No.471970

IS学園にもう一人男を追加した ~ 73話

rzthooさん

どうしても、鈴メインの場面を作りたい!

っという訳で、結構、伏線ゼロで突拍子もない展開を用意しております。
(いつもそうだけど・・・)

2012-08-18 16:54:52 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:1564   閲覧ユーザー数:1477

一夏SIDE

 

 

『紅椿』の背中に乗って数分。2機の展開装甲の推進力のおかげで思ったよりも目的地に着いた・・・と言っても、ここが"目的地"なのかは俺には分からないだけど。直感で着たようなものだし・・・

 

「ここが、そうなのか?」

 

一夏

「あ、ああ・・・」

 

・・・箒に言ったら、絶対怒るだろうなぁ。

 

「それで、これからどうするんだ?」

 

一夏

「え、え~と・・・う~ん」

 

そういえば、何で俺はここに来たんだ? それが分からない事には行動のしようが・・・

 

「・・・」

 

ヤバイ! 箒がメチャクチャ睨んでる! ど、どうすればいいんだ、俺は!?

 

白い少女

『向こうだよ、向こう!』

 

一夏

「む、向こう・・・?」

 

森の中に何かあるのだろうか・・・とりあえず、俺はISを解除して深そうな森へと歩を進めた。

 

(一夏はさっきから、何をぶつぶつ言っているのだ・・・?)

 

白い少女

『あっちあっち!』

 

一夏

「・・・おっ!」

 

草木をかき分けていると、地面に人一人分が入れるほどの"穴"を見つけた。

 

一夏

「・・・これは、落とし穴か?」

 

「こんなのにかかる奴がいるのか・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

B

「誰がニセモノだ、ゴラァ!!」

 

本音

「ニセモノのだもん! そうじゃなかったら、"ドッペルゲンガー"だぁ!!」 ←【落とし穴にかかった人】

 

B

「あんだとコラァ!!・・・って、逃げんなテメェ!」

 

本音

「逃げるが勝ちだも~ん! べ~だぁ!」 ←【落とし穴にかかって、迷子になった人】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏

「な、何だよここは・・・?」

 

落とし穴から下りると、その場所は"秘密基地"と思えるほど規模が大きい所だった。

 

一夏

「まさか・・・束さんの?」

 

「まさか・・・姉さんなら、もっと凄いモノを作るはずだ」

 

一夏

「"さらに"・・・」

 

ISまで作って、さらに凄いモノか・・・想像が出来ない。まぁ、作ったら作ったで千冬姉の鉄拳制裁が待っているだろうけど・・・

 

一夏

「・・・それにしても」

 

「? どうした?」

 

一夏

「いや、さっきから俺達"誘導"されてる気がして」

 

と、言った瞬間だった。

 

[ガタンッ!]

 

一夏・箒

「っ!?」

 

天井のシェルターが降りて、俺と箒を引き離した。俺はすぐに通信を開いて箒に呼びかけるが反応がない。どうやら、この基地の壁は通信を遮断するみたいだ・・・

 

一夏

「くそっ、何とかしないと・・・!」

 

マドカ

「心配するな。お前は何もする必要はない」

 

一夏

「っ! 誰だ」

 

声は俺の後ろから発せられていた。気配をまったく感じさせない相手に警戒をしながら、その相手を確認する。

 

一夏

「ち、千冬姉・・・いや、違う。お前は誰だ?」

 

マドカ

「・・・織斑マドカ」

 

一夏

「織斑?」

 

マドカ

「そして・・・」

 

"織斑マドカ"はISを展開させて、ライフルからレーザーの青白い閃光が俺の顔目掛け飛んでくる。俺は咄嗟に雪羅のシールドを出現させ、レーザーを相殺。チリチリと相殺されたレーザーの火花を振り払うように雪片弐型を構え・・・

 

一夏

「あれ?」

 

マドカ

「お前を殺す"モノ"だ。織斑一夏」

 

背後に回った"織斑マドカ"の持つライフルの銃口は、俺の後頭部に押し当てられた。

 

 

 

 

 

 

 

箒SIDE

 

 

「一夏! おい、一夏!」

 

通信で呼びかけても反応がない。このシェルターを破壊しようにも『飛湾(ひえん)』さえも弾く素材だ。たぶん『零落白夜』でも無理だろうな・・・

 

「これからどうすれば・・・」

 

『箒ちゃ~ん! 聞こえる~?」

 

「っ?! 姉さん!?」

 

『は~い! 頼れるお姉さん、束さんだよー! 何かお困りのようだね』

 

「そ、そうです! 一夏とはぐれてしまって、私はどうしたらいいか・・・とりあえず、外に出たいんです」

 

"普通"に姉さんへ相談する。

ただでさえ、なぜ一夏がここに来たのかも知れず、ここまで付いてきてしまったのだ。それに"今更"、だしな・・・

 

『そ~だね~、う~ん・・・"そこ"は"イカレポンチ"が作った場所だからね・・・う~ん』

 

イカレポンチ・・・?

 

(それにしても、姉さんは良くここに通信を開けt・・・って、"姉さん"だから当たり前か・・・)

 

『おー! 箒ちゃんに褒められちゃった!』

 

「こ、心を読まないでください!」

 

『読まなくても、箒ちゃんの事は何だって分かるよん。この通信だって、切っても切れない"赤い糸電話"で繋がっているんだから!』

 

「そうですかー」 ←棒読み

 

『うぅ、その言葉が冷たい・・・あっ、そうだ。箒ちゃん』

 

「何ですか?」

 

『その基地に入った場所から、外に出ればいいんじゃない?』

 

「・・・」

 

い、以外と簡単な事だった・・・

 

『あ♪ もしかして今、顔赤くなっt[ブツッ]・・・』

 

「・・・///」

 

私は黙って、"あの穴"へ向かった・・・なのだが

 

本音

「あ~、ホーホーだぁ!!」

 

・・・何故。お前がここにいる!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「も~、箒ちゃんもちーちゃんも照れなくていいのになぁ~。それに、"イカレポンチ"の基地をハッキングするのだって、一苦労なのに・・・」

 

そう言った束の後ろには、何十本ものマジックハンドが煙をあげて転がっている。束の反応と長時間の使用に耐えられなくなったのだろう。

 

「う~ん、暇だから"あのミサイル"でも、またハッキングしちゃおっかな!」

 

くー

「今度は何をするのですか?」

 

「ん~。ちょっと難易度を上げてっ・・ポチッとな!」

 

 

 

 

 

 

[北西]

 

[ビュン!]

 

シャルロット

「い、今っ!」

 

ダリル

「ああ。今になって機動性が良くなったぞ」

 

セシリア

「ああもう! ただでさえ、数が多いというのに、忙しい相手ですわ!」

 

 

 

[東]

 

「しかも、AICの効力もある・・・」

 

フォルテ

「これはさすがにお手上げッスね・・・」

 

 

 

[南]

 

ナターシャ

「だけど、そこが面白いんだけどね・・・やっぱり数が厳しいかな?」

 

 

 

[南西]

 

三年生徒

「先生! ミサイルの動きが!」

 

真耶

「生徒の皆さんは無理をしないでください! 先生方は生徒達のフォローを!」

 

三年生徒

(な、何か、今日の山田先生・・・)

 

全員の心の中

(頼りになる!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・んん!?」

 

くー

「今度はどうしましたか?」

 

「・・・ううん、何でもな~い」

 

どうしてだろう? 進路を変更したのに起爆時間がピッタリ、IS学園に接触時間と一致してる・・・

 

「まっ、どうでもいっか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユウキ

[ピコピコピコピコ]

 

山田

(こんな時にでもゲームなんて・・・呆れるを通り越して尊敬しますよ)

 

 

 

 

 

【貨物室】

 

 

天井高くに一灯のランプだけが照らしている"かなり広く薄暗い室内"。人ひとりが入れそうな木の箱や鉄製のボックスに隠れ、息を潜める2人の軍人。2人は自分が持つ武器の調子をたびたび確認し、沈黙の中で相手の出方を伺っている。

 

R

「ふぅ・・・っ!」

 

だが、その沈黙は『R』が投げたスモーク手榴弾で破られる。

その手榴弾を、ラウラは拳銃で撃ち抜き、2人の中心でスモークの煙が広がる。『R』はその煙に飛び込んで、サバイバルナイフを手にラウラの背後を取った・・・いや、取ったつもりだった

 

[ヒュッ]

 

R

「っ!?」

 

後ろを取ったはずだった『R』の背後からサバイバルナイフを振るうラウラ。直感で避けた『R』は木の箱に飛び乗り、ラウラの銃撃を避けながら距離を取る。

だが、"金色の眼"が『R』を逃がさない。揺ら揺らと"金色の眼"が『R』に近づき、鈍い銀の光が『R』を襲う。

徐々に煙が晴れて、互いの存在が視覚出来るようになる。

ナイフ同士のぶつかり合いの金属音と拳銃の発砲音が室内に響き、ラウラはナイフで『R』の銃口の射線上をずらし、『R』は手に持っていたナイフを近くの木箱に突き刺してその手でラウラの拳銃を持つ手首を掴む。

 

R

「足がガラ空きですよ!」

 

ラウラ

「なら、お前は手元だ」

 

足払いでラウラは体制を崩し、床に倒れ込むその隙を狙った『R』だったが、ラウラの蹴り上げた足が『R』の手首に当たり、ハンドガンは不安定ながらも天井の電球に引っかかる。

 

ラウラ

[カチャ]

 

R

[スッ]

 

ラウラは拳銃を『R』の眉間に当てる。その同時に『R』はラウラのナイフを持つ腕を踏みつけ、木箱から引き抜いたナイフをラウラの首筋に当てた。

 

R

「流石ですね。私相手にここまで付いてくるなんて」

 

ラウラ

「部隊長が部下に遅れをとっては、示しがつかないだろ」

 

R

「しらばっくれちゃって・・・もう調べはついているんでしょ? "私達の事"」

 

ラウラ

「・・・」

 

R

「勿論、"朝霧獅苑"の事も」

 

ラウラ

「・・・」

 

ギリッと奥歯を噛み締め、拳銃を持つ手に力が籠もるラウラ。それでも、『R』は話しを続ける。

 

R

「悲しい話ですね。部下はテロリストのスパイで、自分が慕う"彼"は、」

 

ラウラ

「言うな!」

 

さらに、拳銃の銃口を『R』の眉間に強く押し付ける。だけども、『R』はその痛みを気にも留めず、先ほどまで微笑んでいた表情は無表情へと変わる。

 

ラウラ

「・・・クラリッサから、聞いた」

 

拳銃を押し付けていた力が弱まり、声が微かに口から零れる。

 

ラウラ

「追求されたらしいな、クラリッサに」

 

R

「ええ、一度だけ・・・それで襲撃の時期が早まりまして。本当は、ラウラ隊長が戻ってきた時に実行する予定でした」

 

ラウラ

「襲撃する理由はラビィーネの奪取と、私達の始末・・・全てウッドの命令か?」

 

R

「ラビィーネは元々の任務です。始末の件は・・・」

 

言葉を詰まらす『R』。その『R』に変わってラウラが話の続きを語る。

 

ラウラ

「ウッドは『シュヴァルツ・ハーゼ』すらも吸収しようとしていた。だが、その交渉が仇となり、逆に利用されて国外追放されそうになった。だから、お前に命じたのだろう? "完膚なきまで潰せ"と」

 

R

「・・・さぁね。それよりも、さっさと続けましょうよ。白兵戦は私の得意分野ですから」

 

『R』はラウラから飛び退いて天井から落ちてきた拳銃で発砲する。

 

ラウラ

「っ!」

 

『越界の瞳(ヴォーダン・オージェ)』の視覚情報が急速に脳へ伝達され、即座に撃たれた銃弾を"拳銃で撃ち弾く"。

 

R

「確かこの箱に・・・あった!」

 

木箱に銃弾で穴を開け、そこから取り出したのは"軽機関銃"。室内で見晴らしの良い位置に置かれている鉄の箱に飛び乗った『R』は、バイポットをたててラウラに向けて撃ちまくる。

ラウラは物陰に隠れるものの、完全に身動きが取れない状態。弾切れを待つしかないと、軽機関銃の発砲音が耳の鼓膜を叩く中で意識を集中させる。

 

[ダダダダダダダダダダダダダ"ッ"ダダダ!!!]

 

ラウラ

「ん?」

 

集中していてせいか、軽機関銃の銃撃音ではない音をラウラは聞き拾った。

 

ラウラ

「上か!」

 

拳銃を音がした所に発砲。弾丸は命中しなかったが牽制にはなったため、"壁に張り付いていた"『R』は近くの物陰に隠れる。

 

ラウラ

(アイツはスパ○ダーマンか・・・)

 

心の中で突っ込みながら、ラウラはマガジンを入れ替えて行動を開始した。その頃、近くの物陰に隠れた『R』は・・・

 

R

(・・・ふぅ~。成功しちゃった、壁張り・・・ふ、ふふっ、ふふふふふっ)

 

まるでスパ○ダーマンのように、自然と壁張りが出来て高揚感と達成感を感じていた。

 

R

(う~ん、どこに隠れたんだろ・・・?)

 

ハンドガンを弄んで音を立てずにラウラを捜索する。すると、『R』はある木箱の前で立ち止まる。

 

R

「・・・」

 

しばらく木箱を確認すると、箱の蓋が少しだけ隙間がある。『R』はニッと笑みを浮かべて・・・

 

R

「おりゃ!」

 

木箱を思いっきり蹴って、一蹴りで木箱をぶち抜いた。だが、壊れた部分から出てきたものは『R』の予想していたものではなく、(何故か)大量のテニスボールだった。

 

R

「っととととと!」

 

大量のボールに足を取られ、挙句にはベルトコンベアのようにボールに運ばれいった『R』。そしてやっと止まったところで・・・

 

ラウラ

「チェックメイト・・・だな」

 

ラウラが拳銃を構えていた。

 

R

「そう、ですね・・・」

 

武器を落として丸腰の『R』は、床に手を付いて壁にもたれかかる。

 

R

「箱の中身、全部確認してたんですね」

 

ラウラ

「お前と戦闘中にな」

 

R

「それで、わざわざ中に入ったような痕跡を見せて・・・子供みたいな罠にかかっちゃいました・・・へへっ」

 

ラウラ

「子供だろうと、甘く見ないことだ・・・さて、もう悔いはないか? 随分、楽しめたようだが」

 

R

「何言ってんですか? ありまくりに決まってるでしょ・・・でも、それぐらいが私に丁度良いですから」

 

ラウラ

「そうか。なら・・・」

 

[バンッ!]

 

銃弾のやまびこが室内に響き、ラウラは拳銃をホルスターに仕舞う。

 

ラウラ

「『亡国機業』のスパイを始末した・・・これより、次の任務を執行する」

 

ぐったりした『R』を担ぎ上げて、床に散乱しているテニスボールに気を配りながら、貨物室の出口を目指す・・・

 

R

「・・・どう、して?」

 

ラウラ

「私に任務を与えたのはほかでもない。"シュヴァルツ・ハーゼ"だ。リリヤ准尉」

 

R

「へ、へへっ・・・あなた、達、甘すぎ・・・」

 

ラウラ

「甘いのはお前だ。戦場で"涙"は通用しないぞ」

 

ラウラの発言で、『R』は自分の頬に流れる涙を指で拭う。そして、自分の身をラウラの背中に預け・・・

 

リリヤ

「・・・す、みません・・・でし、た」

 

涙とともに、零れた言葉は"外れた銃弾"が壁から床に落ちる金属音でかき消された。

 

 

 

 

 

 

 

鈴SIDE

 

 

「・・・」

 

みんな、戦っている・・・それなのに、あたしはのん気にお寝んねか・・・

 

「・・・ふふっ、ふふふっ、ははははっ! ふざけんじゃないっての・・・ふざけんじゃないってぇの!!」

 

あたしは『甲龍』の黒いブレスレットを保健室の壁に叩きつけようとする。だが、突然"ブレスレット自身"が抵抗した。

 

「えっ!? ちょっ!」

 

あっちこっちと暴れる『甲龍』の抑えが効かず、ベットから転げ落ちる鈴。

 

「いったぁ・・・って、あれ?」

 

何、ここ・・・? さっきまで保健室に居たはずなのに・・・

あたしが今、見えている"世界"は、ボロボロになった遺跡の跡地。空は暗雲。荒れた大地。あたしは自分の頬を抓ってみたり、ギプスをはめた右腕を動かしたりしたが、普通に痛みがあった。

 

「そういえば、一夏がこれに似た出来事を言ってたような・・・」

 

確か、臨海学校の時だったかな? 最初はうさんくさかったから流してたけど・・・

 

「・・・[ドンッ!]」

 

「痛っ・・・な、何よ、アンタ?」

 

背後からいきなり背中をドツいた相手は、全身を赤い鎧で纏っている人が立っていた。言うなれば、"竜騎士"みたいな感じ。

 

「誰よ、アンタ?」

 

甲龍(シェンロン)

「・・・甲龍」

 

・・・え?

 

甲龍

「・・・取れ」

 

両手をかざす甲龍の目の前に、いつも愛用している青龍刀は勿論、斧(ハルバード)や剣(カンフー剣)が2本ずつ出現する。

 

甲龍

「・・・手に取り、戦場へ」

 

「・・・」

 

あたしは不思議と抵抗もなく、その武器達に触れようと手を伸ばす。すると、武器達は光の粒子となってあたしの手に吸い込まれる。

 

甲龍

「行こう。我と共に」

 

パァッと甲龍の後ろに光が溢れ出し・・・

 

「え、ちょ・・・」

 

甲龍は強引にあたしの手を引いて、その光の中へ引きずり込んだ・・・


 
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