裏通りをあそこにいる宋憲と一緒に束ねている」

 

楊奉は宋憲いうもう一人の男に指を指した

 

「久々の喧嘩や!誰も手をだすなよ!!」

 

 

 

二人は何も言わずに構えた

 

「(・・・才様)」

「(・・・先に動いた方が負けやな)」

 

水晶は才の身を案じ、楊奉は試合の流れを読んだ

 

「おらああ!」

 

先に動いたのは才だった

 

「こいつアホや!」

 

勝負は一瞬だった。才の殴りがクリーンヒットし、楊奉は綺麗に吹き飛ばされた

 

「・・・・嘘だろ・・普通、先に動いた方が負けとかそういう展開になるやろ!」

「さすが才様!」

 

「ああ・・・先に動いた方が負けとか、そういう俺に対してのフラグ的な展開は効かないんだよな」

 

 

 

才の言葉と共に楊奉の体は崩れ落ちるように倒れ込んだ

 

 

 

 

オリキャラ紹介

 

成廉(せいれん)

真名:水晶(すいじん)

武器:戦斧「骸亜」(がいあ)

才の最初の部下。最初は呂布の部隊にいたが、反董卓戦の時に才に救われて一目惚れした。色黒でかなり露出のある格好をしている(スポーツビキニとスカートの下にスパッツを穿いている)。才に忠誠を誓っており、恋愛と忠義の間で時折悩んでいる。董卓軍では一位二位を争うほどの怪力の持ち主。反董卓戦後は、風林火山の火の部隊に配属した。甘い物が大好きで才の作るパフェが何よりの楽しみ。褐色、ツインテール、巨乳、怪力、純粋という萌要素を持つ。戦闘スタイルは才に憧れてからは彼の真似をするようになり、色々と武器の中に仕込みを入れている。イメージ動物は黒犬。

 

 

何顆

 

長安付近にある邑の太守を務めているが、民のことを考えず暴政を続けていた。自分のことしか考えておらず、かなりの野心家でもありいずれ自分が長安を乗っ取ろうと考えている。太守になったころは民のために頑張ろうとしていたが黄巾の乱によって自分の身を守ろうとするだけとなった。

 

 

 

水晶のイメージ


 
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