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IS・B ~インフィニット・ストラトス・ブレイヴ~ 第四章 前編 金髪の美少年?

激突皇さん

第四章 前編

2012-08-04 16:51:48 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3283   閲覧ユーザー数:3248

朝、俺は一夏とダンの席に集まり談笑していた

すると一夏が突然そわそわし始めた

「ん?どうした」

それに気付きダンが聞いてみた

「いや、なんかさっきから視線を感じるんだ」

「ここには本来いない男が三人もいるんだ、注目もされるだろ」

「うーん、なんというかそういうのじゃない気がするんだよな・・・」

一夏、そういうところは鋭いのな

そう、一夏が何故視線を感じているというとみんな今度の学年別トーナメントで優勝すると一夏と付き合えるという噂を聞きつけその優勝賞品と化している一夏を狙っているのだ

「ま、まぁそういうときもあるだろ、ははは・・・」

唯一この中で原因を知っている俺は適当にお茶に濁した

「席に着け、HRを始めるぞ」

織斑先生が来たので自分の席へ戻る

「それでは山田先生、お願いします」

「はい、えぇっと、今日は皆さんに転校生を紹介します」

山田先生のその知らせにざわめく教室

にしても鈴に続いてまた転校生か、多いなここも

「それでは、入ってください」

山田先生に促され入ってきたのは金髪の美少年・・・って美少年!?

「シャルル・デュノアです、フランスから着ました。 この国ではまだ不慣れなことが多いですが皆さん、よろしくお願いします」

そう言って頭を下げる転校生

「お、男・・・?」

クラスの誰かが呟いた

「はい、こちらに僕と同じ境遇の方がいると聞いて本国より転入を・・・」

「き・・・」

まずい、黄色い波動砲が来る!

そう思い耳を両手で塞ぐ

『きゃあーーーーーーーーー!!』

「えぇっ!?」

このクラスの名物、黄色い波動砲こと女子達の叫びに当然驚く転校生

「男子!四人目の男子!!」

「今度は守ってあげたくなるタイプ!」

「うちのクラスにこんなに集まるなんて・・・」

「我が生涯に、一片の悔いなし・・・ガク」

女子達が思い思いの言葉を言う・・・てか一人世紀末覇者がいたぞ

「騒ぐな! デュノア、お前の席は馬神の後ろだ」

織斑先生一喝し女子達を黙らすとダンを指差し転校生を促す

「では、以上でHRを終わる。 各人はすぐに着替えて第2グラウンドに集合。今日は2組と合同でIS模擬戦闘を行う、では解散」

HRを終え教室から先生達が出て行ったと同時に俺と一夏はダンと転校生、シャルル・デュノアの元に向かう

「えっと、織斑君に馬神君、そして風間君だね。 これからよろ・・・」

「挨拶は後だ、一夏、ダン、行くぜ!」

一夏とダンは俺の意図を理解し頷いた、そして俺はデュノアの手を握り着替えを持って教室を出る

「えっ、うぇ!?」

「悪いが悠長にしてられないんでな」

「早くしないと千冬姉に叩かれるぞ」

「それに別の意味でも急がないと・・・!?来たぞ!」

ダンが目の前に待ち構える女子の大群を確認し俺達も構える

「こちら三班!転校生及び男子三名を確認!」

「者ども!出会え出会え!」

一人が無線機らしき物に話しかけたと思ったら次々と女子が現れあっという間に俺達の前後が女子で塞がれる

「くそっ、なんて無駄な行動力!」

「え!?なんでみんな騒いでるの?」

「そりゃあここの男子は俺達だけだからだろ」

デュノアはあぁそうかというを顔して納得したようだ

「みんな、こっちだ!」

ダンが一足先に曲がり角を曲がり俺達を呼ぶ

「よし、走るぞ!一夏、デュノア!」

「おう!」

「う、うん!」

『待ーてーーー!!』

「「「待てと言われて待つヤツはいない!!」」」

「息合ってるね、三人とも・・・」

そんなこんなで朝っぱらから走る羽目になったのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、なんとか撒いたな・・・」

追っ手を振り切り何とか更衣室へたどり着いた俺達は安堵の溜め息をついた

「あ、あの・・・」

「ん?どうした」

気付くとデュノアがもじもじしながらこっちを見ていた

「おい月光、いつまで手繋いでんだ?」

「え?あぁ、悪かったな」

「う、ううん、大丈夫だよ」

「まぁ、とりあえず改めて、俺が織斑一夏だ。 一夏でいいぜ」

「俺は馬神弾だ、ダンと呼んでくれ」

「んで、俺が風間月光だ。 俺も月光でいいぜ」

「うん、僕はシャルル・デュノア。 みんなもシャルルって呼んでね」

「了解、んじゃとっとと着替えるか」

そう言って着替え始めるとシャルルは顔を覆った

「どうした?早く着替えないと遅刻するぞ」

「う、うん、着替えるよ。 でも、その・・・みんなあっち向いてて」

「まぁ男の着替えを眺める趣味はないからいいが・・・」

そう言って俺達はシャルルに背を向けながら着替える

しばらくして着替え終わり、振り返ると既にシャルルは着替え終わっていた

「うお、着替えるの速えな、コツでもあるのか」

そんなシャルルを見て俺はそんなことを聞いた

「いや、別にないよ、はははー」

「にしてもこれ、着るときに裸っていうのがなんか着づらいんだよなぁ。 いろいろ引っかかって」

「ひ、引っかかって!?」

一夏の言葉に顔を真っ赤にして驚くシャルル

「だな、やっぱ女向けに作られてるからじゃないか」

「うぅ・・・・・」

俺がそう言うとシャルルはさらに顔を赤くして俯いた

「シャルルのそれは気やすそうだな」

そこにダンがシャルルのスーツが俺達の者とは違うことに気が付いた

「え?あ、うん、デュノア社のオリジナルだよ」

「デュノア・・・ってことは」

「うん、父が社長をしてるんだ。 一応フランスで一番大きいIS関係の企業だと思う」

「へぇすごいなお前の父さん」

「う、うん・・・」

そう言われるとなぜかシャルルは俯いた

「とりあえずそろそろ行こうぜ」

「そうだった、遅刻したらまた千冬姉に叩かれる!」

「ほら、行くぞ、シャルル」

「あ、うん」

シャルルが暗い顔をしていたのは気になったがひとまず俺達はアリーナに向かった

 

 

 

 

「本日から実習に入る」

無事授業には間に合うことができた、二クラス合同ということもあって人数も多いな

「まずは戦闘を実演してもらおう、凰、オルコット。 専用機持ちならすぐ始められるだろう、前に出ろ」

「めんどいなぁ、なんで私が・・・」

「なんかこういうのは見せ物のようで気が進みませんわね」

セシリアと鈴は文句を言いながら生徒達の前に出てきた

それを見た織斑先生が二人に何か呟いた、ここからじゃよく聞こえんが

「やはりここはイギリス代表候補生、わたくしセシリア・オルコットの出番ですわね!」

「実力の違いを見せる良い機会よね、専用機持ちの!」

・・・なにを言ったのかなんとなく予想が付いた、なぜなら二人は一夏の方をチラチラ見ていたのだった

「先生今なんて言ったんだろうね」

「・・・まぁ、鶴の一声ってとこだろ」

俺の言葉にシャルルは首を傾げた

「ってことはセシリアと鈴の対決ってことか?」

「うふ、鈴さんでは物足りないかもしれませんわね」

「ふふん、そのセリフ、そっくりそのまま返してあげる」

一夏の言葉に二人は早くも戦闘モードになっていた

「慌てるな馬鹿ども、対戦相手は・・・」

「ど、どいてくださーい」

織斑先生が話している途中、上から声がした

「・・・え?」

上を見るとなんと山田先生が降ってきているではないか・・・一夏の上に

「キャアー!」

「うお!?」

突然の出来事に成す術なく一夏は山田先生にぶつかる・・・うん、それだけならよかったんだけどな

「一夏、お前って巨乳好きだったんだな・・・」

「だからって押し倒さなくてもいいんじゃないか?」

「月光!ダン!誤解を招くようなことを言うな!」

とは言っても傍から見たら一夏が山田先生を押し倒しているようにしか見えないからな、しかも手は胸に置いてあるし

「・・・ハッ!」

などとしていると一夏が山田先生から離れ、それまで一夏がいた場所をレーザーが通り抜ける

「ホホホ、残念です、外してしまいましたわ」

振り向くとセシリアが恐いほどの笑顔で一夏にライフルを向けていた

「うおりゃー!」

続いて鈴が一夏に向けて双天牙月を投げる

辛うじて避けるもブーメランのように双天牙月が戻ってきた・・・さらば一夏、お前のことは忘れない

なんて思っていると山田先生がライフルで起動を変えてしまった・・・マジか

「大丈夫ですか、織斑君」

「は、はい」

「すごいですね山田先生、普段からは想像できませんでしたよ」

「山田先生は元代表候補だ、今くらいの射撃は造作もない」

そうだったのか、いやー人は見かけによらないもんだな

「昔のことですよ~、それに候補生止まりでしたし・・・」

「さて小娘どもいつまで惚けている、さっさとはじめるぞ」

「え? あの、2対1で……?」

「いや、さすがにそれは……」

「安心しろ。今のお前たちならすぐ負ける」

その言葉に二人とも火が付いたようで構える

「では・・・はじめ!」

「手加減はしませんわ!」

「さっきのは本気じゃなかったしね!」

「い、行きます!」

三人とも一斉に動き出す、やっぱり山田先生の動きは違うな、勉強になる

隣ではシャルルが織斑先生に質問され山田先生の使っている機体の説明をしているがそんなことは耳に入らなかった

「ちょっと!セシリア邪魔よ!」

「鈴さんこそ、私の邪魔になっていますわよ!」

途中までまともな戦いだったのだがセシリアと鈴がぶつかったことが原因で喧嘩を始めた

そんな隙だらけの相手を見逃すわけもなく二人は山田先生のグレネードで撃墜された

「これで諸君にも教員の実力は理解できただろう、以後は敬意を持って接するように」

うん、やっぱ人は見かけによらねぇな、普通に山田先生かっこよかった

「次にグループとなって実習を行う、グループにはそれぞれ専用機持ちが一人ずつリーダーをすること。 では分かれろ」

そう織斑先生が言うと俺達の周りに女子達が集まる

「織斑君、第一印象から決めてました!」

「風間君、お願いします!」

「馬神君、一緒にがんばろう!」

「デュノア君、わからないとこ教えてください!」

・・・まぁ予想してなかったわけじゃないけどな

その後織斑先生の一喝により出席番号順のグループ分けとなった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほんじゃま、ちゃっちゃと始めるとしますか」

『よろしくおねがいしまーす!』

織斑先生の指示で他の生徒に教えることになった俺達

まぁぶっちゃけ教えたりするのは初めてじゃないしとっととやるとしよう

「一番目のやつ、ISは装着できるか?」

「うん、何度かやったよ」

「んじゃまずは一人で装着してみてくれ」

「はい!」

そう言って訓練機を装着して見せた

「よし、それじゃあ・・・」

「ねぇねぇ、風間君は装着しないの?」

次の指示を出そうとしたら唐突にそんなことを言われる

「ん?やった方がいいか?」

「うん、風間君のIS近くで見てみたいしそれに風間君って装着するときキメゼリフ言うって聞いたからそれも聞いてみたいの」

一人がそう言うと他のやつらも見せて見せてーとせがんできた

「まぁいいぜ」

俺の言葉に喜びだす女子達、なんだ?そんなに有名になってたのかアレ

そんなことを考えつつカードを取り出し掲げる

「貫け、闇夜に光る月の牙! 月光龍 ストライク・ジークヴルム!!」

そう言って俺のIS、ストライクヴルムを装着する

ちなみにこのストライクヴルムというのは先生が機体名を付けろというので俺がその場で考えたストライク・ジークのIS状態のことである

「わぁ・・・」

「かっこいい・・・」

「綺麗・・・」

俺がストライクヴルムを装着すると女子達は俺の姿を見ていろいろ呟いていた

「ん?どうした」

『ううん!なんでもないの!!』

「そ、そうか・・・」

一斉に答えられてその迫力に思わず怯んでしまった

「とりあえず俺がサポートしてやるから動かしてみな」

「了解ー」

そんなこともありつつ順調に指導を進めていく、すると一夏の方がなにやら騒がしくなった

「なんだ?」

気になりその方へ顔を向けるとなんと一夏が箒をお姫様抱っこで運んでいた

「いいなぁ・・・」

「羨ましい・・・」

俺のグループだけでなく他のグループの連中もその光景を見てうっとりしながら呟いていた

見たところ前にやったやつがISを起動させたまま解除した為、次の箒が乗れないと判断した一夏がお姫様抱っこで運んだ、ということらしい

「・・・・・・・・」

その運ばれている箒はめっちゃ顔を赤くしていた

「あー、最初に言っておくが俺はやらねぇぞ」

『えー!!』

「えーじゃない、それにやったら多分織斑先生にひっぱたかれるぜ」

「うっ・・・」

「それは嫌だなぁ・・・」

それを聞くと女子達は冷や汗を掻いて目を泳がせた

「判ったら次、装着して」

「はーい」

そんなこんなで無事授業終了、俺達は使ったISを片付けるように指示された

「ストライク・ジーク、少し手伝ってくれー」

『そのぐらい自分でやれ』

「ちぇ、いけず」

『気色悪いからやめろ』

装着状態のストライク・ジークとそんな会話をしているとシャルルが興味深そうにこちらに近づいてきた

「へぇ、月光のISって会話できるんだ」

「ん?あぁ、まぁこいつはちょっと特別だからな」

「ふーん、どんな風に特別なの?」

なんだやけに聞いてくるな、まぁいいけど

「こいつは元々はISじゃなくてカードなんだ」

そう言いながらカードケースから別のカードを取り出す

「これもISに?」

「いや、ISになれんのはストライク・ジークだけだ。 なんて言えばいいんかな・・・ストライク・ジークに魂が宿って喋れるようになってISにもなれるようにもなった・・・ってとこだな」

「へぇ・・・魂が宿って、か・・・」

そう言ってシャルルはマジマジと俺を見つめる

「なんでそんなに知りたいんだ?」

「えっ?いや、その、親睦を深める為に月光のこと知りたいなぁって」

「ふーん、じゃあ昼、一緒にどうだ?」

「え、いいの?」

「いや、お前が親睦深めたいっていったんだろ。 他にも一夏とかダンも誘ってみんなで食おうぜ」

「う、うん、それじゃあお言葉に甘えて」

シャルルは俺の提案に笑顔で承諾した

よし、じゃあ一夏とダンにも声掛けとくか

そう思い、片付け終わった俺は更衣室へと向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで二人の他に箒、セシリア、鈴も加わり俺達は屋上に来ていた

「・・・どういうことだ?」

「ん?どうした箒」

「いや、なぜ私達はこんな大人数で食べることになったのだ?」

不服そうに箒は言った・・・あぁ、もしかして一夏と一緒に食べる約束してたとかか?そうならちと悪かったか

「みんなで食った方がうまいだろ、それにシャルルと親睦を深めようって月光が誘ったんだ」

一夏がそう言うと箒は恨めしそうにこっちを見てきた

とりあえず片手でスマンというジェスチャーをしておいた

「えぇっと、本当に僕も同席してよかったの?」

「んなモン、いいに決まってるだろ。 んなこと気にしてないでとっとと食おうぜ」

「うん、ありがとう月光」

シャルルは満面の笑顔で礼を言った、うーん、この笑顔を見たらどれだけの女子がときめくんだろ

まぁそんなこんなで食い始める、ちなみに俺等男は購買で適当にパンを買ってきた

「って、あんた達そんなんで足りるの?」

俺達の手にしているものを見て鈴が聞いてきた

「まぁ、授業終わるまでは持つだろ」

「はぁ、しょうがないわね・・・ほら、あんた達にも分けてあげるわよ」

そう言って鈴は自分の弁当箱をこちらに差し出す、その中身は・・・

「おー、酢豚だ」

「へぇ、うまそうだな」

「てか弁当箱ぎっしりだな」

「なに?月光あんたいらないの?」

俺がそう言うと鈴は俺から弁当箱を遠ざけた

「申し訳ありません、私めにも分けてください」

えぇ、速攻で土下座しましたよ、一夏から鈴の酢豚はうまいって聞いていたんだ、なんとしても食わせてもらう

「お前、プライドないのか・・・」

そんな俺を見て一夏は呆れる

「やかましい! プライドで腹は膨れないんだよ!」

「あはは、月光っておもしろいね」

その光景を見てシャルルが笑い、それに便乗してみんなが笑っていた

「お、セシリアのはサンドイッチか」

そこで一夏がセシリアの弁当に気が付く

「あ、はい、よかったらいかがですか?」

「お、いいのか」

「はい、イギリスにもおいしいものがあることを納得してもらいませんとね」

「それなら一つ・・・」

そう言って一夏はセシリアのサンドイッチを一つもらい口に入れる

「!?・・・」

その瞬間一夏の動きが止まった・・・まさか

「どうですか、お口に合いますでしょうか・・・?」

「ア、アァ、ナカナカコセイテキナアジダッタゾ」

・・・やっぱり、これはイギリスの料理が不味いというよりはセシリアの料理が不味いってことだな、多分

「そうですか!?でしたらもっと食べてください!」

「い、いや、それだとセシリアの分がなくなるだろ! それじゃあ悪いよな、一夏!?」

「あ、あぁ!俺はもういいから、セシリアが食べろよ!」

「そうですか?遠慮しなくていいのに・・・」

やや不服そうにするセシリア、そんな中一夏は俺にジェスチャーで礼をしてきた、俺は気にすんな、と返しておいた

「い、一夏!」

そこに箒が大きな声で一夏を呼んだ

「なんだ? 箒」

「わ、私の弁当もどうだ・・・?」

そう言って箒は一夏に弁当を差し出す

「いいのか?」

「あぁ、そもそもお前と食べるために多く作ったんだ、食べてもらわねば困る」

やっぱり約束してたのか、後でちゃんと謝っとくか

「そうか、なら遠慮なく」

一夏は箒の弁当箱からおかずを一つ掴み口に入れる

「おぉ、うまい!」

「ほ、本当か!?」

「あぁ、お前も食ってみろよ」

そう言って箒におかずを差し出す・・・ってこれはまさか!?

「え!?あ、あぁ・・・」

箒も差し出されたおかずを口に入れる

なんてことでしょう、一夏は今や伝説と化しつつある「あーん」を平然とやりとげたのでした

・・・コレナンテギャルゲ?

「・・・うん、悪くないな、うん」

うわぁ、箒すげぇ幸せそう・・・

「これってもしかして日本ではカップルがするっていう「はい、あーん」っていうやつ? 仲睦ましいね」

そこにシャルルがそんなことを言った

「か、かかかかカップルなんて!?」

「そうだぜ、これぐらい幼馴染なんだから普通だろ?」

慌てて否定しようとする箒は一夏のこの発言に表情を凍らせる

「ん?どうした箒」

「・・・月光、ダン、お前達も食え」

「あ、あぁ・・・」

「あ、ありがとう・・・」

すごい不機嫌そうに俺達に弁当を差し出す箒、その表情に俺だけでなくダンまでも圧巻される

「?」

そして一夏は不思議そうな顔で首を傾げていた・・・後で殴っとこう、うん

とまぁこんな感じで俺達は昼食を済ませたのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、授業が終わりいつもの特訓にシャルルも加え、それも終え寮に戻る俺達、すると山田先生から声を掛けられた

「あれ?山田先生どうかしたんですか?」

「実は馬神君とデュノア君の部屋が決まったのでお知らせしようかと思いまして」

あぁ、シャルルが来たからダンの部屋も決まったのか

「で、どういう部屋分けなんですか?やっぱり俺とシャルルが同じ部屋に?」

ダンが山田先生に問う

「いえ、馬神君は織斑君と相部屋になりました」

「えっ?」

そのことに真っ先に驚いたのは箒だった

「ちょ、それじゃあ私は・・・」

「篠ノ之さんは別の部屋に移ってもらいます、もちろん女の子と相部屋ですよ」

「よかったな、これで俺に気を使うことなくなって。 俺もやっぱり男同士の方が気が楽だしな」

その言葉に箒はムッとした

「・・・判りました、これから荷物をまとめてきます、では」

そう言って箒は部屋に戻っていった・・・まぁとりあえず

「痛!なにすんだ月光!?」

「やかましいこのMr.唐変木」

さっきの分も含めてチョップを叩き込んでやりましたよ、えぇ

「それで僕の部屋は・・・?」

「あ、はい、デュノア君は風間君と相部屋です」

なぬ?俺がシャルルと相部屋?

「先生、なんで俺の部屋なんですか?」

「え?月光は僕と相部屋嫌だった?」

「いや、そういうんじゃなくてなんでダンの時に俺と相部屋にしなかったんですか?」

そう、俺の部屋にベッドは二つあり、ダンが来たときに一度思ったのだがこれを機会に聞いてみた

「えーっと、私も詳しくは聞かされてなくて・・・すいません」

うーん、一体どういうことだ?

「いいじゃないか、俺は元々ここに世話になってる身なんだ、学校側にもいろいろあるんだろ」

「まぁ、ダンがそういうなら別にいいが・・・」

「で、ではそういうことですので私はこれで」

そう言って山田先生は立ち去って行った

「まぁ、とりあえず一緒の部屋になったんだ、シャルル、これからよろしくな」

とりあえず気にしないことにしてこれから相部屋になるシャルルに手を差し伸べる

「うん、よろしくね、月光」

シャルルも俺の手を握り返してきた、うん、相部屋の相手としてうまくやっていけそうだ

そんなこんなで俺達は自分達の部屋へと戻っていった・・・部屋の前で荷物をまとめて出て行く箒を見たが、あえて何も言わないことにした

・・・ドンマイ、箒


 
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