No.485348

二代目 Mの英雄

第四話

2012-09-17 21:42:59 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:840   閲覧ユーザー数:839

また次の日も、学校では謎の美少女英雄の話で持ちきりだった。

「知ってるか?昨日おもちゃ工場を襲撃したゴリラが居るんだけど、前にピーチ女王を助けた美少女と同じ格好をした美少女が、ゴリラをぶっ飛ばして工場を救ったってさ。」

学校の生徒の一人が、マリーにこう言った。

「うん、知ってるよ、ニュースになってるし。」

(というか、昨日現場にいたし)

マリーがこう考えると、

「折角だしさ、その謎の美少女が何者か調べてみないか?」

クラスの人間がこう言った。マリーが勝手にやってろ、と考えると、

「マリー?お願いできるか?」

と、言われてしまった。

「何でさ?」

(って言うか、まんま本人が目の前にいるんだけど)

マリーがこう考えて抗議すると、

「だってお前アパートの大家さんやってるじゃん。アパートにはいろんな人が集まるんだから、大家さんなら普通に話ができるだろ。」

生徒たちは、家賃回収の合間に聞けばよい、と言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして帰宅後の事である、

「はあ、どうしよう。」

マリーは非常に困っていた。あんな事を言われた以上、調べないわけにはいかないが、だからと言って、自分の正体を明かすわけには行かない。マリオの娘である自分が表舞台に出て行動すれば、マリオが居なくなったことが王国中に知れ渡り、かなりの大パニックになる事が予想されるからだ。

「私はお父様が帰るまでのつなぎなのに。」

マリーがこう呟くと、

「てぇへんだ!!」

誰かがアパートの前を物凄いスピードで駆け抜けて行った、

「配水管にカニやカメが出た!!気を付けろ!!」

そしてマリーは、

「配水管を壊されると少し問題ね。それにカメやカニが蔓延っていたら修理も出来ないし。」

こう呟くと、戦闘用のワンピースを身に着けると、一緒に工具箱を持って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、カニやカメが出た配水管のポイントに来ると、そこにはカメやカニがうじゃうじゃ居た。

「うわぁ、いつにもまして大量ね。」

マリーはこう言うと、

「さっさと追い払って、修理しないと、壊れた部分があるし。そこから発生した激流に蹴り飛ばせば十分ね。」

と呟いて、ポケットから羽のような物を取り出した。

「マントはね、発動!!」

マリーが羽の力を発動させると、背中にマントを装備した姿になった。

「これを使って。」

マリーはこう言って、背中のマントを外すと、それを歩いてくるカニやカメの足元に広げると。

「それ!!」

カメやカニの足が乗ると同時にマントを引き抜き、カメとカニをひっくり返すと、

「元居た場所にお帰り願います!」

こう言って、カメとカニを激流の中に放り込んで、その場から放した。

その調子で多くのカメとカニを配水管から遠ざけると、青い炎や色違いのカメやカニが出るようになった。

「あれはバブルに、それにあれが群れのボス。奴らを何とかすれば大丈夫ね。」

マリーはこう言うと、マントの力を解除すると、代わりに「POW」と書かれたブロックを取り出した。

「POWブロック発動!!」

マリーがブロックを地面に投げつけると、ブロックが地面に落ちた瞬間、物凄い衝撃が発生してカメとカニはひっくり返り、バブルは水しぶきで消えてしまった。

「それじゃあ、お帰り下さい。仲間が待っています。」

マリーはこう言ってカニとカメを持ち上げると、水の中に放り込んだ。その後、

「さてと、あとは配水管の修理をしないと。」

様々な工具を巧みに使いこなし、配水管を修理した。

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、自宅に帰ってから、

「てぇへんだ!!」

誰かがこう叫んでやって来た。マリーのアパートの住人である。

「水道が変になった、直してくれ!」

やって来たノコノコの住人はこう言った。なので、

「了解!」

再びマリーは工具を持って出動した。ただし、普通の服装で、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その様子を見ている者が居た。

「見た?あの子、女子高生なのに配管工も出来るみたいね。」

「さすがはマリオの跡継ぎだな。」

クッパのような甲羅を背負った女のような容姿のカメと、変なメガネが特徴のカメがこう言うと、

「よし、報告に行くか。」

そして二体のカメは、その場を立ち去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして次の日、マリーは昨日の調査を頼んだ生徒に訊かれた、

「どうだった?何か分かった?」

生徒の一人がこう言うと、

「特には、しいて言えば彼女、配管工としての技術があるくらいかな?」

マリーはこう答えた。すると、教室に担任の先生が入って来た。何か落ち着かなげに。皆がどうしたと思うと、

「えーと、今日は転校生を紹介する、くれぐれも粗相の無いようにな。」

先生はこう言って、教室の外に言った。

「それじゃあ、入って来てください。」

すると、教室の扉があいて、短めな金髪が特徴の、一見すれば少女とも見える男子が入って来た。その瞬間、教室中が凍りついた。

「ぶ、ぶ、ブロッサ王子?!!」

皆が一斉にこう言うと、

「自己紹介は不要ですね。僕は確かにブロッサです、王子ですけど、畏まる必要はありません。不慣れなので、色々滅茶苦茶なことはすると思いますが、よろしくお願いします。」

ブロッサがこうあいさつすると、マリーは心で思った。

(大丈夫?というかさようなら、私の青春)

心の中で、自身のバラ色の学園生活と、華やかな青春に別れを告げた。

 


 
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