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No.470142
大崎巧実さん
願えるのなら、このままでいたかった。 このまま『人』として生きたかった。 「イア、教えた通りにやればいい」 「…テッドさ…」 封じられた『狂気』。
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それが『主』のもとへと帰る時、幸せだった時が終わる。 「私には、出来ない…っ」 「躊躇うな!その矢で俺を射れ!」 『いつか』に脅えながら暮らした幸せだった時間。 その時の為に何も知らない彼女に『最期』を託した。 命の終演を告げるのは、彼女であればいいと。 「頼むイア…俺は、お前だけは殺したくない…っ」 狂気に満たされるその中で、唯一願ったのは小さな、小さな幸せだった。 サンホラの同タイトルを聞いて出来た話。 テッドさんは封じられた魔物。 けれどある時その場所に訪れた人間に封印を解かれちゃうんですね。 目を覚ましたテッドは二重にかけられた封印により普通の人として彷徨い、イアと出会う。 魔物の本性は封じられたままだったのでテッドは普通の人間と変わらない状態でイアと幸せに暮らしてた。 このまま人間として生きられたら、とそう思っていたけれど魔物の封印を解かれてしまうんです。 テッドの封じられていた『魔物』としての狂気が彼に戻り、その心のまま人間達を殺していく。 けれどテッド自身もいつかその封印が解かれるだろうと思ってた。自分が目を覚ましたように人がそれを解いてしまうだろうと。 だから彼は自分を倒す為の力をイアに与えた。魔物にとって致命的になる銀の矢。それをイアが扱えるように。 テッドを殺す為だと知らないイアは教えられるまま腕を磨いていく。 テッドはいつか来る最期の時をイアに与えて欲しかった。自分を殺す人は他の誰でもない、愛した人にしたかった。 そして、テッドが魔物へと変貌した時にその事をイアは知るわけです。 最初は当然嫌がるイアだけれど、最後にはテッドの最初で最後の願いを叶える為に矢を放ったわけです。 ちなみに、大昔テッドを封じたのはイアの前世。 同じようにイアに恋したテッドは彼女になら封じられても良いと思ったわけです。 長い時の果てに再びイアと巡り会った事をテッドは知らないけれど、なんとなく心の奥底では気付いていたんじゃないかなぁと思います。 そして、銀の矢に貫かれて弱ったテッドは再び封じられるわけですが。そんな二人の輪廻の物語。
2012-08-14 21:01:25 投稿 / 1280×1024ピクセル
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願えるのなら、このままでいたかった。
このまま『人』として生きたかった。
「イア、教えた通りにやればいい」
「…テッドさ…」
封じられた『狂気』。
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