No.485946

単一の幸福を求めて…第8話

虎知刃さん

真・恋姫無双の二次創作です。

主人公を始めオリキャラ多数、苦手な方は御遠慮下さい。

白斗さんのフラグ集めの旅です。

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2012-09-19 01:18:32 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:1209   閲覧ユーザー数:1134

第8話 白斗の珍道中 その壱

 

白斗「あ~~~…………暇だ………」

 

 果てまで抜ける青い空、浮かぶ雲は眩しいぐらいに真っ白だった。

 

 針の如くそびえる岩の山と、地平の果てまで広がっている赤茶けた荒野。

 

 そして、無人。

 

 もちろん白斗の独り言に答えるものなど、どこにもいない……

 

白斗「次の邑までまだ少し距離もあるしな……そうそう人がいるわけ………………ん?」

 

 

 白斗は遥か前方に集団を発見する。集団は一箇所に留まって、何やら騒いでるように見える。

 

白斗「…………何かと戦ってるようだが」

 

 

 白斗は目をこらして前方の集団を凝視する。

 

 すると集団の中で戦う一人の女性の姿を目撃する。

 

白斗「……おいおい、一人を相手にあの人数かよ。 しかも女性を…男の風上にも置けない奴等だな」

 

 そう言うと白斗は軽身功を発動させて、氣を脚部を中心に巡らせて、一気に加速して荒野を駆ける。

 

 

女の子「でええいっ!」

 

野盗「ぐはぁっ!」

 

女の子「まだまだぁっ!はい!はい!はいー!」

 

野盗「がは……っ!」

 

野盗「ええい、テメェら、女一人に何を手こずって!数でいけ、数で!」

 

野盗

「おおぉぉ!」

 

女の子「はぁ……はぁ……はぁ……。むう…流石に数が多すぎるな」

 

野盗「ぐふぅっ!」

 

女の子「……む?」

 

 突然、野盗の一人が吹き飛ぶ。

 

白斗「はあぁぁぁぁっ!」

 

野盗「げふぅっ!」

 

白斗「大丈夫か!」

 

女の子「え……?あ…………うむ!」

 

白斗「貴様らぁっ! 女性一人によってたかって……卑怯にも程があるぞ! はああああああっ!」

 

野盗「うわぁ……っ! 退却! 退却ーーーっ!」

 

白斗「逃がすか! 全員、殴って反省させてやる!」

 

 白斗の背中にメラメラと青い炎が浮かび上がる。

 

白斗は氣を練り拳に力を込める。

 

白斗「はあぁぁぁぁっ! 天翔龍撃!」

 

 気合いと共に白斗は氣弾を放った。

 

 突きから繰り出された熱い氣の塊は龍を形作り、もの凄い勢いで野盗の集団めがけて飛んでいく。

 

野盗「ぎゃあぁーっ!!!」

 

野盗「うわあぁーっ!!」

 

野盗「ぎゃああぁぁ!」

 

 逃げていた野盗の集団が阿鼻叫喚する。

 

野盗「ぐふっ!!」

 

 ぱたっ。

 

 逃げていた野盗の集団の最後の一人に命中した。

 

 小さなうめき声ののち、野盗はそのまま地面に倒れる。

 

白斗「よし! 見たか女性の敵め!」

 

女の子「……………」

 

 満足げにうなずいている白斗のわきで女性が唖然としていた。

 

 

???「大丈夫ですかー?」

 

白斗「……え?」

 

 突然掛けられたのは、おっとりと間延びした、女の子の声だった。

女の子「危ない所を助けて頂きます感謝します」

 

 もう一人、しっかりした感じの子が白斗に向かって頭を下げる。

 

女の子「ほら風、貴女もきちんと御礼を言って」

 

風「お兄さん、ありがとーございますー。 星ちゃん、いつまでも固まってないでこっちにきたらどうですかー?」

 

白斗「えーっと、君達は…」

 

程立「はい。程立と呼んでくださいー」

 

戯志才「今は戯志才と名乗っております」

 

『程立はともかく、すごく分かりやすい偽名の名乗り方だな…』

 

白斗「程立に、戯志才……ね、俺も今は単福と名乗っている」

 

 白斗は戯志才に習って偽名を名乗る。

 

趙雲「単福殿か、我が名は趙雲」

 

 野盗と戦ってた女の子も白斗に名を名乗る。

 

趙雲「先程は助太刀感謝する、さぞかし名のある武人とお見受けするが?」

 

白斗「武人?嫌、俺は流れ者の軍師だが……」

 

趙雲「……なっ!?」

 

程立「……へ?」

 

戯志才「……なんと」

白斗の発言に三人は驚きの声を上げる。

 

趙雲「……単福殿は冗談がお上手ですな」

 

白斗「失礼だな、これでも水鏡先生という有名な先生に学問を習ったんだぞ?」

 

戯志才「水鏡先生!?」

 

趙雲「知ってるのか?稟」

 

戯志才「ええ…荊州で私塾を開いていると聞いたことがあります」

 

白斗「その私塾で俺も学んでいたわけだ」

 

程立「はあ、人は見掛けによりませんねー」

白斗「…結構失礼だな、おい」

 

 

 なんだかんだで意気投合した四人は行き先が一緒ということもあり近くの邑の酒屋に来ていた。

 

白斗「じゃあ、二人も軍師なのか?」

 

戯志才「ええ」

 

程立「そうですよー」

 

白斗「そうか…戯志才はともかく…程立もか…」

 

程立「むぅ…お兄さんは風のことを侮ってますねー」

 

白斗「いや、そんなことはないぞ?程立が優秀だというのは何となく解る。 ただまあ…何というか…なあ?」

 

戯志才「確かに、風はいつも真面目では無いですからね」

 

程立「ぐー」

 

戯志才「食事中に寝ない!」

 

程立「おおっ!? でもお兄さんも余り軍師に見えませんよね」

 

趙雲「確かに、あれだけ戦える軍師など聞いた事がないな。 水鏡塾という所の軍師は皆がそうなのか?」

 

白斗「いや、そんなことはないぞ?俺がちょっと変わってるだけで、水鏡先生の門下生は他にもいるが戦えるのは俺くらいだ」

 

戯志才「まあ、普通はそうですよね…」

 

程立「お兄さんも風と一緒で変わり者ですねぇ、気が合いそうです」

 

趙雲「そういえば単福殿は天の御遣いというのをご存じか?」

 

白斗「ああ…確か、黒天を切り裂いて、天より飛来する一筋の流星。その流星は天の御遣いを乗せ、乱世を鎮静す。……菅輅っていう占い師の占いだよな?」

 

趙雲「然り、その流星が荊州の南陽に墜ちたそうだ」

 

白斗「へぇ…それじゃあ、その天の御遣いは今は?」

 

戯志才「袁術の客将となっている孫策の元にいるそうですよ」

 

白斗「そいつは一度会ってみたいな……面白い話が聞けそうだ」

 

 そんな感じで四人の会話は続いてゆく…

 

 

 

 

 食事も終わり白斗達は酒屋を出る。

 

戯志才「単福殿はどちらに向かってるのですか?」

 

白斗「俺か?陳留の刺史をしている、曹澡という人物に興味があってね、そちらに向かおうと思ってる」

 

程立「そうですかー、なら風達とは逆方向ですねー」

 

趙雲「我等は陳留の方から来たのです、残念ながら単福殿とはここでお別れですな」

 

白斗「そうか……お互いにまだ士官を探してる途中だ、また何処かで会うこともあるだろうさ」

 

趙雲「その時は、お互い味方同士でありたいものですな」

 

白斗「だな、敵として出会った時には是非とも手加減して貰いたいものだ」

 

趙雲「ふふっ、それは承服しかねますな」

 

 白斗と趙雲達はそう言って笑いながら別れたのだった…

 

 

 趙雲達と別れた後、白斗は邑をぶらついていた。

 

白斗「趙雲に戯志才に程立か……なかなか面白い連中だったな……ああいうのが味方にいれば心強いが………………ん?」

 

 

???「~~~♪~~~♪」

 

 

白斗「これは……歌か?」

 

白斗の耳に何処からか歌が聞こえた。

 

白斗「良い歌だな。何という歌だろう?」

 

 歌の名が気になった白斗は歌声に導かれるように歩きだした。

 

 

???「~~~♪~~~♪」

 

 

白斗「へぇ……」

 

歌声の主は女の子だった。女の子は桃色の髪に黄色い大きなリボン、黄色を基調とした服にこげ茶色のタイトスカートを履いていた。

 

女の子「~~~♪…………誰?」

 

 いつの間にか女の子は歌うのを止めて、白斗の方を見ていた。

 

白斗「邪魔しちゃったかな?」

 

女の子「ううんー、歌の練習してただけだから大丈夫だよー♪」

 

そう言って女の子は笑った。

 

白斗「綺麗な歌だな、何て言う歌なんだ?」

女の子「んー、実はまだ作ったばかりで名前がないの……そうだ!良かったら君が付けてくれない?」

 

白斗「俺が?…いいのか?」

 

女の子「うん♪いいよー」

 

女の子にそう言われた白斗は戸惑いながらも真剣に歌の名前を考えた。

 

白斗「綺麗でありながらも悲しい感じがしたな……それに何処か懐かしい気持ちにもなった…」

 

白斗は暫く悩んでいたが、

 

白斗「………………母親…………「故郷の母を思って…」とかどうだ?」

 

女の子「ふーん……へー……ほー……」

 

女の子が白斗のことを見つめながら白斗の考えた名前を反芻する。

 

白斗「だ、ダメか?」

女の子「うーん……いいよー。合格にしてあげるね♪」

 

白斗「良かった、でもいいのか?俺なんかが考えたので」

 

女の子「うん♪いいよー、それに君かっこいいし♪」

 

白斗「それって関係あるのか?いや、まあ、ありがとう?」

 

女の子「ふふ、どういたしましてー♪」

 

 

 白斗が女の子と少しだけずれた会話をしていると誰かが呼ぶ声が聞こえた。

 

 

???「天和姉さーん!」

 

???「何処ですかー?」

 

 

天和「あっ、ちーちゃんと、れんほーちゃん」

 

白斗「知り合い?」

 

天和「うん♪私の妹だよ」

 

白斗「へぇ、三姉妹なんだな」

 

天和「それじゃー、二人が呼んでるからもう行くね。 あっ!そうだ君、名前は?」

 

白斗「俺か?俺は…徐庶だ」

 

 白斗は一瞬、偽名を名乗ろうとしたが、この子なら大丈夫だろうと判断し、普通に名乗った。

 

張角「徐庶かー♪私はねー、張角って言うの。 それじゃーね、ばいばい♪」

 

 女の子は軽く挨拶を交わすと妹達の方へ走って行った。

 

白斗「張角ちゃんか………………ん?張角?何処かで聞いたような……」

 

 白斗は張角と言う名前に何か引っ掛かるものを感じたがその正体は解らなかった。

 

 

 

 

地和「姉さん、何してたの?」

 

天和「えへへ♪秘密!」

 

人和「変な姉さん」

 

天和「それより、れんほーちゃん、新しい歌の名前決まったよ♪」

地和「それ本当!?姉さん」

 

天和「うん♪名前はね…………」

 

 

そんな風に三姉妹は仲良く、次の邑に向かうのだった…

 

 

 

あとがき

 

第8話終了!

 

今回は旅人特集です!

 

旅は道ずれ世は情け、それでも白斗は一人旅を続けます。

 

一刀さんフラグも立ちました。呉ルートの一刀なので白斗と軍師対決が出来るかも?

 

 

 

今回は作中で白斗が必殺技的なものを使いましたのでその説明をしますね。

 

技名 天翔龍撃

 

撃拳での奥義

 

敵に向かって龍の形をした気を放つ技、敵が多い場合に使用するのがほとんどで、龍の牙が敵を噛み砕く。

敵が密集していれば一度に200~300人は射程に収めることができる。

 

イメージでいえば凪の猛虎蹴撃を強力にした感じですね、ちなみに作中にも書きましたが白斗の氣の色は青なので龍の色は青です。

 

 

 

原作キャラが多くなってきて、なるべくキャラ崩壊しないように書いていますので今後は更新が少し遅くなってくると思います。

 

 

こんな駄文の作品ですが皆様お付き合い下さい。

 

 

鍋が美味しくなってくる今日この頃…

 

それではまた次回~!

 

 


 
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